デザイン学研究
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52 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 鄭 元俊
    原稿種別: 本文
    2005 年 52 巻 4 号 p. 1-6
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, マルチメディアデザインの普及と最近の情報時代におけるデザイン教育のカリキュラムの現状をとらえようとするもので, 現在各大学で行われているデザイン教育のカリキュラムを分析した。3カ国の4年制大学101校183学科と、2年制短大29校46学科の視覚デザイン系列の専攻カリキュラムを分析し、4年制大学で4794、2年制短大で1233の教科目を抽出した。分析の結果, 1)韓国と米国の場合は, 実技を中心とした教育が, 日本は理論を中心としたデザイン教育が行われている。2)3カ国共通して, マルチメディアとCGに関する教科目に関心が寄せられている。まだ, 現在のCGによるデザイン教科は, 2, 3年を中心に新しい道具としてコンピュータが多く利用されていることが明らかになった。
  • 白石 光昭
    原稿種別: 本文
    2005 年 52 巻 4 号 p. 7-14
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 戦後日本で開発された事務用椅子を対象に, 製品特性(開発の目的, 機構, 材料)の変化から事務用椅子の変遷を明らかにすることである。調査方法は, オフィス家具の業界紙「近代家具」(発刊1966年〜2000年)より製品特性についての記述を抽出し(845項目), KJ法を用いて整理・分類を行い, 抽出数の年代変化を加えて考察するものとした。調査の結果, (1)快適性を向上させる, (2)椅子を長く使用する, (3)オフィスのイメージを変える, (4)環境に対応できる, (5)安全性を向上させる, (6)特別な使い方に対応できる, (7)輸送性を向上させる, の7つに整理できた。その中でも, (1)が開発の最重要項目であることが確認された。例えば, 姿勢の変化に対応することを目的として, 初期には背ロッキング機構のみであったが, 1980年代には様々な座と背の連動機構が開発されている。1990年代には機構ではなく, 座や背の構造を工夫することで対応精度の向上を図って, 快適性を向上させていることがわかった。これらは1980年頃から浸透し始めたOA化に影響を受けて変遷してきたといえる。
  • 澤島 秀成, 杉山 陽二, 山岡 俊樹
    原稿種別: 本文
    2005 年 52 巻 4 号 p. 15-24
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    人間中心設計(デザイン)に基づく製品開発においては, そのデザイン案の評価の際に, 「ユーザの属性とその評価の関係」を明らかにすることが必要不可欠である。本研究では, データマイニング手法の一つである決定木を用いて, 家庭で用いられる電動式給油ポンプについて, そのユーザ属性と製品評価や購入意志との関係について分析し, その有用性について検討を行った。その結果, 年代, 性別, 身体的特性等や経験のユーザ属性と電動式給油ポンプの評価との関係について, どのような属性のユーザがどのような観点から製品を選ぶか, 具体的な数値や属性値を分岐とした決定木が得られ, その関係を簡単な木構造で説明できることが分かった。さらに, 電動式給油ポンプの購入意志の有無についても, そのユーザ条件が得られ, 新製品開発における製品ターゲットの設定やコンセプト構築に有用なデータの抽出が可能となった。これらのことから, 決定木がユーザ属性と製品評価の関係分析に有用であることが分かった。
  • 小松 亜紀子
    原稿種別: 本文
    2005 年 52 巻 4 号 p. 25-28
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 一般製品の製品スタイルにおけるトレンドの仕組みを明らかにするため, 大学生へのアンケート調査を実施し, 異なる製品スタイル選択と, 消費者特性を説明する変数(ライフスタイル, デザイン関与)との関連性を分析した。分析の結果, 製品スタイルの選択はライフスタイル変数に関連し, 流行の製品スタイルを選択したグループは, 情報欲求や流行採用の積極性により区別された。また, 最新の製品スタイルを選択したグループは他者と非同調的な傾向, 非流行的な製品スタイルを選択したグループの1つは同調的な傾向を示した。製品スタイル選択はデザイン関与の変数に関連し, 非流行の選択をしたグループの1つで創造活動の活発さが認められた。このように, 消費者は流行や情報に対する志向(ライフスタイル変数, デザイン関与)に基づき, 同時期に異なる製品スタイルを選択していることが明らかになった。また, 採用者カテゴリー間で新たな製品スタイルの採用時期に差が生じる原因は, 判断基準に関する消費者特性(情報, 周囲の動向)であることが明らかになった。
  • 楊 炫叡, 堀田 明裕
    原稿種別: 本文
    2005 年 52 巻 4 号 p. 29-36
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    報知機能に関するサイン音の意味を調べるため, 音要素(高さ, 長さ, 大きさ)が生起する印象について評価実験を行った。被験者22人に41の実験音を提示し, 5つの報知機能(位置, 誘導, 通報, 案内, 規制)を想定した25の評価語対によって, 7段階の印象評価を行った。評点平均値の結果から音の高さが位置の高低と関わりのあることがわかった。また, 音が短ければ, 緊張感が強くなる傾向がみられ, 音が大きければ, 威圧感が強いという効果があった。因子分析では, 1強制, 2判別, 3緊張, 4象徴, 5持続, 6確認, 7方向の7因子が抽出された。規制機能に第1因子, 位置機能には第2因子, 通報機能には第3, 6因子, 案内機能には第4, 5因子, 誘導機能には第5, 7因子が含まれていた。実験音と評価語から抽出した印象と音の物理的特性, 因子の対応関係は, 新たなサイン音をデザインする時に有効と考えられた。
