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山口 悦司
セッションID: 2I2-Z
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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科学技術の社会問題に関するアーギュメント・スキルの育成は,現代における科学教育の重要な研究課題である.本招待講演においては,筆者がこれまでに取り組んできた当該スキル育成を目指したデザイン研究について,その研究方法論上の特徴を解説するとともに,論文賞受賞対象論文以降の研究の展開を報告する.
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中村 征樹
セッションID: 2S3-Z1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本講演では,市民のための科学教育という観点から,科学教育のあり方について論点を整理し課題を提示する。その際にポイントとなるのは以下の3 点である。①一市民にとっての科学教育,市民社会にとっての科学教育の両者を見据える必要がある。②科学的知識・理解とともに,科学についてのメタ的知識・理解を重視すべきである。③市民の科学技術への関与・参加という観点が重要である。
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齊藤 萌木, 堀 公彦
セッションID: 2S3-Z3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本報告では,21 世紀の知識爆発の時代に求められる資質・能力を整理し,その育成のための科学教育のカリキュラムデザインの考え方と,カリキュラムを具体化する授業改善研究の具体例について述べる。前半では,目標像,デザインの基本的な考え方,具体化の指針という3 つの視点から,求められるカリキュラムとその実現のための方策を,理論的背景をふまえて整理する。後半では,中学校2 分野における取組を例に,継続的な授業改善から次の授業デザインの仮説を見出す「前向き」な授業改善研究の具体像を示す。
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飯島 康之
セッションID: 1A1-B1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究はテクノロジーが「主体的・対話的な深い学び」に資することを目指し,具体例として三角形の内角の和を取り上げ,数学的現象への注目からどのような問いや解決例が生まれうるのか例示した.
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渡辺 信
セッションID: 1A1-B2
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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世界の数学教育は大きく変化した.情報化時代にふさわしい数学教育の在り方を模索し,誰もが数学を自ら考えることを可能にした.この変化はTechnology を考える補助としての道具として活用することが可能になって起こった.現在,日本の数学教育ではTechnology を活用する方向性にはないが,Technology 活用の重要性と数学創造性の育成に不可欠であることを示す.これからの数学教育の方向性を示唆したい.
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牧下 英世
セッションID: 1A1-B3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,主に高等学校までに学習した内容を中心に,現実問題に即した数学を活用する事例について報告する。前回大会に続き,作図に関する考察を報告する。図形やグラフを正確に描くために,動的幾何ソフトCinderella で描画し,その結果をKeTCindy によってScilab に渡して計算しLaTeX に出力させることで,数学活用が実現することを報告する。本稿の主張は,Scilab で計算させる際に,難解な数式を使わず,数学のポイントを押さえることによって描ける点である。数学を活用した正確な描画は,「数学活用」や新学習指導要領における「理数探求」,SSH 研究で有効だと考える。併せて,数学文化を数学指導に加えることで,生徒や学生の数学観の変容に役立つ事例について報告する。
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濱口 直樹, 高遠 節夫
セッションID: 1A1-B4
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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高専および大学初年級の数学教育においては,2変数関数のグラフとなる曲面など空間図形の理解が不可欠である。現在,3Dプリンターやタブレット端末などの普及により,教育方法も多様化している。我々が整備を進めるKeTCindy を用いることにより,スライドやタブレット,立体モデルを併用した授業設計にも大きな可能性が見えてきている。2変数関数のグラフをテーマとした内容を例として,これらを併用した授業設計の概要について述べる。
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金子 真隆
セッションID: 1A1-B5
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,動的幾何ソフトウェアCinderella からHTML 形式のタンジブルなコンテンツを出力する機能であるCIndyJSが最近急速に整備されてきていることに着目し,CindyJS によるタンジブルなコンテンツを学習者に提示するのみの場合と、コンテンツをiPad に入れて学習者に操作させた場合とで、学習者のグラフ描画に関する思考過程に生じる差異を、ワークシートの分析によって追跡することを試みた。その結果,学習者自らの操作によって、思考過程の効率化がもたらされること、およびその背景として、操作時における学習者の言語活動や体性感覚による影響の存在が示唆された。
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大西 俊弘
