日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
選択された号の論文の269件中1~50を表示しています
  • 山口 真由美, 宮之下 さとみ, 原田 由美子, 藤満 幸子, 山田 クリス孝介, 渡辺 健太郎, トム ホープ, 小早川 真衣子, 須永 ...
    セッションID: A1-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
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    本研究の目的は電子カルテがもたらした看護への影響を探ることである。2回のワークショップを開催し、A大学病院で電子カルテと紙カルテの双方を利用したことがある看護師としての経験年数が14~30年の看護師7名と、電子カルテのみしか利用したことがない看護師としての経験年数が3~7年の看護師4名が参加した。ワークショップでは、入院から退院までの業務内容や扱われる情報を整理し、質的に分析することで紙カルテと電子カルテとを比較した。その結果、入院から退院までの業務は「入院時」、「入院後」、「退院時」の3つの段階に分けることができ、各段階における業務内容や扱われる情報について、紙カルテと電子カルテとで共通する内容と、電子カルテ導入後の変化が見出された。電子カルテの導入によって、必要な時に必要な情報を速やかに検索できることや正確で速い情報伝達、業務の標準化・テンプレート化等、業務の見方や内容など紙カルテと比べ多くの変化が起こっていたことが明らかになった。今後は患者や職員間の直接的なやり取りや振り返りの機会を補完しうる、情報共有と価値観の醸成を支援するような看護サービスシステムが必要である。
  • 物理教育研究者との映像制作を事例に
    岩倉 正司, 塩瀬 隆之, 元木 環
    セッションID: A1-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    筆者らは,これまでの制作実践と研究活動から,学術的な内容の視覚化(アカデミック・ビジュアリゼーション)を制作者と研究者の共同制作として実施することが望ましいと考えている.なぜなら,アカデミック・ビジュアリゼーションのデザインプロセスでは,初期の工程において制作物の仕様が決定していないことが多く,制作者と研究者の対話によって,利用場面や必要とする機能などを明らかにすることが,制作物の完成度を高めるうえで重要な工程となるためである.つまり,アカデミック・ビジュアリゼーションの制作者には,研究者(ユーザー)の潜在的な要求を対話的に引き出して共通認識とし,制作に反映するファシリテーションスキルが必要であるといえる.しかし,デザインプロセスにおいて,制作者が研究者にどのような働きかけをしているか,具体的に明らかになっていない.本研究では,物理学及び技術史に関する映像制作過程を事例に,研究者と制作者の対話内容を当事者視点で分析考察し,制作者のスキルを明確にすることを目的とする.本考察では,制作者は,研究者自身が仕様を選択するための考え方を特に伝達していることが明らかになった.
  • 貼箱制作単価算出ソフトの開発
    三野宮 定里, 原田 泰
    セッションID: A1-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    近年、デザインプロセスに市民を参加させるデザイン手法が関心を集めている。デザイナーと市民が協働してデザインを行うためには、デザイナーと市民が互いの専門性を理解し、活かし合う関係性づくり自体をいかにデザインできるかが課題である。本研究ではデザイナーが市民の現場へ入り込むことで市民と同じ目線にたつことで当事者意識を獲得し、また市民もデザイナーの手を借りて当事者としてデザインプロセスに参加することで協働を行う手法を当事者デザインと定義し、実践を通してこの意義・効果・方法等を検討した。本実践では工芸品の製造を行う職人たちの世界へデザイナーが入り込み、ITで何ができるかを職人たちと考え、業務改善アプリケーションを共にデザインし開発した。実践を通して、当事者デザインは「参与」と「プロトタイピング」により市民と問題意識を共有し、互いの専門性を発揮しあえる関係性を築くことに有効であった。また当事者デザインは持続的に市民自身が自分たちの課題を解決を目指すようになることが可能であると考える。
  • - デザイン教育の課題を通して見えてくる可能性-
    両角 清隆
    セッションID: A1-04
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
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    生活者の多様な要求に対して、デザインの解の確度を上げていくためには要求内容に合わせるための適切なデザインプロセスが必要になる。そのプロセスの向かうべき方向の一つが当事者デザインの流れであると考える。学生の課題・研究を通じて、当事者デザインの有効性を検証した。その結果、当事者デザインを進めるためには、当事者の創造力を高めたり、多様なメンバーを集めた創造ためのコミュニティを作ったりすることが有効であった。
  • World Museum Projectの実践を例に
    宮田 義郎, 原田 泰, 上芝 智裕
    セッションID: A1-05
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    当事者デザインは現代の多くのグローバルな問題の解決の緒となりうる。本論文は、当事者としての世界認識を実現するためのデザイン原理を、戸田のアージ理論、構築的マインドセット理論、およびCreate/Connect/Open デザイン原理に基づいて提案する。ワールドミュージアムプロジェクトの実践例、特にオーセンティックな環境での制作体験から、このデザイン原理を説明する。
  • ~在るがままに在るデザイン―第7回日本デザイン学会第1支部大会を事例として~
    横溝 賢, 夏坂 光男, 千葉 智美, 冨田 奈津美, 原田 泰
    セッションID: A1-06
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    人と社会の営みをより良くするためのデザイン学研究は、技
