日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
19 巻, 1 号
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表紙・目次
【研究発表】
  • 稲垣 成哲, 山本 智一, 黒田 秀子, 橘 早苗, 竹下 裕子, 藤本 雅司, 大島 純, 中山 迅, 山口 悦司, 村山 功, 竹中 真 ...
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では,神戸大学発達科学部附属住吉小学校をフィールドとして展開されているCSCLシステムを利用した授業のデザイン実験の実際について,Knowledge Forum,再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェア「あんどう君」,ケータイ利用の野外情報共有システム(clippic)の事例を公開授業として報告する.
  • 平井 尊士, 川井 和彦, 高幣 俊之, 金子 委利子, 戎崎 俊一, 植松 貞夫, 吉田 和正, 青木 典司, 熊丸 哲夫, 松崎 太亮, ...
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 5-10
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    我々は、初等中等教育機関において、普通教科(理科)の中で、副教材としてのデジタルコンテンツの共有化・再利用を目的にした開発と活用について、XMLを技術基盤とした実用的な学習環境「デジタルコンテンツ・プラットフォーム・サーバ」の概念、それらの活用方法について実践研究を平成14年度より開始した。本研究会では、教科授業での普及成果をより具体化していくため、「学習指導の工夫改善モデル」(国立教育政策研究所報告書)という考え方に基づいた方向性を研究会(2004.9)で打ち出した。それらを踏まえ、本発表では、平成15年度および16年度1学期に神戸市立の公立小・中・高等学校で行った取り組みから小学校の1事例を抜粋し、ITを活用した学習指導の工夫改善モデルの策定を目標にした考察と研究開発の改良を重ねているシステムの取り組みの経過を報告する。
  • 古田 祐理, 出口 明子, 竹中 真希子, 稲垣 成哲, 武田 一則, 後藤 大介
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では,2003年度の「びっくりか」掲示板の植物の観察活動をテーマとした「わたしの枝の一年」という会議室に関する対話の分析を以下の3点に着目して行った。(1)対話として成り立っている書き込みの全体に占める割合,対話の内容,書き込み件数,参加グループ数を調査した。(2)グループ別に対話への参加数を算出した。(3)植物に関しての見方や考え方が深まったり,観察活動の比較をしたりしていた対話があるかどうかということを調査した。その結果,以下の3点のことが分かった。(1)対話として成り立っている書き込みの割合が比較的高かった。また,「サクラ(芽)」,「フジ」,「イチョウ(葉)」は,書き込み件数が多く,「ハナミズキ」,「キンモクセイ」は,書き込み件数が少なかった。さらに「観察方法」,「イチョウ(葉)」,「ヤマモモ」は,他の対話と比較すると参加グループ数が多かった。(2)H小学校1組,E小学校,S小学校は,対話への参加数が多かった。(3)植物に関しての見方や考え方が深まったり,観察活動の比較をしたりしていた対話があるということが分かった。これらの結果から,掲示板上においても対話を通して学校間で協働して理科の学習を深めていくことが可能であると考えられた。
  • 溝邊 和成
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    初等中等教育段階における科学技術を支える教員養成プログラム開発が求められてきている。本研究では、そのための基礎的研究として、小学校時代に生活科を経験した教員志望の学生に対して、生活科授業受講後、アンケート調査を実施した。生活科授業で思い出に残っている活動とされている「栽培活動」「草花遊び」など自然を対象とした活動に対して、模擬授業形式を取り入れた授業であった。アンケート調査の結果、次の点が明らかになった。多くの学生は、生活科授業を「楽しい」、「活動的」ととらえていた。模擬授業形式の生活科授業は、学生にとって、授業イメージがわきやすく、興味関心を持って取り組むことができ、今後の教育実習にとっても有効であるとしていた。また、このような授業形態の継続、発展を望んでいた。これらの結果から、生活科において、「自然に親しみ、科学技術に対して興味・関心を高める授業実践が可能な教員養成プログラム」の開発を行う際の一つの手がかりが得られた。
  • 楊 導核
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    中国の小・中・高等学校の情報技術教育は,1980年代以降,情報化,グローバル化の影響を受けて,実験学校,実験地区だけではなく,全国の全ての学校で取り組まれるようになっている。その教育目標と内容はプログラミング論から,ツール論へ変遷していった。中国では,全国統一の指導要領が存在しているものの,教育については地方分権制度を実施している。したがって,情報教育科目は地方の経済状況や教師の判断によって,地方独自のものとしての教科書や指導要領に対応したモジュールなどが作成され,授業で利用されている。
  • 出口 明子, 山口 悦司, 稲垣 成哲, 舟生 日出男
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    筆者らは,再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェアの開発に取り組んできている.本研究では,ソフトウェアに新たに実装した再生プロセスのブックマーク機能の有効性を検証するため,大学生・大学院生を対象とした評価実験を実施した.2つの調査結果から,ブックマーク機能は再生機能の有効性をこれまで以上に高めるものであり,学習者が再生機能を利用する際,自らの思考過程を自覚したり,自らの思考過程を他者に説明したりするのに有効な機能であることが示唆された.
