本研究では, インテリアを住み手の個性および快適性に対する住要求を反映した空間と定義した。注文住宅を対象とし,LDK空間の快適性という視点から, インテリアの実態を明らかにすることを目的とする。インテリアの傾向を把握することおよび類型化を目的とした実例調査に加え, 類型化した各タイプの特徴と住宅市場の関係を明らかにすることを目的としたヒアリング調査をおこなった。
実例調査では,352 サンプルに対して「物件概要」「断面構成」「平面構成」「仕上げ」に関する指標を設定し, インテリアの傾向を明らかにした。また, 上階との領域の融合性や昇降機能の独立性によって,「LDK 分離型」,「分離・独立型」,「融合・従属型」の3つのタイプに類型化した。ヒアリング調査では, 採光や個々の空間の尊重, 家族のコミュニケーションの重視などの住要求が, 各タイプの特徴に影響していることを明らかにした。
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