デザイン学研究
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58 巻, 1 号
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  • Seyed Javad Zafarmand, Takatoshi Tauchi, Fumio Terauchi, Mitsunori Kub ...
    原稿種別: Article
    2011 年 58 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    In this article we review the subjective issues of products in terms of sustainability. The main focus of design researches concerning such issues is on 'lifetime optimization of products'. User-product attachment is also a strategy to extend the product psychological lifetime, though some researchers believe that it is the only means to this end. Considering the lack of a wide expression to encompass product subjective issues that contribute to products' longevity, we propose the concept of Product Subjective Sustainability to indicate 'the emotional, affective and/or aesthetical capability of a product to satisfyingly and pleasantly last during its expected long/short lifetime'. We then suggest a framework for approaching Product Subjective Sustainability and expanding it analytically. The structure of a field-study is also outlined within the suggested framework.
  • Seyed Javad Zafarmand, Takatoshi Tauchi, Fumio Terauchi, Mitsunori Kub ...
    原稿種別: Article
    2011 年 58 巻 1 号 p. 7-16
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    Aiming to approach Product Subjective Sustainability experientially and initiating to expand this concept analytically, this paper presents the process and results of an analytical study on the evolution of users' Kansei toward their mobile phone during its entire lifecycle in two different contexts, Japan and Iran. As the major outcomes of this study, the patterns of evolution of two groups of Japanese and Iranian subjects' Kansei over the lifetime of their mobile phones are extracted and accordingly the trends of subjective sustainability of mobile phones are drawn and compared between these two contexts. As the findings of this study show, attachment is the most important trend in such a subjective sustainability and may appear at the different levels. However, it is not the only trend in this regard. Furthermore, a lack of such a subjective sustainability, which has several causal trends, is seemingly an ongoing problem in Iran.
  • 中西 美和, 比嘉 裕介, 岩永 光一
    原稿種別: 本文
    2011 年 58 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    仮想三次元空間を体験する際、ユーザに与えられる視点は、大きく分けて二通りある。主人公の視点が再現される主観視点(First Person View)と、主人公を第三者的に見る客観視点(Third Person View)である。本研究では、主観視点と客観視点が持つ視覚的な特性の違いを踏まえて、それらが仮想三次元空間を体験するユーザの振る舞いに変化をもたらすのか、また、もたらすとすればそれぞれの視点においてどのような振る舞いが見られるのか明らかにする。実験では、仮想三次元空間に演出された迷路を二つの異なる視点でユーザに体験させ、その際の振る舞いを複数の観点から詳細に分析した。結果から、主観視点では視覚におけるリアリティが保たれる一方、行動におけるリアリティが損なわれがちであること、逆に客観視点では現実とは異なる視点が与えられる一方、行動におけるリアリティが維持されやすいことを見出した。最後に、上記の結果をもとに、用途や目的に応じた適切な視点の適用について提案した。
