日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第53回研究発表大会
選択された号の論文の229件中201~229を表示しています
  • -展示会計画の今日的問題と歴史的研究(1)-
    寺澤 勉, 金 惠蓮, 高木 豊
    セッションID: P27
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、展示会計画について今日的かつ歴史的観点で総点検し、実態に合った計画、設計方法を探るものである。展示会は送り手と受け手のコミュニケーションを主な目的であっても、産業どうしの交流や出品者間のコミュニケーションの効果がますます重要になっている。つまり大きな意味での「コミュニケーション」を行なうに相応しい環境づくりをいかに進めるかが展示会計画の重要なポイントになってきている。展示会計画およびデザインは2つの立場がある。1つは出展者による出品展示計画であり、もう1つは主催者が行なう。会場全体をコントロールするための計画・デザインである。ここでは、主として後者の計画・デザインに注目する。実例としては、日本の展示会を代表としての地位を確立している東京モーターショー(以下TMS)の計画設計の方法論を取り上げる。その中でも今回は、TMSのゲートがどのように計画され、どのような機能として取り組んでいるか、その実態を捉えて報告する。
  • 落合 信寿, 船越 美保子, 豊田 千明, 齋藤 美穂
    セッションID: P28
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     本研究は,北京と南京に在住する中国人学生を対象として,JIS Z9103で採用された安全色8色の潜在危険度について検討を行うことを目的とした。これら8色は,赤,オレンジ,黄,緑,青,赤紫の安全色6色と,黒,白の対比色2色である。460名の中国人学生を被験者として,リッカート尺度を用いて8色の潜在危険度の評定を行なった。その結果,北京,南京共に,オレンジと黄との間で危険度評定に有意差が認められなかった。しかしながら,北京においては,赤と白の評定で,文脈あり条件と文脈なし条件との間に顕著な差がみられた。また,南京の被験者の評定は,北京の被験者の評定よりも,危険度評定における中国の特徴がより顕著に反映されていることが示唆された。
  • 及川 奈津子
    セッションID: P29
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    概要:高齢化社会では高齢者が生き甲斐を持って生きられる事が重要であるが、その為には、高齢者が人と活発にコミュニケーションする事が必要である。高齢者のコミュニケーションでは昔の思い出話をする時活き活きとなる事から、本研究の目的は、回想法の方法論を応用する事によって情報デザインの新しいシステムを提案する事である。このツールの機能は、ユーザの思い出を構造化及び視覚化し、経験の共有を行い、人同士のコミュニケーションを促進させる事である。
  • 吉原 直彦, 東島 真弓, 西田 麻希子
    セッションID: P30
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    『表象文化とデザインの研究誌REPRE』(第5号)の制作、発行を通じた研究は当初、前回研究の成果を受け継ぎ、下記領域を接続する方向で進められた。_(1)_実務系から実学系へとデザイン分野を発展的にとらえた場合、より一層必要とされる知とデザインを繋ぐ領域横断的視点_(2)_地域におけるデザインあり方やそこにみられる課題を追究しようとする視点_(3)_取材・編集・デザイン制作の場を教員・学生を問わず学びの場とする視点_(4)_大学発の研究誌としての情報発信的視点 一方、平成17年度研究の過程で平成16年度コンテンツ研究部分にて成果のみられた「地域デザイン」関連領域を重点化し、ここに「知とデザイン」の要素を含み込むようにして新たなコンテンツ制作を進めるよう、改めることとなった。 ポスターセッションでは、REPRE第5号発行に至るまでの編集、デザイン、制作における具体的な取り組み及びその結果について述べる。
  • 田中 駿悟, 齋藤 共永
    セッションID: P31
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、科学館に展示する主に小学生を対象とした科学の理解を深めるための新しい展示を提案することである。子供達の理科離れが問題になっているが、現在の理科の授業では、単に知識詰め込み式の授業である。また科学館やこども博物館では、気軽に科学を体験することができる場であるが、体験の裏にある法則性に目を向けることはほとんどない。そこで、科学実験を体験でき、さらに物理法則の理解を促すことができるような新しい科学館の展示を提案ができるのではないかと考え、本研究の目的とした。来館者が知識を単に教わるのではなく、自分で発見ができるようなもので、実験などを観察することにより、その実験の裏にある大きな現象や法則を段階的に発見、理解できるというプロセスを考える。
