デザイン学研究
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45 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 高梨 令, 森 典彦, 片岡 篤
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 1-8
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本研究は2次元線図形で表された製品の形を基にしてバリエーションを生成するシステムを提案するものである。このシステムはデザインの発想段階で多くの形の候補を, 造形仕様としてではなく図形として提供すること, および基となる形の特徴を何らかの意味で保存していることに特色がある。システムは, 形の特徴をある基準像からの差異と捉え, その差分に関する非線形関数によって変換を定式化し, パラメータの値によって強調, 緩和, 変調, 逆変調と名付ける互いに性質の異なる多角的な変換法と, スプライン関数による図形表示法によってバリエーション生成を実現した。事例として自動車(BMW3)の側面図についてシミュレーションを行い, モデルチェンジに際して製品アイデンティティをどう扱うかに従って変換法が決まることなど, システムの実用性について考察した。また基準像として現在の平均像だけでなく過去の平均像も用いることによって, 特徴に時系列的推移を加味することができることを確かめた。
  • 大森 峰輝
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 9-14
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    現在のCG技術を応用すれば, 現実では不可能な時間的, 空間的な制約を緩和あるいは超越した仮想的な体験が可能である。本稿では, CG映像で構築された住空間の認知の状態を分析することにより, その特性について考察した。結果は以下のようにまとめられた。1)住空間の全体構成から居室の細部が順次認知されていく傾向, 部分的な情報から全体が統合される傾向の両面から認知が進行する。2)空間認知は, 探索時間の増加に伴って正確さを増していく。しかし, その大きさと形態の把握にはかなりの困難を伴うことが示唆された。3)この要因として, 映像による体験は視覚を中心とする感覚情報の受容が限られている等の影響により, 我々の経験則を適切に応用できないことが考えられる。
  • 釜池 光夫, 古屋 繁, 渡辺 誠, シャクルトン ジョン, 小幡 真也
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 15-24
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本研究は乗用車の商品構成の検討を行い, 商品特性を含めたラインナップの現状を明らかにしようとするものである。そのため, 商品構成に働く要素と存在するカテゴリについて検討を行った。商品構成は細かくは9つの商品カテゴリに分かれた。さらに商品ラインナップに働く要素と各グループのサンプルの性質から, 「スモール」から「ラージ」までの車格の序列に沿ったグループと, RV車種, そしてスポーツ車種の3つに分類されることが分かった。主要諸元の分析結果は, 従来あいまいに使われていた乗用車の商品ラインナップの車格という商品価値基準として, 乗用車の総合的な性能を示すモビリティにもっとも近いことを示唆している。また, 商品価値による観点から類似性の判定調査を行ったところ, 上記の調査と同様な結果を得たことから, ユーザのもつ概念とも一致することがわかった。
  • 目黒 秀明, 中村 正幸, 古川 貴雄, 清水 義雄
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 25-34
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本論文では, メーカーとユーザーがリアルタイムで対話することによりユーザー個々の要望を明確にして製品のデザインを行う「リアルタイム協調設計システム」で, CATVを高速データ伝送路として活用する可能性の検証について論じる。リアルタイム協調設計システムでは, 大容量ファイルの伝送, アプリケーションソフトの共有, ビデオ会議が主たる要素機能として想定され, それぞれデータ伝送形式が異なる。これらのデータの伝送には安価な常時接続型高速伝送路が必須であり, 伝送路の形式が協調設計ソフトの開発とシステムの汎用性に大きな影響を与える。有力な伝送路としてCATVの活用を取り上げ, 帯域モデルによって実用性を示した。更に, 要素機能毎にデータ伝送実験を行った結果, アプリケーションレベルでの伝送特性が明確になり, 10BaseEthernetによる伝送性能と殆ど変わらない性能が得られることが分かった。この結果, CATVが実時間対話型システムの高速伝送路として有効であることが確認された。
  • 秋葉 美知子
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 35-44
