日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第66回春季研究発表大会
選択された号の論文の276件中151~200を表示しています
  • KAN CHIEN-YU, HONG PEI-FEN
    セッションID: D5-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    A total of 4 sleep beds with rear storage cabinet are provided by residents of Matsu Islands. A detailed analysis of the form, structure and decoration of Matsu traditional bedding.The sleep bed with rear storage cabinet is composed of the front roof, the bedrail and a base in the middle, the top cover, the intermediate plate cabinet and the lowermost base cabinet of the independent rear cabinet. As for the decorative part, the front bed frame and the front edge of the four samples are all decorated with embossing. The gold powder paintings are mainly on the middle bedrail. The decoration content is usually made up of dharma instruments and plants, which symbolizes auspiciousness.

  • 新井 竜治
    セッションID: D5-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    (株)山川ラタンの籐家具で培われたデザインと技術は、1987年以降、(株)ワイ・エム・ケー&(有)山川ラタンへ、2011年以降、(株)ワイ・エム・ケー長岡へと継承されて現在に至っている。同社は、創業当初から外部デザイナー・社内デザイナーによる籐家具のデザイン開発に努めてきた。その良質なデザインは海外・国内において高く評価された。またホームユース・コントラクトユースのあらゆるインテリアに適合する籐家具の品種を開発した。また同社は、丸籐・芯籐・皮籐などのあらゆる籐材の材料的特性と力学を熟知して、卓越した造形を実現した。また籐材だけに留まらず、異素材との組み合わせも積極的に実施した。

  • 豊島 祐樹, 石黒 悠紀
    セッションID: D5-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    日本の伝統木造建築に使われる「継手」や「仕口」と呼ばれるような木組みは、現在、新築される木造建築ではほとんど用いられない。地域に広く残存する伝統木造建築を未来に継承していくには、多くの担い手が必要になるが、伝統木造建築を扱える職人は全国的に少ない状況にある。また、伝統木造建築の仕事は知識と経験が必要なため、一部の職人に仕事が集中する傾向があり、若手育成のためにはこれらの状況を改善していく必要がある。
    以上のような背景から、本研究では、伝統木造建築の木組みの技術を用いた家具のデザイン提案を行う。この家具制作が職人の仕事の1つになり、職人の伝統的技術の向上に役立つことを目指す。今回は、作りやすい大きさであることや木組みの特徴の活かしやすさからコートハンガーのデザイン提案を行うことにした。
    研究の方法として、伝統木造建築に関する文献のほか、伝統的技術を持った職人のアドバイスを参考に、木組みを活かしたコートハンガーのデザインの検討を行った。
    コスト面や難易度の面から「シンプルであること」、価値を高めるために「伝統的技術が使われていることを分かりやすくすること」の2点を重視してデザインを行った。

  • 谷本 尚子, 益岡 了
    セッションID: D5-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    小論は、京都の家具メーカー二葉家具工業での調査を通じて、地域中小企業においてオリジナル家具開発がどの様になされていったのかを明らかにすることを目的としている。

    二葉家具工業は、1921年に室内 装飾業を請け負う大槻商会として創業し、1943年に二葉工業として事業登録する。1949年に店舗を構え、注文生産だけでなく店頭販売を始めた。1960年代以降はオリジナル家具開発を行い、1975年にArtekの国内最初の総代理店契約を結び、輸入販売を手掛けることで、京指物の名代宮崎木材工業とは異なる独自の洋風路線で京都では一定の評価を受けてきた。

    本発表は、筆者を含む椅子研究会メンバーによって企画実施した「京×椅子 -二葉家具と北欧モダン」展(2017年11月14-19日)の成果とその後の調査に基づいている。二葉家具工業におけるオリジナル家具開発には、1960年代と80年代の2度の転換期があった。1960年代には著名なデザイナーの登用による京都の家具メーカーとしてのオリジナル性が模索された。ここでは1980年代に伝統産業の町京都で、二葉家具工業がどの様にオリジナル家具開発を行おうとしていたのか、そしてそれはどの様な物となったのか、現地調査と当時のデザイナーと木工職人への聞き取りを軸にその実際について考察する。

  • 豊福 拓歩, 鈴木 篤也, 西田 智裕, 伊藤 孝紀
    セッションID: D6-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本研究では,住宅リフォームのデザイン賞における受賞作品を対象とし,体系化することで,住宅リフォームにおけるインテリアの実態を明らかにすることを目的とする。
     まず,作品を定量的に把握するため,作品調査をおこなった。加えて,住宅リフォームにおける消費者の要求を把握するため,住宅リフォーム前後の比較をおこなった。さらに,デザイン賞毎にみる作品の傾向を把握するため,デザイン賞毎の比較をおこなった。それを踏まえて,類型化をおこなった。

  • 岩崎 翔太, 佐藤 拓海, 西田 智裕, 伊藤 孝紀
    セッションID: D6-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本研究は,商環境におけるデザイン賞の入賞作品を対象とし,時代背景や市場の変化,消費者の要求を反映した空間デザインの変遷を明らかにすることを目的とする。
     入賞作品の特徴を定量的に把握するため,アイテム・カテゴリーを用いて集計し,「設計者概要」「紙面構成」「空間構成」の視点から傾向を明らかにした。
     デザイン賞における特徴を年代毎に把握するため,デザイン賞および年代毎に比較した。また、デザイン協会における動向と作品の関連と,大賞作品の傾向を把握した。