  • 野田 圭太, 齋藤 共永
    セッションID: P32
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    近年、携帯オーディオの進化により記録媒体が変化し、ユーザーが1度に扱う音楽データが増加し、そのためユーザの事前知識の負担も増加している。このデータの大容量化は、新たなにユーザーが携帯オーディオを使う際、音楽を個人のBGMとして聴き流すといった傾向を生み出したと考える。このような背景の中で、本研究では、事前知識を必要としない環境情報を映像情報に置き換えることで検索キーとした楽曲検索システムを提案する。本研究では、本システム構築のために必要な音楽と環境情報の相関関係を導くための理論を「聴覚」と「視覚」の相互作用と感性情報を応用する事で示し、本システムの概要とその有効性を示した。
  • 情報探索のためのインタフェースデザイン
    井上 順子, 小山内 靖美
    セッションID: P33
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    現在インターネットや携帯電話等における情報検索サービスが発展し、誰もが必要な情報を入手できるような基盤が整ってきている。探すことのデザインには、大別すると2種類のタイプがある。あらかじめ目的がはっきりしている「検索」と目的が曖昧もしくは無い「探索」である。ネットワーク上の情報を活用するためには、「探索」を目的とした情報空間のデザインの必要性が高まると考えられる。本研究では、Webサイトでの情報探索のかたちを発想する手がかりとして、人が日常空間で情報を探す活動を調査した。その活動から情報探索サービスの提案を行った。日常空間における情報探索の調査、インタフェースのデザインプロセスについて報告する。
  • 長田 純一, 佐藤 幹, 大中 慎一, 藤田 善弘
    セッションID: P34
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    近年、パーソナルロボットの開発に伴い、その性能や機能だけでなく、ロボットと接する人間に着目した研究や、ロボットデザインに関する研究が求められている[1]。とくに、人とのインタラクションに着目したロボットにおいては、動き、しぐさ、セリフ、口調、サウンドといった演出や表現部分がよりユーザの印象に対するインパクトが強く、シナリオのデザインがパーソナルロボットにおける重要な事柄となる。本稿で言うシナリオとは、ロボットの振舞いを記述するプログラムと、そこに記述された振る舞いのことである。本稿では、2005年に開催された愛・地球博に出展したチャイルドケアロボットパペロ(PaPeRo)のシナリオおよび開発プロセスについて紹介する。
  • 農の現場における情報デザイン2
    永井 由美子, 繁田 智之, 須永 剛司, 横山 和成, 本郷 千春
    セッションID: P35
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    情報デザインの分野で対象となっているICT (Information & Communication Technology)の道具は、私たちのいままでの生活の中にない道具である。そして、それらの道具を使うことは、私たちの活動の根本を変えることになる。そのような道具をデザインするためには、いまの私たちの活動を観察することでは本当に使える道具はできない。私たちの活動の本質を、ユーザによる語りの中から見つけ出していくことが必要となる。本稿では、農業フィールドでの、農作業支援のためのツール開発を事例として、「語り」と「意味」がどのように取り扱われたかをみた。
  • シナリオエクスチェンジプロジェクト
    小松 英寛, 岡本 誠
    セッションID: P36
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     デザイナは,製品を利用する状況全体をデザインする必要がある.そのためには,生活者の活動を幅広く観察し,気付きや問題意識を見いだすことが求められる.一方,情報システムは地理的,文化的制約を乗り越え,グローバルな視点でのもの作りが求められてきている. Scenario Exchange Project(岡本,Yuら,2005)はシナリオをメディアとして,参加型デザインを実施し,新たな情報システムの創出を目指すものである.本プロジェクトでは,ステイクホルダ間でシナリオをウエッブ上で共有し,意見を交換することができるScenario Exchange Webの環境を構築した.この環境を利用して,2005年12月に公立はこだて未来大学11名と台湾国立交通大大学18名の学生らによる共同ワークショップが実施された. シナリオは具体的でわかりやすいため,立場や文化の違いを乗り越えてデザインすることを手助けすることがわかった.今後はSEPを参加型デザインとして,ユーザやエンジニアといった様々な立場のステイクホルダを積極的に関与させることでデザインソリューションの質向上を計ることができると考える.
