本研究は,近年の労働時間短縮に伴う余暇時間の増大等に導かれる,今後の生活形態の変化,また,当初余暇時間を活用して行われてきたレジャーが,現代においてはその時間的枠組みを越えて多様な展開を示していることに注目し,レジャーを行う人々の意識をとらえることから,最終的にはレジャー環境計画の基礎的知見を得ることを目的としている。本報においては,具体的なレジャーと対応させ,人々のレジャー観を導き,レジャーの意味構造を明らかにすることを試みた。その結果,レジャーの社会的機能とされる,休息,遊楽,自己創造の3側面に対して,人々の個人的意味づけは,それらに重層的になされていることが分かった。また,人々は,レジャーに3側面のバランスのとれた状態をイメージしているにもかかわらず,現実の社会的条件が障害となって,遊楽に突出した現状となっていることも明らかになった。これを踏まえて,レジャー環境整備の方向性を導き出していくべきものと考える。
抄録全体を表示