  • 朽木 順綱, 北本 悠伍, 吉岡 史樹
    セッションID: D6-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本稿の目的は,都市型キャンパスの地域開放エリアに設置されるデジタルサイネージについて,その新たな利用方法を企画し,提案することである。プログラミングによってさまざまな映像表示が可能となるデジタルサイネージと,地域に開かれた広場としての空間特性を一体的に捉え,デジタルサイネージが公共空間においてもたらす役割について,たんなる情報表示にとどまらない新たな意義を探求するものである。とりわけ,大学施設という学びの場,創造の場にふさわしい,創発的な地域開放空間,あるいはサイネージ手法という点に注目し,本学に在籍する学生のみならず,様々な用務で来学する訪問者,周辺を行き交う人々にとって何らかの発見や学びがもたらされることを期待し,デザイン検討や運営計画を立案するものである。

  • 郭 軼非
    セッションID: D6-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    現代中国は過密問題や工業汚染による都市環境の悪化を抱える中で、四合院などの伝統的な低層住居から高層マンションや緑地帯で構成された集合住宅へと住環境の形態が変化した。都市環境全体への貢献を目指して住環境における緑被率が法的に要求されて以来、古典庭園をモチーフしたパブリックスペースが集合住宅のパブリック緑地として多く作らていたことが大きな背景にある。本研究は現存する中国南方庭園に内包される重層空間の構成に着眼し、表層的な装飾を排除して古典庭園の再構築や分析を行う。建築物の装飾、岩山の作り方や樹木の整形といった庭を構成する個々の要素ではなく、建築と室外の空間における連続性、空間の見えや隠れを重視した空間造りの基本的配置パターンをデザイン的視点で整理することで、庭園が現代住環境に活用できる方法論を提示しようとしている。

  • Wu Chih-Fu, Chen Hsiang-Ju
    セッションID: D7-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    車椅子は障害者への援助としてISO-9999として定義されています:座っている間彼らの援助を移すこと。車椅子使用者に関する多くの研究は主に障害とその腕の筋肉に関するもので、リムを押す車椅子にかかる力とモーメントを測定し、手動の車椅子使用者の肩の痛みを軽減するためのリハビリテーションと洞察を改善する方法に関する情報を提供します。そして怪我の可能性。しかし、車椅子利用者は障害者や高齢者だけではありません。市場で最も一般的な車椅子は、介護者の手首を曲げ、WMSDを引き起こす可能性があります。この研究は、このギャップを埋め、台湾の本当の社会的状況を提示するでしょう。ほとんどの在宅ケアは、未熟な家族の女性によって行われ、平均年齢は46歳です。本研究は、車椅子改良型デザインへと拡大するためのケア関連筋骨格系障害の研究を目的とした。

  • 田代 雄大, 青木 幹太, 西薗 秀嗣, 本山 清喬, 梅崎 浩嗣, 福田 健太郎
    セッションID: D7-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本研究は、高齢施設等の移乗介助時の生理的負担の軽減を目的に、医療法人原三信病院香椎原病院の理学療法士(以下:PT)、作業療法士(OT)、介護福祉士等の協力を得て実施している介助用装着型補助具の研究・開発に関する報告である。本研究では、介助用装着型補助具の実験用モデルを製作し、高齢者の日常生活における基本動作訓練・運動能力回復等を専門にする香椎原病院のPTの協力を得て、その効果を検証することを目的としている。効果の検証方法は、光学式三次元動作解析装置を用いて、「椅子Aと直角の位置に置いた椅子Bに抱え下し、着座させる」一連の移乗介助の模擬動作を補助具利用の3条件と補助具なし1条件で行い、被験者の前傾角度と脊柱屈曲角変位を算出した。その結果、補助具を利用することで、前傾角度、脊柱屈曲角変位が小さく、抱え上げや抱え下しの介助作業の腰部負担の軽減に有効であることが検証された。

  • 山田 航大, 青羽 俊, 田中 みなみ
    セッションID: D7-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    歯科医療従事者の診療では体に負担がかかります。本研究では表面筋電図を用いての肩部の筋疲労の調査とひも計測法を用いての腰部の伸び具合を計測することで、体への負担の原因の調査を行います。その結果に基づいて、同様の作業であっても比較的負担の少ない姿勢を見つけ出し、その姿勢を再現できる補助装置の提案のための基礎的な調査を行いました。調査の結果、上顎作業時には腰部への負担が大きく、下顎作業時では肩部への負担が大きいことが判明しました。

  • 長尾 徹, 中村 朋子, 柴田 卓也, 水谷 裕一
    セッションID: D7-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    近年、医療など専門分野で使用される機器においてUE/HFEに基づく機器設計が重要視されてきている。しかしながらエンジニアリング手法としては確立されておらず、十分に浸透していないのが現状である。本研究は、専門職の経験則を含んだユーザビリティ評価をHFEに基づいて設計段階から組み込む製品開発要件の研究であり、ユーザーの満足度や安全性、確実性を確立した上での製品開発の効率化を目指してしている。「理美容鋏」を対象とし、ユーザビリティを設計値化するための要素抽出方法の検討に重点を置いて実験を進めた。実験は一般人による身体的フィットの要素抽出及び実験環境と方法の確立を目的とし、物性要素として把持力測定実験と筋電計測実験、感性要素としてSUS評価実験とアンケート調査を行った。本研究における実験はいずれも有意に比較を行うことができ、今後の手順を確立することができたが、身体的フィットの要素としての結論には至っておらず、今後必要となる展開について述べた。