  • -自分の体験を写真と言葉の作品にするワークショップを題材として-
    桑畑 健, 堀江 政広, 須永 剛司, 原田 泰, 藤森 博之, 牛島 正道
    セッションID: P37
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    私たちは、2006年3月に携帯電話を用いたコメント投稿とその俯瞰を体験する「市民芸術表現」のワークショップをおこないました。多摩美術大学情報デザイン学科の有志展である「出来事のかたち展」に来ていただいた方に、このワークショップへの参加をおねがいし、参加者の携帯電話から、その日の印象的な出来事を投稿してもらいました。そして参加者からご投稿いただいたコメントや写真などを地図上にマッピングし、参加者の関心と出来事の関係性を視覚化しました。
  • 佐藤 美穂, 若林 尚樹
    セッションID: P38
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    “影”は、我々の身の回に起こる物理現象である。また映画やアニメーションの表現手法の1つとして、影の非物理的な動きを利用した視覚的表現が、時刻や環境などの状況説明や、感情などの心理表現に多用されている。そこで本研究では、物理現象である影がアニメーションなどで利用される映像的表現を、再度実世界のインタラクティブコンテンツ上で表現するという試みを行い、従来の視覚的表現手法では困難であった、背景や状況を説明する上での、新たな表現手法としての影の表現の効果と役割について明らかにすることを目的とした。そこで映画・アニメーションなどを参考に、影の非物理的表現の調査と分類を試みた。さらにその分類結果を元に、インタラクティブインスタレーション作品を制作し、実際にユーザに体験してもらうことによって影の表現を利用したインタラクティブコンテンツの効果や特性の検討を行った。その結果、影のように日常にある何気ないものが変化することを利用した表現によって、今までにない情報を読み取り、考えることが可能となり、新たな情報伝達手法としての可能性が広がったのではないかと考えられる。
  • 梁 元碩, 山中 敏正
    セッションID: P39
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    教育現場の与件は劣悪なのに反して教師の業務内容と情報などは早く変化していて、時間と人力が限られた学校では筆記型文書だけを通じてこれらを扱うのが難しくなった。それによって教師がコンピュータ通信及びマルチメディア記述を会得して新しい教育環境、つまり教授、学習方法と共に学生管理及び教師業務推進にも大きい変化をもたらすことと期待をした。教師がコンピュータ通信網を利用してシ・空間的である制約なしに様々な形態の業務及び活動サービスを受けられる、オンライン及び無線通信束縛の假像業務支援システムに対する関心が増加しているのもこのような必要性からはじめとする。特に最近はネットワーク中心の環境が一般化しながら新しく紹介されているPDA(携帯用情報機器)という概念は、サイバー教務手帳システムのまた他の一つの構成要素で見られるはずだ。また学生管理にあって既存の父兄や学生との一対一面談形態ではないいろいろな形態の履行義務などを提示して教師と学生が見る親しくなれて、教師と父兄との関係も学生の発電と正しい成長のための同伴者の官界が形成されることができるように履行義務が研究されなければならない。 本研究は教師の業務補助と学生、父兄との緊密な関係型性のためのシステムを提案するし、PDAとは情報化機器を利用して見る積極的で速やかな問題処理が可能なソフトウェアを提案しようとする。
  • 須藤 静子, 若林 尚樹
    セッションID: P40
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    音楽行為の中での演奏は、すでに作曲された音楽を再現するといった要素や、即興演奏のように新たに音楽を生み出すといった要素があるが、これらを実現するためには、音楽的構造の知識と、表現するための技術が必要不可欠である。これらの知識と技術の習熟には多くの時間を必要とし、知識や技術を基盤として、自己表現のレベルで「演奏」を行うことができる人は少数である。自己表現のレベルで「演奏」を習熟するためには、ユーザ自らが体験的に試行錯誤しながら知識と技術を身につけ、さらに、自分なりのルールを確立するプロセスが重要であると考えられる。そこで、鉄琴の演奏と文字入力の言葉の組み合わせを視覚的に表現するインスタレーション作品「言琴 - cotocoto」を制作し、実際にユーザに体験してもらうことによって、これらのプロセスの重要性の検証を行った。その結果、ユーザが試行錯誤を繰り返すことによって、作品の中でのルールを発見していくプロセスを実現できた。
