日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第61回研究発表大会
選択された号の論文の293件中201~250を表示しています
  • 食事の栄養をチェックする個人的なシステムのコンセプトの提案
    Jiyavorananda Sittiphan, Yamanaka Toshimasa
    セッションID: PA10-26
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
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    PINTOは個人的な食事の栄養をチェックするシステムのコンセプトである。体に必要な栄養を供給する食べ物を知ること。自分の健康をもっと意識する目的で、PINTOシステムはユーザーに「表示する」こと,「測る」ことと「勧める」ことが中心である。ユーザーの取られた栄養や食生活に関する個人情報をインフォメーショングラフィックで表示す「PINTO Card」が一つ。そのものは名刺のサイズであり、今必要な栄養はなにか、何を食べればいいのかをどこでも簡単にCardから調べられる。PINTO Cardにあるカメラと栄養分析技術で、食べるまえに食事の栄養分を測り、その情報によって、ユーザーが自分の食事生活をもっと健康良く改善することができる。PINTO には記録した栄養・食生活データを利用し、スーパーで買い物する際、予算のなかで栄養よい食材を勧め、そして、キチンで料理を作る際、ヘルシーなレシピも勧めることができる。
  • クラウド技術を用いた持続可能な農業システム
    渡邉 理恵, ブリジット ブリジット, リーデル バーンド, オローブ マギー, クーン テイラー, テクセイラ カルロス, 蘆澤 雄亮, ...
    セッションID: PA10-27
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
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    南インドのトゥムクル地方には干ばつによる水不足、急激な天候の変化や天災など多くの問題が存在しており、それらはこの地方の農業・農家に大きな被害を与えている。結果として、多額の負債を抱える農家や、ストレスから自殺に追い込まれた農家も少なくない。我々は、これらの問題の原因が農家の経営・農業に関する知識と情報の欠如にあると捉え、これを解決する為の情報収集・アイディア展開を、ワークショップを通して行なった。 最終提案として農家の知識の不足を補う為の農家を中心とした支援ネットワーク"スマートファーミング"をデザインした。スマートファーミングは、クラウド技術を用いた情報のネットワークを主体とし、農家の経済に対する知識の補充や既存の地域コミュニティの連携の強化を行なうシステムである。このシステムを用い、農家の連携を強化することでトゥムクル地方に存在する様々な問題に対しコミュニティ・地域単位で対応することが可能になる。また個人の農家・地域のコミュニティが知識を得ることで、各農家の"農業事業家"としての能力を高めることも可能である。
  • 池田 茉莉花, 小川 晃志, 原田 陽紗子, 長竹 美咲, 川野 次郎, 林田 拓也, 小野 健太, 渡邉 誠
    セッションID: PA10-28
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    近年、地域コミュニティにおけるコミュニケーションの希薄化が日本国内だけでなく全世界的な問題として進行している。しかし、地域によって問題解決のアプローチが異なり、多角的な視点から地域の特性を捉える能力が求められる。本稿では、アメリカ・ニューヨーク州のParsons The New School for Designと千葉大学の国際デザインプロジェクトにおける、千葉大学の取り組みについて記す。本プロジェクトのテーマは、「地域活性化」である。千葉大学は、デザイン対象地を東京都練馬区大泉学園に設定した。練馬はアニメーションの集積産業地であるが一般的に広く知られていない。千葉大学ではドローイングを通じたコミュニケーションに着目し、「nericom(ネリコム)」というサービスのデザイン提案を行った。「nericom」は、ICT技術を利用した不特定多数の地域住民・地域への訪問者でアニメを共同制作できるサービスである。
  • 桑原 慎司, 岸本 絵理香, 木谷 庸二, 藤戸 幹雄
    セッションID: PA10-29
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    子ども向け製品には、複数のターゲット像が潜んでいる。それは、使用する立場の子どもだけでなく、購入する大人の存在である。深刻な少子化社会にあって、子ども向け製品市場は厳しい状況にあり、今後の発展には、子どもに受け入れられるだけでなく、それを買い与える大人の存在を意識することは、非常に重要だと考えられる。しかし、全ての子ども向け製品において、親の嗜好まで調査し、デザインに反映することは難しい。そのため、企業は売り出す製品によって、取捨選択をし、デザインを実施しなければならない状況にある。また、子ども向け製品をデザインするのは子どもではなく、大人である。それゆえ、大人のもつ先入観により、いかにも“子どもらしい”デザインを作り出してしまっていないだろうか。本研究では、このような問題をふまえ、親が「子どもに買い与えたい」と感じるデザインと、子どもが「欲しい」と感じるデザインを形成するイメージや形態要素についての定量的調査を行う。この調査により、従来明確でなかった、両者が子ども向け製品に求めるデザインの差異と、その共通性を明らかにし、子ども向け製品をデザインする際に考慮すべき点を検討する。
  • 滋賀県立大学における「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」を事例として
    萩原 和, 仁連 孝昭, 鵜飼 修, 上田 洋平, 北井 香, 星野 敬子
    セッションID: PA10-30
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
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    本報告は、2013年度に採択された滋賀県立大学の大学COC事業の取り組みを整理したものである。本学の特徴としては、大きく5つのとりくみを通じて、地域社会に貢献する大学としての責務を果たそうとしている。具体的には、研究ベースで(1)地域課題研究の促進、(2)地域連携研究員制度の創設、(3)近江地域学会の設置・運営の3つを掲げている。加えて、インフォーマルなネットワークづくりとして(4)地域デザイン・カレッジ、(5)地域・地(知)のデータベースの構築の2つに取り組むことになっている。以上を通じて、滋賀県内におけるまちづくりを側面的にサポートし、地域の中の大学としてより一層、活用してもらえるような拠点づくりを目指している。
