日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第53回研究発表大会
選択された号の論文の229件中1~50を表示しています
  • 松岡 由幸
    セッションID: A01
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    従来,デザイン学研究は対象に依存したデザイン方法や技術の研究が主流であり,デザイン対象に依存しない一般性を有するデザイン理論や方法論に関する研究はいまだ少ない.吉川らの一般設計学はその基盤をなすものであるが,デザイン学研究の体系化のためには,これにつづくさらなる研究が不可欠となる.本報では,今後のデザイン学研究の体系化の一助とすべく,まず,インダストリアルデザインとエンジニアリングデザインの特徴に関して,歴史,デザイン対象,利用する知識と推論,およびデザイン過程の観点から比較を行った.つぎに,これら二つのデザインの双方において,上流過程では「創発デザイン」が,下流過程では「最適デザイン」が行われることを示し,両者の相違点について述べた.最後に,二つのデザインの比較結果をもとに,両者を包含した階層型デザインモデルを提示し,同モデルに基づく二つのデザインの比較を行うとともに,デザイン科学研究の統合フレームワークとしての活用の可能性を示唆した.
  • 氏家 良樹, 松岡 由幸
    セッションID: A02
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    工業製品のスタイリングに幅広く活用されている曲線形状のデザインにおいては,全体の特徴を巨視的に認知しようとするヒトの認知特性から,曲線形状のマクロ情報の把握と操作が重要となる.しかし,CADをはじめとする現行の設計支援システムにおいては,寸法や曲率など,曲線形状のミクロな特徴を表現する形状情報の提示が主流であり,マクロ情報の把握はデザイナや設計者にその多くを依存している.さらに,マクロ情報を操作するための具体的な方法が存在しないため,意図したマクロ情報を有する曲線形状を作成するために,デザイナや設計者は試行錯誤を繰り返す必要がある.そのため,曲線デザインにおいては,マクロ情報を定量的に表現する方法と,マクロ情報を操作する具体的な支援方法が望まれている.本報では,まず,工業デザインと工学設計を統括する階層型デザインモデルの観点から,形のマクロ情報研究における指針を示した.つぎに,曲率積分と多重解像度表現を用いたマクロ情報「複雑さ」の定量化法と,遺伝的アルゴリズムを用いたその曲線形状生成への応用について述べ,曲線デザインにおける新しい支援方法の可能性を示した.
  • 加藤 健郎, 戸澤 和高, 野村 雄二, 氏家 良樹, 松岡 由幸
    セッションID: A03
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
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    近年の急速なニーズの変化や,国際化による市場の拡大に伴い,多様なユーザ特性や使用環境(以下,多様場と称する)においても機能を安定的に確保できる製品の設計法が求められている.本研究では,様々なばらつきに対して機能の安定性を確保するロバスト設計法を拡張し,多様場対応型ロバスト設計法を提案した.そして,提案した設計法を自動車用シートの設計問題へ適用し,その適用可能性を示唆した.まず,設計要素間の関係を適切に把握し設計の効率化をはかる4階層QFDと,ばらつきの確率分布を考慮し非正規分布型目標特性に対応可能なロバスト指標から成る多様場対応型ロバスト設計法を提案した.次に,提案した設計法を用いて自動車用シートのロバスト最適化を行い,乗員の体格や着座姿勢の多様場において尻滑り現象を防止し,乗員の不快感を低減するシートを試作した.最後に,試作したシートを用いて台上試験および実車走行試験を行い,その官能評価結果によりロバスト解の有効性と本設計法の適用可能性を示唆した.さらに,本設計法の応用により,ロバスト性を大幅に向上させるシートクッションとシートバックの連動機構を提示した.
  • 野村 悠二, 栃澤 光彦, 氏家 良樹, 松岡 由幸
    セッションID: A04
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    デザイン行為は,デザイン上流過程における構造モデル構築と下流過程における数学モデル構築を経て進められていく.従来の研究においては,構造モデル構築と数学モデル構築の各々を支援するデザイン方法は提案されているものの,両者を包含したデザイン方法は提案されていない.そこで,本研究では,松岡により提案されている,デザイン上流過程と下流過程の包括的な扱いが可能な階層型デザインモデルに注目した.まず,階層型デザインモデルの特徴を反映するとともに副次的な影響を明確に把握できる構造モデルの構築方法として4階層QFDを提案した.つぎに,数学モデル構築に必要となる目標特性とそれに関係するデザイン因子の選択方法を提案することにより,構造モデル構築と数学モデル構築を包含するデザイン方法を提案した.そして,提案したデザイン方法を,自動車シートデザインに適用した.その結果,デザイン要素間の関係を明確に把握することと,適切なデザイン因子を選択することができた.これにより,構造モデル構築と数学モデル構築の両者を包含する本デザイン方法の適用可能性が示唆された.
  • 井上 全人, 佐藤 浩一郎, 武藤 和夫, 佐藤 尽, 松岡 由幸
    セッションID: A05
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    設計者やデザイナは,不明確な設計目標や設計条件のもと,大域的な解探索を行うことにより多様な設計解(以下,多様解)を導出し,設計過程の進行とともに設計目標を徐々に明確化することにより最終的な設計解やデザイン案を創出する.従来の工学設計方法は,最適化法を用いることで設定した設計目標や設計条件下における最適な唯一解を導出してきた.しかしながら,設計目標や設計条件が不明確なもとでの多様解の導出は,現状では設計者やデザイナの経験や直観に依存している.本研究においては,多様解を導出する新たな設計方法である創発に基づく設計方法(以下,創発設計方法)を提案するとともに,提案した創発設計方法に基づく多様解導出システムを示す.そして,本システムと従来の最適化法により導出された解を比較することにより本設計方法の多様解導出の可能性を示す.
