本研究は,新聞の文字組みの変化と可読性との関係について調査したものである。まず、1行当りの字詰数と行間による構成のパリエーションを21個つくり,実験用サンプルとした。被験者に21のサンプルを渡し,30秒間に何文字読めるかを測定し,あわせて各文字組みの印象について,SD法による調査を行った。結果は次の通りである。(1)一番速く読めた文字組みは,30字詰行間1/1で,次いで20字詰行間1/2,15字詰行間1/2の順であった。(2)因子分析の結果,各被験者間には一致した評価構造があり,その構造は重量感,美感,明瞭感の3つの軸からなるものであると解釈した。(3)評価尺度間の相関係数から,全般的に美しくて,軽くて,やわらかくて,さっぱりした文字組みが,被験者には好まれた。以上の結果から,新聞という限られた紙面の中で,効率のよい紙面利用を考えるならば,15〜20字詰行間1/2を本文に用い,30字詰行間1/1を見出しに続くリーダーの部分に用いるのが適当であると思われる。
抄録全体を表示