セッションID: 1A1-B6
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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動的幾何ソフトウェアGeoGebra にはCAS(数式処理)システムが内蔵されるなど,高度な計算機能を高校生でも簡単に使える時代が到来している。しかし,高等学校数学科では,CAS をほとんど利用しておらず,効果的な教材開発もあまり進んでいない。本研究では,高等学校数学科において,従来の教育課程の枠内で生徒の数学理解を促進することを目指して,CASの有効な活用法について考察する。また,2 次曲線の軌跡や箱の容積最大化問題など具体的な教材例を挙げ,その利点について述べる。
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塩瀬 隆之, 水町 衣里, 加納 圭
セッションID: 1A1-C1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿は,アクティブラーニング評価手法に関する教師の懸念に関する概説である。教育委員会や学校主催のアクティブラーニング導入に関する教員研修で得たアンケートと、アクティブラーニングの評価手法に関する先行研究から、教員が抱えている評価手法に関してもつ不安について概観する。
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~NHK E テレ「カガクノミカタ」連動ワークショップを事例に~
加納 圭, 土井 祐磨, 後藤 崇志, 水町 衣里, 一方井 祐子
セッションID: 1A1-C2
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,NHK E テレ「カガクノミカタ」を活用した科学的なものの見方が習得できる教育プログラムの開発及びその評価の試行を行ったものである。特に「比べてみる」という科学的なものの見方に着目をしてプログラム開発と評価試行を行った。
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-PISA の評価枠組みを活用した分析-
水町 衣里, 一方井 祐子, 加納 圭
セッションID: 1A1-C3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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2日間にわたる研究体験型の教育プログラムを開発し,応募者・参加者を科学的知識の観点から評価した。その結果,参加者の幹細胞研究に関する「科学の知識」が参加前後で増加することが明らかになった。また一方で「科学についての知識」に関しては参加前後で差が見られないという限界を見いだした。このことから,「科学についての知識」の習得にはより長期,もしくはより高頻度のプログラム設計が必要であることが示唆された。
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後藤 崇志, 中西 一雄, 加納 圭
セッションID: 1A1-C4
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本報告では、科学イベントの参加者層と参加の効果に関する調査結果をもとに、児童の科学を学ぶ動機づけの低下の解消に有効な科学イベントのあり方について考察する。市立の小中学校を対象とした大規模縦断調査と科学イベントの実施を組み合わせた調査研究から、科学イベントの参加者層と効果について学習動機づけの観点から、科学イベントは学習動機づけの向上に寄与する一方、幅広い参加者層の獲得が課題であることが示された。保護者・教師が持つ児童の学習動機づけ・科学イベント参加に関する認識についての調査結果も踏まえ、幅広い参加者層を獲得するために考慮すべき点を考察する。
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~インドネシア共和国における実践~
竹内 慎一, 鈴木 晴之, 清水 欽也, 天花寺 宏美, 今尾 江美子
セッションID: 1A1-C5
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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インドネシアにおける教育上の課題のひとつである科学的思考力の育成を目的とした教員向けワークショップと理科映像教材の開発に現地の研究者や教育関係者らと共同で着手した。映像の有効な使い方や教員の意識改革、また開発する教育プログラムによる効果をどう評価・測定していくか、さらにはこうしたプログラムを持続的に実施していくための枠組みについては今後の課題である。
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— 指導法開発の意味と段階 −
宮﨑 樹夫
セッションID: 1A1-D1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究では,中学校数学で課題探究力を育むために課題探究として証明することに着目し,それを実現する指導法の開発を次の様に捉えた:「課題探究として証明することのカリキュラム開発枠組みにおける様々な学習レベルの移行に必要な学習活動を実現する指導の方法知の確定」。その上で,指導法の開発には次の三段階が必要であることを指摘した:ア.学習レベルの移行に必要な学習活動を考案する,イ.学習活動を実現する指導法を考案し,単元展開に組み込む,ウ.授業実践で指導法を評価・改善する。
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-第1学年の単元「比例と反比例」-
岩田 耕司, 永海 哲広, 原島 裕美
セッションID: 1A1-D2
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は,岩田ほか(2016)で開発した,中学校数学科の領域「関数」における課題探究として証明することのカリキュラム開発の枠組みをもとに,中学校第1 学年の単元「比例と反比例」の授業を具現化し,その過程で検討した事柄や明らかになった課題を整理することで,その成果と課題を明らかにした。証明の構成の学習における,発見の文脈と正当化の文脈を明確に切り分けることの重要性や,よい説明(証明)に対する規準を生徒から引き出すための指導の手立ての必要性などが明らかとなった。