  • 芸術系大学初年度教育フレッシュマンセミナーを事例として
    福崎 千晃, 池本 和弘, 曽和 具之
    セッションID: PA10-31
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    ワークショップにおいて、しばしば、参加者の体験をきめ細やかに記録し、共有することを求められることが多い。これは、多様な人材が参加する学習環境において、一方的な情報の伝達のみならず、参加者それぞれの専門性や経験値、積極性などによって、ワークショップ全体のプロセスも大きく変化するからである。ワークショップの記録は、文字による状況記録に留まらず、文字情報では記録に留めにくい、外的環境を記録することで、参加者自身が振り返りやすく、また、他者との体験の共有を円滑に行う際のツールとして、使用可能なように準備しておく必要がある。本研究では、芸術系大学の初年度教育として実施したワークショップを映像により記録・編集し、(1)時間経過に伴う印象の変化、(2)半年後の自分の変化、(3)ワークショップの省察手法について知見を得た。
  • Chen Ya-Yun, 羅 彩雲
    セッションID: PA10-32
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    台湾でここ数年「外食族」と呼ばれる人々が、徐々に増加し、家で料理をする人は、減少した。それゆえに、人々は、調理器具を正しく使うことができなくなりつつあるといえよう。本研究は、文献調査と現況調査によって、台湾の調理器具の発展の方向性と現代人の需要を理解することにより、未来の調理器具の発展の基礎とするものである。以下に、本研究における 4つの結論を示す。(1)ガスの普及以降、移動しやすさが追及され、モジュール化された加熱器具が現れた。これは調理器具の移動性とカスタマイズ性の需要が増えたことを意味している。(2)電気化時代以降、調理器具に料理と加熱の機能を兼備したものが現れた。(3)電気化時代以降、消費者は調理器具の使用中、その場に常時いる必要がなくなった。調理時間も減少し、操作は簡単で便利になった。(4) そして各種の製品のオプション機能も増加した。
  • 路面電車のデザイン評価を事例として
    飛田 真理子, 穴井 太郎, 木谷 庸二, 藤戸 幹雄
    セッションID: PA10-33
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    近年、環境への配慮等から公共交通機関の働きに期待がかかると共に、公共交通機関のデザイン面にも注目が集まっている。また、公共交通機関の中でも特に路面電車において、「LRV」と呼ばれる底床の次世代型車両が各地で導入され始めるなど、大きな動きを見せている。次世代化に伴い、車両デザインも大きく変化することが予想されるが、人がどのような路面電車デザインを好ましいと感じるかに関する知見は、未だ存在しない。そこで本研究では、公共交通機関の中でも路面電車に着目し、「路面電車デザインに対するイメージと、デザイン要素の関係を明らかにすること」を目的として研究を進める。これまで明らかにされていなかった路面電車デザインに関するイメージを具体的な造形要素として説明出来るようにすることで、人が好ましいと感じるデザインを汎用性の有る知見として抽出する。また、交通機関のなかでも、地域との関わりの深い路面電車の特色をふまえ、調査地を複数設定することで、地域による路面電車デザインに対する嗜好の差についても明らかにする。これにより、今後の公共交通機関のデザイン発展へ貢献する。
  • チャンガン病院とマッカイ病院を例として
    テイ モウソウ
    セッションID: PA10-34
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    台湾の患者が受診時にプライバシーの侵害を受ける事件特に産婦人科と泌尿器科によく発生する。本研究は台湾病院の長庚記念病院と馬偕記念病院を研究対象とした。実態調査により、ピーク時は産婦人科の問診エリア内に同時に三人が待って、患者は診察室番号の見える席を優先的に選ぶことが分かった。アンケートにより診察室の外にある問診票入れの使用率は該当病院の医療品質評価に影響する。患者は長く待たされてもプライバ シーを守りたいと考えていることが分かった。病院は問診票入れの使用規範を着実化するべきである。患者は待 ち時間が増えても単独で診察を受ける機会を望んでいる。 
  • -レーザープリンターを例にしたグラウンデッド・セオリー・アプローチによる仮説モデルの生成-
    立石 知佳子, 岩松 直明, 木谷 庸二, 藤戸 幹雄
    セッションID: PA10-35
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    近年、製品デザインの現場において、User Experience(UX:ユーザ体験)概念の重要性が様々な研究者から指摘されている。UXと評価の関係性に関する研究は、コンシューマ機器やサービス経験を研究対象とするものが多く、機器利用体験の中でも特に有用性や効率を重視される業務用機器の利用経験とその製品評価との関係性や、ブランド評価への影響についての具体的な関連性は明らかにされていない。本研究では、レーザープリンターを例に、日常的に機器を利用するユーザの機器利用体験の実態と、利用経験により発生する製品や製品ブランドへの評価の関係性について、質的研究法の一つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析を行い、実利用環境における機器利用体験と製品評価との関係性の枠組みを捉えようと試みた。その結果、実利用環境における機器利用体験と製品評価との関係性に関わる49のカテゴリーと、4つの経験パターンを見出し、それを基に実利用環境における機器利用体験と製品評価との関係性全体の枠組みを経時的変化を視点として表現した仮説モデルを生成した。
  • 循環式ハンドドライヤーのデザイン開発
    鈴木 勇波, 川本 真也, 肥田 不二夫, 土田 修
    セッションID: PA10-36
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    これは産学共同プロジェクトの一つとして行った手洗い衛生環境を考えたハンドドライヤーのデザイン開発研究である。 近年、流行性感冒はじめ様々な感染による疾病発生により人々の手指衛生に対する意識・要請が高まってきている。従来型のハンドドライヤーの多くは送風により手に付いた水滴を吹き飛ばし、手を乾かすだけで多くの水滴は霧状となり様々な細菌とともに周囲に飛散飛沫させていることが近年明らかになってきた。このような衛生問題を改善するため完全吸引循環式ハンドドライヤーの普及を進めている(株)T社と連携し、理想的な手指衛生環境を実現させるために現在業務用機を民生用機として公共の場にも設置する必要があると考えている。 本研究はデザイン本来の目的の一つである人の心理、行為に訴える「機能」と「造形」の高い次元での調和であるが、 人々の安全・衛生を守り健康的な生活を送ることが「幸せ」 な生活の基本であることをその根本において人間工学とユニバーサルデザインの観点から人に優しく親近感のあるデザインを目標に進めて来た研究成果報告である。 