  • 岩田 彩子
    セッションID: D8-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本研究は、戦後日本のインダストリアルデザインの歴史をまとめ、検証することを目的としている。調査方法は主にJIDAが発行した機関誌を中心とした文献調査とした。
    1970年代は生活スタイルの多様性が花開いた時期である。そしてデザインの分野においてもそれは同様であり、また多様な生活スタイルを実現させたのもデザインの力であった。
    それでは今日の日本で、デザインは正しく文化として根付いているだろうか?
    本稿では、1970年代の日本のインダストリアルデザインを、生活への浸透という視点で検討する。

  • 阿部 卓也
    セッションID: D8-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本研究は、1950年代末から90年代前半まで日本の印刷環境を「光学(写真)技術ベースの体制」と捉え、文字と書物のデザインの進展を、そのような体制との関係の中で分析しようと試みるものである。その中で中心的な考察対象とするのが、デザイナー杉浦康平(1932-)と写真植字(写植)の関係である。杉浦本人や、杉浦の周辺にいた関係者(印刷技術者、デザイナーのアシスタント、写植システム販売企業の広報担当者など)へのオーラルヒストリー取材をもとに、証言と史料を照応させて、デザイン、技術、社会の相互関係に一定の見取り図を与えることを目指す。本発表では、�@杉浦的な文字詰めのメソッドが普及する過程と、日本語の中でカタカナ語が急増していくという言語状況との関係、�A70年代を中心とする杉浦のダイヤグラム表現の達成と、その発表の舞台となった百科全書の産業としての側面や、組版技術の進展との関係、�B60年代以降に杉浦がブックデザインという新興職域を開拓していく過程で、書物の基底材たる「文字」と「紙」を担う企業「写研」と「竹尾」が、杉浦の支援者として決定的に重要な役割を果たしていることの意味、以上3つの論点について、3章構成で考察する。

  • 石川 義宗, 禹 在勇
    セッションID: D8-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    現在、農民美術は産業として発展しているというより、市民の活動によって支えられている。本発表ではこのような現状を工芸の概念に包含し、定義することを目的にする。それは「美術」「工業」「美術工藝」というような明治後期の「工芸」の概念の成立に関わるものではなく、大正から昭和にかけて進んだ地域の尺度による「工芸」の概念的拡張を理解しようとするものである。農民たちが行った内発的な活動であるという点で、その独自性が明かされるはずである。

  • 工藤 遥, 勝又 俊雄
    セッションID: D8-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本稿では、主となる図柄などの情報を引き立てる目的をもって、その周囲を縁取る形で施される装飾を「フレーム(Frame)」と呼称する。今やデザインを行う上では定番の一手法であるが、日本において平面作品にフレーム装飾が使用され始めたのは、西洋諸国との貿易を開始した横浜開港以降と比較的新しい。外来の概念であるフレームを読み解くことは、日本人のデザインに対する意識を明らかにするだけでなく、現行のデザイン業においても、歴史的文脈を踏襲した装飾対象に適切なフレームを考慮・選択する助けになると考える。本研究は、明治日本におけるフレームの特徴と傾向を調査し、そこから読み取れる精神性や背景、起源を考察する。

  • 山岡 俊樹
    セッションID: D9-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    我が国の1945年から2019年までのデザインの歴史をデザイン1.0,2.0及び3.0に分けた.現在のデザイン3.0のステージでは,モダンデザインではない温かいデザイン等の概念が含まれている.温かいデザインの評価には心理的距離感が有効であると考えている.その心理的距離感は,自然素材,意味性・ストーリーや持続的経験によって影響を受ける.116人の社会人に,サインペン,オーディオ機器など6つの商品について,心理的距離感の観点から評価をしてもらった.また心理的距離感に似た用語を記載してもらった.結果として,心理的距離感は「親しい」と「温かい」の用語に似ており,日用品と関係が深い.この2つの用語は,「日常性」「身近」「やわらかい」「なつかしい」の概念を含んでいる.

  • 張 英裕, 邱 奕程, 劉 靜文, 歐 耘秀
    セッションID: D9-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    「捏麵」とはいわゆる日本のしん粉細工である。本来中国伝来の民間工芸の一つであり、中国では面塑、面花、礼馍、花糕と呼ばれる。その材料は主に小麦粉及びもち米粉で、水と塩あるいは砂糖を入れ、かき混ぜたあとに蒸し、着色し、できた生地である。そして「捏麵人」はこの多彩な生地及び小さな鋏などの道具を使い、実在である動物、植物、花、人物や空想上の神仙、龍、鳳凰、麒麟などの造形物を製作する。
    台湾における捏麵人は昔冠婚葬祭、長寿祝い、祭典などの民間イベントに多用されており、食べることもあったが、時代の変化とともに、材料も前述した食用材料から化学材料と変わってきており、現在は観賞用だけで、食用不可となっている。

  • 中川 志信, 檜垣 智也, 蔡 東生, 董 然, 劉 飛
    セッションID: D9-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    文楽人形は生命感のある感情豊かな表情や表現を,演者による音や動きの演技演出デザインで創造している。17世紀から継承される文楽の演技演出デザインには,定量的に研鑽された型(デザインパターン)が潜在する。これらをロボットに適応して,人間以上に感情豊かなロボットを創造する研究を継続している。

     本稿では,人が無意識に錯覚することを利用した文楽人形遣いの技と,感情表現の動きに音を加えた文楽のメカニズムを明らかにし,ロボットに適応できる演技演出デザイン法則の創出が目的である。人の無意識の錯覚では,人のメンタルモデルを壊し無意識に多くの情報を提供する人形にしかできない動き,動きに敏感な周辺視野を利用した錯覚の仮説を提示した。文楽における音(テンポと旋律)と動きの調査から,先ず,音のテンポと人形の動きが,日本の伝統芸能の基本である速度の3区分「序破急」パターンになっていること,次に,太夫の語りの音高変化と人形の部位ごとの動きの変化が同期していることを明らかにした。