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-領域「数と式」における第3 学年の授業実践を通して-
佐々 祐之, 中川 裕之
セッションID: 1A1-D3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,課題探究として証明することの学習を実現するためのカリキュラム開発の一端として,中学校第3 学年の領域「数と式」における学習活動を具体化し,その実現可能性を検証するとともに,具体的な授業場面から,課題探究として証明することのカリキュラムの枠組みにおける学習レベルの移行に必要な学習活動とそれを実現する指導法を抽出しようとするものである.実証授業の結果,文字を用いた代数的証明における構想のレベルをP2 からP3 へと上げるための学習指導法として,2 つの「場の設定」を抽出することができ,そのような「場の設定」に向けた教師の行動を観察することができた.
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―領域「資料の活用」における指導法の開発に向けて―
永田 潤一郎, 青山 和裕, 辻山 洋介, 小松 孝太郎, 廣瀬 俊哉
セッションID: 1A1-D4
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,中学校数学科の領域「資料の活用」における課題探究として説明することのカリキュラム開発を目指しており,本稿では,新たに開発した教材とその実践について検討した.その結果,限られた授業時間で知識の定着と説明の構成を両立する指導や,子どもの多様な説明に的確に対応する指導の在り方について検討する必要があることが明らかになり,今後の指導法開発に向けて示唆を得ることができた.
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‐連邦レベルでの議論,ワシントン州・ミネソタ州・アイオワ州の事例から‐
熊野 善介
セッションID: 1A1-E1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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アメリカにおいて21 世紀型スキルに対する科学教育コミュニティーの検討は2007 年7 月からの専門家会議から始まり、科学教育改革としてどのような転換が求められるかが進められ、全米で議論が展開佐連ながら、K-12 科学教育フレームワーク作成委員会により、具体的な内容が作成され、次世代科学スタンダードへとつながっていった。これらの流れの中心にSTEM 教育が存在している。科学教育にどのようにして工学が埋め込まれていったのかに関する一つの証拠を見出したといえる。
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伊藤 陽菜, 高木 浩一
セッションID: 1A1-E2
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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STEM 学習では,科学・技術などを教材とした数学・理科などの複合的な学習が有効となる.しかしこれらを総合的に学ぶカリキュラムを有するのは,理数科やSSH(スーパーサイエンスハイスクール)など,一部の学校に限られる.そこで本研究では,すべての高校で行われる数学の授業の中に科学・技術・実験・データ整理などの要素を組み込むことを考え,エネルギー・環境に関する現象と数学を結び付けつつ授業を設計した.その結果,生徒は授業でエネルギーや環境に関する内容に興味を持ち前向きな姿勢で取り組むことができ,数学の内容についても定着度が向上することなどが明らかになった.
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畑中 敏伸
セッションID: 1A1-E3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は科学教育研究におけるSTEM教育の研究領域を明らかにするために,米国で2017年に開催されたNARST,ASTE,AAPT の各学会の年会の発表タイトルと要約を対象として,用語の頻度,共起,関連という数量的なテキスト分析,用語を参照し文章を解釈する質的なテキスト分析を行なった。その結果STEM 教育の研究には,全ての学校段階,教師教育,マイノリティーなど配慮が必要な対象が含まれること,エンジニアリングを含む科学教育,STEM 領域間の統合,メーカームーブメントとの関連,キャリア教育,プロジェクトや問題に基づく学習,に関連する内容が含まれること,知識,スキル,態度や関心を身につけさせたり向上させようとしていることが含まれることが明らかとなった。
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Gillian H Roehrig, Elizabeth Ring, Emily Dare, Jeanna Wieselmann
セッションID: 1A1-E4
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
フリー
Integrated STEM education is called for in national policy documents within in the United States, yet teachers still struggle to develop and implemented quality STEM instruction. This paper presents a macro and micro level analysis of a cases study of three teachers implementing a STEM unit. Macro analysis using a conceptual flow graphic revealed a strongly integrated curriculum. Micro analysis revealed that teachers use of scientific and engineering practices and language promoting STEM were critical to implementation of an integrated unit.