  • 佐藤 浩一郎, 松岡 由幸, 井上 全人
    セッションID: A06
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    概念設計や基本設計と呼ばれる設計上流過程では,設計目標が不明確なため,大域的な解探索により多様解を導出する.現状の多様解導出方法は,設計者の経験や知識に依存しており,さらに,人間の実体験が少ない非日常的な設計環境下においては,優れたデザイナや設計者であっても的確に設計解を発想することは難しい.筆者らは,生物の多様な形態形成を生起させる発生特性である誘導と頂部支配を応用することにより多様な解候補を導出するボトムアップ過程と導出された解候補を最適化するトップダウン過程の2つの過程を有する創発設計方法を提案した.本研究では,提案した方法に基づいた多様な3次元形状を生成する創発設計システムの構築に向けて,本システムを人工股関節開発へ適用する.本システムと従来の最適化法から導出される解を比較した結果,本システムによる解は2つの過程を経ることにより従来の最適化法と同等の強度を保持しながら軽量化された多様解が導出され,本システムの人工物設計への適用可能性を示した.
  • 佐藤 尽, 武藤 和夫, 藤井 隆之, 佐藤 浩一郎, 井上 全人, 松岡 由幸
    セッションID: A07
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    車体軽量化のために,新車体骨格開発が求められている.しかしながら,開発初期の設計上流過程においては,設計変数や制約条件が不明確なため,従来の最適化法による骨格生成は難しい.本研究では,過去に提案された設計上流過程に適用可能な多様な解候補を導出するボトムアップ過程と導出された解候補を最適化するトップダウン過程の2つの過程を有する創発設計方法に基づいた創発設計システムを車体骨格生成に適用し,新車体骨格開発に向けた指針を示すことを目的とする.そのために,創発設計システムのボトムアップ過程においては生物の多様な形態形成に関わる発生特性である誘導と頂部支配を応用しており,車体骨格生成に対する入力パラメータである頂部支配について解析を行った.頂部は形状生成の傾向に特に支配的な影響を与える設計の基準点であり,その個数および位置の決定方法を示した.さらに,本システムによる解と従来解を比較することにより,本システムの新車体骨格開発の可能性を示した.
  • Georgi Ventseslavov Georgiev, Yukari Nagai, Toshiharu Taura
    セッションID: A08
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    Meanings of graphic design symbols and logos are described in morphological levels and visual references categories. Structure in morphology of symbol in three main levels and their connection with visual references classification are shown from a viewpoint of information design process activities. Describing the Multiple meanings implementation for shown example in symbol design process is classified them in levels and categories. There is given example classification with existing logotype. Analyzing the stages of designing symbols and extracting the example strategy for implementing Multiple meanings, a method for supporting multiple meanings in graphic design symbols is proposed for aiding a graphic design practices.
  • 田浦 俊春
    セッションID: A09
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、設計方法論の体系化の方向について、新たな考え方を提案する。まず、ドイツを中心に提案されている設計方法論をとりあげ、創意工夫に関連の強い概念生成プロセスを対象に、その問題点を分析する。次に、設計手順の本質のある部分は、いくつかの基本プロセスに還元できると仮定し、設計基本プロセスとその原理に基づく、新たな体系化の方向について述べる。かりに、この仮定が成立するならば、設計手順はこれらの基本プロセスを組み合わせとして説明でき、これらの基本プロセスをもとに、具体的な設計手順を再構築できると考えられるからである。具体的には、基本プロセスとして、(1)「概念の抽象化と具体化のプロセス」、(2)「概念の合成と分解のプロセス」、(3)「主題的視点に基づく人概念とモノ概念の統合化のプロセス」、(4)「設計空間の生成プロセス」の4つのプロセスを設定した。さらに、この基本プロセスの視点から現在の設計方法論を分析し、その意味を明らかにすることを試みた。
  • 永井 由佳里
    セッションID: A10
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    創造性という観点からデザインにおける思考過程の特徴が何であるかを求めるために、概念間の関係に着目し、デザイン創造実験を行った。実験課題は概念融合によるデザインコンセプトの創出である。デザインプロセス中に概念をどのように結びつけて探索しているか、発話思考法とインタヴューによるプロトコル分析を行う。3人の被験者から15のデザイン案が得られ、創造性評価の結果、そのうち9つのデザイン案が創造的なデザインであると判定された。これらについてその思考プロセスを概念間の距離に着目して分析し、つぎにそのプロセスにおける概念間の関係が分類学的関連によるのか、主題的関連によるのかを調べた。さらに、概念間距離から思考空間の拡張度を算出し、創造性の高さと評価結果との相関をみると、明らかに正の相関が見られた。結果から、創造性の高いデザインプロセスの特徴は、概念と概念を主題的に結びつけながら探索を行い、そのため思考空間が有意に広がっていることが分かった。この概念間の主題的関連の際、動作や環境を表す言葉が頻繁に現れることから、概念の連想についてさらに調べていきたい。
  • 西出 隆祐, 橋本 康司, 佐野 孝太郎, 南 和幸, 三谷 忠興, 永井 由佳里, 田浦 俊春
    セッションID: A11
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    有機ELには、ただ照らすだけの照明としてではなく、魅せる照明としての可能性があると考えられている。本研究においては、光源や色、光り方の違いによる比較、そして試作した和の空間において、有機ELの光が人にどのような効果を与えるかを検証した。SD法を用いて評価を行った結果、有機ELの光とゆらぎによる明滅が人をリラックスさせる効果に有効であり、空間デザインと融合させることにより、有機ELの特徴を活かすことができるとわかった。有機EL基板を様々な形状にし、色の濃淡を基板の膜厚により調整し、最適な駆動方法を追求することにより、より人が癒しを感じる空間の創出が期待できる。