  • 森田 裕介
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では,空間概念の形成に関わる視点移動能力の育成に着目し,インターネット上に配信できる授業補完型のWBLコースの設計と開発を行うことを目的とした.まず,インターネット上での学習を支援するため,学習管理システム(LMS)を設置した.次に,事例外挿法と仮想的視点移動の類型を基に,Web3Dを用いて空間概念の形成を支援するWBLコースの設計を行い,コンテンツを開発した.開発したWBLコースは「相対運動の学習」であった.「相対運動の学習」コースに含まれる,直線相対運動と回転相対運動に関するコンテンツは,現象をいくつかの視点から観測することが可能なものとした.
  • 郡司 賀透
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    わが国における理科教材の特質の一端を解明するために、その基礎的研究として、戦後発行高等学校化学教科書に安定的に登場してきたハーバー法教材に着目した。学習指導要領における当該製造法関連記述内容および化学教科書における当該教材の表現内容の特徴を調べつつ、1990年代に発行された化学教科書の執筆関係者の意図を探った。その結果、同法に関する2つの教材選択の観点が明らかになった。①)学問的に重要な複数の化学概念を応用した工程であること。②近代重化学工業史に画期性を有すること。
  • 坂本 美紀, 竹中 真希子, 稲垣 成哲, 山口 悦司, 大島 純, 大島 律子, 村山 功, 中山 迅, 山本 智一, 藤本 雅司, 近江 ...
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    筆者らは,CSCLシステムであるKnowledge Forumを利用し,遺伝子組み換え食品問題に刻する社会的意志決定をテーマとした授業のデザイン実験を実施している.本研究の目的は,小学生を対象とした実験授業における,単元目標の達成を評価することである.達成の評価は,単元内および単元の前後で測定した指標に基づき,遺伝子組み換え食品についての基礎的内容の理解,概念的知識とイメージの変容,社会的意志決定の達成度の3つの観点から実施した.この評価により,児童の理解や達成が不十分だった側面を明らかにするとともに,Knowledge Forumの学習環境および授業デザインにおける改善点について検討した.
  • 三宅 志穂, 野上 智行
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究は,英国フィールド・スタディーズ・カウンシル(Field Studies Council: FSC)について,1967年から1988年までに存在したユニット(課)に着目して,当時の組織マネジメントの特質を探ることを目的とした.FSCが設置したユニットである,石油汚染リサーチユニット,ペンブロークシャー・カントリーサイド・ユニット,スラプトン・リサーチ・ユニット,サウス・ハムス・カントリーサイド・ユニットの「設置目的,配置された人材,実施内容」の3点を詳細に示し,当時の組織マネジメントについて考察した.1967年から1988年におけるこれらのユニットの設置から,当時,FSCは,社会的な問題・要請への対応,FSCの調査・研究の公表,一般の人々への野外活動の普及をねらいとする組織マネジメントを図っていたことが見いだされた.
  • 牧野 智彦
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は,図形に関する命題の理解の状態を解明することが目的である。Gila Hannaによる証明による定理の理解に関する見解と,中学3年生の図形に関する命題の理解の実際の分析とから,図形に関する命題の理解段階の実際を探った。結果,命題の理解のA段階は,命題に対する「一般性の認識」と「図に対してのみの認識」,B段階は,「結論を導出する条件」と「図の外見」とを理由とする場合,C段階は,命題の前件に対する「一般性の認識」と,「図に対してのみの認識」の場合に分けられることが明らかになった。
  • 全 炳徳, 出口 安則
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    携帯電話の普及率は想像を超えるものがある。しかも、携帯電話は様々の便利な機能を有しているため、通信だけにとどまらず教育現場のツールとしても注目を集めている。これらの携帯電話を教育現場に利用する試みは以前から様々な方面で行われている。また、その利用方法も多様である。本研究では、携帯電話が持つ画像や動画を撮影するカメラ機能、これらの画像や動画付きのメールを送信する機能、GPS(全地球衛星測位システム)機能、電子ジャイロ(方位測定)機能などを使った教育補助ツールを開発した。このツールはWebGIS上に利用方法を展開したもので、携帯電話のカメラから撮影された写真や動画にGPS情報と電子ジャイロ情報を備え、電子地図の特定の場所に貼り付ける機能を完備している。著者等は携帯電話によるデジタル地図上のマッピングをする意味で、「携帯deマッピング」と名づけている。本論では、「携帯deマッピング」に関する簡単なシステムの構成と実証実験の一部を報告する。
  • 稲垣 成哲, 竹中 真希子, 出口 明子, 大久保 正彦
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 1 号 p. 63-68
    発行日: 2004/10/30
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究は,ケータイの教育利用のための基礎的な研究として,小学生におけるケータイの利用の実態とその情報モラルやマナーに関する知識を調査したものである.調査は,小学校4年生112名を対象にして質問紙調査として実施された.その結果,利用の実態としては,約96%の子どもがケータイの使用経験を有し,そのうちの約30%が個人用のケータイを保有していることが分かった.また,ケータイに関する基礎知識では,通信・通話時以外の電波についての誤った理解が6割以上に及んでいた.ケータイの使用に関する情報モラルやマナー関連の話題を聞いた経験では,カメラ付きケータイでの撮影に関する話題に接する機会が相対的に少ないことなどがわかった.
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