  • 楊 炫叡, 劉 伃軒
    セッションID: D9-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本研究は優雅風格と写真表現手法の対応関係を判明するのが目的である。最初に文献調査を用い、BoFとLystネットワークプラットフォームから、ファッション衣装における2017年度の前五位の高級と安いブランド合計10軒の60組の広告を収集し、それに使われていた主な風格の種類とそのコンセプトを確立する上、写真撮影の照明方法、道具と背景、モデルの姿勢、構図方法などの要素を分析し、風格に合わせた写真撮影の表現パタンを分けた。次に、表現パタンの有効性を確認するための撮影試作実験を行い、高級と安いブランドにおける優雅風格の表現比較をテーマに、それに合わせた写真撮影の各構成要素を設定し、道具と背景、モデルの姿勢、構図方法三つの項目から、13組の写真サンプルを作成し、両者の表現パタンの効果を比較した。最後に、語意分析法を利用し、優雅特徴の強弱と高級感の印象効果を測り、写真撮影の表現パタンの有効性を確認した。

  • 大久保 恭利, 阿部 眞理
    セッションID: PA-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    国産スギ材によるCLTは建築構造材として活用を推進されているが、建築構造材以外には家具材としての利用がある。しかし、机の甲板や収納家具の棚板にとどまっている。本研究ではCLTを椅子部材として使うため、CLTの強度と視覚的印象を明らかにし、その結果をもとにデザイン要件を設定した。デザイン要件は、CLTの特徴である端面に着色し、重たい印象を軽減する、端面を活かして再構成したデザインを取り入れるなどである。以上のデザイン要件を用いて4脚のスツールを試作した。

  • 妹尾 涼, 白石 照美, 阿部 眞理
    セッションID: PA-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本報では 、室内防災に寄与する収納家具の要件を抽出し、これを満たす構造を見出すことを目的とし、タケ材を活用し軽量で倒れにくい収納家具の開発を行っている。タケ集成材の挽き板を主材とした中空構造の棚を試作し、振動試験、耐荷重試験を行った。今回提案した中空構造は、集成材挽板の他に、皮付きの1次加工材、タケ成型合板等を適材適所に使用したこと、部材同士の接合を工夫し、固定部分とフリー部分を設けたことで、重心を下げ、軽量で倒れにくく、防振効果を持つ可能性が示唆された。

  • 張 凱棋, 羅 彩雲
    セッションID: PA-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    台湾の少子化の進みに伴い、ベビー用品市場のビジネスチャンスが生まれ。赤ちゃんとママに安全かつ心地よい睡眠空間を与えるため、赤ちゃんをベビーで寝かせる、というベビーベッドの使用にする場合がある。本研究は、台湾製ベビーベッドの五つのブランド、LEVANA、ChildMind、孩記得、LaJoie、BENDIを取り上げ、今後の関連研究の土台作りとして、現地調査法による複数ある項目の調査と分析を行い、台湾製ベビーベッド産業の現状及び発展の傾向を検討する。査と分析を行い、台湾製ベビーベッド産業の現状及び発展の傾向を検討する。今回の研究により、次のような結果が分かった。1)ベビー商品のM型市場へ。2)人気商品である子どもの成長に合せて形を変えられるベビーベッド。3)台湾における主流商品である木製ベビーベッド。

  • 林 庭妤, 羅 彩雲
    セッションID: PA-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    Mattress industries are the group of industries among Taiwanese traditional industries easily neglected. The majority of craftsmen started marketing mattress through consignment at physical stores to increase the sales since 1950. Today, many online shops include mattresses in the product lists in order to complete the line of bedroom furniture.
    The study looks into Joy Dream Mattress with online services for case study, analyzes and expounds the current application of Taiwanese mattress industries in new media through the research method of in-depth interview. The study also intends to comprehend the research purpose for adding product value through virtual platforms.
    The research results show that Joy Dream Mattress takes consumer demand as the priority of consideration when designing the website and emphasizes on the transparency and openness of introducing mattresses, thereby transmitting the correct user information. The company also adopts appointment based product experience while the e-product resume implements traceability management with comprehensive online services.

  • 沢田 信哉, 高木 拓哉, 阿部 眞理, 白石 照美, 足立 幸司
    セッションID: PA-05
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    リボン状に加工したスギ圧縮木材を用いてスツールを試作し,スツールに対して体圧分布測定、感覚評価試験、圧縮試験を実施した。その結果、体圧分布測定では体圧が分散している様子が確認できた。また,感覚評価試験では身体を支持し、心地良さを得られることが明らかとなり,圧縮試験では荷重に応じてたわみ,人体を支持して体圧を分散することが確認できた。これらの結果をもとに、リボン状に加工したスギ圧縮木材による座面部材の設計要件を抽出した。

  • 伊藤 圭祐, 渡邉 慎二
    セッションID: PA-06
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本研究では、近年非常に拡大している企業ブランドの「可変ロゴ」の外観デザインの手がかりを提示することを目的に、「可変ロゴ」の外観デザインの類型化と印象を抽出し、両者の関係性を明らかにした。近年、スマートフォンなどのメディアの多様化によって、より表現の幅が広がった結果、従来固定されていたロゴを可変させる「可変ロゴ」の事例が増えてきている。可変表現を用いることで、今のブランドを保ったまま異なるイメージを付加することができる価値がある。このような可変ロゴのデザインでは、的確に意図したイメージを表現することが重要であるが、実際にその方向性を示す研究はなされていないのが現状である。そこで本研究では、可変ロゴの構造と印象の関係を探ることにより、企業ブランドにおける可変ロゴを適用する際の方向性を示すことを試みた。まず可変ロゴを用いた企業・組織を90個をサンプルとして収集し、類型化を行った。その後、クラスターごとに印象評価を行なった。その結果の考察から、「固定なロゴを可変させた時の印象の変化」と「各クラスターの印象」の2つを明らかにした。本研究で、これまで示されてこなかった可変ロゴの外観デザインの指標を示すことができた。本研究での事例にとどまらず実務に基づきながら検証され精度を高めていくことを今後の展望とする。