  • 永山 雅大, 原田 一, 永山 広樹
    セッションID: PA10-37
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    現在、広域災害発生時、特に津波発生に関しては、避難経路、ルールを明確に示し、実践できている所はほとんど無い。特に、海抜0mが続く平野部では、被害から逃れることは容易ではない。本研究は、広域災害における避難誘導を、円滑に行うためのユニットを提案することを目的としている。 研究方法として、被害状況の調査、避難誘導サインの調査、公共機関に存在するサインシステム・ルールの調査、アンケート調査・シナリオ調査を行い、必要とされる要素を抽出した。次に、関連樹木図の作成、相互作用マトリクスとグラフ化を経てサインの方向性を定め、歩行者用、車用の避難誘導サインユニットの作成、検証を行った。更に、サインユニットを適応するモデル地区となるべき場所の調査、検討を行っている。 研究の結果、子ども、年配者、外国人、観光客を含むすべての人を、歩行者、車、バイクにかぎらず誘導することができる、避難誘導サインユニットを提案している。本研究である、広域災害における避難誘導のためのサインユニットについての研究は、日本国内の大規模災害に対して、平野部における避難誘導サインとして実用化出来る事を考えている。
  • 屋内設置型エオリアンハープのための実験と試作
    工藤 遥, 田村 俊明
    セッションID: PA10-38
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    エオリアンハープとは、弦楽器の一種である。共鳴板とそこに張られた弦の間を風が通り抜けることによって音を発する仕組みになっている。様々な形態が見られるが、一般的には箱形の本体に弦が張られた琴のような形をしている。欧米では公園や公共施設に設置されていることが多いが、日本国内では目にできる場所は少なく、知名度も極めて低い。音に溢れた環境の中で時間に追われるようにして生活する現代に、エオリアンハープの音を通して風や自然を意識する暮らしを提案したいと考えた。そのため一般住宅の内に設置でき、風鈴のような気軽さで楽しめるプロダクトにすることを研究の目的として、最適な材質と構造を探った。
  • 佐野 大貴, 赤井 愛
    セッションID: PA10-39
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    非常に重量があるにもかかわらず軽やかに見える建築構造の視覚的効果をプロダクトデザインに取り込むことで既存のテーブルと異なるデザインを創出する。 どのような建築構造があるのか現状を調べた結果、軽やかに見える建築構造は、直線的構造と曲線的構造の2種に分類することができた。 その中でも、曲線的構造が持つ、浮遊感や軽量感などの視覚的効果に着目し、スケッチとスタディモデルによる検討行い、次のようなテーブルを提案する。「kumoi」は継ぎ目のない1枚の鋼板から成り、ユーザー自身があらかじめカットされた切り込みに沿って鋼板を引き伸ばすことで立体が形成される。 また、曲げ伸ばしによって好みの形状を創出できる。 このように、建築の構造的な美しさを家具に取り入れることで、天板と脚部の境界がない曲面で構成され、非常に軽量という従来のテーブルとは大きく異なるデザインが実現できた。  
  • 長塩 泰治, 五十嵐 浩也
    セッションID: PA10-40
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    本来日本人は床座の生活をしていたが、戦後イス文化が導入されてからは床座・イス座両方の混在状況が続いている。西洋から伝わった家具のうち、イスはくつろげるよう人間工学的に人の身体に合った形をしている。一方、日本人が古くから行ってきた床座的なくつろぎは広いスペースの上で人間が自由に姿勢を変化させて行うものである。これまで床座的なくつろぎ方からのアプローチによって作られた家具はほとんどなかった。そこで今回、その床座的なくつろぎを目指した座家具を制作することで日本人に合ったくつろぎのスタイルを再び考えるきっかけとしたい。
  • 及川 絵里, 梅田 弘樹
    セッションID: PA10-41
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    良いデザインとは、機能・見た目・生産技術の全ての融合によって生み出される。本研究ではそれらの融合によって、新たな「良いデザイン」の可能性を探ることを目的としている。具体的には木製スツールの制作に上記の考えを反映させようとしているのだが、ここでは「良いデザイン」の要因を・座りごこち、造形美、生産技術面の合理性ととらえた。なお、今回紹介するのは、第60回デザイン学会春季大会で発表したものの改良版である。大きく改善した点は、”木のしなりがもたらすクッション性”と”成形方法”であり、これらは他のデザインにも応用が可能であると考える。
  • 熊谷 慶, 山中 敏正
    セッションID: PA10-42
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    今日、プロダクトデザインにおいては、その意匠に注目がおかれる事が多い。しかし、見た目の格好良さで製品を購入したものの、いざ使用してみると使い勝手が悪いという製品もある。特に、手に持って使用する製品の快適性には、持ちやすさや触り心地の果たす役割が大きいと考えられる。本研究では「手になじむ感覚」とは何かを探ることに目的を置き、握った際に得られる良い印象の一つとして「手になじむ感覚」とし、筆者が「手になじむ」と考え作成した1つの形状モデルを種類の異なる素材によって複製し、その素材の評価を評価グリッド法を用いて行い構造化して比較した。その結果、「安心する」、「不安だ」といった上位概念が多く抽出され、プロダクトの硬度が、握った際に安定感をもたらし、ユーザーを安心させるという要素になっている反面、被験者によっては、不安感ももたらす可能性があるという考察を得た。また、素材の「表面」について「気持ち悪い」につながる中位概念、「硬さ」と「重さ」について「冷たい」と「疲れる」という上位概念につながる中位概念が集中していることから、これらについてはネガティブな印象を与える可能性が高いということが示された。
  • 新しい読書体験を与える物理本の提案
    打田 雅俊, 五十嵐 浩也
    セッションID: PA10-43
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    近年、画面に表示される文字を読んでいくというメディア体験が今まで以上に身近になってきていると言えるだろう。
