オフィスにおける創造的問題解決の重要性の増加とともに,コラボレーションの「場」を構築する様々なツールが開発されている。ツールの使用に伴い,コラボレーションにおけるツール操作上の負荷,およびコミュニケーション環境も異ってくる。その結果コラボレーションの過程も変容することになると思われる。本小論では,時間軸は共有することとし,空間軸を共有する条件を3種類,空間軸を共有しない条件を3種類の合計6種類のコラボレーションの「場」を実験的に設定し,それぞれの「場」におけるコラボレーションの過程がどのように変化したかを,観察調査,およびプロトコル調査の手法で明らかにした。その結果,コミュニケーションについては,非言語情報を活用できる空間共有条件においてスムーズな展開がはかれていた。また,空間軸を共有する条件では,ことの情報表示ツールを共有する場合,視線が同じ方向を向き,課題に集中した問題解決過程が得られることが明らかになった。コンピュータツールは,操作の負荷が大きくコラボレーションの進行を阻害していた。
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