  • 佐藤 直木
    セッションID: PA-07
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    「津田三省堂(つださんせいどう)」は、1909 年(明治42 年)に、津田伊三郎(つだ・いさぶろう)によって名古屋の地に創業された活字製造・販売会社である。かつて日本には、宋朝体の国産鋳造活字は存在しなかった。中国の宋朝体活字に源流を求め、苦心のうえ、津田三省堂により宋朝体活字がはじめて国産化されることとなった。筆者は「文字と書体のデザイン」を研究テーマに掲げて大学研究室を運営している。研究を進める中で、ふとした機会から古書を入手した。津田三省堂発行の「宋朝 各号 長体・方体 略見本 /二号 長体 総見本」である。書体見本帖を手にしてその内容に触れたときの衝撃は大きなものであった。その書体は「雄健にして典雅、活字面の鮮鋭明確なるは無比」とかつて称されたと伝えられるように、独特の風格と気品を漂わせる書体であった。文字をデザインする人間のひとりとして、偉大な先駆者である津田三省堂へのリスペクトを込めて、津田三省堂宋朝体のデジタル復刻に取り組むことを決意した。今回はその取り組みにおける成果のごく一部を紹介するものである。

  • 周 瑞剛
    セッションID: PA-08
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    本研究は、先行研究の考察や専門家へのインタビューなどを通し、漢字を含む吉祥図案の定義を提示し、その定義に基づき、漢字を含む吉祥図案が考察できた。現存のその図案は“漢字”と“吉祥図案”の二つの造型要素から構成されていると考え、それぞれの構築形式を考察し、吉祥図案と漢字の関連性を分析した上で、「象徴性」と「歴史性」が漢字を含む吉祥図案の成立として役割を果たしたことを得た。

  • 太田 聡海, 菊竹 雪
    セッションID: PA-09
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
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    【背景】
    泡は食事や水回り、さらには比喩表現としてなど日常生活にありふれているが、最後には割れてしまうことに疑問を持つことはほぼない。泡の不規則で単発的であるのはなぜなのかという疑問から始まった。

    【目的】
    泡の消泡(割れてなくなる)に影響する要素や、消泡までの時間に規則性が存在するのかをさぐり、それらのデザイン分野への応用をはかる。

    【方法】
    液体の攪拌による泡の生成方法を用いて、11種類の消泡に関する実験をおこなった。台所用洗剤、洗濯のり、水を調合した液体を用いて、湿度や温度、大きさなど様々な条件で実施した。

    【結果】
    湿度に関する実験において、平均消泡時間は湿度 70 ~ 75% 時は4分86秒、湿度50 ~ 55%時は2分59秒であり、湿度が高いほど消泡しにくいという結果が得られた。また消泡時間と割れた跡に関する実験では、消泡時間が長いほど色濃くかつ不鮮明な模様を描き、消泡時間が短いほど色が薄く、鮮明な模様を描いた。

    【結論】
    消泡に関する規則性や要因と思われる要素を得られた。特に消泡時間と割れた跡の関係は意外性があり、これは今後のデザイン分野において応用できる技術に発展できると考える。

  • 野宮 謙吾, 柴田 奈美, 風早 由佳
    セッションID: PA-10
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    竹久夢二による直筆原稿の分析から、氏の筆跡の特徴を明らかにし、これを基にした仮名書体の開発手法を探った。
    まず、翻刻が存在し照合可能な資料として、「ベルリン日記」(昭和7年11月〜8年4月頃、縦書き、鉛筆)を選択し、平仮名を採字した(47音、計1,048字)。
    次に、判読性が確保されながらも特徴的であること、正方形に対し収まりがよいことを条件に各文字2〜4文字に絞り込んだ後、骨格を抽出した。そして、抽出した骨格に対し、エレメントの付加及び各部調整を行い、平仮名書体の原型を試作した。
     しかし、夢二の筆跡は時期により字体あるいは骨格の差異が認められる。従って、本研究で採択した晩年の時期に近いベルリン日記の筆跡をもって、夢二の代表的な筆跡と判断できるかについては疑問が残る。
     また、本研究では書体への展開を想定し、正方形への収まりを絞り込みの条件に設定したが、逆に、夢二の筆跡の魅力を表現するためには平仮名本来のプロポーショナルな字幅を活かす方法が適している可能性がある。

  • 名古屋 友紀, 三澤 直加, 和田 あずみ, 小野 奈津美
    セッションID: PA-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    社会課題が複雑化する現代の社会において、専門家の知識と技術的合理性だけで課題を解決するには限界があると言われている。状況を的確に捉え、漸進する方法として「行為の中のリフレクション」に注目が集まっている。

    本研究では、このリフレクションを生み出すインタラクティブなポスティングシステムを例に、不特定多数の人に影響が起こるミラーボール型リフレクションについて考察した。

    情報が乱反射する一つの物体を軸として、他者のリフレクションを見ることができるミラーボール型リフレクションは、第三者にも拡散的に影響を及ぼし、相互の省察をより拡大しやすくするものである。
    また、システムの存在の認知、アクセスの容易性、交流のきっかけ、動線に合わせた調整、以上4つの条件下でインタラクティブなポスティングシステムを利用することにより、ミラーボール型リフレクションが起こせることがわかった。