    その証拠にNHKの生活時間調査によると、インターネットの使用時間量が2005年に比べ2010年では、10代以上の全ての年代の男女において増えている。その中で物理本というメディアについて考えたい。私は物理本は単純に文を読むだけでなく、実際にプロダクトとして触れながら、文を感じていくという感覚を経験している。この経験から、物理本の触覚体験を重視し、私自身の「本の読み方」そのものを外観、その特徴とその時にあったら楽しいのでは無いかという体験を導入した物理本の新しい形式を制作することにした。ここにその作品の評価を記したいと考える。
  • 形態的特徴、距離、配置及び明度差について
    菅原 阿久里, 木下 武志, 福田 弓恵
    セッションID: PA10-44
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    視覚メディア(ポスター、雑誌、Webサイトなど)のコンテンツの構成要素は、文字や画像である。構成要素の外部には、視覚心理的な影響を与える空間力が生じていると報告されている。福田らの先行研究では、2つの図形を並置して、一方の図形から他方の図形の辺の中心の点を対象とする空間力の検討を行った。刺激に関しては、図形の形態、距離、配置の3つの条件を変更して行われた。しかし、空間力は図形外部などの空間に生じていると考えられる。よって本研究では、図形間の空間の中心の点を対象とする空間力の検討を行った。また、明度差を付け加え、評定値を5段階評定から無段階評定へと変更した。この結果として、正円と正方形では、評定の対象とする点を変更した影響は見られなかった。また、明度が低いほど空間力が強いということなども示された。
  • 紙を用いた生活様式の提案
    澤木 亮平, 和田 功
    セッションID: PA10-45
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    19世紀後半,欧州で起こった「ジャポニズム」や20世紀末の「クールジャパン」など,日本の製品や文化は世界の中で注視し続けられる地位を築いていたが,今日では中国などのアジアの国々による経済的発展,また,国内産業の空洞化により,その地位もゆらぎ,一部失墜している. したがって、日本は世界における位置をもう一度再構築することが必要です。 この研究では、文化がライフスタイルの集合体であると考え、また、多くの可能性を秘めた材料である紙を用いることにより、日本での新しいライフスタイルのある提案をしています。
  • 江ノ島電鉄沿線を事例として
    櫻井 祐輔
    セッションID: PA10-46
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    この研究の目的は、江ノ島電鉄沿線における住民の活動の実情を明らかにすることです。 調査の方法は、鉄道線路の住民の活動を克明に記録し、居住者への生活の様相を聞取り、景観の断面図を作成することにより行なわれました。
    その結果この研究は、鎌倉における住民の特殊な景観構築活動を記録、評価し、現状における問題点との関係性を提示しています。
  • 杉 哲夫, 中 克尋, 名児耶 秀美, 横田 浩規
    セッションID: PA10-47
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    家庭から出る生ごみの80%は水分と言われている。一人一人が水分を切ってからゴミを出す必要がある。そうすればごみ処理にかかる費用も安く済む。そこで、札幌市、アッシュコンセプト、岩谷マテリアル株式会社とともに生ごみの水分を少なくする生ごみ減量のための水切り器を開発した。
  • 小松 岳, 永瀬 彩子, 小野 健太, 渡邉 誠
    セッションID: PA10-48
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    植物工場とは、気象条件にほとんど影響されずに、安全で付加価値の高い植物を生産するシステムであり、近年その技術が現在海外でも注目され始めている。その中のひとつである中国において、大気汚染、残留農薬が深刻であり露地野菜への安全が求められている。また、消費の中心であるホワイトカラーの大半が亜健康と呼ばれ、疾患に至らないために日常的な健康管理な予防が求められている。そこで、中国での植物工場に対するニーズを明らかとし、安全な野菜が求められている中国市場に向けた、食で行う日常的な健康管理のための家庭用植物工場の提案を行う。三週間分の野菜を栽培することのできる、三つのユニットを持った筐体を提案する。より手軽な栽培ができ、中国人に受け入れられやすい土耕栽培を行うため、培地に有機人工土壌を用いた。栽培サイクルを三週間とし、一週間ごとに播種することで、野菜を毎日継続的に収穫できる。また自分の体調に合わせて必要な栄養素をもった野菜が、人工土壌と共に配達されるシステムにより、手軽に継続することができる。継続的に必要な栄養素をとることで、健康管理の意識付けに繋がると考えられる。
  • 瀧山 愛, 小野 健太, 渡邉 誠
    セッションID: PA10-49
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    21世紀における病院のあり方として国立病院機構が2005年に打ち出した「ガーデンホスピタル構想」は、病院内外の緑化や植栽を充実させることで来院者や職員、家族の精神的ストレスを軽減させることを目的とした構想である。 超高齢化社会を迎える今後の日本では、こうした人々の精神的ケアが重要とされているのである。この構想を受け、厚生労働省が主体となって病院緑化を全国で進めているが、維持管理の困難さや人件費等の問題があり十分な緑化が実現できていない現状がある。  一方、植物工場は最小限の人手で安定的に植物を成育するための新たな技術として開発されたものであり、近年注目を集めている。管理の容易さや植物のもつヒーリング効果が期待され、現在いくつかの病院で実験的な導入が始まっている。しかし、これらは内部構造としては従来のコンテナ型と呼ばれる形態の植物工場ユニットをそのまま流用したものである。そこで本提案では、植物工場を病院緑化のためのコンテンツとして考えた際、どのような要件を重視しデザインを行えば良いかを新たに提案し、維持管理が容易な病院緑化の一つの手段を提示することを目的とする。  
  • 演劇空間を使用した舞台装置の実験及び考察から
    山﨑 明史, 桑原 淳司
    セッションID: PA10-50
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    デザインの活動を行う中で人が行動を起こしたくなるような形を研究し、人の行動パターンをまとめる事は出来ないだろうかという疑問を持った。そして、それをデザインに活かす事が出来るのではないかと考えた。このような事は公共空間のデザインに使用する事ができると私は考えている。公共空間に設置されている物としてパブリックアートが上げられる。パブリックアートは公共空間に芸術作品を設置する事によって、人々の生活や感性を豊かにするという役割があった。しかし、近年インターネットの普及等の影響で公共空間そのものが担うべき役割にも変化が見られる。本研究では、公共空間に今必要な物は人とコミュニケーションを直接取れる環境だと定義した。そして、公共空間を今一度活性化させ、交流の場として人が集まり語り合う空間を作れる物を考察し、物の形と人の行動についての研究を通してパブリックアートに代わる新しい空間演出装置を制作る事を目的としている。