  • 大野 圭子, 山口 孝夫
    原稿種別: 本文
    2005 年 52 巻 4 号 p. 37-46
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    本研究はトラッキング作業の前額平行面上におけるサイコ・モータの具方性の出現様相を確認することを目的とする.本研究ではサイコ・モータのパフォーマンスとして, 時間およびトラッキング方位を示す直線と軌跡とのずれを測定した.その結果, 本実験のトラッキング作業におけるトラッキング方位によるパフォーマンスについてその偏倚性に法則性の存在を示唆する結果を得た.特に, 水平垂直軸方向は時間, 正確さ共にパフォーマンスが高く, 他の斜め方向と比較して有意な差が認められた.この結果はすでに確認されている視空間における方向知覚の異方性に近いものであった.また, 本研究ではトラッキング作業の評価に際しては移動過程と微調整過程の2つの過程に分けて検討している.この評価方法はサイコ・モータ・パフォーマンス過程の詳細な様相を明らかにするのに有効なものとなろう.
  • Sonya S. Kwak, Myung Suk Kim
    原稿種別: Article
    2005 年 52 巻 4 号 p. 47-52
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    The purpose of an entertainment robot is to provide intimacy and enjoyment for people rather than to give any function. Therefore, personality design as well as emotion design is necessary for an entertainment robot. When we endow an entertainment robot personality, it gives a robot the consistency and the distinction of behavior. The purpose of this paper is to suggest a design process for constructing personality of an entertainment robot based on psychological types, and investigate user preferences for robot personalities according to the users' psychological types. Four temperaments derived from 16 personality types in a psychological type Indicator, MBTI(Myers Briggs Type Indicator), were applied to design the personality of an entertainment robot. The process is composed of four steps-concept design of an entertainment robot, situation scene design and perception device design, reaction design based on temperaments, and demonstration of robot temperaments in terms of reaction and via experiments.
  • Heung Ryong WOO
    原稿種別: Article
    2005 年 52 巻 4 号 p. 53-62
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/07/19
    ジャーナル フリー
    The primary purpose of this study was to consider ways to strengthen creativity through enhancing mental diversity for collaborative problem solving. One of the effective ways an individual or a group can maximize creative potential is to find and remove the barriers to creative thinking. We hypothesized that idea generation is influenced by barriers, and that this has a close relationship with the type of brain dominance. Each BDP tends to have a preference for specific processing modes (skills). The creative idea generation process and the Synergistic Extrinsic Motivator for groups were reviewed. By identifying the BDPs, by surveying relationship between the skills and the BDPs, and by examining the blocks to idea generation, we found that there was a close relationship between the BDP and the skills. We also examined barriers to idea generation, and suggest an approach to mental diversity as a Synergistic Extrinsic Motivation (SEM).
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