  • 張 羽桐, 水津 功
    セッションID: PA-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、地域における歴史の風致の維持及び向上に関する法律は文化財保護法行政とまちづくり行政の緊密な連携の下、総合的かつ一体的な計画が重要とし、文化財と現代的な生活の共存共栄の方法を模索している。

  • 柯 永林, 水津 功, 松岡 由幸
    セッションID: PA-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    一般に景観は視点と視対象とで構成されており、視点のある場所(視対象を見る人間の居る場所)を視点場と言う。また視対象はまず嗜好や美意識など個人の価値観によって主観的に発見されるが、他者との共有によって公共的価値が生じると言われている。本研究は、より良い視点場のデザインによって視対象の公共化に貢献することを目的として、これまでの研究を踏まえ、具体的なプロジェクトを通して行ったものである。
    視点場の状態が観察者の体験や心理状態を大きく左右する。つまり、良好と感じる景観を提供するため、視点場のデザインは重要になる。視点場の状態が観察者の体験に大きく影響しているため、視点場を整備するには、視点場を発見してから、整備により眺めを確保した上で、さらに体験質を向上し、観察者が体験をシェアすることで、景観の公共化が可能になる。視点場のデザインを通して、視点場における景観体験を強調することによって、景観を公共化することが本研究の目的である。

  • 細江 沙里那, 滝本 成人
    セッションID: PA-14
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、塗装の隠蔽性に関する吹付塗装実験を行 うことで各色の隠蔽性が基材のテクスチャーに与える影 響を明らかにした。実験方法は、MDF材に対してアクリ ルラッカースプレーを使用し、下塗り色に上塗り色を重 ねてスプレー塗装を行った。
     その結果、単色がもつ隠蔽性と複層色がもつ隠蔽性、単色複層回数の違いよる隠蔽性、多色複層回数の違いに よる隠蔽性という項目に違いがあった。それらの実験結 果より、下塗り色の隠蔽性を利用した塗装方法が基材に 新しい発色を与えるということを明らかにした。
     従来では塗装の隠蔽性とは下塗りに一定の単色をムラなく塗装し、上塗りの単色に隠蔽力の大きさを求めていた。しかし、下塗りの単色や単層色、複層回数に変化をつけることで下塗りの色の隠蔽性を利用した新しい複層色を基材に塗装することが可能になる。

  • 川合 康央, 池田 岳史, 益岡 了
    セッションID: PA-15
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,観光地ではない一般的な地域のための,過去の歴史的街並み景観のシミュレーションシステムをゲームエンジンを使用して開発したものである.対象地区を,旧東海道の宿場町である藤沢宿とし,浮世絵,古地図,古文書等を参照して開発を行った.本システムは,以前開発したシステムの公開展示を経て得られたユーザからのフィードバックを受け,システムの大規模アップデートを行った.特に,本システム特有の表現として,晴天,曇天,雨天,雪天といった天候表現,昼夜などの時間帯,春夏秋冬などの季節の再現について,変更可能なシステムとした.

  • 上平 崇仁, 鈴木 望果, 星野 好晃
    セッションID: PA-16
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    デザインにおいて、問題解決の前に、問題自体を問うことは、既にある価値観や信念に対して疑いの目を向け、思考の枠組みを切り替えるための重要であるが、あまり学習の中では重視されていない。本稿では、学校や企業などのデザイン学習者を主対象とした、多角的な視点から「問い」を生成するための発想ツールについて報告する。研究の目的は、前提を乗り越えるための問い方の技法に関しての検討を行い、誰でも使えるようなツールのデザインを行うこと、及び、そのツールの評価を行い、有用な知見を見出すことである。先行事例としてのHow might we Question、弁証法、ロールプレイイング法を組み合わせて、問いの発想ツール「委員長とギャル」の開発を行った。当該ツールの試験運用を行った結果、ロールプレイを行ったことで通常の発想法では生まれない突飛な発言が自然に生まれていたこと、一旦否定をはさむことで暗黙の前提を破壊することができたこと、この2点から参加者が楽しみながら発想に利用することができることを確認した。

  • 松本 恵渚, 木村 健一
    セッションID: PA-17
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    我々は街路を歩いているとき、都市に存在する様々な要素の関わり合いから様々な様相を感じ取っている。本研究ではあふれ出しと表出に着目し、これらが我々の感じ取っている様相にどのような影響を与えているかを明らかにすることを目的とした。「あふれ出し」は住民が生活を送るで致し方なくあるいは無意識的に屋外に出てくるもので、「表出」は外に向けて意識的に設えて置いたものである。まず、函館市西部地区において経路歩行実験を行った。次に実験経路を13の領域に分割し、交通量とあふれ出し・表出の数によって領域を3段階の路地度に分類した。被験者の様相記述を見ると、表出は好意的に受け取られ、あふれ出しは被験者によって様々な受け取り方をされていた。また、あふれ出しの数が多い街路では、あふれ出しを領域を規定する要素としていた被験者もいた。また、あふれ出しと表出のどちらが多いかによって、被験者が感じる様相の傾向に差異が現れていた。しかし、領域内に目立つものや気になるものが存在する場合は、歩行中はあふれ出しや表出に目が行くこともあるが、印象に残りにくいことがわかった。