  • ハガキにおけるデジタル情報の活用を例にして
    田原 雅浩, 本多 博彦, 若林 尚樹
    セッションID: P41
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、年賀ハガキを例にしてデジタル情報を付加することで何が行えるのか検証をした。年賀ハガキに内蔵させたRFIDにハガキの送信者情報を入力させておき、その情報をRFIDリーダーライターからコンピュータに読み込ませることで、年賀ハガキをリーダーライターにかざすだけで宛先を印刷させることができた。これにより、年賀状の差出人が入力したデータとハガキを受取人が利用するという新たな機能をハガキに付加することが可能であることが分かった。今後は宛先印刷だけではなく、送信者がどのような情報を入力すると、さらに便利になるかを検討する必要がある。氏名、郵便番号、住所以外にも送信者の情報はある。たとえば、宛先の人間との関係など、ハガキに付加させると便利である情報は何かを明確にする必要がある。このような情報を整理しデジタル情報としてハガキに付加させることで実世界上のハガキを媒体としたデータベースの構築が可能になると考えられる。
  • 岡本 康作, 若林 尚樹
    セッションID: P42
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では幾何学図形を組み合わせて幾何学模様を作るといった「配置レイアウト」を行うためのグラフィックソフトに着目し、初心者にとっての「わかりやすさ」を検討・調査し、このソフトを使う際、「機能がすぐ分かる」というモデルの提案を目的とした研究を行った。実験1では、ツールの「機能」を表すアイコンを用いて、「直接操作ツール形式」と「間接操作ツール形式」の2つのモデルの分析を行った。この実験の結果、「直接操作ツール」は「操作性」という点では優れているが、「機能の分かりやすさ」という点では、「間接操作ツール」が優れているという結果がでた。その結果を踏まえて、実験2において、「間接操作ツール」のモデルをさらに「分かりやすくすること」を目的とした実験を行った。その結果、静止画の表示アイコンは、実行する機能の表現という点では、効果があることが分かったが、操作の手順などを含む操作方法を表現することは困難であることが分かった。今後は、アニメーションなどによって、操作方法の表現などのさらなる検討が必要である。
  • 幼稚園にPaPeRoを持ち込んでの長期的なフィールドワーク
    大澤 晃平, 小池 星多, 金 俊太郎, 高橋 美帆, 藤田 善弘, 長田 純一
    セッションID: P43
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、コミュニケーションロボットを社会的ネットワークの関係の中で捉えることを通して、ロボットとコミュニティの変容について記述する。NECが開発しているPaPeRo(Partner-type Personal Robot) を幼稚園に持ち込んだ。そして、幼稚園でPaPeRoのコンテンツをデザインし、実行した。そしてその様子を長期的にフィールドワークを行った。その結果、幼稚園においてPaPeRoは、園児や父母の行為を変え、また、PaPeRo自身も相互行為の中で行為 のデザインを変容していったことがわかった。社会的ネットワークを戦略的に行うことは、ロボットのデザインにつながる。
  • 繁田 智行, 須永 剛司, 麦島 豊, 与安 紀之, 梁 宏伸, 山崎 大吾, 本郷 千春, 横山 和成, 山上 美樹彦
    セッションID: P44