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-21st Century Skills のタスク固有性の検討と超領域的な学習への適用-
齊藤 智樹
セッションID: 1A1-E5
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は21st Century Skillsの中でも創造性に着目し,統合したSTEMの取り組みの中で、児童・生徒がいつ、 どこで発散的な思考を適用するかを質的な方法を用いて明らかにするとともに、既存の創造性テストのSTEM 教育評価における妥当性を検討した。その結果,過去の研究において利用されてきた創造性テスト(TTCT)が、探究活動に固有なタスクを評価しており、いくつかのタスク同士の相関は見られないこと、また質的分析によって見いだされた他の関連するタスクについては考慮されていないこと等が考えられる。また学習の振り返りから、いつ・どこで発散的思考が用いられるのか、潜在的なタスクと文脈をまたいだ適用可能性が示された。それぞれの分析結果の混合により、あらゆる文脈において、創造性はタスクごとに育成され、その妥当性と転移については個別に検討していく必要性が示唆された。
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―米国のGAIMME レポート―
川上 貴
セッションID: 1A2-D1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では,日本での数学的モデリング指導の教員研修の実践に向けて,米国で出された,数学的モデリングの授業実践を支援する教師向けのガイドライン「GAIMME レポート」を概観した。その結果,モデリング指導の教員研修の方向性として,「教材」,「モデリングやそのプロセス」,「子ども」,「手立て」に対する複合的な「レンズ」として働く教師の体系的なモデルを構築していくことの示唆が得られた。
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-数学的モデリングを視野に入れて-
中村 好則
セッションID: 1A2-D2
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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平成29 年3 月に公示された小学校学習指導要領では,プログラミング教育が必修化され,算数科においてもプログラミングを取り入れた指導の検討は喫緊の課題である。そこで,本研究では,第6 学年「速さ(量と測定)」の単元を題材にプログラミングを取り入れた指導を構想し,大学生5 名を対象とした実験授業を基に,数学的モデリングを視野に入れて,その可能性を考察した。その結果,プログラミングを取り入れた指導は,プログラムを考える過程において,数学的な見方・考え方(単位量当たりや比例の考えなど)を活用しながら,数学の世界(プログラミング)と現実の世界(ロボットの動き)との往還(数学化サイクル)が繰り返し行われ,学習内容の理解とよさの感得に繋がる可能性が示唆された。
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-2種類のモデルの特徴に着目した考察-
二宮 裕之
セッションID: 1A2-D3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では、数学的モデルの果たす機能に着目し、先行研究で述べられている数学的モデルの特徴を捉え直した。その結果、数学的なモデルには大きく2つの種類があることが分かり、それらは数学を「手段」とするものと「目的」とするものであることが明らかとなった。
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―数学的モデリング指導の初心者を対象に―
佐伯 昭彦 , 川上 貴, 金児 正史
セッションID: 1A2-D4
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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新しい学習指導要領では,数学的に考える資質・能力を育成するための「算数・数学の問題発見・解決の過程」の一部として数学的モデリングを重要視している.しかし,数学的モデリングの教師教育に関する体系的な研究は殆ど行われていない.本稿では,数学的モデリング指導の初心者を対象とした教師教育のための教材開発の基本方針,数学的モデリング過程の図式の役割,現実の事象を取り扱った教科書の問題からモデリングの授業を開発するための方策について述べた.