  • 伊藤 汰地, 安井 重哉
    セッションID: PA-18
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では、次の2点について述べる。1つは、模様を重ね合わせることで新しい模様を作成することが可能な表現ツールの制作である。二つ目は、表現ツールを用いた行動観察と観察内容の考察である。
    表現ツールは、ツール上のOHPシートを重ねて自由に動かすことで模様を作り出す。行動観察の結果、「図形の重ね合わせ」と「自由な操作」によって、意図した模様を発見する楽しさや、ふとした瞬間に意図していなかった新しい形が見えてくる驚きといった「能動的探索」の面白さが生まれたことが示唆された。さらに、探索の中で新しい模様が見えてきて再び探索するといった、連鎖的な行動にもつながったと考える 。 将来的にはアニメーション表現を実装する予定である。

  • 菅野 鈴, 木村 健一
    セッションID: PA-19
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,「居心地の良い」場所を任意活動を促す場所とし,その構成要素を明らかに
    することを目的として,フィールドワークとアンケート調査を行った.フィールドワークから,任意活動が行われる「居心地の良い」場所の存在が示された.また,それらは街並みや風景の眺めがよく,ベンチなどの着座できる環境のある場所であり,適度な交通量の場所であることが分かった.アンケート調査からも同様に,風景の良さや人通りに関する回答とともに開放感も要素として挙げられた.これらのことから,滞留者は眺めの良い開けた場所,すなわち「視点場」と「他者」の要素から「居心地が良いかどうか」を判断していると考察された.また,居心地の良い場所は,「視点場」であり,適度に「他者」が存在する場所といえる.

  • 相澤 康智, 田邉 里奈
    セッションID: PA-20
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では豆から挽いて、簡単に淹れられるペーパードリップに着目し、ドリップコーヒーの魅力を伝える事を目的にしている。ブランド「HoT」を展開し、ドリップコーヒーを作る体験の場を作り出す事で、体験と組み合わせたプロダクトを提案した。体験を通してドリップコーヒーの魅力が伝わった人に向けた、HoTセット(ペーパードリップ編)の制作をした。

  • 政倉 祐子, 若林 尚樹, 福田 大年
    セッションID: PA-21
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、札幌市立円山動物園を対象とし、来園者の観覧経路と、各展示ポイントでの体験から得られる来園者の主観的な印象(高揚感、達成感、難易度)を計測した。来園頻度の多いグループでは、経路はシンプルであり、高揚感は全体的に低くかつ展示ポイント間の差異が小さかった。来園頻度の少ないグループでは、経路は比較的複雑であり、高揚感は全体的に高くかつ展示ポイント間の差異が大きかった。経路から推測される来園者の観覧方法と、それぞれの観覧方法によって得られる園内での主観的な印象との関係について考察を行う。

  • 赤坂 文弥, 渡辺 浩志, 井原 雅行, 柴山 明寛, 本江 正茂
    セッションID: PA-22
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    日本は,世界的に見て,自然災害が多い国である.しかしながら,日本国民の防災意識を見てみると,大災害の発生に対する意識は高いものの,実際に日常生活で防災の行動や備えができている人はおよそ35%程度しかいないことが分かっている.このように,防災・減災のための行動や備えをすることは,日常生活において“後手後手”に回っていることが現状である.
    以上に述べたようなことは,防災への「関心(意識)」と「行動」の間にあるギャップ(一種のKnowing-Doing Gap)として捉えられる.このギャップをいかに埋めればよいのか?,ギャップを埋めるための製品やサービス,仕組み,社会はいかにデザインできるか?.本研究ではこのような問いに対して,防災・減災のための新たなデザインコンセプトとして「ステルス防災」を提案する.そして,生活者との共創を通じて,ステルス防災を実現するプロダクトやサービスの具体的アイデアを探索する.

  • 福山 雅人, 渡邉 慎二
    セッションID: PA-23
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、演奏者の動きを一覧化する「モーショントレイル立体」を制作し、楽曲の一覧表現としての可能性を検証した。楽曲の可視化に関する多くの研究があるが、いずれも音響データに基づくものが多く、演奏動作に注目した事例は見られない。演奏動作の一覧表現により、音響情報のみならず、これまで可視化できていなかった演奏者の情報も含め、楽曲を網羅的かつ感覚的に伝達できる可能性があると考えた。本研究では、演奏者の各部位の動きの軌跡を3次元表現することで演奏動作の一覧化を試みた。具体的には、演奏者のモーションデータを取得し、3DCGソフトで各身体部位の軌跡を厚み付けするという手順で制作した。立体から読み取れる情報の考察を行なうため、バイオリンを例に実験を行った結果、表現から楽曲の印象や、音の大きさ、高さなどといった音響情報を伝達できる可能性、及び、表現の大きさや肘のぶれといった演奏者のスキルに関与する情報を伝達できる可能性を示すことができた。今後、さらなる表現の工夫を行うことで、音楽の短時間把握や、演奏者のスキル向上に貢献するような表現の具体的な活用可能性について検討していく。

  • 水上 夏希, 山崎 和彦
    セッションID: PA-24
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    1.研究の背景

    図2: フルートの音色からイメージする形と言葉の関係

     近年、AI スピーカーが発売されるなど、目に見えないインタフェースが注目されて、世の中の“音”に対する関心や関わり方が発展してきている。私はフルート経験者であるが、興味がない人はフルートといってもどんな楽器であり、音がするのか知らない人が多い。そんな人たちに、音の表現の可能性を探りながら、普段耳でしか感じられない“音”や“響き”というものを耳以外でも感じることができるものとして表現し、“フルートらしい音”というものを知ってもらい、知識がなくても、一緒に楽器の音を感じる体験ができるUXデザインを提案する。
    2.研究の目的