    術革新や専門分野の多様性を取り入れながら高次に展開してい
    る。しかし、その研究構想や知識を市民と共有できる場づくり
    の方はあまり進んでいない。とりわけ人口減少による社会構造
    の変革が予測される地方では、デザイン学研究の知識をより直
    接的に地域社会に還元していく活動が必要とされる。
    このような背景から、筆者らは日本デザイン学会第 1 支部(北
    海道・東北地区)においてデザイン学研究に取り組む専門家の
    研究構想を市民と直接的に共有できる学会活動の在り方を模索
    した。本稿では学会という学術研究者による閉ざされた活動を、
    市民に開かれた営みの場(市場)に持ち出し、市民と学生、研
    究者らが自律的に知識交流した活動過程を省察する。
  • 協創促進手法「クルクルスケッチ」を活用したワークショップの参加者アンケート結果から
    福田 大年, 中野 颯, 岡本 誠
    セッションID: B1-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究者らは、市民の問題解決支援のためには、個人の創造力を引き出し、様々な参加者の多様な考え方を尊重し恊働できる場の構築が重要と考えている。その手がかりとしてスケッチに着目している。参加型デザインを支える多様な人の知恵を多層的に蓄積し共有するため、スケッチの特徴を生かした協創促進手法「クルクルスケッチ」の構築を目指している。本報告では、参加型デザインのワークショップでクルクルスケッチを用いてアイデア生成を行なった参加者の意見を基に、当事者のデザイン活動への参加を促す手法としての有意点と課題点を明らかにしてみる。
  • 小美玉市 空のえき「そ・ら・ら」の地域体験まつり
    李 殷貞, 渡 和田
    セッションID: B1-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    空のえき「そ・ら・ら」(以下「そ・ら・ら」)は小美玉市の直営施設として2012年7月にオープンした。地域再生という概念に重点を置き、「地域再生=人々が集う場(集客)」という目標を立て、初年度約66万人を達成したが、冬期から集客が落ち込んだ。それを解決するための「地域体験まつり」を開催した。「地域体験まつり」とは、地域の魅力について体験を通じて「まなぶ」「遊ぶ」「食べる」ことができる集いの場である。参加することで小美玉市という地域を効果的に知ってもらうことができると考え、参与観察研究を開始した。
     地域の魅力発掘・企画実行等の市民参画や、多組織・多団体を巻き込みながら展開するプロセスに着目した結果、集客面での成果だけでなく、地域性から経済的利益を生み出す「地域体験まつり」の成果が確認できた。    
     この取組は、市民参画を発端として新しい事業創出や雇用創出に寄与する可能性も含んでいることから、長期的視野に基いて取り組む事が求められる「リアルメディア」であると考察した。
  • 鈴木 英怜那, 野内 彦太郎, 林 剛平, 佐藤 研吾, 橋本 紗友里, 渡辺 崇徳, 国枝 歓
    セッションID: B1-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    東日本大震災や原発事故によって、都市と農村の関係、エネルギー問題、自然と人間社会の関係など、現代の暮らしの基礎になる部分に存在する大きな綻びが露わになった。この綻びを元どおりに戻すことは容易ではない。一方で、沿岸地域の巨大防潮堤建設に代表される、震災前の地域の文脈と生活の連続性を考慮しない工学的な復興活動も正しいとは到底考えられない。
    私たちは大玉村での実践を通して、震災後に明らかになった諸問題に対し「地域を繕う」方法が必要だと考えた。これは震災前後の分断に対し、震災後生じた地域の状況を受け入れ、そこから軌道修正を図り、新たな価値を生み出す方法である。
    「地域の繕い」は、対話を通して行う直感、実践、認識のサイクルがで構成される。このとき、自分たちの身の回りにあるものを使うこと、手を動かしながら、考え・対話することが重要となる。
  • 内閣人事局との政策資料の視覚化プロジェクトを通して
    富田 誠, 越尾 淳
    セッションID: B1-04
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    行政機関では、公務員が政策を視覚化した資料を多数制作している。しかし、制作に必要な時間的コストやデザインの質について課題を抱えている。
    そこで、公務員自身つまり当事者が効率的で最適なデザインを持続可能な形でできるように、専門家であるデザイナーが公務員に対し、プロセスや学び、パターンデザインなど多様なデザイン支援を実施した。最終的にこれらの取り組みを省察し、Colleciton, Analysis, Criteria-design, Pattern-design, Learning, Designという6つのステップと当事者とデザイナーの役割分担としてまとめ、当事者デザインの方法論的枠組みを提案した。
  • 日本におけるリビングラボ事例の調査を通じて
    赤坂 文弥, 木村 篤信
    セッションID: B1-05
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    近年,市民やユーザを長期的に巻き込みながらサービスを共創する手法として「リビングラボ」が注目を集めている.リビングラボは北欧を中心に様々な実践がなされており,成功事例も創出していることから,日本企業のサービスづくりにおける幅広い活用が期待される.一方,リビングラボの統一的な定義は存在しておらず,また実践における知見・ノウハウも体系的に整理されていない.このような状況において,リビングラボの表面的な理解のみに基づき,安易に模倣することは得策でない.
    そこで本研究では,日本企業においてリビングラボを幅広く活用することを目指す初期研究として,(1)リビングラボの方法論的特徴と(2)実践において重要な構成要素を明らかにする.本研究では,まず文献調査を行い,文献から分かる範囲でリビングラボの方法論的特徴を明らかにする.その後,日本国内における先行事例の調査を行うことで,文献に基づき整理した方法論的特徴をブラッシュアップすると共に,リビングラボ実践において重要な構成要素を明らかにする.
