本研究では,2003年度の「びっくりか」掲示板の植物の観察活動をテーマとした「わたしの枝の一年」という会議室に関する対話の分析を以下の3点に着目して行った。(1)対話として成り立っている書き込みの全体に占める割合,対話の内容,書き込み件数,参加グループ数を調査した。(2)グループ別に対話への参加数を算出した。(3)植物に関しての見方や考え方が深まったり,観察活動の比較をしたりしていた対話があるかどうかということを調査した。その結果,以下の3点のことが分かった。(1)対話として成り立っている書き込みの割合が比較的高かった。また,「サクラ(芽)」,「フジ」,「イチョウ(葉)」は,書き込み件数が多く,「ハナミズキ」,「キンモクセイ」は,書き込み件数が少なかった。さらに「観察方法」,「イチョウ(葉)」,「ヤマモモ」は,他の対話と比較すると参加グループ数が多かった。(2)H小学校1組,E小学校,S小学校は,対話への参加数が多かった。(3)植物に関しての見方や考え方が深まったり,観察活動の比較をしたりしていた対話があるということが分かった。これらの結果から,掲示板上においても対話を通して学校間で協働して理科の学習を深めていくことが可能であると考えられた。
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