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本論文は、情報デザインの観点に立って制作された、営農のための作付け計画、施肥計画システムのデザインの紹介と、そのデザインの過程を過程を取り上げる。システムの目的は、生産者が、次年度の作付けと施肥収量を計画する事を支援する事にある。また、計画のための機能を開発するにあたり、衛星リモートセンシングデータ(Satellite based Remote Sensing:SRS)の可視化と、システムとグラフィカルユーザーインタフェイス(GUI)のインタラクション(対話)の関係のデザインを行った。
    また、本プロジェクトでは、農生産者と土壌微生物の研究者、リモートセンシングの研究者、そして情報デザインナーの恊働で進められた。プロジェクトの目的は、北海道十勝地方の農生産に貢献する事である。
  • 加藤 雄大, 齋藤 共永
    セッションID: P46
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    この研究の目的は、デザインプロセスの中で、コンセプトをつくることを支援するシステムを提案することである。一般的には「コンセプトから形を導く」という過程が問題として取り上げられることが多いが、この研究では「形からコンセプトを導く」ことに焦点を当る。概念を様々な知識や経験のネットワーク構造であると捉え、次のような方法でデザインコンセプトの構築を支援できると考えた。(1)チームで行うデザインを対象とし、そのデザインに関するアイデアスケッチを複数用意する。(2)それぞれのスケッチの特徴を具体的に表すキーワードを見つけ、システムにインプットしていく。(3)システムが、それらのキーワードをデマテル法を応用し構造化していくことで抽象概念をつくっていく。
  • 光州デザインビエンナーレにおけるパク ヨンソク氏の展示計画を通して
    尹 泰九, 蓮見 孝
    セッションID: P47
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    デザイン展示で観覧者とデザイン作家は作品を通じてコミュニケーションをする。しかし観覧者がデザイン作家の思想とアイディアを分からず観覧をすると視覚的なこと以上の楽しみまで踏み込めることが難しい。同じことでデザイン作家も観覧者の反応とアイディアを解らなければ、展示を通じて自らの作品を評価されることも無理である。本研究ではマインズ・オン展示方法によるデザイン作家の展示で観覧者とデザイン作家のコミュニケーションに対する研究をして、そのようなコミュニケーションが可能な展示プロセスを開発するのである。そして韓国の光州デザインビエンナーレ2005を対象にデザイン展示を企画し、展示を通して研究の仮設を証明する。
  • 「見立て」による人格化表現 2
    有賀 義之, 古屋 繁, 工藤 芳彰
    セッションID: P48
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    人は「見立て」と呼ばれる柔軟な認知能力によって、人工物に対してインターラクティブな関係を構築し、あたかも人格があるように見なすことが可能である。それには親近感が必要である。前稿〔注1〕では、人に親近感を与え、見立てを促すシステムの構築に寄与する「人格化パターン」を明らかにした。その成果をもとに本稿では、前稿で得た人格化パターンを用い、2種の「Personoid Robot」を制作した。ひとつは人とライバル関係を築くライバルロボットである。もうひとつは観葉植物のような存在感をもつ気配ロボットである。これらを用いて人格化パターンの有効性を検証した。
  • 野宮 謙吾, 越川 茂樹
    セッションID: P49
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    岡山県総社市では、スポーツという文化を人々とともに親しみ育んでいくことで地域における文化をより深め、街づくりに貢献するために、「NPO法人吉備スポーツ王国」を設立した(以下、吉備スポーツ王国)。そして、岡山県立大学との共同研究により吉備スポーツ王国のミッション及びビジョンが策定された。これらは組織アイデンティティを確立するためのマインドアイデンティティ(MI)であり、言葉を手段とした意味訴求を目的とするものであるが、ビジュアルアイデンティティ(VI)は、視覚イメージによる感性訴求を目的とするものであり、シンボルマークやロゴタイプ等を代表とする視覚アイテムがその手段となる。VIはMIの意味情報を視覚的に抽出、解釈したものとも言えるが、感性に直接働きかけることができる特性により、組織のイメージづくりにおけるその役割は大きい。そこで、吉備スポーツ王国においても積極的に導入し戦略的活用を図ることとした。