    その結果,リビングラボの方法論的特徴(計5つ)と実践において重要な構成要素(計7つ)を明らかにすることができた.
  • 齋田 萌, 木村 健一
    セッションID: B1-06
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    ミュージアムには学芸員、来館者、デザイナー、ボランティアなど多様なステークホルダーが関わっており、彼らの間では相互に触発し合うコミュニケーションが生まれている。近年の研究では、ミュージアムでの触発体験を支える装置(インストゥルメント)の特徴を検証し、触発に関わる16の因子を同定している。一方で筆者は自身の経験からインストゥルメント開発過程においても触発するコミュニケーションが生まれ、それにより展示が様々な視点を取り入れたより良いものになるのではないかと考えた。そこで本研究では市立函館博物館での触発型インストゥルメント開発に着目し、ボランティア、学芸員、デザイナー(筆者)の関わり方を分析した。その結果、開発過程においても触発に関わる因子を発見することができ、触発体験によって開発がより良いものになっていることが明らかになった。
  • アクティブラーニングを促す討議スタイルの分析
    渡辺 衆, 田丸 恵理子, 大谷 千恵
    セッションID: C1-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    手描き図解スキルが討議スキルの向上に貢献するのかを確認することが目的ある。富士ゼロックスが研修教材として開発したプレゼンテーション用手描き図解スキルの一部を討議用に改訂し、それを活用した大学三年生の討議を発言時間・回数・内容・描画表現などに焦点を当てて観察および分析した。2回の討議を観察した結果、議論への参加頻度、事実の共有化、話し手に対するフィードバックが増加した。また、図解は記録を残せるので思考過程を振り返ることもできた。
  • 山内 雅貴, 原田 泰
    セッションID: C1-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    近年、映像というメディアに対する世の中の価値観の中には以前よりパーソナルなものも増えてきている。特定の発信者が関連するコミュニティに情報を発信できることが身近になり、制作される映像作品は映画や CM のような大規模なものだけではない。映像による活動の記録は、後の活動において重要な役割を果たすが、その中で本研究では映像制作経験の少ない者が映像による活動記録を制作することに注目する。本研究ではカフェなどの小規模コミュニティを活動の実践の場とし、様々なコミュニティに記録者として筆者自身が参加しながら活動の記録映像を制作・公開し、地域コミュニティに向けて積極的に情報発信を行う。これらの活動から得られた気づきや体験を一人称視点で記述し、まとめたものを映像による活動の記録手法として示していく。まとめた手法は他者に実践してもらい、実践結果の成果物やインタビューから、他者のもとでも機能する手法か検証する。検証結果をもとに、改めて手法をまとめる。
  • ダイナミック・ダイアグラムよる出来事を捉える基本単位の設定と分析に関する試み
    植村 朋弘
    セッションID: C1-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    ワークショップなど表現とコミュニケーションを通した学びの活動の意味と仕組みを探求している。これらの探求を目的に、観察ツールDDAA(Dynamic Diagram Activity Analizer)の開発をおこなった。DDAAは、学びの活動を記録し、活動後の振り返りにおいて画像・テキスト・動的ダイアグラムによって観察していく。特に観察対象者の感情に着目し、関係変化を統合した動的なダイアグラムで可視化することを試みた。
  • 赤羽 亨, 池田 泰教
    セッションID: C1-04
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    当初ワークショップの記録と内容共有のために開発された、多視点映像ビューワー「Workshop Archive Viewer」であるが、その使用を通して、このシステムの有用性を認識し、その他の事例への利用も検討するようになった。その後改良を加え、4つの異なった映像を同一画面上で同期再生できる 「ArtDKT Viewer」を開発するに至った。本稿では、4つの実際の使用例をあげ、本システムの特徴について概観し、将来の応用可能性についての考察を行う。
  • 看護の仕事の新しいかたちを探求するプロジェクト
    小早川 真衣子, 須永 剛司, 平野 友規, 山田 孝介, 丸山 素直, 渡辺 健太郎, 西村 拓一
    セッションID: C1-05
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    病院での看護の仕事の新しいあり方を看護師たちと共同でデザインすることに取り組んでいる。本稿では、その取り組みの成り立ちを明らかにするために、これまでのデザイン過程を省察した。その結果、展開を成り立たせている3つの特性「表現すると本質を見出せること」「共感が起きるとパートナーになること」「実践に巻き込まれた時、本当の共同デザインが起きること」を見出した。これらの発見を報告し、そこにある「活動を基盤としたデザイン」の思考と行為の特性を議論する。
  • 梁 元碩, 荒山 莉穂, 白 雲豪, 延 明欽
    セッションID: C1-06
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    多くの大学はアクティブラーニングを通して「グローバル展開力」「問題解決能力」「コミュニケーション能力」「異文化理解力」の4つの能力を育成すために、グローバルPBL(Project Based Learinig)が授業の方法として取り組んでいる。しかし、教員側と学生の間に満足度の差が生じるため、芝浦工業大学の場合も最適なPBLプロセスを実践しながら改善している。そのため、グローバルPBLに適した工夫も考えていく必要があると感じる。
  • ドキュメンテーションムービーの制作とワークショップデザイン
    福崎 千晃, 曽和 具之, 池本 和弘
    セッションID: D1-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    ワークショップという手法がデザイン教育現場に用いられるようになって久しい。さまざまな分野や考え方を集約し,新たなコンセプトや共通認識を生み出す手法,また,自分の体験を豊かにする手段として,この学習環境は一定の成果を上げていると言える。一方,ワークショップは一過性的な学びが多く,参加者が日常のデザイン活動とワークショップでの自分の体験を結びつけることが困難な場合も多い。本研究は,参加者がワークショップでの体験を繰り返し振り返り,学びのスタイルを構築できる映像記録手法を示し,記録データを活かしたワークショップデザインについて論じた。また、参加者がワークショップでの体験を繰り返し振り返り、学びのスタイルを構築できる映像記録手法を示すことと、記録データを活かしたワークショップ設計について論考を行った。Real Time Videoの制作コンセプトと、撮影時のカメラ視点をマトリクスとして、ワークショップでの撮影対象および撮影手法についてまとめた。これは、Real Time Videoが参加者の段階的な体験の振り返りをサポートし、ワークショップのプロモーションやリデザインを効果的に行える。
