デザイン学研究
Online ISSN : 2186-5221
Print ISSN : 0910-8173
ISSN-L : 0910-8173
最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • ―歴史的立体造形の3Dデータの取得・保存・活用に基づく地域活性化デザイン(1)
    青木 宏展, 高木 友貴, 植田 憲
    2020 年 66 巻 4 号 p. 4_1-4_10
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    本稿は,地域に点在する歴史的立体造形の3Dデータの取得について,データ取得実践を通じて得た知見を報告するものである。主に千葉県内の歴史的立体造形を調査・研究対象とし,取得機器の規模,取得可能なデータの精度等の異なる四種の3Dデータ取得法を使用し,104件の3Dデータ取得実践を行った。その結果,対象となる造形の状態,および造形を取り巻く環境を考慮したデータ取得への留意点として以下を明確化した。(1)造形の大きさ,(2)造形の形状,(3)欠損の有無,破損危険性,(4)移動の容易性,(5)造形形状の複雑性,(6)時間的制約。また,取得データの合成および修正•処理を経て得られたデータの詳細を一覧にまとめるとともに,一連の実践を通じて,3Dデータ取得の地域活性化への意義の考察を行い,以下の2点を抽出した。(1)歴史的立体造形の顕在化の促進,(2)保存・共有に向けた歴史的立体造形に関する情報の蓄積。

  • ―歴史的立体造形の3Dデータの取得・保存・活用に基づく地域活性化デザイン(2)
    青木 宏展, 高木 友貴, 植田 憲
    2020 年 66 巻 4 号 p. 4_11-4_20
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    本稿は,歴史的立体造形の3Dデータの取得・保存・活用に基づく地域活性化デザインに関する調査•研究の第二報である。
    前報では,これまでにデータを取得した歴史的立体造形の104件の取得実践について報告した。本稿では,それらの取得実践によって得られた造形を分類し,3Dデータ取得への指針を導出することを目的とした。調査•研究の結果以下の知見を得た。A)3Dデータ取得に際しての歴史的立体造形の特性として以下の6つの類型を得た:(1)環境制約型,(2)大規模安定型,(3)小規模安定型,(4)破損危険型,(5)大規模破損危険型,(6)大規模多制約型。B)上記を踏まえて,3Dデータ取得への指針としてデータ取得のワークフローを提案した。また,上記ワークフローの各段階で得られる情報を記録するための「3Dデータ取得調査カード」の作成を提案した。

  • ―歴史的立体造形の3Dデータの取得・保存・活用に基づく地域活性化デザイン(3)
    青木 宏展, 高木 友貴, 植田 憲
    2020 年 66 巻 4 号 p. 4_21-4_30
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    今日,わが国において地方創生は喫緊の課題であり,地域の自律・自立が求められている。一方,地域社会が有する歴史的立体造形は,当該地域のアイデンティティ確立のための重要な要素である。しかしながら,それらの維持・管理者の不在化が進行している。こうした状況が続けば,地域の造形が消失する可能性すら懸念される。
    上記を受け,本稿は仏像や社寺彫刻等,地域が有する歴史的立体造形の3Dデータの活用について,地域活性化の観点から論じたものである。具体的には千葉県南房総市,館山市,鴨川市を対象とし,当該地域の歴史的立体造形の3Dデータを活用した7つの実践を報告した。また,実践から得られた知見に基づき,今日わが国で叫ばれる地方創生に資する歴史的立体造形の3Dデータ活用の特質として以下を抽出した。(1)多様な造形の提示を易化する,(2)歴史的立体造形への興味・関心の向上に寄与する,(3)地域色ある小規模のものづくりを支援する,(4)歴史的立体造形の「資源」としての認識を喚起する。

  • ―DSA 日本空間デザイン賞・JCD デザインアワードの入賞作品を対象として―
    伊藤 孝紀, 佐川 桃子, 吉田 夏稀, 西田 智裕
    2020 年 66 巻 4 号 p. 4_31-4_40
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    本研究は,商環境におけるデザイン賞の入賞作品を対象とし,時代背景や市場の変化,消費者の要求を反映した空間デザインの変遷を明らかにすることを目的とする。
    DSA 日本空間デザイン賞における入賞作品の特徴を定量的に把握するため,アイテム・カテゴリーを用いて集計し,「設計者概要」「作品概要」「空間構成」の視点から傾向を明らかにした。また, JCD デザインアワードについても同様の手法で傾向を明らかにした。
    両デザイン賞における特徴を年代毎に把握するため,デザイン賞および年代毎に比較した。また,重複入賞作品および大賞作品から,デザイン協会における動向と作品の関連と,大賞作品の傾向を把握した。その結果,両デザイン賞の変遷は類似する傾向があるとわかった。すなわち,ディスプレイ, サイン, エキシビション, 商空間などの分野における空間デザインの表現領域が拡大しているといえる。