  • 十時 宏之, 西出 隆祐, 三谷 忠興, 永井 由佳里, 田浦 俊春
    セッションID: A12
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    癒される空間提案とは、快適な空間の追求であり、科学的側面と感性的側面による考察が必要である。印象派等の文献調査からキーワードとして「水」と「光」を抽出する。デザインイメージから「波のかたち」を導き出し、“柔らかさ・丸さ”より、照明の基板形状の試作と空間デザインのコンセプトをまとめ、光の明滅パターンにより、癒される空間「漂う波」をデザインする。提案した光によって、人が実際にどのように癒されるか、主観評価などの方法で評価を行い、それに基づき制作したデザインを検証する。本研究により、今後、より快適な生活空間の演出方法として、有機ELの光による癒しの効果を取りいれていく方法が示唆された。
  • Chang-Ching LIU, Yukari NAGAI, Toshiharu TAURA
    セッションID: A13
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    In now such an advanced world, we know that only get creativity then stand on a vantage point. In facts, every person really gets innate imagination, however the wrong education method often model everyone into the same mold. Besides, now very advanced countries combine multiple art activities plan an integrity art education course system; moreover, they advocate art education should rely mainly on inspiring, prompting, guiding and cultivate children's imagination, creativity, observation and practice ability. Therefore, to realize how to keep, encourage and cultivate their imagination, is the emphasis in the research.
  • 森田 純哉, 三輪 和久
    セッションID: A14
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では、現実世界における創造的思考を研究するための、新たな方法を提案する。我々の実験では、被験者は手がかりとなる物語を提示された。そして、そこから、日常生活で学習した事例を想起した。その後に、想起された事例の有用性を評定した。想起された事例について、2種類の類似度を算出した。表層的類似度と構造的類似度である。結果、表層的類似度は、想起された事例の全体的な結果をよく説明した。それに対して、構造的類似度は、有用性の評定値と強い関連をもった。これらの結果は、構造写像理論と一貫するものである。
  • 繁田 智行, 須永 剛司
    セッションID: A15
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    人びとの活動は、人びとの置かれた状況や、環境の影響によって大きく変化する。
    情報デザインは、コミュニケーションのデザインを行う事によって、活動のための状況や、
    環境もデザインの対象にしている。本研究では、人びとの活動を広げ、引き立てる状況や環境を、
    活動のためのプラットフォームと呼ぶ。本研究の目的は、プラットフォームの設計に焦点を当て、
    具体的事例を通して、その形作られる過程を明らかにして行く事である。
  • 五十嵐 浩也
    セッションID: A16
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    生命システムとしてのオートポイエーシスを基盤としたデザイン体系の構築が本論文の目的である。人間と人工物を含めたシステムをオートポイエーシスの観点から解き明かし、そのシステム内の要素の挙動を記述することができれば、従来のデザインでは説明不可能であった、情報や動きを内包するシステムのデザインを説明することができる。さらに、人間の身体化の視点を加えることによってデザインが「身体化」への導入方法であるという、デザインの意味を与えることができる。
  • 田中 隆充
    セッションID: A17
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、デザインプロセスの上流における発散的思考過程の支援方法に関する研究であり、従来経験的に用いられていた否定表現的な発想支援を、一般設計学における知見を基礎とし、言語学における否定表現研究などの成果をふまえて理論的に据え直した研究である。デザインプロセスの中に要求概念に対応するユーティリティーおよび実態概念に対応するコンフィグレーションという中位の抽象度を持つ概念を新たに規定し、これに否定表現を与えることにより既成概念を適度の逸脱した探索空間を与えうることを考えた。本研究では、美術専攻の学生を対象としたデザイン教育において、「タマゴのパッケージをデザインしなさい」という課題を、タマゴのパッケージの既成概念を言語的概念表現レベルで否定表現化し、発散的思考の効果が得られるか事例を通して探索する。また、デザイン専攻を希望する学生以外も含まれており、必ずしもデザイナーになるとは限らないいわば非職能レベルを対象者に発散的思考が示されるかを考察する。
  • 石井 成郎, 藤吉 弘亘, 藤井 隆司, 鈴木 裕利
    セッションID: A18
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    近年、大学や高専などの工学教育では、「ものづくり」の体験を通して学習者の創造的な態度を育成する、プロジェクト形式の授業実践が盛んに実施されている。我々は、これまでそれら創造性教育の一環として、LEGO Mindstormsを用いたロボット製作を題材に、創造的な活動に関する知識・スキルを体得することを目的とした授業実践に取り組んできた。本稿では、中部大学において実施した創造性教育の概要について述べ、その学習効果について、学習者のアイデア産出に注目した客観的評価を行った。その結果、これらの実践を通して学習者の創造活動をある程度改善させることができたことが確認された。
  • べ ジンソク, 笠尾 敦司
    セッションID: A19
