現在,学校教育現場では,パーソナルコンピュータ(以下,パソコンと記す)が次第に導入され,その教育的利用法については種々の検討が加えられている。しかし,デザイン教育にパソコンを利用する検討は,必ずしもその推進が図られているとはいえない。こうしたなかで,筆者は,パソコンを利用したデザイン教育の一環として,CG画像の色分解システムを開発し,これを利用して,生徒にCG画像をシルクスクリーン印刷して作品化させる,という授業実践の試みを進めている。そこで,本稿は,開発したCG画像の色分解システムの概要を明らかにするとともに,その教育的有用性を検討したものである。その結果として,つぎのような教育的意義を見出すことができた。1)シルクスクリーン印刷を利用した多色印刷の基礎教育,および色彩の基礎教育と色彩計画上の操作において有効である。2)デザイン教育の一環としての情報処理技術の学習,およびデザインワークの道具としてのパソコン利用を促進することができる。
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