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山下 修一, 野村 恵伍
セッションID: 1A2-E1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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中学校2 年「生命を維持する働き」で,中学生48 名に発展学習として,STEM の枠組みを生かした人工心臓弁開発についての2 時間の授業に取り組ませた.その結果,60%以上の生徒が,エコノミークラス症候群や脳梗塞について,授業で学んだことを生かして説明できるようになった.また,同じ映像を見ても,授業後には命が救われたという感情面だけでなく,人工心臓弁開発の内容面にも目が向けられるようになった.
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-教材等調査研究会議事録の分析を中心に-
郡司 賀透
セッションID: 1A2-E2
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
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本研究は,1950 年代後半の日本の中学校理科教育における技術的内容の選択を対象としたものである.「技術」と関連の深い「工業」の取扱いに焦点を当てて,教材等調査研究会の議事録を分析した.その結果,当初,技術的内容を強調する意見があったものの,職業との関連づけの議論が本格化するなかで,自然科学の基礎的内容の重視に変化した事実が明らかとなった。
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坂田 尚子, 熊野 善介
セッションID: 1A2-E3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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昨秋筆者たちは,アメリカ合衆国ワシントン州,ミネソタ州,アイオワ州の学校現場および大学等研究機関,教育省などを訪問しSTEM 教育の現状を調査した.本研究は,学校現場において低学年(K-3)の子どもたちはどのようなSTEM 学習をしているのかに注目し,それらを日本の教育の文脈に読み込み,実践することを検討した.その結果,日本においても今ある,科学的な活動をもとにプログラムのSTEM 化を図ることの可能性と,幼児教育の現場での試行の可能性が見えてきた.
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萱野 貴広, Thomas Meagher
セッションID: 1A2-E4
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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この数年,STEM 教育に関する調査研究や実践が積極的に行われているが,STEM;Science, Technology, Engineering and Mathematics(科学,工学,技術,数学) 各分野での象徴的な8 つの活動の1 つに“Argument”についての記載がある.本報告ではこの“Argument”に焦点を当てて,科学教育専門家へのインタビューを含めた調査を行った.専門家は話し合うことや議論することの価値を認めた上で,Argument をDiscussion と明らかに区別していた.また,米国のSTEM 教育実践校8th の生徒は静岡県内公立中学校3 年生の生徒と比べ,自身の判断に際し友達の意見を参考にしたり影響を受けたりすると答えた生徒は明らかに少なかった.
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佐藤 真久
セッションID: 1A2-E5
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,米国ミネソタ州オワトナ市における環境STEM(E-STEM)教育実践校の取組事例(3 事例)を,カリキュラム(教育課程の編成・実施),キャンパス(学校運営・校舎と校庭),コミュニティ(地域連携)の3 側面から分析・考察を行うものである.結果,対象とする取組事例は,個々に独自性があるものの,E-STEM 教育の取組が,3 側面の改善に大きく貢献をしていることが明らかになった.