  • 活動の視覚化、省察、共有、発信のためのスクライビング手法
    原田 泰
    セッションID: D1-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、2つの事例で行ったRTD(real time documentation)から、その表現方法と必要なスキルについて検討した。

    デザインワークショップでのRTDでは、複数の記録者がそれぞれの視点から表現したドキュメンテーション成果物を比較することで、記録方法やメッセージの取り上げ方についての共通性や差異、資料共有のための方法や読み解くための留意点などについて検討した。デザインイベント内でのプレゼンテーション記録RTDでは、RTD初心者のスキルアップの過程を追うことで、RTD人材育成のための視点と方法について検討した。
    ワークショップではフィールドワークからディスカッション、表現活動、プレゼンテーション、振り返りまで、6日間に渡る活動のすべてを記録・表現し、これらをそのまま冊子化することで、報告書の体裁にまでまとめることができた。イベントでは、発表者ひとりに対し模造紙一枚の情報量で、すべての登壇者のプレゼンテーションと質疑を資料化することが出来た。
    これらの事例の中で、スクライバーそれぞれの個性や、初級者のスキルアップ過程を確認することができた。これらを踏まえ、客観的な記録ではなく、編集者によって構成された記録資料としてのRTDの活用を、「旅するデザイン」手法の中で検討していく必要性を見出した。
  • 日本のメディアアート文化史データベースでのインターフェイスデザイン
    関口 敦仁, 田中 良治, 高橋 裕行, 細谷 誠
    セッションID: D1-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    データベースのインターフェイスデザインとして、インフォグラフィクスの考え方を導入することは、視点を明らかにしていく方法論として、効果的な手法である。
     そのグラフィックそのものがインターフェイスとしてデータの意味的特徴を明らかにすることで、データグラフィクスの可能性を示すことになる。本研究ではその一例として、h27-28年度の行なった、文化庁メディア芸術連携促進事業「日本のメディアアート文化史構築研究事業」において作成されたデータベース・インターフェイスデザインに基づいたドキュメンテーションのデータデザインとしてのアプローチを示す。
  • 松元 真菜, 齋藤 美絵子
    セッションID: A2-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    旅行市場における新たな消費者として、若者が期待されている。しかし、現在市場において若者が占める割合は少ない。1年間に1度も旅行をしない若者は、アニメ・ゲームなどの、家で楽しむ趣味に対する関心が高い傾向がある。そのような若者は、趣味を宅外で楽しむために、旅行をすることが明らかになっている。しかし、彼らは旅行中も趣味を動機に行動しており、旅行に楽しみを見出しているとは言い難い。そこで本研究では、若者がゲーム等の趣味をきっかけに旅行に出かけ、旅先で良い旅行経験をするために必要な作品活用の要素を明らかにする。
  • 福井県高浜町和田地区をケーススタディとして
    藤田 和秀, 吉村 朋矩, 三寺 潤, 池田 岳史
    セッションID: A2-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    この研究は沿岸地域における避難誘導システムの検証を行い、災害時の安全かつ円滑な避難計画の提案を行うための基礎研究として福井県の高浜町和田地区を調査した結果をまとめたものである。同地区は夏季に大都市圏からの多くの来街者がある地区であるが、調査の結果、地区内からの避難の際に避難場所に行くために時間がかかるといった点や、誘導サインが少ないといった様々な問題が確認できた。
  • ~のとじまアクアリウムラリー~
    山内 暢人, 出原 立子
    セッションID: A2-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    のとじま臨海公園水族館の各施設を巡る楽しさを向上し、来館者が能登の海洋生物についてさらに学ぶ機会を提供する目的として、「のとじまアクアリウムラリー」を展開し実証実験を行った。
    本ラリーシステムは、モバイル端末と3DCGを映す擬似ホログラフィを用いた仮想水槽をデータ通信で繋いだ点が特徴であり、水族館内を巡りながら能登の海洋生物を自分のスマートフォンに集め、さらに館内の大型水槽に向けてリリースする、キャッチ&リリースラリーである。チェックポイント内に手をかざすことによって、海洋生物をアプリケーション内の水槽に捕まえることができ、能登近海の海洋生物への興味に繋げるようにした。さらに、図鑑の説明文などを通すことで、学習向上に繋げた。捕まえた海洋生物は、ラストポイントにてフリックすることによって、壁面にその海洋生物を投影することができ、リリースシステムを楽しむことができる。そして、映像コンテンツを制作することで、切り替え映像用として、壁面に溜まった海洋生物をクリアおよび最後の演出とした。
  • 田中 大貴, 山崎 和彦
    セッションID: A2-04
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    近年、ユーザーインターフェースをはじめとする、デジタル画面上のデザインなどにおいて、アニメーションのような動きを持ったデザインが増加している。動きを持たせることによって、示したい情報に注目させたり、感動させたりすることもできる。  
    しかし、そのような動きのデザインのすべてが意味のあるものとは言えず、ユーザーを混乱させる場合もある。そこで、植物の動きを例とした調査分析をして、動きのデザインを研究することにより、必要に応じた動きのデザインを作ることができるのではないかと考えた。
    本研究の目的は、植物の動きを用いた動きのデザインを例に研究することにより、動きのデザイン手法を提案することである。
  • 映像メディア技術を用いたインタラクティヴな表現手法の創出
    山本 努武
    セッションID: A2-05