  • 人とモノとの関係を再構築する手間に関する考察
    丸山 萌, 田内 隆利, 久保 光徳
    セッションID: PA10-51
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、日本の伝統的衣服であるキモノにおける手間の意味と価値を、かつて行われていた方法を再現することによって明らかにしようという試みである。日本語の「手間」という語が指すものは労働のみではなく、その対象にかかる時間をも含む概念である。キモノは西洋式の衣服と、その構造、制作方法、着装方法において非常に異なっており、また繰り回しと呼ばれる作り替えの知恵でも知られている。この繰り回しというキモノの仕事の実態を明らかにするため、キモノの解体という手間の再現を行った。その結果、狭い布幅の生地、最低限の裁断、手縫いによる縫製によって作られるキモノは、また解体し作り替えるため、作る過程で損なわれる材料としての可能性を最小限にしていることがわかった。キモノという衣服の形態は、作り替えを前提とする構成に、人が解体し再生する手間をかけることによって成立する布と衣服のサイクルであり、形を変えながら布を最後まで使い切るためのシステムであると考えられる。
  • 赤坂 拓郎, 松崎 元
    セッションID: PA10-52
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    人がトロリーバッグを使用した際の、使いやすい高さ、ハンドルの傾斜角度、握る位置の高さの違いから多くの人が使いやすいハンドル位置に着目し、調査、実験によって今後の鞄開発の助けとなることを目的とする。男女30人に既存のトロリーバッグを使用してもらい問題点の確認を行った。押し歩行時の問題は手首への負担、バッグが思う方向へ進んでくれないがあった。引き歩行時はバッグが身体に当たる問題が身長が170㎝以上の人に見られた。問題解決のため実験用ハンドル部品を3Dプリンタで作成した。実験ハンドルを使用し問題を打開する。
  • 身体構造からシステムプロダクトへのアプローチ
    渡邉 勇気
    セッションID: PA10-53
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究で取り扱うテーマはシステムプロダクトと解剖学的構造、生体構造との融和性についてが主体である。テーマのもと取り扱う題材は主に照明器具とヒトの前肢とし、研究によって生物の身体的構造の応用による製品の機能向上と、ユーザーとしてその製品を使用したときのより良いフィードバックの可能性などを視野にいれ生体構造と製品構造の関係を探る。またデザインによる感性工学分野での視覚的性能についても論ずる。
  • 品川駅と田町駅の間に新設される駅を対象として
    エズワン ハキム, 永見 豊
    セッションID: PA10-54
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    JR東日本の山手線は、将来、品川駅と田町駅の間に存在する約20ヘクタールの車両基地跡地を整理して、そこに生まれる広大なエリアの再開発に伴って、新しい街の中心になる駅を設置する構想がある。現在、新駅全体像の構想はあるが、具体的な計画はまだ決まっていない。そこで、本研究ではこの構想に従って新駅周辺の再開発の景観デザイン提案を行った。条件整理では、新駅はオフィスや観光地に近く、景色が良い、羽田空港や新幹線へのアクセスが良い、などを現地調査や文献調査で整理した。デザインコンセプトは、「Eco-Green, International City, Transportation Exchange Hub」に決定し、風力発電や太陽光を取り入れたビルの造形、駅と一体となったホテルやバスターミナル、駅名を「Tokyo Bay Tower Station」と命名し、国際的な会議場やシンボルタワーを設定した。デザイン検討では、フォーラムエイト社のUC-win/Roadを用いたVirtual Realityの空間を制作して、利用者の視点やホテルからの眺望、周辺からの見え方に考慮した魅力的なデザインを提案した。
  • 小森 俊哉, 熊坂 瑛子, 永瀬 彩子, 小山 慎一
    セッションID: PA10-55
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    屋上緑化には百貨店や商業施設などの屋上に見られる庭園風の「集約型屋上緑化」や、苔やセダムなどの植物を用いた「粗放型屋上緑化」というものがある。「粗放型屋上緑化」は屋上に対し負担が少なく、比較的安価である。本研究では「粗放型屋上緑化」の普及を目的とし、より人々にとって魅力的な屋上緑化とはなにかを模索した。実際に屋上緑化を利用する人々を想定し、幅広い世代の人々をターゲットとして研究をおこなった。先行研究では屋上緑化に対して心理的な面や経済的な面など多くの視点から研究されているが、我々は各世代の人々が屋上緑化に対してどのように魅力を感じ、異なる印象をもっているのか調査した。被験者を3つのグループ(20-30代、40-50代、60代以上)に分け、屋上緑化の写真を「魅力的-魅力的でない」や「おもしろい-退屈な」などの評価項目で段階評価してもらった。データを分析したところ、各世代共通の項目として「美しい」という項目が屋上緑化景観の評価に関係しており、若い世代ほど「快適さ」や「面白さ」が関係し年代が上がるにつれて「単調でない」ことが関係してくることがわかった。
  • 羅 敏捷, 羅 彩雲
    セッションID: PA10-56
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    子供は可塑性か高い。現在の子供図書室の設置ははたして子供の需要に合っているか、有効利用であるか、大人図書館の一室ではなく単独で設ける必要があるかは問題とされる。本研究は台湾台北市図書館で密度が一番高い地区である―万華区の三つの図書館を調査した。結論は、以下のとおりである。図書館の位置と周囲の環境は、家長が子供を図書館に連れて行きたくなるかどうかに影響を与える。児童図書室の独立性は直接使用率に影響しない。児童図書室の装飾の形態は利用率に影響する可能性がある。今後、この研究成果の活用によって、台湾の児童図書室・図書館の利用率の引き上げが期待されよう。
  • リン ミンイ, 羅 彩雲
    セッションID: PA10-57