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―動的オブジェクトを含む数学問題の開発―
安野 史子, 西村 圭一, 根上 生也, 祖慶 良謙, 高橋 広明, 浪川 幸彦, 伊藤 仁一, 三宅 正武
セッションID: 1A2-G1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は,昨年に引き続き,CBT における特性を活かした教科・科目ベースの問題を試作し,検討することを目的としている。具体的には,PBTでは評価することが難しい部分に焦点をあて,昨年開発した動的オブジェクトを含む数学問題について,高校生対象の調査結果を踏まえて改良するとともに,新規問題を追加し,それを用いたモニター調査を再度実施したところまでの報告を行う。
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―数学問題における動的オブジェクトの役割―
西村 圭一, 安野 史子, 根上 生也, 祖慶 良謙, 高橋 広明, 浪川 幸彦, 伊藤 仁一, 三宅 正武
セッションID: 1A2-G2
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本稿では,CBT の数学の問題においてインタラクティブな動的オブジェクトがどのような働きをするか,またそれによってどのような数学的思考力が評価できるかに関する示唆を得ることを目的とする。開発した試作問題の動的オブジェクトには,数学的問題解決過程に照らすと,その役割に応じて「数学化」「解決の構想・見通し」「問題の解決」の3タイプがあった。作問において,動的オブジェクトが数学的問題解決過程において担う役割と,評価したい数学的思考力との関係を一層明確化することで,数学科におけるCBT の有益性は高まることが期待される。
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山下 卓弥, 柳澤 秀樹, 林 誠一, 松原 静郎, 笹尾 幸夫, 寺谷 敞介, 鮫島 朋美, 石川 朝洋, 安野 史子
セッションID: 1A2-G3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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昨年に引き続き,化学実験映像や動的オブジェクトによる化学実験シミュレーションを用いた問題の試作を行い, 高校生を対象としたモニター調査を実施した。その結果,シミュレーション問題においては,有意なデータを得られるようにシミュレーションを実行することが解答に有効にはたらく可能性が示唆された。一方で,いずれの問題も依然として難易度が高く,易化に向けた工夫が必要であるという,検討を要する課題も新たに分かってきた。
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柳澤 秀樹, 山下 卓弥, 林 誠一, 松原 静郎, 笹尾 幸夫, 寺谷 敞介, 鮫島 朋美, 石川 朝洋, 安野 史子
セッションID: 1A2-G4
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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昨年に引き続き,化学実験映像や動的オブジェクトによる化学実験シミュレーションを用いた問題の試作を行い, 高校生を対象としたモニター調査を実施した。その結果,映像問題においては,従来のPBT ベースでの学力調査では評価することが難しかった,実験経験に基づく観察力・判断力に関して評価できる問題が作成可能であると示唆された。
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松原 静郎, 山下 卓弥, 柳澤 秀樹, 林 誠一, 笹尾 幸夫, 寺谷 敞介, 鮫島 朋美, 石川 朝洋, 安野 史子
セッションID: 1A2-G5
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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昨年に引き続き,タブレット使用型試験開発のため,実験を中心に映像やシミュレーションを用いた問題を作成しモニター調査を実施した。今回の質問紙の結果から,実施に向けての見通しは立ってきたが,対象学校・学年が異なり課題改善の効果が認められずさらなる検討の必要性が示唆された。
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兒玉 浩明, 松高 和秀, 山口 明徳, 長田 聰史, 坂口 幸一, 園田 泰正, 西郡 大
セッションID: 1A2-G6
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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「高大接続改革」で求められている多面的・総合的評価の1つの方法として,化学実験に関する動画や画像などデジタルコンテンツを利用した入試問題を作成した。タブレットを用いた「佐賀大学版CBT」について,高等学校でのモニターテストの結果を含めて考察したので報告する。
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-基本概念と文脈との関係に注目して-
寺田 光宏
セッションID: 2A1-A1
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,中等教育(中学校及び高等学校)における化学授業の質的な改善するためのプログラムを開発することである。具体的には文脈を基盤とする学習を核とした文脈編及び概念編のテキスト類とそれを用いた授業方式を開発する。今回は,本プログラムにおける中等教育化学の基本概念を確定し,テキスト及び授業例においてドイツChemie im Kontext プロジェクトの事例から基本概念と文脈との関係を明らかにした。
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今井 泉
セッションID: 2A1-A2
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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日本化学会創立125 周年出版事業で作成した化学普及書は学習指導要領や教科書に準拠したため取り上げた基本概念は「粒子」,「エネルギー」などであった。これは,米国化学会スタンダードや独国Chemie im Kontext の基本概念の一部であった。また,基本概念とともに内容の検討も必要である。
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後藤 顕一
セッションID: 2A1-A3
発行日: 2017年
公開日: 2018/08/16
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国際バカロレア(IB)は,同機構が認定した世界各国の学校(認定校)において実施されている教育プログラムである。IBは,資質・能力の育成を目指すとともに,基本的な知識や技能の習得も目指しており,我が国の教育に示唆に富む知見を提供してくれる。そこで,IB における高等学校化学分野,ディプロマプロジェクト(DP)化学のカリキュラム編成の理論と,概念,そこで展開される学びについ整理を行った。
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