  • 中西 美和, 小山 冬樹, 岩永 光一
    原稿種別: 本文
    2011 年 58 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    ウェブサイトのロード時等における待ち時間は、たとえ数秒程度であっても、ユーザに不快感を与える一要素である。従って、この不快感を軽減するようなGUIは、ユーザの満足度の向上に繋がると考えられる。そこで、本研究では、ユーザに待ち時間をより短く感じさせるようなGUIの基本特性を明らかにし、ウェブサイトへの応用を提案することを目的とした。具体的には、待ち時間を告知するGUIに含まれる基礎的かつ汎用的特性として、動的な変化の有無と待ち時間終了時の予測可能性に焦点を当て、これらの特性によってユーザの時間感覚が変化するか否か、変化するとすればどのように変化するのかを、実験的に検討した。また、数秒程度という短時間の時間感覚に対して、ユーザ自身が量的な評価を与えることは難しいことを踏まえ、ユーザによる質的な回答から物理的時間と主観的時間の関連性を見出すべく、主観的等価点(PSE)の概念を分析プロセスに導入した。結果から、GUIの特性によってユーザの時間感覚が変容することを示し、特に2秒程度の待ち時間をより短く感じさせるGUIの特性として、待ち時間終了時が予測不可能な動的反復のパターンを明らかにした。
  • 大鋸 智, 植田 憲, 宮崎 清
    原稿種別: 本文
    2011 年 58 巻 1 号 p. 31-40
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    本研究は、江戸期の会津地域の農家によって行われていた資源循環型生活の実相を明らかにすることを目的とした文献研究である。今後の資源循環型生活構築に資する特質を見出すことを目指した。本研究において用いたのは、佐瀬与次右衛門が1684年に著した農業指南書『会津農書』である。本書からは、(1)自然の様子を観察し、その変化から季節の移り変わりやその年の気候の状態を敏感に認識するための知恵、(2)人の手によって自然のバランスを崩さないための知恵、(3)生活に必要なおおよそのものは、その素材から自らの手で栽培し製作を行う知恵、(4)日々の消耗品をできる限り無駄なく使用するための知恵、(5)廃棄物、汚水さえも、肥料などとして使い尽し、大地に還していくための知恵を抽出することができた。結論として、資源循環型生活とは、生活者が、上述のような知恵を実践し積極的に自然とかかわりを持つことこそが、その構築の礎になることを明らかとした。
  • Nouran ELASILY, Kiminobu SATO
    原稿種別: Article
    2011 年 58 巻 1 号 p. 41-48
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    Exhibition design and the guidance system available for visitors are always important issues in large museums. In this study, Edo-Tokyo museum was chosen as the case study according to its size and high visiting rate. Information was gathered through a questionnaire, an interview with museum's staff and an experiment to record visitors' behavior during their visit in the museum using the Think Aloud Method. The information clarified a number of problems foreign visitors face and recommendations were made to improve the current situation especially on information available on displays.
  • Tzung-Hui Wang, Szu-yu Tzeng
    原稿種別: Article
    2011 年 58 巻 1 号 p. 49-58
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    This research addresses the projects of living room design in Taiwan as the examples and collects the participants' cognitive vocabulary of interior design by projective tests. After reorganization and coding, the vocabulary became the terms in questionnaire survey. We further allocated the related terms in the same factor by exploratory factor analysis. The research established four factors ("pragmatic functions", "material application", "spatial aesthetic", and "stylish characteristic"). We conducted confirmatory factor analysis by LISREL 8.72 to construct measurement model and expected to transform the scale into result-oriented measurement tool. This study digitalized the measurement model and calculated factors and overall measurement indices of different samples as the criteria to improve interior design quality.