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    景観にはその場所が持つさまざまな情報が構造を伴った状態で存在しており、見る者の視座によってそれらの意味が動的に変化してゆく。このような景観情報の特徴を適切に視覚化し、効果的に伝達するための手法を創出するのが本研究の目的である。効果的に伝達する術として、われわれの空間を把握する知覚に即した、現実感のある視覚体験を提供するため、空間認知研究における諸説を参照し、研究作品を制作する。また、景観を形成する視覚的な要素を構造的に分析し、空間として知覚させるために適切な作品構造を研究する。
  • 山下 万吉, 桃田 稔也, 鎌田 芳弘
    セッションID: A2-06
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    タブレット端末やスマホで映像を見ることが一般に普及してきたことと相まって、映像によるプロモーション効果の高さが改めて注目されている。映像を積極的にプロモーションに導入する、または導入したい企業や大学は増えている。しかし、肝心のタブレット端末やアプリが展示等での鑑賞を考慮していないため、使用者(展示の実行者、映像の鑑賞者)にとって、扱いづらいものとなっているのが現状である。
    本研究の目的は、<タブレット端末での展示および鑑賞に特化した、汎用性のある映像展示用アプリケーションの開発>である。映像展示としての見栄えを備えつつ、誰でも簡単に扱えるインターフェースになるよう、試作版のiOSアプリの開発を進めた。今回の発表では、制作したアプリの仕様について報告する。また、鑑賞者へのインタビューの結果、制作したアプリケーションの使いやすさが伺えた。
  • プロジェクト「Film Cycle(フィルムサイクル)」を例として
    池側 隆之, 佐原 理, 松本 篤
    セッションID: B2-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    「Film Cycle(フィルムサイクル)」は,8ミリフィルムや写真など主に個人が20世紀に撮影・記録した映像群(個人映像)を公共財と位置づけ,そこに映し出された,大きな歴史に回収されない貴重な個々の物語に価値を見いだしながら,それらが現代のコミュニティの中で新しい物語を紡ぎ出すための手段となり得るかを,住民と行ういくつかのプログラムを通じて検証するプロジェクトである。個人映像の撮影者や被写体となった人物へのインタビュー調査を通して,ここでは[地域で撮影された昔の写真をカラーにする]プログラム,[物語収集・共有のための8 ミリフィルム鑑賞会]プログラム,[VRを利用したメディアコンテンツ制作]プログラムを計画・実践した。多様な個人映像利用の手続きそのものをデザインと位置づけてプロジェクト展開した結果,映像が単に地域コミュニティの魅力を発信するコンテンツ指向ではなく,「映像が誰によって,どのような過程を経て記録されたか」に関心を引きつけるプロセス指向,または「撮影者の記憶を他者が共有できる」メディア指向など,重層的かつ統合的に機能することが明らかになった。
  • シナリオ・プランニング手法を取り入れた未来のまちづくり共創活動
    稲舩 仁哉, 長田 純一, 吉橋 昭夫, 浜崎 千賀, 亀田 佳一
    セッションID: B2-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    社会課題のひとつである「医療サービス」をテーマとしたサービスデザインを試みた。2035年の八王子市を舞台に「医療サービス」がまちとそこでの生活にどのように展開されるかを共創するこが目的である。はじめに、経営戦略の手法であるシナリオ・プランニングにより、あり得る未来のシナリオを描いた。次に、描いたシナリオに対して、デザイン分野のユーザーエクスプペリエンス(UX)手法を用い、未来のシナリオの中における生活者のペルソナを設計、ペルソナから具体的な生活シーンを描くことで、サービスのアイデアや新たなる課題などが浮き彫りとなった。このように、シナリオ・プランニングとUXを連続して行うことで、あり得る未来とそこでのサービスのあり方、そして価値をデザインすることが可能であり、サービスデザインのプロセスとしての有効性が考察された。
  • 八王子の医療サービスのデザイン
    吉橋 昭夫, 長田 純一, 稲舩 仁哉, 浜崎 千賀, 亀田 佳一
    セッションID: B2-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    多摩美術大学の3年次演習授業「サービスデザイン」について報告した。2016年度は「未来の医療サービス」をテーマにICT企業、医療機関との共同プロジェクトに取り組み、2035年の八王子市をフィールドにした新たな医療サービスを提案した。デザインの過程では、医療者や市民など様々なステークホルダーと関わりながら、プロトタイプの評価を行いデザインを詳細化していった。プロジェクトの成果として、新しい経験価値を提供する医療サービスが提案された。
  • 永田 翔香, 山崎 和彦
    セッションID: B2-04
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    研究の背景として、「ユーザー中心に考えるならば、デザインすべき対象とは、製品そのものだけではなく、ユーザーが製品を使用することによって得られる豊かな体験」である。また、デザイン・パターンとは、”知識や経験のある人たちのプロセスや結果”であるため、設計やデザインを行う段階で効果的に使用することができる。上記のことから、人の体験を考慮したデザイン・パターン手法が必要である。人の体験を考慮することで、ユーザーに共感してもらえるようなデザインができると考えた。また、本研究の目的は、デザイン・パターンについて、体験の価値という方向から考えることで、UXデザインの一つの手法として、「体験の価値パターン」というデザインアプローチの提案である。また、体験は、価値とコンテキスト組合せにより変化するものである。デザイン・パターンは示すことが難しく、複雑である関係性のものを分かりやすく表現することができる方法の1つである。その特徴を利用し、価値とコンテキストという複雑な関係性を指し示すことができると考えている。
  • 総括
    安齋 利典
    セッションID: B2-05
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本報告では,これまで9回にわたり報告した内容を総括し,まとめる.企業ウェブサイトは,企業内外の環境の変化に応じて,体制や役割,目的,施策を対応させるように確立された開発/デザインプロセスに基づいて構築される.企業ウェブサイトにおけるデザイン最適化は,ユーザ行動に基づく情報を複数のマネジメントシステムから成る統合的サイトマネジメント方法によって開発,管理,運用することにより,なされると考える.この方法により,安全で安心できる安定した企業ウェブサイトが,継続的に改善され,情報を発信し続けることを希望する.
