生徒は, 自分が持っている図形の概念と, 図形のプロトタイプとなる図のイメージを浮かべて, それらをもとに, 図を描くと考えられる。よって, 作図を行う場合, その手続きは, 生徒の持つ概念とイメージに影響され, 組み立てられるということができる。しかし, もし, それらが数学的な定義と一致しなかった場合は, 図形ソフトウェア上では, でき上がった図は, 生徒の予測と異なったり、概念を正しく表さなかったりする結果を生じる。このことから、図形ソフトウェア上で生徒が描く図は、生徒の概念とイメージを捉える機会を与えていると思われる。本研究では、この観点から、生徒の描いた図、作図活動と、図形の慨念との係わりについて考える。
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