本研究では, アムステルダムとベルリンを対象として, クリエイティブ産業における都市構造をソフト面とハード面に分類し, 段階的なスケールから明らかにすることを目的とする。
クリエイティブ産業の指標を設定し, マクロスケールの特徴を把握するための報告書調査とヒアリング調査, メソスケールの特徴を把握するための報告書調査と現地踏査, ミクロスケールの特徴を把握するための現地踏査をおこなった。
マクロスケールの特徴として, スタートアップ企業の推進やクリエイティブ産業のクラスター形成, コワーキングスペースと研究機関の集積を把握した。メソスケールの特徴として, 公共空間と建築を連続的に演出する「演出空間」と, 都市近郊に立地し, 小規模企業向けのリノベーションされたオフィス空間を把握した。ミクロスケールの特徴として, 演出空間の空間特性を公共空間に対して「活用型」と「隣接型」に分類した。
以上より, アムステルダムとベルリンの特徴を明らかにし, クリエイティブ産業が集積する都市構造の一端を示した。
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