  • 株式会社バッファローとの産学協同プロジェクト2005
    小出 昌二, 竹末 俊昭, 古屋 繁, 菊池 司, 永見 豊, 石田 光男
    セッションID: P50
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     拓殖大学工学部工業デザイン学科と株式会社バッファローとの3回目の産学協同プロジェクトである。本プロジェクトは大学院生と学部4年生も含め、学部3年生ではビジュアルデザイン(17名)、プロダクトデザイン(10名)、コンテンツデザイン(1名)の領域ごとにテーマを設定し提案を行った。ここではビジュアルデザインからの提案として行ったもののうち、2グループについての成果を示す。 グループは、現在の生活シーンとビジネスシーンに不可欠であるコンビニエンスストアとコーヒーチェーン店に着目し、テーマを「コンビニエンスストアでのUSBフラッシュメモリ販促方法の提案」、「USBフラッシュメモリの新たなシーンでの販売展開の提案」として展開した。現状調査から始め、販売方法・パッケージデザイン・ディスプレイデザイン等のトータルなセールスプロモーション提案を行い、電器量販店を販売の主とする現状に対して、新たな販促方法としての示唆を与えることができた。
  • 矢崎 いづみ, 宮崎 紀郎, 玉垣 庸一, 桐谷 佳惠, 小原 康裕
    セッションID: P51
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    現代では、テクノロジーの進化に伴い、メディアという分野においても、様 々な技術や表現方法、そして複製・印刷方法が研究され、用いられるようにな った。特に、現代において不可欠となった複製技術の発展の根底には、版画の 存在がある。本研究では、版画による表現方法の可能性を追求すると共に、版画を通して 過去、そして現代の文化や生活を伝え、さらには、その技術や特性を現代に生 かすことを目的とした研究・作品制作を行った。本研究では、版画の中でも特 に合羽摺に注目した。合羽摺とは孔版の一種であり、版画の中でも特に古くか ら活用されていた技法であるが、その利用法は主に木版等の補助としてであ り、合羽摺が主体として扱われることはほとんどない。そこで、本研究において、補助としてでもなく単なるアートとしてでもな い、合羽摺の存在そのものを生かした活用法を追求した。この合羽摺の特徴・ 利点を検討し、その新たなる活用の場を、素材・材質、形状、表現等の面から 探った。
  • 平成17年度 文部科学省社会教育活性化21世紀プラン事業 実践報告
    諫見 泰彦
    セッションID: P52
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     筆者は福岡市立博多工業高等学校の生徒らとともに、取り組みを教室内に閉じこめず地域社会にとけ込ませることを念頭に、問題発見能力と問題解決能力の向上を目的とした研究活動やものづくりを行っている。その一環として生徒らは、福岡県筑紫郡那珂川町の那珂川流域を対象として、豊かな生活環境形成に対して河川が果たす役割について考え、新たな提案を行うことを目標とした、まちづくり学習を実施している。平成16年度より生徒らは、文部科学省社会教育活性化事業「博物館の建築とデザインから学ぶ社会教育」に参加し、那珂川河畔に建つ河川水族館をデザインした。
  • 中嶋 猛夫
    セッションID: P53
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    日本の近代化は様々な分野での和風と洋風の相克の歴史といえるだろう。都市景観の分野でも同様であるが、近年は自然や伝統文化を尊重する傾向にあり、歴史的町並みの保存や新築の建物も周辺環境に配慮し調和ある景観を大事にしつつある。2004年には国土交通省により「景観法」も施行され、全国の自治体でも景観に対する取り組みが始まっている。2003年に九州の小倉にオープンしたリバーウォーク北九州という大型複合ビルは、小倉城という史跡に立地しながら歴史的景観との調和を無視した施設であり、本稿はそれに対する考察と再生試案である。
