デザイン学研究
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45 巻, 2 号
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  • 朴 燦一, 田中 みなみ, 宮崎 清
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 1-10
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    「入りやすく」, 「好ましい」博物館のイメージと, 年齢によるイメージの差異, 並びに「理想的な博物館」のイメージの構造を明らかにするために, 相関分析, 重回帰分析を用いて分析した。その結果, (1)SD尺度間の相関関係では, 誘導性および好感度評価の両方に対して, いずれの館種においても高い相関を示した評価語は, [面白い][新鮮な][オリジナリティーがある]の三つであった。(2)各館種別に年齢別のイメージ評価を比較した結果, 歴史, 郷土, 総合博物館において10〜30歳代が, [古い][沈滞した][つまらない][陳腐な]などの負のイメージを強く持っていることがわかった。(3)「理想的と思われる博物館」を表すイメージ評価予測式を主成分分析と重回帰分析で求めた。その結果, 第1主成分を構成するイメージ(新鮮な, 面白い, オリジナリティーがある, 豊かな, すっきりした, 美しい, 広い, 新しい)が理想的な博物館のイメージの判断に大きく影響を与えていることがわかった。
  • 原田 利宣, 森 典彦
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 11-16
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    今日, 自動車の銘柄数は国内だけで100を超えるようになったが, そのフロントマスクデザインはいくつかの系統のデザインに棲み分けされている。そこで, 本研究は, その棲み分けに影響を与える要因を究明することを目的としている。まず, Shepherdらのヒトの顔の認知に関する研究と同様なことを, 自動車のフロントマスクに対して行った。その結果, ヒトは自動車のフロントマスクをヒトの顔と同じようにとらえ, 輪郭(ボディのシルエット), 目(ヘッドランプ), 鼻(ラジエターグリル), 口(バンパーのエアインテーク形状)の順で注目度が高かった。また, ヒトが自動車のフロントマスクをみたとき, 犬系や猫系などの動物の顔をプロトタイプとして想起していることが推察され, それらプロトタイプの種類がデザインの棲み分けの一要因となっていることが推察された。さらに, ラフ集合理論により, 犬系, 猫系のプロトタイプを想起する要因となる形態要素の集合を抽出した。その集合は, 犬系, 猫系の顔の特徴を抽象化した形であることが推察された。
  • 原田 利宣, 森山 真光, 吉本 富士市
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 17-24
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    デザイナーは, デザイン要素である曲線を定義する際, 「曲率変化の仕方」と「ボリューム」を制御していることが, 筆者の過去の研究から明らかになった。また, それにより, 筆者は, 「曲率変化の仕方」と「ボリューム」を制御して, 逆に曲線を創成する手法の開発も行った。ただし, この手法では, 「曲率変化の仕方」が一様な単調リズム曲線のみしか扱えなかった。しかし, 自動車などの曲線を解析した結果, 2種類以上の単調リズム曲線が複合して曲線を構成する複合リズム曲線が, 数多く用いられていることが確認された。そこで, 本研究では, この複合リズム曲線の創成手法を開発することを目的とするとともに, コンピュータ上での曲線の取り扱いについても検討を行った。開発した創成手法は, この複合リズム曲線を様々な「曲率変化の仕方」の組み合わせに対し, コンピュータ上で統一的に扱うことができ, 新しいCADシステムの曲線創成方法として応用可能である。
  • 北條 みぎわ
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 25-34
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本論は, 米国ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD)グラフィックデザイン学科トーマス・オッカース教授の論文「Graphic Design Education-A Position Paper」を主とする諸資料, ならびに著者の同学科での授業体験をもとに, RISDグラフィックデザイン学科の教育理念について考察するものである。まず, 同学科の教育方針や教育内容およびカリキュラムの内容を読み解いていく。特に, 従来のデザイン教育に視覚言語の概念や情報理論・記号論を導入している点に着目し, その意義について考える。次に, 同学科デザイン教育の特徴を整理し, それらの内容から同学科の理念となっている考え方を考察する。そして, 最終的にはRISDグラフィックデザイン学科の教育理念の中に, 今後のヴィジュアルコミュニケーションデザイン教育の指標となりうる考え方を明らかにする。
  • 久山 宏
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 35-44