  • 支援ツールのデジタルプロトタイピング
    中本 和宏, 佐々 牧雄
    セッションID: B2-06
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    高齢化社会である日本において,介護保険サービスは,ますます重要な役割を担うようになってきている。しかしその複雑さから,介護者とその家族はサービスを能動的に選択していない事が多い。前報で筆者らは,「サービス選択」に着目し,介護サービスのサービス選択における課題を把握し,デザインによる解決策を模索した。結果すごろく盤と,カード,ボード盤から成る介護サービス選択支援ツールを作成し,検証を行った。検証として,想定されるユーザーに対し,アンケート調査とインタビュー調査およびユーザビリティテストを実施した。
    その結果,アンケート調査では,概ね好評価を得られた。しかし,ユーザビリティテストにおいては,いくつかの課題が発見された。これらには,ツールのシステム化によって解決できる問題が含まれていた。本研究では,これらの課題,現状を踏まえ,さらにツールを発展すべく,タブレットを中心としたシステムの制作を行った。
  • 長野 彩乃, 山崎 和彦
    セッションID: C2-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    近年、考慮すべきとされるモチベーションの種類が変化し てきている。以前は、金銭などを与える「外発的動機づけ」 により人のモチベーションを高めようとしていた。今は金銭 に報いるのではなく自己の成長、興味などの「内発的動機づ け」が重要であり、これを活用しモチベーションを高めてい こうという変化している。この内発的動機づけによるモチベー ションのことをモチベーション3.0と言う。研究目標は、モチ ベーションを向上させるための手段として、ワークショップ を考える際に、モチベーションを上げるためにはどうしたら 良いのかを示すUX的手法を提案することを目的である。ワークショップでモチベーション3.0の要素を入れ、その要素を反映されたワーク ショップは各要素が反映されたか、さらにワークショップ中 に要素を組み込むにはどのようなプロセスで考えていけば良いのかを、ワークショップを繰り返しながら評価して研究の アプローチが実際のユーザに合っているのかを検証し、そこから修正と検証を繰り返した。
  • 加藤 怜, 山崎 和彦
    セッションID: C2-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    近年、対話型インターフェースによるサービスが増えている。対話型インターフェースとは、会話やチャットといった「対話」によって、機械や装置と交信する仕組みである。昨今では、AI(人工知能)の自然言語処理の発展から、AIと対話をするサービスも増えている。

     しかし、このようなサービスは自然言語をインターフェースとして用いる為、ブランドの観点から、ユーザーに一貫したブランドイメージを与えることが困難である可能性が考えられる。一貫したブランドイメージが与えられないと、企業がユーザーから選ばれるための信頼を得ることができなくなるのである。 

     以上のことから、本研究ではブランドと体験を考慮した対話型インターフェースの制作方法と評価方法が重要だと考えた。また、本研究の目的はブランド体験を考慮した対話型インターフェースの制作の手法と評価の手法の提案である。
  • 市川 毅, 山崎 和彦
    セッションID: C2-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、イタリアのデザイナーの定義するファンタジア内での創造性の要素を考慮した、創造的なアイデアを創出するアイデアの発想法を提案することである。まず、『ファンタジア』に記載されている、発想の変換方法やワークショップを行う上で考慮しなければいけない点など、創造性の要素を20個抽出した。次に、『ファンタジア』内に記載のあったワークショップを3種類行い、参加者の様子を観察することで調査を行った。ワークショップ後、参加者にエクスペリエンスマップを書いてもらい、ワークショップ中の参加者の様子の観察と合わせて気づきを得た。その後、抽出した創造性の要素を利用して、新しい文房具のアイデアを発想するアイデア発想のワークショップを設計し評価を行った。評価の結果、ほとんどの項目で高評価を得られたが、ワークシートによってアイデアの出方にも違いがあるなどの考察を得た。
  • 前立腺生検における入院時の説明ツールの作成
    磯谷 周治, 吉橋 昭夫, 吉田 光治, 堀江 重郎
    セッションID: C2-04
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    われわれは、「医療におけるサービス・デザインの手法を用いた患者中心型医療の構築に関する研究」をテーマとし、2015年から多摩美術大学情報デザイン学科と順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学の共同研究を学術研究として開始した。2016年度の研究として患者の情報不足に関する不満や,医療者の業務負担の軽減する事を目的として,「前立腺生検における入院に関する説明サービス・ツールの作成」をおこなった。また,医療者とデザイナーが協働する制作プロセスを振り返る事によって,デザイン領域の医療・介護サービス産業への拡張について考察をおこなった。すなわち「デザイナー」と専門的デザイナーではない「医療者」が専門家,非専門家の枠をこえて協働する際の,揺らぎのなかから立ち上げって来る「医療に関するデザイン」を俯瞰してその分類を試みた。
  • 八城 朋仁, 迎山 和司, 原田 泰
    セッションID: C2-05
