都市内の主要3街路を対象に既設のポール型都市環境装置の破損等に関する実態調査と, 管理主体のメンテナンス状況に関するヒアリング調査を行い, 既設装置の破損状況を種類別及び街路別に破損基数の定量化(破損基数/100m)により比較分析し, 装置別のメンテナンス状況を破損項目別に整理した。その結果, 設置場所別に破損等の偏りがあり, 要因としては, 街路構造・土地利用・交通量などが深く関係していることが明らかになった。また, 管理主体によるメンテナンス対応の体制及び方法にも改善すべき問題があることが分かった。さらに, 既設装置における設置状況上のデザイン課題として, メンテナンスへの対応を考慮した新たな装置の開発と, 装置のあらゆる破損等に対応できるメンテナンス体制の確立が必要であることを導いた。メンテナンスへの対応を考慮した装置の開発と, 装置の製造主体(メーカー)と管理主体が連携するメンテナンス体制を確立していくことは, 設置状況上のデザイン課題を解決する有効な一つの方向になり得ることが導出できた。
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