  • 田代 雄大, 青木 幹太, 西薗 秀嗣, 本山 清喬, 梅崎 浩嗣
    2020 年 66 巻 4 号 p. 4_41-4_48
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    本研究は、要介護者が介助用装着型補助具に装着した3箇所のグリップを把持した場合に、介助者の介助負担の影響について明らかにすることを目的としている。実験として、補助具の把持位置3条件(背部把持、腰部把持、胸部把持)と補助具なしの条件で行った。実験では、椅子に着座した被験者を抱え上げ、抱え下し、着座させる動作を行った。評価指標は、三次元動作解析による体幹前傾角度、脊柱屈曲角変位、筋電図による動作中の筋放電量を測定した。その結果、補助具の3条件では、補助具なしの条件に比べて、1)体幹前傾角度は、腰部把持が小さい、2)脊柱屈曲角変位は、腰部把持、背部把持が有意に小さい、3)筋電図は、腰部把持が背筋群で筋活動が小さいという結果を得た。このことから、補助具利用の腰部把持、背部把持は補助具なしに比べ腰部への負担が軽減することが明らかになった。

  • ―フェアトレード名古屋ネットワークの活動を対象として―
    伊藤 孝紀, 高崎 真実, 伊藤 誉, 西田 智裕
    2020 年 66 巻 4 号 p. 4_49-4_58
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    本研究は、フェアトレードタウンである名古屋市における取扱い店舗と、フェアトレード名古屋ネットワークが協力するイベントの実態を明らかにすることを目的とする。
    イベントにおいて、出店店舗および来場者にアンケート調査をおこない特徴を把握した。また、名古屋市内のフェアトレード商品を取扱う486 店舗について、アイテム・カテゴリーを設定し、特徴を把握した。
    さらに486 店舗のうち、多品目を取扱う16 店舗に対して、店舗訪問調査とヒアリング調査をおこなった。多品目を取扱う店舗は、フェアトレード商品の魅力を伝授することを目的とした店舗が多いことを把握した。店内においてフェアトレード促進の工夫が積極的におこなわれていた2店舗について、店舗空間の設えの特徴を把握した。
    以上より、名古屋市を対象にフェアトレードタウンにおける商品取扱い店舗、イベントの実態を把握した。

  • ─家電製品を対象としたUX デザインの一観点として
    針谷 爽, 坂田 理彦, 岩原 明弘, 伊藤 大聡, 中西 美和
    2020 年 66 巻 4 号 p. 4_59-4_66
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    従来,製品デザインにおいては,ユーザが製品を通してどのような価値を体験したいのかをユーザ調査等によって掴み,それに忠実に応えるよう情報伝達形態をデザインすることが重視されてきた。一方,最近では,開発者側が積極的に発信したいと意図する価値を製品デザインに反映させる試みも見られ,ユーザのニーズを超えた製品デザインに繋がる可能性が期待されている。そこで,本研究では,開発者の意図する製品価値をより的確にユーザに伝えるための情報伝達形態について,家電製品を対象として評価・検討する。まず,開発者及びユーザの両者に対して調査を行い,家電製品に備わる直接的または間接的な情報伝達形態についてパタン化した上で,各パタンに作りこまれた開発者が意図する製品価値がユーザにどの程度伝わっているのかを疎通度として定量化した。次に,この疎通度を用いて,開発者がユーザに与えたいと意図した製品価値をユーザに的確に伝えるためには,どの情報伝達形態のデザインに注力すべきかを導出した。

  • 土井 俊央, 村田 厚生
    2020 年 66 巻 4 号 p. 4_67-4_74
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    コインパーキングを利用するドライバにとって駐車しやすいフラップ板の設置条件を検討するための基礎的実験として,駐車スペース内のフラップ板の設置条件の違いがドライバの駐車行動に与える影響を調査した.フラップ板の種類(従来フラップ,ゼロフラップ)と設置位置(従来位置,前方位置)の異なる駐車スペースへの駐車作業を対象とし,自動車運転の初心者・経験者それぞれの駐車にかかる時間(課題達成時間),駐車中の眼球運動特性(注視回数,注視時間),ハンドル切り返し回数,主観的な駐車しやすさを評価した.その結果,初心者はゼロフラップの条件において従来フラップの条件よりも,課題達成時間が短く,注視回数が少なく,ハンドル切り返し回数が少なくなり,経験者と同等の課題達成時間,注視回数,ハンドル切り返し回数での駐車を実現できることが明らかになった.

feedback
Top