本研究は一連の議論を支援する合意形成支援システムの開発をおこない, 基礎実験として設定条件が異なる4つの実験を実施した。得られた知見をもとにファシリテータを支援する機能を新たに搭載し, 予備実験と企業の商品開発を対象とした実装実験を実施することで, ファシリテータに着目した本支援システムの特長および課題点を明らかにすることを目的とする。
基礎実験より, ファシリテータの手腕に頼る傾向が強いことがわかった。
予備実験より, 一部の参加者により議論が展開されていること, スケッチ, イメージ図の投稿において, 参加者から広く意見を集めていることが明らかになった。また, 「デザイン提案」「合意形成」において, ファシリテータの経験がない者が議論を支援することは難しいことが明らかになった。そこで, ヒヤリング調査をおこない, 支援機能を改善した。
実装実験より, 一部の参加者により議論が展開されていること, 参加者の発言数に比例して, スケッチ, イメージ図の投稿数が増減していることが明らかになった。
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