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    マンガの定形的表現(マングル)を様々なコミュニケーションに生かす方法に関する研究を行っている。マンガの特徴として特筆すべきは、定形化された表現(マングル)が多用されていることである。それは、登場人物の感情を分かりやすく、かつ豊かにしている。代表的なのが、汗である。熱さだけでなく、驚きや不安、あせりや緊張といった心理描写を巧みに表現している。また、恋愛感情を表すハートや怒りを表す青筋(怒りマーク)など、ストーリーの中でも重要な場面で効果的に使用されており、登場人物の感情を強調しているだけではなく、登場人物の置かれている状況も表現している。我々はこのマングルを顔写真から作った線画に加えた物を作り、それに「マンガフェース(MANGAFACE)」と名付けた。このマンガフェースを絵文字の様に携帯で送り合うコミュニケーションも企画している。そのため、マングルのマンガもしくはマンガ以外でも利用のされ方、またそれらの日・韓での違いについて予備調査し、さらにマン符の感情表現としての効果に関する実験を行った。本発表では以上の結果とマンガフェースでの利用に関して述べる。
  • 田中 佐代子, ヴェステンドルプ ピート, マイクセナール ポール
    セッションID: A20
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、あるタイプの公共施設のサインシステムが他のタイプの公共施設に有効に用いることができるかどうかを確かめるために、異なる建物に用いられたサインシステムを比較することである。そのためにオランダにおける美術館など様々な公共施設のサインシステムを調査した。ここでは公共施設のサインシステムにおける要素の分析を中心に行った。
     建物の種類を二つの主なタイプに分類し、さらにそれらの建物のルートを5つのタイプに分類した。そしてナンバーリング、フロアマップ、Directory、ランドマーク、ピクトグラム、カラー、タイポグラフィなどの要素を分析した。様々な施設のためのサインシステムの使用において、多くの注目すべき相違点が見出された。デパートと病院だけがサインシステムの要素としてDirectoryが用いられていた。またすべての施設は非常口、禁止・注意、消火設備を示すためにピクトグラムが使用されていた。しかしいくつかの公共施設ではトイレの表示など、ピクトグラムを使わずに文字だけが使用されていた。
  • 山崎 一矢, 宮崎 紀郎, 玉垣 庸一, 桐谷 佳惠, 小原 康裕
    セッションID: A21
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    コンビニエンスストアなどの小売店鋪では、非計画購入やカテゴリーレベルの計画購入、つまり予め購入する商品を考えていないことや、どのような商品を購入するかは決定しているが、どの商品を購入するかを決定していないことが多い。そのため購入商品決定時における広告は、高い広告効果が期待できると考えられるが、現在こうした広告は行われていない。そこで本研究では携帯電話を用い、コンビニエンスストアの店頭でユーザーにより取得される広告システムの提案をしました。
  • 池田 岳久, 須永 剛司, 鈴木 梨香, 豊田 由美
    セッションID: A22
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    情報コミュニケーション技術の産物は、「ケータイ」をキーワードにこれまで在宅で行っていた情報活動を、携帯電話と複合化した機能で支えるプロダクトやサービスに進化している。しかし、それらの多くが、技術革新にともなわれた従来機能の置き換えや、軽量小型化による機能の寄せ集め的複合化という感は否めない。人々の新しい活動を支えるユーザ経験(User Experience (UE))のデザインをともなったものが少ないのである。本稿では、日常体験の記録と編集による商品購買支援サービスのデザイン事例を紹介する。そこから、技術をシーズとしてソリュションを描き出すデザインの方法ではなく、UEを描くことからはじまるデザインのプロセスについて考察する。特に、構想する活動をデザイナー自身が実体験することから、「活動する主体の視点でその意味と価値を把握する」こと「活動を基盤とするデザイン開発(須永2003)」の有効性を示す。
  • 須永 剛司, 堀江 政広, 須永 公清
    セッションID: A23
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    今日、電子メディアとネットワークの普及により、自分たちの体験を記録し容易に発信できるようになってきた。たとえば、デジタルカメラや携帯電話、それらに実装された動画像記録機能、あるいは街に置かれた「プリクラ」などが、人々の日常表現としての記録を可能にしている。しかし、これら表現の普及の前には、それら機器やソフトウエア操作の複雑さや、大量画像の管理方法などにさまざまな問題が残されている。また、表現のためのリテラシーも不十分であり、それら表現コンテンツも基本的に個人や仲間の閲覧から外に広がることは少ない。さらに集積した表現を「地域社会の知」とすべく表現群に相互関係を付与することや、多様な表現を鑑賞し新たな表現としてそれらを再構成する可能性も求められている。本稿では、これら課題への解探索の試みとして行った、北海道十勝に開館する「とかち田園空間博物館」情報システムのデザインを紹介する。そこから、人々と社会が利活用する情報システムのデザイン開発のために必要となる枠組み、「技術システム」と「活動システム」という2種類のデザイン問題を扱う枠組みについて考察する。
  • 小林 洋平, 阿部 眞理, 戸塚 泰幸
    セッションID: B01
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    木材は、木理や杢といった視覚的な特性を持つ。木理とは、縦断面に現れた構成組織や年輪の配列の状態をいう。また、杢は、装飾的価値を有する木理を指す。本研究では、建具材として用いられる木材の木理および杢を、SD法により視覚における感覚評価を行った。被験者は木材および木理を取り扱っている専門家および一般ユーザーである大学生とした。因子分析の結果、5因子が抽出され、プロと一般ユーザーの因子にも差がみられた。
  • 山田 美鈴, 白石 照美
    セッションID: B02
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    シックハウス症候群などの問題から、内装材として自然素材が使用されること増えている。中でも、その肌合いや吸放湿性などの特徴から、無垢の木材のよさが見直されている。本研究では、壁材として使用される場合における木材の状態が与える、空間の見えの大きさや空間の心理的イメージへ与える影響を明らかにする。今回は、様々な要因のうち、木材の方向と高さが室内空間の見えの大きさに与える影響について模型を用いて検討する。今回の実験では、木材の使い方で室内空間の見え方に錯視が生じていることが確認された。このうち、木材の高さは、方向よりも室内空間の見え方に強く影響することが明らかとなった。今後、 今回の実験と同様の刺激条件を用いて感覚評価実験を行う。そして、各条件が空間の心理的イメージに与える影響を明らかにしたい。
  • 赤松 明
    セッションID: B03
