【目的】低位前方切除後症候群(low anterior resection syndrome:LARS)に対する多職種協働による治療成績を検討する。
【方法】2018年5月~2024年12月に排便機能外来を受診したLARS患者を対象に後方視的に解析した。治療法は薬物療法、バイオフィードバック(biofeedback:BF)療法、経肛門的洗腸療法(transanal irrigation:TAI)、仙骨神経刺激療法(sacral neuromodulation:SNM)、ストーマ造設術、その他外科的治療に関して評価した。治療効果はLARSスコアと便失禁特異的QOL評価尺度(Japanese version of fecal incontinence quality of life scale:JFIQL)で評価した。
【結果】対象は56例(男41例、年齢中央値61歳)で、肛門使用開始後から受診までの期間は中央値14.4ヵ月で、初診時のLARSスコアは中央値38点、Major LARS率85%であった。治療は52例(93%)に実施され、治療法は重複を含めて薬物療法48例(86%)、BF療法2例(4%)、TAI6例(11%)、SNM 1例(2%)、直腸脱修復術1例(2%)、ストーマ造設術7例(13%)であった。治療前後のLARSスコア(n=47)とJFIQL(n=46)は各々、中央値38点から36点(p=0.005)、2.1点から2.8点(p=0.0005)と有意に改善した。
【結論】LARSに対して多職種協働によって様々な治療法を適切に実施することで、症状とQOLの改善が得られることが示された。
抄録全体を表示