  • 増成 和敏
    原稿種別: 本文
    2011 年 58 巻 1 号 p. 59-66
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    本論は,松下電器におけるデザイン活動のはじまりについて,主として文献史料調査より,以下の内容を明らかにした。1)松下電器のデザイン組織は,1951(昭和26)年に真野善一が招聘されて本社宣伝部に製品意匠課が設立される以前より,ラジオ受信機の製品デザイン開発を担当する組織として意匠係があった。2)松下幸之助は、1951(昭和26)年の米国視察で商品価値を高めるためにデザインが有効であると認識し,帰国後デザイン重視の姿勢を打ち出したが、「これからはデザインの時代」と語った事実は確認できない。3)松下幸之助は,創業時より販売における宣伝の重要性を認識しており,製品デザインも宣伝活動の一部と捉えていた。
  • 新井 竜治
    原稿種別: 本文
    2011 年 58 巻 1 号 p. 67-76
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    ホームユース家具に主軸を置いたコスガは、リビング・ダイニング・ベッドルームのインテリアをトータルにコーディネートする家具シリーズを多数開発した。その開発の背景にはプレハブ住宅産業との関係、消費者の個性の多様化への対応、インテリアのトータルコーディネートの必要性、ピリオッド・スタイルの考え方等があった。コスガにおける家具スタイルは全体的に多様であり、全方位的であった。それらは伝統的ヨーロッパスタイル、カントリー(ヴァナキュラ)スタイル、モダンスタイル、コロニアルスタイル、アジアンスタイル、ジャパニーズスタイル、ポスト・モダンスタイル、多様式等であった。60年代のコスガファニチュアデザインコンペティションは新製品開発よりは家具デザイナー養成に貢献した。その審査委員の顔ぶれから産業工芸試験所、学術機関、デパート、量産家具専門家との関係が窺われる。コスガは社外デザイナーにデザインを委嘱することもあったが、大多数のコスガの家具は社内家具デザイン部によってデザインされたものであった。
  • 小杉 ももこ, 清水 忠男, 佐藤 公信
    原稿種別: 本文
    2011 年 58 巻 1 号 p. 77-84
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,交流に関する取り組みを積極的に行ってきた千葉県内のケアハウスの活動事例調査を通して世代間交流促進におけるデザインの関わりの可能性を考察した。まず,世代間交流を目的として同施設に設置されたが継続し得なかった「おもちゃ美術館」の調査によって,ソフト面,ハード面に関わるいくつかの問題点が導きだされた。次に,大学院でデザインを学ぶ学生たちが当該ケアハウスで行った3つの研究(多目的に用いられる食堂椅子の改良,散歩時の休憩環境の提案,庭のデザイン提案)を通した交流活動に関する観察調査および,ヒアリング調査を行った。これらの活動は結果的に施設における生活環境のデザイン的な解決につながり,その結果1)入居者の日常生活の活性化2)発展性のある交流の促進3)活動に対する入居者の能動的姿勢の芽ばえが観察された。また,このような配慮や計画はケアハウスにおける既存の組織や方法によっては生み出されにくいことがわかった。以上のことから世代間交流促進におけるデザイン関与の可能性とファシリデータ的な役割の必要性が示唆された。
  • 西口 真也, 三上 訓顯
    原稿種別: 本文
    2011 年 58 巻 1 号 p. 85-94
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    本稿は、社会背景の変化に伴い、ブランドに対する評価が変わってきているのではないかという仮説に基づいている。そこで、ブランドを取り巻く状況の変化が最もよく反映されてきたと思われる「ゆとり世代」に注目し、彼らのブランド評価について調査を実施した。本稿では、特に企業ブランドを取り上げ、42の企業ブランドの統合力について、ゆとり世代の20代の大学生を対象とした質問票調査を実施した。その結果を用いて、加重得点順位を導出し、各世代を対象とした「日経企業イメージ調査2009年調査」の中の企業認知度順位との比較、検討を試みた。この結果から、ゆとり世代で支持の高い企業ブランド群を明らかにできたことから、それらを「ニューエイジで支持の高い企業ブランド」と定義し、これらの企業ブランド群のデザイン開発過程の特徴、ゆとり世代と他の世代との構造的な関係性や特徴に着目していく必要性を指摘している。
  • 李 艶, 宮崎 清
    原稿種別: 本文
    2011 年 58 巻 1 号 p. 95-104
    発行日: 2011/05/31
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    本稿は、現在の景徳鎮における生産体制と教育体制をめぐって、製磁職人たちの認識・志向を調査・解析し、今後の景徳鎮における製磁文化の行方を探そうとしたものであり、下記の要点を導出した。(1)景徳鎮における製磁業には、今日、伝統的製磁職人と革新を志向する職人の2集団がみられる。後者は数は少ないものの、漸次、国内外から脚光を浴びつつある。(2)2つの集団の間には、製磁意匠の評価に関する異方向のベクトルがみられる。(3)伝統的製磁職人たちは、伝統的手づくり工房文化を堅持しつつ、革新志向の職人たちを包容し、製磁工程の各所を支えている。(4)革新志向の製磁職人は、その製磁技術面で景徳鎮における伝統的手づくり工房に依存せざるをえない状態にある。(5)長い歴史のなかで育まれてきた景徳鎮製磁の生産体制と教育体制は、盤石なかたちで地域に浸透し、景徳鎮における共同体的生活文化になりえている。
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