日本のオフィスは,大部屋形式で,かつ,対向式レイアウトが多い。これに対し,最近オフィスワーカーからプライバシーを守りたいという要求が多く,スペースの狭い日本ではローパーティションが採用されることが多い。しかし,その効果は経験的なものである。本研究はローパーティションについて,(1)その効果を定量的に把握する,(2)ローパーティションを設置することによるワークステーションの適正条件を明らかにすることを目的として検討した。その結果,以下のことがわかった。対向式レイアウトにおいてローパーティションの設置は多くの人にとってプライバシーを守る効果があった。なお,学生と社会人の差はみられない。また,ローパーティションを設置するならば,机は大きい方(幅110cm 以上奥行き70cm 以上)が望ましく,さらに,コミュニケーションが多い場合は,ローパーティションの高さは机上面から20〜30cmが望ましい。
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