     本研究の目的は耳以外の部分で感じることができる“音色”の表現方法を研究し、耳以外で“音”を感じることができるデザインを提案することである。フルートの体験として演奏すること以外でもフルートの体験ができること目指す。また、演奏を聴いた人と同じような印象が共有できる体験を考え、それぞれの音色を表現する時の共通イメージを作ることを目的とする。

  • 和田 あずみ, 三澤 直加, 名古屋 友紀, 小野 奈津美, 竹村 郷
    セッションID: PA-25
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    第四次産業革命を背景に、プレゼンスが弱まっている日本経済。日本の企業では、企業の創造的活動にあたり、柔軟に、常識にとらわれないで活動を創出する目的で、グラフィックレコーディング(以下GR)の活用が広がっている。
    新宿区立落合第六小学校では、このGRの方法を取り入れ、創造的な人材の育成を目的に小学生へ向けた「おえかきシンキング」授業(全4回)を株式会社グラグリッドと共同で開発し、実施した。全4回の授業を通じて、創造的活動を支え推進する兆しの行動が生徒達にみられるようになった。また、生徒達の変容、授業の振り返りおよび分析を通じて、創造的人材育成に貢献する4点の影響要因として、「個人の壁や視野、固定概念からの解放」「新しい意味づけのための、身体による探索と他者関与」「他者の声を受けとめるために、自分の心の声を『きく』こと」「創造し、まとめるための『イメージ』『マインド』の育成」を導き出した。

  • 田邉 里奈, 若林 尚樹, 政倉 祐子
    セッションID: PA-26
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,動物園等の展示施設において,図的表現による視覚的対話手法を用い,来園者の印象の変化を視覚化し,その傾向を多角的に分析するための手法の開発を目的としている. 今回は、横浜市金沢動物園で「わくわく動物園マップ」というワークショップを開催し、観覧ルートに沿った気持ちの変化を捉えるとともに、2種類のマップを作成することで体験の視覚化を行った。 来館者の印象の程度と、2種類のマップを組み合わせて見ていくことで、印象の段階的な視覚化と再編集ができ、体験自体の視覚化と情報の共有が可能となった。 また、新しいコミュニケーションツールとして活用も可能になると考えらえる。

  • 郡 祐太郎
    セッションID: PA-27
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    ファッションは自由な自己表現や温度管理のために着るようになったといわれている。しかし、日本には四季があり、年間を通して気温の変動がある。温度管理のためにその気温に対応するべく人間は気温が寒いと体温が下がらないように厚着をし、暑いと服装は薄着になる。そのような背景から気温によって着ることができる衣類の選択が狭まっている状況であるために自由な自己表現をすることが難しい。本研究では靴による体温を調節を促すことを目的としたプロトタイプの製作プロセスを説明する。

  • 井上 順子, 横須賀 ヨシユキ, 井口 泰寛, 佐藤 佳奈子
    セッションID: PA-28
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は、デザイン活動を行う人々が、頭の中に思い描いたアイデアや概念を外在化し、実在し触知可能(タンジブル)な形に具体化する活動を支援することである。本研究は昨年度発表した「紙立体を活用した触知によるアイデア生成手法」の継続研究である。先行研究では、画用紙を活用したアイデア創出支援のワークショップの分析結果から、紙立体を活用してアイデアや概念を外在化し、触知可能な形にすることの効果を報告した。

    本年は、紙立体を活用した思考過程の外在化を支援するワークショップ教材の開発を行った。

    作成した紙立体ツールを活用したワークショップを3例実施し、参加者のアンケート結果や意見から、アイデアを出しやすくするツールの形状や大きさを検証した。アイデアのブレインストーミング段階に紙立体を導入することで造形活動が生まれ、アイデアを作りこみ拡張させたくなるなど、思考の活性化やモチベーションを高める効果が確認できた。
    紙立体ツールは�@ビジネス、�A UX、�B子どもの造形活動の3種類のワークショップツールとして改良予定である。
    利用者がアイデアを外在化しやすい形状を検討するのが今後の課題である。

  • 野々山 正章, 藤代 裕之, 土橋 臣吾
    セッションID: PA-29
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では、ニュースミドルメディアの開発のためのプロトタイピングの調査結果について報告する。スマートフォンを用いたニュース接触が一般化している。 短い隙間時間で行われる偶発的で散漫な情報接触などによりニュース経験の時間的断片化および情報源の断片化している。移動が伴い、時間、空間を越えた経験となるため、従来の観察手法では調査が難しい。そこで、大学生を対象にミドルメディアのプロトタイピングを行うことで、そのニュース経験を明らかにしようとするものである。

  • 瀧 知惠美
    セッションID: PA-30
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は、プロジェクトメンバー相互の信頼が醸成していく方法と方法論を明らかにすることである。本研究では、プロジェクトメンバーが信頼し合い、共通の目的へ向かって一人ひとりが自分ごととして取り組めるチームを「いいチーム」とする。複数チームでふり返りの実践を繰り返していった成果が、ふり返りの対話の方法「デザインリフレクション」である。対話の基本枠組みは、次の4つの問いから成り立つ。(1)「特に苦労したことは?」(2)「苦労したことをどのように乗り越えたか?乗り越えようとしているか?」(3)「がんばるモチベーションになっていたことは?」(4)「やってみて気づいたことは?(よかった点/改善点)」ふり返りの対話の方法の成り立ちに関して、理論的考察を「いいチームづくり」の方法論として3つ示す。(1)ドラマ性のある語りで苦労と工夫の試行錯誤が明示される。(2)「リフレクション・イン・アクション」をチームで行う。(3)「わかる」ことが活動意欲を向上させる。

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