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    技能五輪国際大会は,国際技能競技大会(World Skills Competition)のことである。1950年にスペインの職業青年団が提唱しポルトガルとの間で各12人の選手によって技能を競い合ったことが始まりである。年々参加国及び参加選手が増え,若い技能労働者の世界的な競技大会として発展し,38回を数えるようになった。この大会は,参加各国の職業訓練の振興と青年技能者の国際交流ならびに親善を図ることとを目的とし,国際職業訓練機構によって運営され,加盟各国から公式代表及び技術代表によって構成されている。そして,現在2年に1度(奇数年)開催されている。大会の参加資格は大会開催年に22歳以下であることとなっている。この世界大会に参加する選手は,国際大会が開催される前年の技能五輪全国大会の優勝者とされ,我国も第11回大会から参加している。そこで,技能五輪の現状(37回スイス大会・38回フィンランド大会を例として)について報告する。
  • 車 政弘
    セッションID: B04
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    柏崎栄助のデザイン活動は1沖縄紅房での活動,2理研化学,3東京樹脂,4長崎県での陶磁器デザイン,5福岡特殊硝子,6竹の編祖品,7筑後花筵などと沖縄や宮崎での活動が挙げられるが,地域デザイン振興の組織者としての足跡が大きい。その一つは佐賀・長崎を中心として活動が続く九州陶磁器デザイナー協会へのきっかけを作り,そして九州クラフトデザイナー協会の設立と初代理事長を勤め,九州デザインコミッティーの初代理事長となるなど,九州・沖縄のデザイン界の第1期を作り上げたことである。特に現・九州クラフトデザイン協会は問題を抱えつつも40年の長い歴史を持つ。これは柏崎がデザイナーであることに加え,株式会社岩田屋の顧問として,流通・販売の現場を指導・助言する立場にいたことが大きく関係していると考えられる。一方,産業工芸試験所が主導した「生活と工芸展」と柏崎のデザイン指導の関連も指摘できる。
  • 坪郷 英彦
    セッションID: B05
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     貴州省は中国西南部に位置し、49の少数民族が暮らしている。また、経済的貧困地域であり、年収は上海の1/10である。山口大学は貴州大学と研究連携を行っており、報告者は工芸的資源の現状調査を行い、今後の可能性を検討した。 織り、染め、刺繍が特徴ある工芸である。その技術は母から子へ受け継がれる血族の意匠として、また、日常の民族アイデンティティを示すものとして変わらず継承されているものと、観光化の中で変質しているものがある。男子の都市への出稼ぎが進む中で、農閑余業としての工芸を再認識する必要がある。
  • 藤原 美樹, 石丸 進, 松本 静夫
    セッションID: B06
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、『金瓶梅』にみえる、室内の細扇(折戸)、落地罩などの仕切り、移動可能な屏風や衣架などの家具類、架子床の帳、開口部の簾、幕などを総称して「隔」と定義し、その用例のうち、「隔」の要素としての屏風について考察を試みる。『金瓶梅』の記述とその挿図を資料として、場所を構成する「隔」のうち、屏風について考察を行い、おもに以下のことが明らかになった。(1)『金瓶梅』にみえる「軟屏」は、座屏風を示しているが、明代に日本より献上された日本式屏風「軟屏」とは異なる。このことについての論拠は不明であり、今後の課題とする。(2)屏風は、形態により、小座屏風、座屏風、圍屏、吊屏に分類される。(3)屏風は、美術工芸品として重要視され、その数量によって富裕層であること及びその家の権威性が示される。(4)屏風の形態、用材、図案・紋飾により、それぞれの場所の特性が構成されるとともに、登場人物の社会的身分や生活様式が表現される。また、使用に関しての社会規範がみえる。
  • 石丸 進, 藤原 美樹, 松本 静夫
    セッションID: B07
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    日本において屏風や衝立障子は,調度の1つの屏障具であるが,中国の屏風は屏障や障子ともいわれる遮蔽具で,1つの独立した家具である。しかし,日本の屏風の形成には,中国と日本の微妙な家具文化の相違が内在していると考えられる。衝立障子は,中国屏風の影響を受容し成立したが独自の名称や展開が見られる。そこで本報では,独屏(挿屏・座屏風)や多扇折畳屏風(囲屏・折屏)などの屏風を中心とした,日本との比較研究を報告する。
  • 村上 泰介
    セッションID: B08
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    情報化社会の発展で日常のコミュニケーションに電子メールやSNSなどが利用されることが多くなった。近年こうした書き言葉のコミュニケーションで顔文字が使用されている。顔文字は成立した時から身振りや手振り、イントネーションなどのパラ言語を表現したものであることがその歴史からも理解される。また顔文字を使った文章の構成を調べてみると、顔文字は書き言葉による文章に挿入され、ある特定の文章の範囲にパラ言語情報を付与する働きがある。こうした顔文字の働きを電子的なライティング・スペースに適合させる方法を見出すことで、バーチャルコミュニティでのコミュニケーションを、より円滑にできるのではないだろうか。
  • 土屋 雅人
    セッションID: B09
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    近年多発している異常気象による風水害や、火山、地震などの自然災害に備えて、防災マップが注目されいる。神奈川県藤沢市の辻堂地域においても、平成16年度に地域住民団体と湘南工科大学土屋研究室が協働して「辻堂防災マップ」を製作し、その調査プロセスやマップ製作手法について、平成17年度のデザイン学会春季大会にて報告を行った。この平成16年度版の防災マップ(以下、旧防災マップとする)はA1サイズの大形のもので、町内会や自治会の掲示板等に掲示して、地域の防災意識の啓蒙や防災情報の提供を目的として作られた。しかし、その掲示方法や地域全体の掲示枚数が少ないこと、利用方法が曖昧であった等の理由により、地域住民に十分に周知することができなかった。
    このような反省から、平成17年度は、辻堂地域の住宅各戸、約1万5千世帯に配布する小形の防災マップ(以下、新防災マップとする)のデザイン研究を地域住民団体と継続して進め、平成18年3月に配布した。本報告では、利用者の視点から新防災マップにどのような情報掲載の創意工夫がなされたのかについて、その製作プロセスに沿って述べる。
  • 辻合 秀一
    セッションID: B10
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    現在バーコードは,情報機器へのデータ入力の際に欠くことのできないものとなっている.しかしながら,その多くは白色と黒色を用いて作成したバーコードを使用しているため,その商品の景観を損なっている場合がある.本研究では,バーコード読み取り機器の特性を用い,目立たなく,かつ的確に読み取ることが可能であるバーコードの作成を試みる.