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,子ども向けプログラミングワークショップにおいて協調作業を促進するプログラミングツールの制作とユーザ評価を行う.プログラミングワークショップでは,多人数が参加する場ではあるが,ひとりひとりにプログラミングツールを用意し個別に作業をする時間が起こる.参加者同士の交流を図ることも可能ではあるが,プログラミング作業を協同で行うことには困難が生じる.そのため,プログラミングツール自体の発展が必要である.先行研究では,協調作業を促すための要素としてタンジブルなインタフェースが有効とされている.そこで,ワークショップで使用することを前提としたタンジブルなプログラミングツールの制作を行う.また,ユーザ評価として開発したプログラミングツールを用いたワークショップの開催と参加者の観察によって行う.
  • 臼井 花奈, 佐藤 弘喜
    セッションID: C2-06
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    インターネットの普及に伴い、インターネットサイトを利用した衣服の購入も増加している。 インターネットショッピングでは、服に触れないため消費者が不安を感じる。 本研究の目的は、消費者がインターネットショッピングで感じる不安感を明確にすることである。 アイマークレコーダーとアンケート調査の2つの結果、消費者は質感とサイズに不安を感じた。
  • ICT教育として奈良「名勝 依水園」を案内するアプリを開発する「ココニワ」を高校生と大学生が共同で研究制作を行った。
    三浦 剛, 松下 征悟
    セッションID: A3-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    奈良県立磯城野高等学校3年生7名(調査・テキスト担当)と東京工芸大学 芸術学部 デザイン学科 2年生2名と4年生1名、(UX・UIデザイン担当)同じくゲーム学科 3年生2名(プログラム担当)を対象に、ICT (Information and Communications Technology)教育を実施した。大学生と高校生が協力し、共同で奈良にある「名勝 依水園」を調査してコンテンツとなる対象を選び出した上で、開発環境としてマルチプラットフォームに強い“Unity”を、そしてARマーカーを認識させるために“Vuforia”を用いたスマートフォン用観光案内アプリを制作した。その結果、景観を害する等の問題も解決でき、訪れた人により多くの情報を伝えることができた。このアプリを作り上げる過程で、相互の意見交換、知識の共有などを通じ、地域も年齢も異なる学生の共同作業が、単にテクノロジーを教えるICT教育では得られない多くの気付きを学生に与え、その結果としてICT教育としての教育効果も高める可能性を示すことができた。
  • 「久留米織」の企画開発とブランディング
    佐藤 佳代, 青木 幹太, 楠本 幸裕, 石川 弘之, 井上 友子, 佐藤 慈, 荒巻 大樹, 星野 浩司
    セッションID: A3-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では有限会社光延織物、福岡県工業技術センターと九州産業大学芸術学部が連携し福岡県筑後地方で生産されている伝統的な綿織物である「久留米織」を用いた新しい商品を開発し、ブランディングを行った。これは「デザインブラッシュアップ講座」の一環で、大学側はデザイン支援の立場でこの講座と関わっており、実践的プロジェクト型教育として芸術学部デザイン学科でプロダクトデザインを学ぶ学生2名、教員2名が参画した。
    2016年度に取り組んだデザイン支援活動について報告する。
  • 村田 恒
    セッションID: A3-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、今年度、本校と横浜市国際交流協会(YOKE)が実施した「外国人のための生活情報プラットフォームの共同開発」について報告する。
    このプロジェクトを行った学生メンバーは、このプロジェクトを通して、現在横浜市が抱える外国人に関する課題を知り、その課題解決のためのプラットフォームメディアの重要性と、デザイナーとしての将来的な重要な役割を認識することができた。
  • 学生を地域社会に直接送り出す方式の可能性
    伊藤 真市
    セッションID: A3-04
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    この報告は地域社会での実践的デザイン教育について述べたものです。近年デザインの教育環境は劇的に変化しました。スマホとそれにつながったネット世界の広がりは、モノの実体験不足と造形面での弱さをもつ若者への対処なども必要としてきています。教師が学生を地域社会に直接送り出してのデザイン教育が多く見られるようになりました。こうした地域社会でのデザイン教育の枠組みを考える必要があるように思われます。「クライアントとのやりとり」「仕掛けていくコミュニティデザイン」「オンジョブでの高クオリティ」の3つの柱を提案しており、地域に残った卒業生が情報の提供・活動支援・学生の指導をすることの有効性についても報告しています。
  • 林 秀紀, 村木 克爾
    セッションID: A3-05
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は本学と岡山地域企業である㈱英田エンジニアリングとの産学プロジェクトの結果をまとめ、実務型デザイン教育について考察するものである。今回は「都市部における使いやすい駐輪機と精算機インターフェイスの提案」をテーマとし、企業の将来事業についても配慮しつつ理論と実践のバランスの取れたPBL(Project Based Learning)を実施した。
