近年,各種のマイクロバルーンが製造されるようになり,これらを混合分散した各種の複合材料が開発されている。このような時代に対応し,本研究は,マイクロバルーン系複合材料を取り上げ,その特性を実験から明らかにし,応用への可能性を検討したものである。その結果,この種の複合材料は,繊維系複合材料とは異なり,むしろ発泡プラスチック,木材や陶器に似た性質をもつことが明らかになった。また,非吸水性,振動吸収性,色調や表面性状などの独特の性質をもつことも明らかになった。さらに,これらの特性の原因を検討した結果,マイクロバルーン系複合材料は,デザイン的に興味深い特性をもち,軽量性を求める分野をはじめとして,広く利用され得ることが示唆された。
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