  • 石川 加容子, 土屋 雅人
    セッションID: B11
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    車いすユーザーは,彼らが街中を自由に行動するために,バリアに関する情報を知っておく必要がある.バリアフリーマップは,そのような情報を知るのに役立つ方法のうちの1つである.交通バリアフリー法が2000年5月に,日本で制定されたあと,多くの地域でバリアフリーマップが作成されるようになった.しかし,このバリアフリーマップを作成するためには,街中のあらゆる場所を調査し,さらに,その調査結果を,マップ上へ載せるために多くの時間を必要とする.そこで,本研究では,GPS(Global Positioning System)機能を備えたカメラ付き携帯電話を情報入力端末として利用して実地調査を行った.その結果,簡単に多くのバリア情報を集めることができた.そして,これらの情報の分類について検討する.
  • 脇田 玲
    セッションID: B12
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本稿ではコンピューティングのアナロジーを用いた新しい衣服のデザイン手法を提案する.入出力を保持するモジュールという考え方をウェアラブルコンピューティング技術に基づく衣服に応用することで,衣服の効果的なデザインとユーザのガイドラインを構築する手法を提案する.本提案のプロトタイプとして2着の衣服を作成し,それらを相互に連携させることで,情報のコーディネーションを用いた新しいファッションを実現する.
  • 益岡 了, 尾崎 洋, 川合 康央, 池田 岳史
    セッションID: B13
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    インターフェイスデザインに関連する領域の複合的な網羅と、デザイン評価システムの妥当性の検証を目指し、実験用Web Siteの運用を行い、インターネット上の評価システムと、実際の被験者を用いた実験の評価を比較することで、一定の有効性が明らかにした。そこで同一対象空間を撮影位置の高さを変えて撮影し、その高低の違いがインターフェイスデザインの評価にどのように影響するか検証する比較コンテンツを制作、調査を行った。その結果、実際の空間内で直立した場合の視覚的な高さと、選択された景観画像には相違があり、それらと景観イメージの開放性に関連があることが判明した。また、調査した空間を実際に体験した被験者と、体験していない被験者の間に、選択する画像の傾向に違いがあることが分かった。
  • 小森 久栄, 尾崎 洋, 野宮 謙吾, 益岡 了
    セッションID: B14
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    WEB上のインタフェースデザインの評価手法の有効性を確認するために、従来の視覚デザインの解析研究と比較することで、その有効性について検討した。また文字の画像上の効果的なイメージ表現手法について検討するために、視覚と聴覚のイメージの関連を調査した。関連する領域の研究において、Web上の実験の一定の有効性が明らかになったため、その成果を用いて、実験用コンテンツを制作した。その結果、濁音が含まれる擬態語、半濁音が含まれる擬態語、基本の文字構造は共通で、清音・濁音・半濁音によって区別される擬態語の書体選択、形容詞の選択には、紙面・Webの両調査の形式とも同一の傾向が見られる。特定の書体・形容詞の選択傾向がある擬態語の傾向についても同様である。このことから文字のイメージ(視覚・音声イメージ)の影響を調査する上で、WEBを用いたイメージ調査の一定の有効性を確認できる。また実験コンテンツに音声データを付け加えることで、音声と書体との関係をより明確化する可能性についても検討を行った。
  • 植村 朋弘, 須永 剛司, 永井 由美子
    セッションID: B15
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     Web環境における市民芸術表現には、我々にとってどのような「学び」や「物語り」を生み出す可能性があるのだろうか。これについて明らかにすることが研究目的である。 市民芸術の活動事例として幼稚園の教育実践『作品展』を紹介し、そこでの学びや物語りが起こる仕組みを捉える。それを手がかりにWeb上で市民芸術表現を展開できるプラットフォームのデザインの枠組みを明らかにした。それは自己と他者との多層的な関わりを設定すること。そしてイメージ及び非日常性と現実世界とのやりとりを設定し、表現につながるように設定すること。一貫した理念の設定と表現活動の連続性について設定すること。これらによって主体的な学びが生まれ、価値ある情報を創り出すことができる。
  • 堀江 政広, 須永 剛司, 池之上 智子, 渡辺 千夏
    セッションID: B16
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    大規模集合住宅における住民の対話と相互交流が重要視されている。その対話を目的とした情報システムのデザイン開発を行った。システムは、住民グループメンバーが自分たちの活動を「記録し」「表現し」そしてそれを住民全体に「開示する」支援機能をもつ。
     本稿では、この活動支援システムのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)デザイン、そのシステムを利活用する住民グループの活動、そしてGUI造形の論拠となるコミュニケーション(学習)理論を報告する。われわれのデザインのポイントは、住民の対話の場において、頁をめくらなくても内容を把握できる、提示的なコンテンツのレイアウトの提案である。