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    日本による台湾統治時代、日本の和室文化は、台湾の生活に影響を与えた。また、1980年代の台湾の経済発展期には、社会は豊かになり、「日本ファン」という文化現象もおこった。それらの契機によって、台湾では新築の物件に和室空間を設置することが多い。本研究は、台湾における和室の運用の現状と使用者の和室に関するイメージとを把握するためにインタビュー調査をおこなった。結果を以下のとおり示す。1)台湾民家で和室ほどんどは複合的機能をもったスペースである。2)台湾民家の和室の生活様式は、和式と洋式が混合された生活様式である。3)台湾和室の木材床板は、暖かくて安心なイメージである。4)部屋のレイアウト、家具置く場所やスタイルが互いに密接に関係しており、その中でも障子は、最も日本風のイメージがある。 5)台湾の国民は和室が外来文化か伝統文化か、意識に相違がある。
  • 三好 絢子, 八田 興, 高徳 淳, 高木 正太郎, 村上 達郎, 松井 峻輝, 藤谷 慧祐, 田原 哲, 原 寛道
    セッションID: PA10-58
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    植物工場とは、環境状況を人工的に制御し、季節や場所にとら われず作物を連続生産することが可能な施設である植物工場の技術を用いることで、私たちは農業をより身近に感じることができる。なぜなら、植物工場の技術を活用すれば、植物がより良く育つための環境が制御できるだけでなく、私たちが植物を栽培するのを助けることもできるからだ。この考えを基に、私たちは千葉県柏の葉エリアにてデザイン提案を行った。実地調査においては、対象地域で野菜栽培に関わる様々な住民の目線になり、地域コミュニティにおける特徴を整理した。最終的に、私たちは植物工場の技術を用いた野菜販売店を運営するための、サービス・空間・店内什器のデザインを含む、一連のデザイン提案を行った。
  • 日本と中国の比較
    向 心力, 伊藤 良介, 日比野 治雄, 小山 慎一
    セッションID: PA10-59
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    部屋の中のカーテンや壁紙の色を変えると気分が一新す る。人々がはなやかな色の服装で参加するパーティはそれだ けでも楽しい気分になるし、黒一色の喪服は人々に悲しみを さそう。気が滅入ったときでも、派手な色の服に着替えると 気持ちが明るくなる。青空の下の緑の野原は人々の心をのび やかにする。このような色が与える感情は個人によってもほ とんど変わらないし、国際的にも共通している点が多い(大 山、1994)。多くの人に対してある程度共通した印象を与え ることができるからこそ、色の感情的な効果はさまざまなも のに利用されている。大学のロゴマークにおいても同じこと がいえる。 
    色の象徴に関する研究(大山ら、1963)(千々岩、1981)(伊 東、1998)や、コーポレートカラーの研究(A.F.T、2010)、 UI の取り組みに関する研究(トムソンコーポレーション、 2008)は多くあるが、大学のロゴマークの色に着目した研 究はあまり多くない。そこで、大学のロゴマークに用いられ ている色彩と、その色の象徴するイメージを調査し、日本の 大学のブランド活動の現状を知ることや日本と中国の大学の ロゴマークの比較が本研究の目的である。 
  • 畠山 真紀, アントニオ ロドリゲス, 樋口 孝之, 渡邉 誠
    セッションID: PA10-60
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    千葉大学では海外の大学とデザインに関するワークショップを行っている。本稿ではポルトガルのInstitute of Art, Design and Enterprise - Universityのロドリゲス教授指導の下行ったスケッチのワークショップの取組みについて記した。ワークショップではスケッチをしながら発想・展開するという方法を用いて行った。また、アイデアを考える際に様々な切り口から問題に取り組むということに重きをおいていた。この手法は各2時間の8フェーズに分けられており、フェーズごとにキーワードが与えられ、それに沿ってスケッチでアイデア展開を行った。この際、次のフェーズのキーワードは次のフェーズが始まるまで知らされない。ワークショップはこの手法に従って行われた。スケッチ対象はガーデンライトで、素材はラタンと鉄が指定された。日本人学生6人とポルトガル人学生12人で各国の学生が混ざるよう5グループに分け、五日間かけて行われた。基本的に作業は個人で行い、グループの中では意見交換を行った。
  • 片岡 竜成, 木谷 庸二, 藤戸 幹雄
    セッションID: PB10-01
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    今まで、形態メタファーは形態の模倣による表現のツールとしてのみ、捉えられていた。しかし、本研究では、人のメタファー表現に対する認知能力が働くプロセスを含めて考察を行うことで、新たな製品デザインと形態メタファーの関係性を明らかにすることを試みた。また、その後形態メタファーの利用法の分類、および体系化することで、製品デザインにおける形態メタファーの可能性の模索を行った。その後、本研究で得られた知見をわかりやすくまとめ、「カタチのチカラ」と題した本の制作を行った。
  • 動きから人らしさは表現できるのか
    橋本 隆志, 古屋 繁
    セッションID: PB10-02
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    現在人とコミュニケーションを取ることのできるロボットが数多く開発されており、今後人々の生活に密接に関わってくるロボットがますます登場することが予想される。 人々の生活に関わり人の代わりとなって働くロボットには、人との親和性が必要であり、そこには「人らしさ」が求められる。しかし多くのロボットは人に似せることで「人らしさ」を表現しており、人型にすることでロボットに求められる本来の機能を制限してしまう場合がある。 本研究では「姿かたち」ではなく「動き」から「人らしさ」を表現できるかどうか検討するためのロボットのデザインを行った。 デザイン要件として、予測不可能な動き、周囲の状況に応じて反応を示す動き、止まることなく常に動き続ける、しなやかな動きの4種類の動きで人らしさを表現。どのような動きが最も適切か検討を行った。 ロボットの製作にあたり、既存のモデルを発展させた「既存型」、外的要因に対しリアクションをする「自走型」、予測不可能な動きをする「予測不能型」、回転運動をする「回転型」の4種類のロボットを製作し適切な動きを抽出。抽出された動きを元に「人らしさ表現検討ロボット」を製作した。
  • 堂園 るり子, 泉澤 恵, 日比野 治雄, 小山 慎一
    セッションID: PB10-03