     駐輪機と精算機の個別のデザインを洗練させるだけではなく、周辺環境に適合しユーザーが満足する製品やサービスに関するユーザビリティを向上することが要望された。研究の目的は、現状の問題点に対しデザインでどのような解決策が考えられ、そして、実際のユーザーにどのような価値を提供できるかを創造することであった。駐輪機と精算機のシステム全体のユーザビリティを向上するため、ユーザー視点にたった考察を実践するため、人間中心設計(HCD)のデザインプロセスに基づいたデザイン手法を用いた。
  • 茶杓の制作
    益岡 了, 林 秀紀, 中原 嘉之, 谷本 尚子, 川合 康央, 池田 岳史
    セッションID: A3-06
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    岡山県立大学では、二年生への進級時に所属するデザイン教育領域を自主的に決定するために、基本的に領域別の専門的な科目は二年生以降に開講される。そこで一年生までの学習内容である基礎的なデザイン技術から、より専門的なデザイン作業へと連続的に学習できるカリキュラムが編成されている。
    我々は情報デザイン教育担当者として、基礎的な造形教育から、デジタルで高度なデザイン教育への円滑な移行について、それらの教育内容と効果について調査し報告を行ってきた。しかしながら最近の入学生の造形的経験は不足の傾向があり、特に一般的には危険とされる切削加工にはその傾向が大きいことが明確になっている。
    その結果、基礎的な造形能力の未熟によって、円滑な専門教育への移行に問題が生じる場面が散見されるようになった。そこで、刃物を使った基礎的な造形デザイン教育「茶杓をつくる」を入学前教育に採用し、刃物を殆ど使ったことがない履修者を対象に、そのデザイン教育の可能性を危険性を含めて調査し検討を行った。これは単なる技術教育に留まらず、総合的なデザイン学習、「生きる力」の涵養に効果的である。
  • -福祉・介護ロボットの研究・開発を事例として-
    青木 幹太, 榊 泰輔, 田代 雄大
    セッションID: B3-01
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本学は2012年度に理工系、芸術系、文系学部が連携し、福祉・介護の現場にロボットを実装する研究拠点として「ヒューマンロボティクス研究センター(Human Robotics Research Center: HRRC)」を設立した。当センターでは、リハビリテーション部門を備えた病院や福祉機器等を製造・販売する企業等とも連携し、医療現場のニーズに沿った福祉・介護ロボットの開発に重点を置いている。その活動の中で、将来のロボット開発の人材育成を目的に、デザインやエンジニアリング、マーケティングやマネジメントを学ぶ学生がそれぞれの専門分野の知識や技術に触れ、ものづくりにおける異分野の役割を理解し、チームとして協力しながらロボットを開発する場を提供している。本研究は、センター開設当初から実施しているロボット開発の教育プログラムの内容やこれまでの成果について報告する。
  • 平成25年度から平成28年度に実施した講義科目「デザイン人類学」のフィールドワークを事例として
    板垣 順平, 大坪 牧人
    セッションID: B3-02
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    名古屋市立大学芸術工学部では2013年より講義科目「デザイン人類学」を開講している.この講義科目では日常生活における人間行動から問題を発見することを目的としている.本研究では,平成25年度から平成28年度までの授業科目「デザイン人類学」で実施してきたフィールドワークの様子を分析しながら,場の設定と学生の観察行動の影響について考察するともに,限られた時間の中でフィールドワーク教育を円滑に進めていくための仕組みを提示することを目的とする.
  • 井上 友子, 青木 幹太, 佐藤 佳代, 佐藤 慈, 星野 浩司, 荒巻 大樹
    セッションID: B3-03
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、2016年4月に九州産業大学芸術学部ソーシャルデザイン学科が新設される原動力となり、現在も発展し続けている授業外活動と、新学科の正規授業との相乗効果について検証し、今後の研究の足がかりにすることを目的としている。
    我が国では、今日にあっても、ソーシャルデザインについての理解や解釈が未だ明確とは言いきれず、地域、所属機関、立場、環境等で取り組み方法は千差万別である。
    本学では総合大学の芸術学部らしいアプローチで、福岡を中心とした北部九州の企業、団体、行政と連携した文化色の強いデザイン支援を行っており、本研究はその教育的効果を検証したものである。
  • 「真なるもの」と「美なるもの」の狭間で
    藤田 茂
    セッションID: B3-04
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    平成27年度より,日本大学生物資源科学部の塚本勝巳教授が,ウナギの生態に関する出前授業「うなぎキャラバン」を実施している。発表者は,その出前授業で用いる「ウナギの卵」拡大模型のコミュニケーションツールを制作し,平成28年度より運用している。今回の発表では,サイエンスコミュニケーションにおけるコミュニケーションツールの「真なるもの」について考察する。
  • プロジェクトで生まれる齟齬をグラフィックレコーディングで解決できる人を増やすために
    清水 淳子
    セッションID: B3-05
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
    グラフィックレコーディングに可能性を感じで学びたいが無理と感じている人々に、どのように学びの場をデザインすれば、自信を持って実践への第一歩を踏み出すためのステップを明らかにすることを目的とする。
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