  • ネットワーク構築過程としての学習
    中村 佐雅仁, 堀岡 泰佑, 加藤 智也, 小池 星多
    セッションID: P54
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、学習という概念について、アクター・ネットワーク理論を援用して記述することにより従来の心理学や認知科学とは全く異なった新たな学習観を展開することを試みたものである。東横学園高等学校をフィールドとし、大学や企業と連携した学習環境のデザインおよび情報教育実践を通して、14ヶ月間にわたり文化人類学的フィールドワーク調査を行った。従来の心理学や認知科学において学習とは、個人の知識や技能が一般化されることや抽象化されるプロセス、または新参者から熟練者へ至るプロセスであり、個人の内的な変化として扱われて来た。しかしアクター・ネットワーク理論の観点からすれば学習とは、学習者やそれをとりまく人間、またそこで使用されるコンピュータやテキストなどの人工物を含んだ異種混交のアクターが、相互に関心を翻訳し、交渉を通してネットワークを構築するプロセスであると言うことが可能である。
  • 佐野 孝太郎, 橋本 康司, 福士 洋平, 永井 由佳里, 三谷 忠興, 田浦 俊春
    セッションID: P55
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
     有機EL技術を用いた照明システムの特徴を、従来にはない光の質や光の演出の可能性にあると考え、本質的なリラクゼーション空間をデザインするため和の空間との関係性を探り、組み立て可能な仮設空間への展開を試みた。
     本研究の目的は人の生理機能を重視し、照度・輝度を必要以上に求めないという考えかたに立って快適な光環境を提供する製品を開発することである。
     研究方法は防音実験室での有機ELのい色彩と駆動方法の快適性の評価をもとに、具体的に有機ELを用いた空間をしつらえ、段階評定法によるアンケート調査を行い快適性の評価を検証した。
     空間を具体的にしつらえる過程で、いくつかの提案を行い、日本の伝統的空間である茶室の構成要素を選択した。
     光の表現では「光をみせる照明」という方向性を見出した。和の空間では、光をみせる暗さの照明環境から有機ELと和の空間の融合をテーマとした。
     段階評定法によるアンケート調査の結果は「暗闇でも安心する光」など8割は高評価であった。一方、低い評価の理由は、暗さに関する意見が主だった。
     今後は自然のうつろいやゆらぎ、きれいな暗さをデザインし、明暗を楽しむ照明環境も必要であると考えられる。
  • 〓武蔵工業大学におけるポートフォリオ研究会を事例として〓
    真行寺 由郎, 野々山 正章, 小池 星多
    セッションID: P56
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    近年、横断的、学際的な分野を学ぶための大学教育が増えている。我々の大学も、環境情報学部という横断的、学際的な教育を実践している。 しかし、そのような横断的、学際的教育を受けている学生は、何を学び、何を得たのか、そしてその先にある自身の将来像を描きにくい現状がある。それは、こうした学部において我々情報デザイン研究室に所属している学生たちも同じである。 そこで、我々はデザイン教育におけるポートフォリオに着目した。ポートフォリオの制作過程において、学生自身が自らの学びを振り返り、目指す将来像を描くことが可能なのではないかと考えた。我々は、学生自らが学びの意味を再構築し、将来像を描くための場「ポートフォリオ研究会」をデザインした。 この今回のポートフォリオ研究会は美大文化を単に輸入してきたものということではなく、ポートフォリオづくりの再定式化の作業であった。また、大学教育の先にある社会実践を想像すること、先にある社会実践に応じて学びの意味を再編しポートフォリオとして表現することであった。これは自身の学びの振り返りとして、自身の将来像を描くこととして有効である。
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