日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
33 巻, 3 号
33巻3号(通巻91号)
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
表紙
寄稿
原著
  • 工藤 礼子, 安達 淑子, 金光 幸秀
    2017 年 33 巻 3 号 p. 52-60
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/29
    ジャーナル フリー

     2011年4月~2016年3月の期間、Aがん専門病院で緩和ストーマを造設した272例の患者を対象に、情報を後方視的に収集し、その傾向から緩和ストーマ保有者への看護師の役割を検討した。平均年齢60.6歳、コロストミー150件、イレオストミー120件、ウロストミー2件、術後入院平均日数25.2日、死亡退院20名、他施設への転院や通院変更は61名であった。

     ストーマ造設時の背景と造設後の経過、合併症の発生時期と症状は多様であった。術前には、意思決定を支援し、術後は簡便なケアで適正時期の退院支援を図り、ストーマ合併症への教育、外来でケアを継続し、それぞれの病状や希望に即した支援を提供することが看護師の重要な役割であると示唆された。

症例報告
  • 鈴木 有美, 遠藤 俊吾, 五十畑 則之
    2017 年 33 巻 3 号 p. 61-65
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/29
    ジャーナル フリー

    術後の難治性瘻孔に対するケアを、病棟看護師と外来の皮膚・排泄ケア認定看護師が協働でかかわった症例を経験した。症例は70歳代の男性で、術後の創哆開部に小腸皮膚瘻を形成した。パウチングが困難で、周囲皮膚障害の増悪と頻回の装具の交換のため、管理に難渋した。また皮膚障害による疼痛のために、患者は精神的・身体的苦痛をかかえる状態であった。そこで患者の言動をアセスメントし、適切な看護計画を立案、実施したことで、精神的苦痛の緩和を図り、治療意欲を引き出すことができた。管理困難な瘻孔のケアにおいては患者に統一したケアを提供する必要があるため、写真や図入りの手順書を用いて情報共有することが重要であると考える。

短報
  • 谷川 新太郎, 徳田 雄治, 富田 能弘, 北城 守文, 平塚 義治
    2017 年 33 巻 3 号 p. 66-70
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/29
    ジャーナル フリー

    ストーマサイトマーキングは、術前にストーマの最適な位置を決めておくことである。尿管皮膚瘻術は、尿管への腫瘍浸潤や体格によって、利用できる尿管の長さが決まり、画像での予測決定はできない。また我々の経験上、この術式では腹直筋を通さなくとも、ストーマ傍ヘルニアは起こさず、チューブレス、シングルストーマを作成しやすい。これらより尿管皮膚瘻術のストーマサイトマーキングは、腹直筋外側に範囲で示す方法がよいと考えているため、我々が行っている方法を紹介する。

研究報告
  • 茂野 敬, 梅村 俊彰, 伊井 みず穂, 安田 智美, 道券 夕紀子
    2017 年 33 巻 3 号 p. 71-80
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/29
    ジャーナル フリー

    退院後のストーマ保有者を対象に、ストーマセルフケア状況と不安、QOLとの関連を検討することを目的として質問紙調査を行った。ストーマセルフケア状況は、「基本的ストーマケア」、「判断に基づくストーマケア」、「社会おける行動」の3因子に分類し、多元配置分散分析、Bonferroniの多重比較を用いて分析を行った。その結果、ストーマセルフケア状況が退院後のストーマ保有者の不安やQOLに関連していることが明らかとなった。中でも、入院中は、「基本的ストーマケア」、「社会における行動」を重視した指導を行い、退院後も継続した支援・サポートを行うことにより、退院後のストーマ保有者の不安を軽減し、QOLを保つことができる可能性が示された。

  • 小林 和世, 賀屋 仁, 相澤 卓, 松原 康美, 柴崎 真澄, 山名 哲郎, 積 美保子, 山口 健哉, 松岡 弘芳, 松岡 美木, 宮本 ...
    2017 年 33 巻 3 号 p. 81-86
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/29
    ジャーナル フリー

    在宅のストーマ保有者の実態、訪問看護ステーションと医療機関との連携、在宅ケアでの課題を調査した。今回、北海道全域に訪問看護事業所を持つ北海道総合在宅ケア事業団の協力を得て実態調査を行った結果、ストーマ保有者は都市部、地方の区別なく分布しているが、皮膚障害などが発生した場合、十分な相談体制がない現状があることがわかった。また、基礎講習会に参加したくても、訪問看護i事業所では参加が難しい現状があることがわかった。

地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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