     すなわち、活動が表現されること(活動の可視化)、複数の活動表現が住民全体に実時間で開示されていること、その開示された表現をとおして、その時行われている活動に参加できること、というコンセプトがそれを支えている。
  • 佐藤 翔子, 宮田 雅子, 長谷川 一, 永井 由美子
    セッションID: B17
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    情報デザインの中心的な課題はコミュニケーションである。コミュニケーションを課題したデザインでは、多くの場合、情報デザインにおいて前提とされている、環境や状況、雰囲気、人の役割などをデザインの中心的な課題とする視点がより有用であると考える。コミュニケーションを成り立たせる要素は、人同士だけでなく、空間、状況、道具、人との関係や役割なども含まれ、システムやプロダクトだけではない。本研究では、人々のコミュニケーションを支える道具、空間、環境、状況、雰囲気、人の役割などの「しくみ」はデザインの対象と捉える。これらの「しくみ」の結節点を「場」と考えた。自発的かつ体験的に学ぶしかけをもったワークショップを対象に、ワークショップにおける「場」のデザインを実践し、詳述することで「場」をデザインすることの可能性を展望する。実践として、2004年度に行われた「送り手と受け手の対話ワークショップ」における「場」のデザインを、「場」を準備する過程の「場」づくりと、表現を行い「場」を活用する「場」づかいの視点から詳述する。
  • 金 南珠, 須永 剛司, 松本 謙太郎, 中島 太郎, 揖 隆弘
    セッションID: B18
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    デザインは、人々の活動の可能性を構築することであり、また、そこに生まれる人々の経験の豊かな質を提供することである(Winograd,T.)。本稿では、デザイナーの実体験からデザインを構想し、実験的な実践を通して構想の妥当性を確認することから新しいソリューションを生み出し、生成するデザイン開発方法を試みたので、報告する。事例として取り上げるのは、多人数コミュニケーションを支援する移動体通信サービスのデザインである。
  • 矢野 英樹, 植村 朋弘, 須永 剛司
    セッションID: B19
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     パソコンや携帯電話、インターネットの普及により人々の活動が広がる中、コミュニティー活動を支えるシステムが求められている。新しいシステムのデザイン開発を目標に、従来のコミュニティーにおける成功事例や課題の調査を手がかりに検討する。なぜならば人々の多くが従来のコミュティーと隔絶せず、技術により切り開かれたインターネット上の電子コミュニティーを受け入れ、両方に関わりながら活動をしているからである。人同士のかかわり合い、人と情報とのかかわり合いの根源的な部分は従来のコミュニティーにも存在する。本研究では、良好なコミュニティーとして注目を集める真野地区での活動事例を取り上げる。研究目的は、そこでの活動を支えるしくみを明らかにし、システムのデザイン開発の視点を導くことである。
  • 小早川 真衣子, 須永 剛司, 中田 信子
    セッションID: B20
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    人々は日常生活の中でさまざまな表現とその成果を鑑賞する活動をおこ なっている。それら活動を「市民芸術表現」と呼ぶ。個人や家庭で行わ れる写真撮影やビデオ記録は、非専門家である人々の日常の中にある表 現活動であり、さまざまな道具やシステムがそれら活動を支えている。 しかし、人々の日常的な表現やその成果の交換や鑑賞が、容易に行われ ている状況とは言えない。本研究では、それら問題を越えてゆくために 重要な要因として、表現する人々の「表現したい気持ち」に着目した。 その気持ちを基盤とする、立ち現れるように生まれる表現活動の構造と メカニズムについて考察する。表現活動の仕組みとして見い出された概 念は「作品の入れ子構造」「活動における表現とモチーフのカップリン グ構造」「しつらえとしての場」である。また、表現活動の形成におけ る、デザインできる対象とできない対象という着眼点から、デザイン可 能空間、半デザイン空間、立ち現れる空間、の表現のための問題空間構成を導出した。
  • 両角 清隆, 湊 貴恵, 敦賀 雄大
    セッションID: B21
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    コミュニティにおけるコミュニケーションのような複雑で目に見えにくい活動を支援する道具作りは難しい。これまで適切な仕様を抽出しそれをベースに適切なデザインをする方法は探索的に試みられているが,明確になっているとは言い難い。
    これまで,特に活動の適切な記述方法が無かったと言える。そこで,現実の活動の記述から抽象化・モデル化を行い,パターンを抽出し,それをベースとして仕様を決定し,それに基づいて設計を行うプロセスを考え,記述方法としては,Contextual Designを参考とした5つの視点「関係モデル」「手順モデル」「文化モデル」「物理環境モデル」「人工物モデル」で記述し,モデル化・パターン化する“活動のパターンをベースとしたデザイン方法Activity Pattern-Based Design”を考案した。
    このデザイン方法により,複雑で目に見えにくい活動であっても抜け漏れを少なくして記述・分析できると考える。
  • 湊 貴恵, 両角 清隆, 敦賀 雄大
    セッションID: B22