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    ビデオセンサーを用いる図形計測技術により, 図記号類の特徴量を二値化画像について測定し基準値を定めて正規化し形状によって一定値を示す指数を求める。図記号類としては印刷用各国文字及びサインマーク類を用いた。測定値は汎用画像処理機で得られる数値とする。指数は出来る限り視覚に関連のある性状を表現するものとする。まず技術的な説明として計測数値を説明しそれから得られる正規化指数が表現する図記号類の性状を説明する。指数から見た図記号群全体の持つ特徴, 更に文字群とサインマーク群に大分類し夫々の特徴を報告する。計測数値と指数について, その数値と図形の形とが如何なる関係にあるかを示すため, 特徴的な文字やサインマークを挙げてその数値を示す。一つの指数は図形性状の一つの断面を表すもので多数の指数がある。その指数間には相互に関係がある。幾つかの指数間の関係を報告する。指数は客観的数値であるから計算や統計処理が出来る。この技術の可能性について考える。
  • 木谷 庸二, 児玉 美帆, 山内 陸平
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 45-52
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本研究は, 都市における分譲集合住宅取得者の生活とその価値観に大きな影響を与えている住居負担費の問題, すなわち, 分譲集合住宅の取得と維持に関する経済的問題に焦点を当て, 分譲集合住宅の取得者の生活実態を調査し明らかにしたものである。次に調査結果と家計調査年報などの諸標を基に, 分譲集合住宅の取得者(主として一次取得者を対象)が取得と維持を無理なく行える年収別指標をアフォーダビリティー[適正度]という視点で導いた。この指標は建築計画における居住環境の質的レベルの向上とともに, 生活者側からの取得における経済的制約を示すものであり, 今後の集合住宅の計画とデザインに有効なものである。
  • フローレンス テルマ ラソ, 宮崎 清
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 53-62
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本論文は, フィリピンにおける伝統的住居の空間構成の歴史的変容過程に関する研究の一環をなすもので, その調査・研究の輪郭と手順を, これまでの空間デザインに関する各種先行研究を踏まえながら, 明らかにしたものである。とりわけ, 本論文においては, 文化人類学の領域において慣用される「住居の概念」, つまり, 人間と住居の本質的関係の把握に注視し, そのための方法と研究の枠組みを提起した。すなわち, 住居地域と集落構成, 住居理念の表現とその歴史的変化, 住居の機能と意味, 住居空間と信仰, 住居空間意匠と物質文化, 以上の五つの側面から, 現地調査や歴史的・美学的解釈を踏まえながら, 量的ならびに質的に, 解析的ならびに統合的に, 「居住の概念」を段階的かつ総合的に把握することの必要性と意義を論述した。
  • 高橋 靖, 藤原 義仁, ジョン シャクルトン
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 63-72
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本研究は, 人々のテレビ視聴における態度・価値観を分析することによって, 多チャンネルテレビ時代におけるヒューマン・コンテンツ・インタフェースデザインの要件を明らかにすることを目的としている。本研究では, テレビ視聴の態度・価値観に関するアンケート調査データを分析し, 8つの因子と各因子における年令・性別の特徴を抽出した。得られた8因子は, 「娯楽の陽的享受性」, 「情報源としての便益性」, 「くらしの潤滑油としての機能性」, 「テレビ自体の有益性」, 「テレビ視聴の習慣性」, 「番組への感情移入度」, 「カタルシスへの欲求度」, 「番組に対するロイヤリティ」である。これを因子グループ, 番組特性, 年令・性別の特徴から考察した結果, ヒューマン・コンテンツ・インタフェースデザインに必要な要件として, 1)番組価値観因子に則した主観的な分類による番組ガイド機能, 2)態度因子に対応したカスタマイズ可能な番組選択支援機能が必要であることを明らかにした。
  • 伊原 久裕
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻2 号 p. 73-82
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    アイソタイプは, オットー・ノイラートによって考案された視覚教育のための体系である。それゆえ, アイソタイプを理解するには, アイソタイプは, まず体系として把握されなければならない。本稿ではその試みの一つとして, アイソタイプの文法的規則に着目し, 考察を加えた。規則の考察を, アイソタイプがシンボルの表現形式, 絵の表現形式, 数量の表現形式という三つの表現形式から成り立った体系であるという想定の下で進め, これらの表現形式の中で文法的規則が示している基本的な制約的傾向を抽出した。文法的規則の制約的傾向は, 三つの表現形式を相互に関連づけ, 統合化する拘束力として機能しており, 結果として, 多様な情報様式に, 効率的に同時に対応できるアイソタイプの統一的な表現形式を実現していることを示した。最後に, このようなアイソタイプの表現形式の特徴が, ノイラートの啓蒙活動の要求を反映した独創的なものであることに言及した。
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