日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
1 巻, 1 号
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表紙・目次
  • 倉井 庸維, 土橋 嘉衛, 篠原 文陽児
    原稿種別: 本文
    1986 年 1 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1986/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    東京都立調布南高等学校では、9年前から数学科の授業の中で、BASIC言語を使ってプログラミングを中心としたコンピュータ教育を行っている。現在、コンピュータ・リテラシー育成の教育への関心が高まっていることから、本研究では現在実践されているカリキュラムを報告し、コンピュータ・リテラシー育成の観点から、今後の改善案を示すことを目的としている。改善にあたって、受講生のコンピュータ経験、受講理由ならびに希望学習内容の調査を行った。その結果、半数以上が未経験者であること、コンピュータに対する興味・関心や社会へ出てからの有用性を考えて受講し、プログラミング能力とコンピュータに関する職業とその将来性について一層の学習を希望する受講生の多いことがわかった。これらの結果から、導入の段階、プログラミング、コンピュータの社会的影響のそれぞれの指導について具体的な改善案を示した。
  • 袴田 敦, 松田 稔樹, 前迫 孝憲, 牟田 博光, 繁桝 算男, 清水 康敬, 坂元 昂
    原稿種別: 本文
    1986 年 1 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 1986/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では、教育現場で扱いやすいコンピュータ用インタフェースの開発を目標に、実際の教科書で使用されている記号や語句の調査を行うとともに、分数の書き方の実態を調べ、それに基づいて分数を認識できる手書き入カシステムの開発について検討した。
  • 井上 光洋, 堀口 秀嗣, 西之園 晴夫
    原稿種別: 本文
    1986 年 1 巻 1 号 p. 9-12
    発行日: 1986/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    OECD・CERIは1982-86年の5か年計画で、「教育と新情報技術」の国際プロジェクトが実施され、第1期(1982-84)では、①各国の現状と傾向②新情雑技術の教育利用に関する研究開発③ソフトウェア・コースウェア④新情報技術導入の経済的側面⑤情報社会と一般的教育⑥新しい教授機能と教師訓練プログラム⑦カリキュラムと組織構造の変化、などがテーマとして掲げられた。第II期 (1985-86)は、人間として生活していく基礎的スキルとして、a, 続むこと、b, 書くこと、C, 科学的・技術的概念、d, 算数・数学的概念、の4つのスキルを抽出し、これらを新情報技術とのかかわりについて調査・研究を遂行してきている。
  • 金田 知之, 下條 隆嗣
    原稿種別: 本文
    1986 年 1 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1986/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2社の中学1年用理科教科書の「カ」に関する部分に含まれている概念を抽出し、出現順に番号を付し、定義の仕方によって分類し、更に概念間の関連を明らかにして作製した概念図を有向グラフとみなし、それらに主としてグラフ理論を適用して構造等を分析した。2社の概念集団とも約100個の概念を含んでいた。本報告では特に概念集団の樹状構造部分と環状構造部分の分離、周辺点に対応する概念の教育的意味、階層化表現、および2社の教科書の概念集団について、それらの構造、強化・中立・弱化各概念数、抽象度、半径、連結性、定義の種類別概念数を比較した。 概念集団の構造については、1社の教科書では主に樹状で部分的に環状であったが、他社の教科書では環状のみであった。 概念集団の階層化表現が求められたが、それらはなお複雑であり、今後同一レベル内の概念の並べ替えによって経路の交差の少ない図に変形される可能性が論じられている。
  • 田矢 一夫
    原稿種別: 本文
    1986 年 1 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 1986/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    われわれは、教員の理科に関する質の向上を目的とし、教員養成課程と現職教育の理科のカリキュラムの研究を行ってきた。本発表では、まず、研究のこれまでの経過と概略を述べ、次に研究の現状につき説明する。教員養成課程、とくに小学校教員養成課程の理科のカリキュラムは、理科系学生へのカリキュラムと非理科系へのそれとに大別される。非理科系の学生は、理科関係の科目の学習が不足している。根本的な改善は、現行制度では不可能であるが、非理科系学生に対するカリキュラムの改善を試みた。具体的な例をいくつか示した。これらの研究は現職教育、とくにpre-serviceで理科を専門としなかった教員に対するもの、にも有効である。
  • 清水 克彦
    原稿種別: 本文
    1986 年 1 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1986/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿においては、数学的問題解決における解決者の思考プロセスに焦点をあてて、その思考プロセスの表現と評価についての考察を加えている。まず、数学的問題解決において解決者の思考の重要な要素である、「発見法・問題解決ストラテジー」「コントロール・メタ認知行動」を、Schoenfeldの研究にもとづいて明らかにしている。さらに、その要素に焦点をあてた数学的問題解決における思考プロセスの研究を検討し、それが「誤った思考プロセス」の把握と表現の研究が中心に行われてきていることを指摘し、さらに、数学教育の立場から、「質の高い思考プロセス」の把握と表現の研究へと発展させることが必要であること指摘している。そして、その「質の高い思考プロセス」の表現について検討するとともに思考プロセスにおける「質の高さ」の意味を明らかにすること試みている。
記念シンポジューム『科学教育と総合化』
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