本研究は地域の産業が抱える問題点を分析し, 製品開発の本質に迫ろうとするものである。本報では佐賀県の製造業を対象として行ったアンケート調査をもとに地域の製造業の抱える問題点を分析し, (1)企業は業種や企業規模の違いによリ製品開発に異なった意識を有している, (2)重要とされているのは製品の品質, 価格, 経営者のセンスであることがわかった。さらに困子分析によって5因子(マネージメント技術, 作る技術, デザイン技術, 品質, コストパフォーマンス)を抽出し, 企業のタイプを「作る技術重視型」, 「製品開発重視型」, 「製品開発無関心型」, 「デザイン重視型」, 「マネージメント重視型」の5タイプに分類した。その結果, (1)製品開発に対する考え方は, 企業規模よりも業種による違いが大きい, (2)医療品業界, 陶磁器・焼物業界のタイプ形成の要因には産業の成熟度が関係していると考えられることがわかった。
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