日本補助犬科学研究
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最新号
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日本身体障害者補助犬学会第16回学術大会記録集
原著論文
  • 元田 良孝, 宇佐美 誠史
    原稿種別: 原著論文
    2025 年19 巻1 号 p. 28-37
    発行日: 2025/12/25
    公開日: 2026/05/17
    ジャーナル フリー
    本研究では全盲者を対象とし、盲導犬使用者と非使用者の日常の交通に関するヒアリングとアンケート調査を行い回答の比較により両者の違いを調査した。盲導犬育成6団体と盲導犬使用者4名のヒアリング及び盲導犬使用者90通と非使用者132通のアンケート調査回答を分析した結果、交通の目的では通院が少なく盲導犬使用と健康の関係が示唆された。交通手段では盲導犬使用者の方が車の送迎が少なく自律的な交通の選択をしている可能性が示唆された。道路の交通バリアーの意識は一般に盲導犬使用者の方が低く、盲導犬の誘導によりバリアーをより感じない歩行が行われていると考えられる。盲導犬使用者が白杖を使っていたときと比べた自己評価では歩行速度の増加、外出機会の増加等が示され、盲導犬で歩行のパフォーマンスが向上したことが回答されている。ただしタクシーの乗車拒否は盲導犬使用者の方が頻度が高く改善が望まれる。
  • 三浦 靖史, 中原 早也香, 淵田 光穂, 倉澤 悠維
    原稿種別: 原著論文
    2025 年19 巻1 号 p. 38-45
    発行日: 2025/12/25
    公開日: 2026/05/17
    ジャーナル フリー
    背景:近年、医療機関において動物介在療法・活動への関心が高まっているが、医療機関におけるセラピー犬の受け入れ状況は明らかでない。本研究では、国内の医療機関におけるセラピー犬の受け入れ状況について調査した。 方法:2019年10月に全国の国立病院(116施設)、大学病院(124施設)、小児病院(18施設)の計258施設の 看護部長を対象にアンケート調査を実施した。 結果:101施設から回答があった(回収率39.1%)。補助犬の受け入れ経験は40施設(40.4%)、セラピー犬は9施設(9.1%)であった。補助犬とセラピー犬の受け入れ経験に関連はなかった。犬や他の動物による動物介在療法・活動の実施経験があるのは13施設(13.1%)であった。動物介在療法・活動は有用であるとの回答は83.8%であったのに対して、院内で実施すべきとの回答は42.4%と有意な相違があった。医療機関における認知度は盲導犬99.0%、介助犬83.8%、聴導犬58.6%に対して、セラピー犬93.9%であった。 考察:セラピー犬を用いた動物介在療法・活動は精神面だけでなく身体面での有効性が期待されていたが、実施に際して半数の医療機関は課題を感じていた。 結論:医療機関におけるセラピー犬の認知度は高く、有効性が期待されていた。動物介在療法・活動が普及するように啓発を実施する必要があると考えられた。
  • 山本 真理子, 瀬戸 沙也佳, 藤田 未来, 大谷 伸代, 太田 光明, ハート リネット
    原稿種別: 原著論文
    2025 年19 巻1 号 p. 46-53
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/05/17
    ジャーナル フリー
    健康維持と生活習慣病の予防のために適度な運動が推奨されているが、特に視覚障害者を含む、障害者の身体活動は健常者と比べ低い。盲導犬は安全な歩行をサポートするために訓練を受けた犬であり、自立の増加や不安の減少といった外出時の困難を軽減することで、視覚障害者の身体活動増進に寄与する可能性がある。本研究は日本において盲導犬の使用が視覚障害者の身体活動の中でも特に歩行時間に与える影響を調べることを目的とした。調査は1. 盲導犬使用者、2. 家庭犬を飼育する視覚障害者、3. 犬を飼育していない視覚障害者、4. 視覚障害のない家庭犬飼い主を対象にアンケート調査を実施した。その結果、盲導犬使用者の歩行時間は、犬を飼育していない視覚障害者よりも有意に長く、推奨歩行時間の満たしやすさは2.56倍であった。また、盲導犬使用者と視覚障害のない家庭犬飼い主の歩行時間に有意差は認められなかったことから、障害があり、より高齢であるという歩行の困難さを補うような歩行促進効果を盲導犬が持つ可能性がある。今後、盲導犬の使用と歩行時間増進の因果関係を明らかにするために、さらなる調査が求められる。
事例研究
  • 穂刈 顕一, 八重田 淳
    原稿種別: 事例研究
    2025 年19 巻1 号 p. 54-59
    発行日: 2025/12/25
    公開日: 2026/05/17
    ジャーナル フリー
    【背景】日本の視覚障害者の就労は職種に偏りがあり職域が限定的である。 【目的】就労する盲導犬ユーザーのキャリア形成に必要な要因を明らかにする。 【方法】日本盲導犬協会所属の盲導犬ユーザーである重度視覚障害者を対象に半構造化面接を実施した。結果は事例‒コード・マトリックスを用い検討をした。 【結果】「入社後の姿勢」「組織内の人間関係」「戦略的なキャリア行動」がキャリア形成の共通点であることが把握できた。 【考察】検討事例は共通してキャリアに強いコミットメントを持ち、職場内の信頼関係醸成に戦略的に取り組んでいるということが分かった。また盲導犬との信頼関係の構築で得た知見がキャリア形成に応用されていると考えられる。 【結論】盲導犬ユーザーの重度視覚障害者のキャリア形成には①キャリアへの強いコミットメント、②キャリア選択に人間関係が影響を及ぼしていること、③組織内キャリア発達がキャリア形成につながっていることが明らかになった。
日本身体障害者補助犬学会第16回学術大会抄録集
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