平成14年度から完全実施される中学校学習指導要領『理科』では,目的意識を持って観察・実験を行うことを強調するなど,科学的リテラシーの育成を目指した教育の重要性を示している。本研究では,まず科学的リテラシーの要素のうちの「科学の本質」を取り上げ,その中の「科学の推測性」,「科学の予測性」に焦点化した指導プログラムを開発し,実践した。本プログラムでは,生徒の直感や考えを毎時間ワークシートに記入させ,実験を通してそれを検証した。また,2つの班でペアをつくり,互いに批判し合いながら活動を行わせた。授業後の生徒の自己評価では,「実験の結果を予想した」,「シンプルな実験を心がけた」等の意見が多数見られた。また多くの生徒が,「実験に必要な道具や器具を自分で考え出して楽しかった」,「条件設定や予測・推測の大切さが分かった」という感想を持っていた。このような結果から,本指導プログラムの有効性が明らかになった。
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