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    「パブリックアート」という言葉が最近, 学究的にもジャーナリスティックにも広く使われるようになっている。しかし, その言葉が意味する内容は非常に広範に渡り, パブリックアートの概念はいまだ確立されているとは言い難い。またそれがこの分野における批評・研究の蓄積を阻害していると思われる。本論は, パブリックアートのさまざまな解釈を, 「パブリック」と「アート」のとらえ方, パブリックアートを存在させる主体のとらえ方, 存在の意味づけ, という4論点から整理した。さらに現在パブリックアートの呼称で語られている事例を収集・分析し, パブリックアートを(1)公共空間で創造されるアート, (2)公共空間に挿入されたアート, (3)建築と一体化したアート, (4)市民と一体化したアート, (5)公共空間におけるアート・イベント, (6)公共空間に存在する芸術的造形物の6タイプに分類, パブリックアート概念の多様性を示すとともに, 今後の建設的議論に向けて, 概念確立の必要性を示唆した。
  • 糸井 久明
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 45-54
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    意匠権は工業所有権の一つであり, 特許権, 実用新案権と並んで製品に関わる創作を法的に保護するものである。意匠登録出願(以下, 意匠出願)を戦略化することによって, 自社の製品計画を防御することができ, また先行する競合他社の意匠を戦略的に攻撃することによって, 他社の事業優位性を脆弱化させ自社の追撃態勢を強化することが可能となる。本研究は, 市場競争ポジションと意匠出願戦略の関連性を究明し, 事業優位性を高める意匠出願の戦略的構造を明らかにすることを目的とするものである。本研究により, 次の戦略的構造が明らかとなった。1)意匠出願戦略は市場競争ポジションにより各々に異なる。2)意匠出願戦略は防御型と攻撃型の二種類に大別される。3)意匠出願戦略は事業競争力とデザイン競争力によって決定される経営的意思である。
  • 梨原 宏
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 55-64
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本研究は加齢対応と共用化に立脚し設計された道具の使用評価の中で, あいまいな評価を受けた項目に視点をおき, それを使いやすさに結び付ける設計評価手法を構築することを目的としている。そのために本報告では, 設計された道具へのあいまいな使用評価の生成経緯と性質を, 設計過程と使用過程から推論を行っている。あいまいな使用評価の生成要因は, コンセプト立案と設計仕様設定, 設計解のどの設計プロセスからも発生し, それは7経緯が存在する。この生成経緯を逆にたどれば, あいまいな使用評価を発生させている設計経緯を見い出せる。使用評価項目(負荷)によって得られた使用評価(ひずみ)は, 明らかなひずみとあいまいなひずみで表わし, そのひずみは使用経緯によって変化することを推論した。またひずみは使用条件, 心身の機能低下レベルによって支配されることを示した。
  • 田 慕玲, 杉山 和雄, 釜池 光夫, 渡辺 誠, シャクルトン ジョン
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 65-74
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本研究は, 自動車デザインの支援を目的として, デザインプロセスにおける形態を思考展開する過程をシステムとして構築したものである。本研究では, この思考展開過程を共進化によるプロセスとしてとらえ, 前報の形態生成モデルを応用し, システムの構築を行った。デザインプロセスは, 最初に与えられた課題について, 思考展開をしながら, 徐々にその解が形成されると言える。つまり, デザインの過程は, 提出された課題の特定の答えを追求するのではなく, 課題をさまざまな角度からながめ, 異なる理解により様々のアイデアを出すこと, そして各種のアイデアにしたがって課題を理解し直すものであると言える。本研究では, このような多様な思考展開を繰り返し行うプロセスを共進化プロセスとしてシステム構築し, シミュレーションを行った。その結果, 既存車による次期車の開発方向を探索する実験と, デザイナーのフィードバックが探索方向に与える影響の観察より, システムの可能性と有効性を検証できた。
  • 深水 義之, 伊藤 明, 吉田 登美男, 白石 照美
    原稿種別: 本文
    1998 年45 巻4 号 p. 75-82
    発行日: 1998/11/30
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    前報告[注1]では, 側抑制モデルを用いて閾値を再現することは, 生理学的な妥当性と共に実験心理学的な立場からしても有力な方法であることを述べた。本論文では, 視覚諸特性を実験的に明らかにし視覚系全体を簡便なモデルとして表すことを目指す。これを視空間伝達特性モデルF_<(1)>と呼ぶこととする。このモデルでは, 多層の側抑制機構を1つの側抑制で近似し, さらに視覚諸特性を表す幾つかの関数として 1)視空間の異方性 2)図形線幅と空間周波数特性 3)網膜神経密度 4)図形濃度の各項目を用いて補正を行う。さらに実験条件として観察距離と実験照度の一般化を行い, 閾値(輝度上昇率)を計算することにより, 心理実験との整合性を高める。またこれまでに報告した磁界型モデル[注2], 静電型モデル[注3]の論理的根拠となった諸現象とこれらのモデルの問題点について, モデルF_<(1)>の妥当性の検討を行う。
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