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではOTC医薬品のブランドイメージを一般大学生・薬学部生で比較した。一般大学生および薬学部生はナショナルブランド(NB)・プライベートブランド(PB)のOTC医薬品の品質,効果,安全性,価格,パッケージデザインおよび副作用リスクを評価した。その結果,一般大学生の方が薬学部生よりもNBの品質,効果,安全性をPBよりも高く評価する傾向が強かった。以上の結果は一般大学生の方がOTC医薬品をブランドに頼って評価する傾向にあることを示唆している。
  • わくわくする「おしゃべり」の記録
    青野 優, 須永 剛司, 永井 由美子
    セッションID: PB10-04
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    女の子たちの「おしゃべり」を記録しもう一度見ることのできるツールを制作しました。ツールの名前は「oshaberi.rec」です。「おしゃべり」をもう一度見ることでより豊かな創造が可能になると考えました。なぜなら「おしゃべり」と共にある笑いと共感こそが「自由と意力」の源だからです。経験をふり返る、図解にする、制作するの三つのプロセスからおしゃべりについて様々観点で探求しました。
  • 想定内外の選択肢によってユーザーの行動に「ゆらぎ(予定外の行動目的)」を提供し、新しい出会いや気づきを与えるアプリ
    瀧 知惠美, 上田 絵里, 水田 知惠
    セッションID: PB10-05
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は企業の開発プロセスにおける、コトづくりの方法の有効性を明らかにすることを目的に行われた。 研究対象として、自分で答えを見つける検索空間を提供するスマートフォンアプリ「way」の開発プロセスを紹介する。
    おでかけサポートアプリ「Way」は外出先で、今いる場所の近くにある魅力的なスポットやイベントを推奨し、ユーザーの行動に「ゆらぎ」(予定外の行動目的)を提供する。
    デザインプロセスの中で、いくつかの選択肢の中から今の自分の気分や状況(場所、時間など)に合うものを選ぼうとして悩むことが楽しいという発見があったため「ゆらぎ」がキーワードとなった。
    そして本研究の結果、コトづくりの方法として作文法とアクティングアウト法の有効性が明らかになった。1つは、ユーザー自身が気づいていない未知のニーズを満たすサービスのコンセプト作りに有効である点である。更に、チームメンバー同士で共通認識を持てることやコトづくりの方法を活用できる人材育成にも有効であることが明らかになった。
  • 福島県の小学校で実践したインフォグラフィックスを使用した放射線教育
    小池 星多, 岡田 往子
    セッションID: PB10-06
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    東京都市大学の小池研究室と、同大学原子力研究所の岡田准教授は、福島県の小学校において、インフォグラフィックスを使用した放射線教育を実施した。本プロジェクトは、福島県などですでに放射線教育を実施している東京都市大学原子力研究所の岡田准教授からの要請によって実現した。岡田准教授は、放射線のような科学的知識を小学生に教えて来た経験から、小学生に文章や数式ではなくグラフィックを使用してわかりやすく教える必要性を感じていたが、学内で小池研究室のインフォグラフィックスのデザイン活動を知り、原子力と情報デザインの専門家による今回のコラボレーションにつながった。 小学校も教員だけでは対応できない放射視線教育を、専門家の協力によって行うことに期待をよせていた。このプロジェクトでは、岡田准教授と共同で小池研究室の3年生10名が、10種類のテーマで放射線教育のインフォグラフィックスを制作し、それを学生が実際に福島県の小学校を訪問して小学生に放射線の知識を教えた。
  • 杉本 歩基, 安井 重哉
    セッションID: PB10-07
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    公共空間における設備は、できるだけ多くの人が利用可能であるように、ユニバーサルデザイ ンの考えに沿って設計されていることが多い。その中の一つの例として、エレベータの戸開閉を操作するインタフェースが挙げられる。従来のエレベータの戸開閉インタフェースでは、誰もが公平に使えるように多くの工夫が施されている。しかし、多くの工夫がされているにもかかわらず、エ レベータを利用する際に、戸開閉ボタンの押し間違いが生じている。本研究では、ボタン上でのシンボルの形や種類などの造形的な検討にとらわれず、エレベータの戸開閉ボタンの押し間違いが起 きる状況を分析し、エレベータの戸開閉操作を従来の同列に並んでいるボタン方式から、閉じるボ タンと開くボタンの関係性を変えることによって、エレベータの戸開閉インタフェースの押し間違 いを減らすことを目的とする。
  • 福生駅前道路の左折禁止看板を対象として
    永見 豊, 長谷川 匠
    セッションID: PB10-08
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    駅前の街路空間は広告看板や路上駐車が多く、運転手は道路の標識を見落とすことがある。東京都福生市の福生駅前道路でも「進入禁止」の道路標識に気づかずに左折してしまい、一方通行の道路に進入してしまう場所がある。道路標識を補完するために交通安全看板が設置されており、「この先右折禁止」の文字とピクトグラムで表現されている。この看板の設置場所やサイズ、デザインは各自治体の裁量に任されており、カーブ手前に1個所設置される場合がほとんどである。そこで、本研究では、シークエンスに配慮した複数の交通安全看板の設置位置およびデザインを提案した。福生駅前の片側1車線道路の左折禁止看板を対象として、CGにより道路空間を再現して、ドライブシミュレータによる運転タスクを与えた状況で、標識の気づきやすさの評価実験を行った。実験1では看板数と内容の変化に着目した3案による印象評価実験、実験2では設置間隔に着目した3案による印象評価実験、実験3ではデザインの変化に着目した印象評価とアイマークカメラによる注視時間実験を行った。その結果、運転手が気づきやすいのは、同じ内容の看板を一度に見えるように位置し、色彩の変化のあるデザインであることが分かった。
  • 中田 成人, 山崎 和彦
    セッションID: PB10-09
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    情報社会においてインフォグラフィックスの様な視覚表現に工夫を凝らした情報提供は、情報の解りやすさと魅力、双方を向上させる効果的な方法である。一方、ストーリー性は起承転結に沿って情報に規則的な流れを生む特性であり、インフォグラフィックスとの組み合わせは情報提供に新たな可能性を生むと推測した。 手法を試みる題材を検討する際、身近な山崎研究室に関する 情報が最適だと考えた。加えて、本研究室配属者には共通して「研究室配属の際、不安を感じる」という問題を抱える学生が多い事が判明した。研究室の活動内容をインフォグラフィックス化し、親しみやすい情報として今後配属される後輩に提供す ることで、活動の一端を把握し、配属直後に伴う不安を軽減できると考えた。