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    この研究は、「Activity Pattern-Based Design」を実践したものである。元来、人々はコミュニティの中で、情報を発信・受信・共有して日常生活を送っている。現在、Webサイトを共同作成している町内会では、地域の情報共有ツールとして”回覧板”を使用している。そこで本研究では、町内会で行われている情報の共有活動に焦点をあて、活動を記述し、モデル化しデザインへ変換することの有効性を確かめることを目的とする。具体的には、Webサイトの情報の追加・編集機能のデザインを行った。結論として、活動の記述からデザインを行うことは有効であるとが確かめられた。コミュニティのような多様な活動もモデル化することにより、その全体像が捉えやすくなり、活動に沿った適切なデザインを行いやすくなると考えられる。
  • 三橋 俊雄
    セッションID: C01
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     1200年を超える悠久の歴史に育まれてきた京都は、今もなお、日本の伝統文化が生き続ける歴史都市である。とりわけ世界文化遺産に登録された社寺をはじめとする優れた文化財、伝統的な町並み、そして、それらを取り巻く山紫水明の自然が織り成す京都の景観は、われわれが後世に伝えていくべき日本の文化的資産である。 しかし、1980年代のバブル経済期における、投機目的の地上げや無秩序なマンション建設など、市街地の景観や自然景観の破壊が拡大した。 こうした状況下で、京都市市街地景観整備条例等により、景観の保全・保存に努力してきたが、一方、その保全・保存のあり方が、伝統的建造物に対して問われ始めている。 外壁だけを残して内部を新築する「ファサード保存」、建物のごく一部を残しただけの「カサブタ保存」、そして、現在の建物を撤去し、新たに異なる材料によってそっくりな建物を新築する「レプリカ保存」的な改築計画が実行され、建築として、景観としての真正性(authenticity)が問われることとなった。 2004年の景観法の制定を契機に、一人でも多くの市民が、真のアメニティーを標榜し、すぐれた眺望・背景景観がもつ精神的文化的価値を再認識、再評価していく必要がある。
  • 平松 早苗, 長谷 高史
    セッションID: C02
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    平成17年度春季環境デザイン部会・見学会は、「東京の内部河川をめぐる」ということで、日本橋川_から_神田川の見学と、都市内部河川についてのフォーラムを開催した。見学会では、東京の代表的な内部河川である日本橋川と神田川を船でめぐり、フォーラムでは、2名の講師の方を向かえ、日本橋周辺の再整備計画や、韓国・清渓川の河川環境の整備の話を交えながら、それぞれの専門の視点から、広く河川環境についての話題を提供いただいた。その後、講師の方と参加者との意見交換を行った。併せて、参加者にアンケートを行い、実際に船で内部河川を回ってみての感想や意見を集めた。その報告を行う。参加者の意見や感想、アンケートの集計等の詳細については、デザイン学会研究論文集に報告を考えている。
  • 黒川 威人, 坂本 英之
    セッションID: C03
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    金沢市は第2次大戦の被害を受けなかった数少ない都市の一つとして町並み景観の保存に積極的に取り組んでいる。本研究が対象としている区域は寺院群と町家が混在した歴史的な町並みを良く残しており、金沢市が当地区を伝統的建造物群保存地区として指定するために調査を行っているものである。調査の結果、街路空間の景観特性を次のように抽出した。1.アイストップ、2.寺社山門への長い石段、3.ジグザグ道、4.緑のスカイライン5.家並を見下ろす眺望、6.スリット。
  • 坂本 英之, 黒川 威人
    セッションID: C04
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    金沢市は第2次大戦の被害を受けなかった数少ない都市の一つとして町並み景観の保存に積極的に取り組んでいる。本研究が対象としている区域は寺院群と町家が混在した歴史的な町並みを良く残しており、金沢市が当地区を伝統的建造物群保存地区として指定するために調査を行っているものである。調査の結果、街路空間の景観特性を次のように抽出した。1.アイストップ、2.寺社山門への長い石段、3.ジグザグ道、4.緑のスカイライン5.家並を見下ろす眺望、6.スリット。
  • 高 台泳, 西川 潔
    セッションID: C05
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は20世紀以降に登場した環境グラフィックの諸事例を通じて、都市空間における効果を考察したものである。研究の結果、次ぎのような効果が環境グラフィックから見受けられた。一つ目は経済的効果である。主な素材としてペイントが用いられる環境グラフィックは、建物構造の補修よりは、簡単で安価である点で、経済的と言える。また、環境グラフィックの設置によって、街に新たな魅力が加わり、多くの観光客が誘致され、町の収入の増加にもつながる。二つ目は社会的効果である。特にコミュニティの文化や歴史から素材を得た壁画からは、自らのコミュニティのアイデンティティの確率と伝統の継承、そして社会へのメッセージの発信などの役割が見られた。三つ目は文化的効果である。薄暗くて古い建物が立ち並ぶ街並が環境グラフィックの設置によって、明るくて活気に溢れる姿に生まれ変わると同時に、町には新たな文化的価値も加えられる。その一連の努力が世間から高い評価を得たことは、住民たちの誇りにもなる。このように、環境グラフィックは、その豊かな色彩と大胆なグラフィックから来る存在感を持って、20世紀の都市空間において様々な影響を与えてきたことが、諸事例から確認される。
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