代表的なCGカラーモデル,HSV,HSL,HSIに対する従来の立体表現には,互いに異なった空間における異なった形状が利用されており,モデルの比較を正しく行なうことを妨げていた。そこで本報は,カラーモデルに対する新たな立体表現を提案するものである。結果は以下のように要約される。1.モデルを比較する共通の空間として内積ベクトル空間を導入し,カラーガムートの写像を得た。2.各モデルを代表するパラメータ--V,L,I--に関する曲面群を,一定間隔の値ごとに抜きだして各色立体を構成した。それによって,各モデルは単一のカラーガムートを共有するにもかかわらず,立体表現のうえでも互いに区別できるようになった。3.ACM/SIGGRAPHのグラフィックス標準計画委員会によって推奨されたHSLカラーモデルの曲面群が,3モデル中,等輝度平面に対して最も複雑なかたちに歪んでいることが判明した。
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