    以上を踏まえ本研究は、情報提供に規則的な流れをもたらすストーリー性を組み合わせる事で、解りやすさと視覚的魅力を兼ね備えたインフォグラフィックスを作成することを目的とした。制作の題材として、2013年度山崎研究室の活動内容を主軸とし、Storinfographicsと名付けた本にまとめた。
  • デザイナーが街中に出る為のデザイン研究
    西部 渉, 安井 重哉
    セッションID: PB10-10
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    デザイン活動は普段、デザイナーやエンジニアが企業の中で行っている。街中で利用されるサービスは、一般の利用者(市民ユーザ)の意見を取り入れることで、今まで以上にアイデアの質や量が向上すると考える。本研究では、デザイナーやエンジニアがフィールドに出て、市民ユーザを巻き込みながらデザイン活動をすることで、今まで以上にアイデアのクオリティが向上することを狙いとする。フィールドに市民ユーザとデザイナー、エンジニアがクリエイションする為の「デザインの場」を創出することを目的としている。結果として、多様な市民が参加することで、市電などのまちづくりだけではなく、新しいサービスの創造をすることも可能になると考えられる。
  • 齋藤 美絵子, 石井 葉月, 菊井 玄一郎
    セッションID: PB10-11
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    マンガ教材は、「物語の中に自分が入り込み、自らの行動として反映できるようになる」というナラティブアプローチにおいては有効といえるが、詳細なポイントについての理解や記憶に関する有効性は確認されていない。また、近年の教材電子化の流れにありながら、マンガ教材の電子化については、そのほとんどがPCやタブレット端末で表示できるものとなっているが、紙媒体と同様に「ページをめくる」という行為をデジタル環境で行うものに留まっている。マンガ教材の特性といえるナラティブアプローチに、デジタル技術を加えることで詳細なポイントを強調する教材は少なく、またその効果について明らかにされたものも確認できていない。そこで、本研究では、紙媒体ではなくデジタルメディアであるからこそ活用できる数ある機能の一つとして、掲載情報に動きを加えて表示する「モーション表示」に注目し、その効果がユーザの内容理解にどのような効果を与えるか実験によって検証する。そして、確認できた効果を活用した小学校高学年向けのデジタルマンガ教材へ展開することを目標とする。
  • 坂川 侑希, 堀江 政広, 伊藤 美由紀
    セッションID: PB10-12
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    ”バリアを用いたリハビリテーション”という、新しい手法に着目した。その手法の目的は、高齢者の自立支援である。高齢者の自立のために、ウォーキングコースマップが有効だと考えた。その理由は、ナーシングホームでレクリエーションを目的に散歩をしていることと、新たに設備を用意する必要が無いことである。本研究では、福祉とデザインが協力しながら、様々な調査を行い、ウォーキングコースマップのデザインをした。
  • 視覚たび:新たな視界を体験できる都市循環型の店舗
    大橋 美弘, 安村 透, 小川 さくら, 朱 克, 須永 剛司
    セッションID: PB10-13
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    今日では、メガネを作成する工程がシステム化され、短時間でメガネの購入が可能になった。しかし、受け取りまでの待ち時間が短くなったとはいえ、あまり上手く活用されていない場合が多い。本稿は、待ち時間を利用した新しいサービスについての提案である。メガネは視界をクリアにする道具であるが「新たな視界を手に入れる」感動を与えてくれる装置でもある。私たちは、メガネを使う人にしか分からないこの感覚を、日常生活の中でも味わえないかと考えた。そこで、日常的な景色であっても、高い場所から遠くを見渡すと、視野が広がり、新しい発見を行うことが出来ることに着目した。メガネを購入する待ち時間で気楽に旅をするように、都市を循環し観光を楽しむことの出来る体験型のサービス「視覚たび」の提案である。
  • エドガー・アラン・ポー「盗まれた手紙」の電子漫画化
    益岡 了, 近藤 知之, 松根 昌人, 尾崎 洋, 谷本 尚子
    セッションID: PB10-14
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    近年、情報携帯端末の普及に伴い、電子書籍が注目され、日本国内でもマルチメディア機能を多く取り入れたインタラクティブな電子書籍が見られるようになった。我が国においても電子出版の活用によって、新たな可能性を追求する向きもあるが、未だその普及には課題も残る。特に海外のコミックでは絵画的な表現や判型の違いもあって、比較的大きな画面表示が求められるが、国内では商業上の要望もあり、比較的小型のスマートフォン上の表現が志向され、その結果画面表現上の制限となる場合も想定できる。 そこでPC上での再生を前提とした電子漫画を想定し、従来の国内漫画の電子書籍化では実現の難しかった比較的大画面でのモーショングラフィックス表現を大きく取り入れたエドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」を原作とする電子漫画制作を行った。日本国内で流通している電子書籍の多くは無着彩であるが、本作はPC上で筆による厚塗り表現を擬したフルカラー描画を採用した。そして大幅なモーショングラフィックス表現を導入し、画面表示サイズを均一化した従来の国内外の漫画のコマ割り表現とは異なる表現が実現できた。
  • 木内 孝昌, 山崎 和彦
    セッションID: PB10-15
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/04
    会議録・要旨集 フリー
    近年、ブータンの国民総幸福量(Gross National Happiness、 GNH)に代表されるように国や自治体で幸福に関する指針が作 られ、国民の幸福度を上げる試みが行われているが、現在のサー ビスや製品においては、便利で使いやすい製品は増えたが、幸 福度を上げているとは限らない。そこで、幸福感を得るための サービス及び製品を提案する。幸福感を得るシーンは近年流行 しているランニングとする。理由は、ランニングは比較的同じ 動作を繰り返すだけだが、さらに魅力的な経験にしたいと考え たためである。  本研究の目的として、ランニングを通じて幸福感を得るため のサービスのデザインを提案し、ユーザーの幸福感を上げるこ とである。デザインの対象としてランニングに付随するサービ ス、スマートフォン用アプリケーションである。
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