日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
2 巻, 2 号
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表紙・目次
自由研究発表
  • 佐藤 千恵
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 1-6
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    人間の速度・加速度概念の理解を明らかにするために、"2物体の同時的平行加速度直線運動において、2物体の速度および加速度を比較する。" という課題を取り上げ、実験を行った。その結果を、情報処理アプローチに基づき、情報抽出および推輪の合成過程として分析した。まず、速度および加速度が正の方向の運動について、加速度の推論パターンを明らかにし、推論に用いられる情報 (比較量) を提示した。次に、比較量の抽出、特に、加速度の情報抽出を実験に基づき検討した。次に、運動の途中で速度の方向が変化する運動についての推論のパターンを明らかにし、パターンを説明できる推論のメカニズムを科学的な推輪のメカニズムと対比させて設定した。更に、 3つの実験で明かとなった、加速度の誤った推論ルールを示し、誤りの原因を考察した。最後に、まとめにおいて、比較課題が理解を向上させることができる、速度およぴ加速度概念の側面について述べた。
  • 舘岡 茂樹, 坂元 昂
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 7-12
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    小学校高学年を対象にして多目的スペース (オープンスペース) での学習技能の調査表を作成し、それを使って小学校高学年の児童の多目的スペースでの学習技能の実態を調査した。調査の項目について活用の度合や、学習成績との関係について調査結果をまとめた。その結果から、教師が多目的スペースで個別学習の指導をするときの具体的資科作りと、児童一人ひとりが自分の学習を見つめ改善する指針作りのための示唆を得た。
  • 瀬尾 真路, 坂元 昂
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 13-18
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    小学校学習指導要領の6年の国語科表現領域の指導事項を、作文の学習過程である目的・取材・構想・記述・推敲・処理に分類し、その1つ1つの指導事項を成立させていくために必要な技能を洗い出し国語科 (作文) 学習技能の調査表を作成した。次に、調査表による実態調査を実施し、作文技能の習熟度や作文技能と国語科の学業成績との関係・男女の作文技能の特徴等を分析した。その結果、取材や構想など記述前の作文技能が身についてないこと、国語科の成績の劣る児童は作文技能も十分に身についてないこと、女子は男子に比べ作文技能が身についており特に推敲に優れたカを発揮すること等がわかり、今後の国語科における作文の学習指導の改善に大きな示唆を得ることがてきた。
  • 平田 博司, 坂元 昂
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 19-24
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    小学校低学年を対象にして、理科の学習技能調査表を作成し、次に調査表による実態調査を実施した。その結果から理科の学業成績と学習技能との関係を分析し、児童にどんな学習技能が身につけば、学業成績が向上するのか、今後の理科学習指導の示唆を得た.
  • 高松 哲生, 坂元 昂
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 25-30
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    成績処理・管理等だけではなく, 1台のパソコンを一斉授業の中で有効に活用する方法について考察した。台数とパソコンの特性からみて, 視聴覚的提示としてのシミュレーションが有効な利用方法であり, 生徒に概念の把握・理解や問題解決に役立つものと考え, また, 計算問題等を提示し, CAI的に利用することも考慮にいれた。まず, 中学1年から3年までの数学の単元の洗い出しを行い, パソコンで教えると効果があると思われる項目の一覧表を作った。つぎに, BASICで実際にプログラムをつくり, その内容をCRTに表示することを試みた。
  • 広瀬 才三
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 31-36
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    中学校の技術・家庭科に情報基礎が導入されるにあたり、今後の情報教育の指導上の参考とすることを目的として、生徒が家庭においてどのようにコンピュータを活用しているかということについての実態調査を行った。調査結果がまとまったので発表する。なお、今回の調査結果は子供達の教育環境と子供のコンピュータに対する興味・関心度との関連に注目した。この結果子供達のコンピュータに対する関心は、特にゲームに対して強く、生徒の中には将来の情報化社会を憂慮した子供達がいることも分かった。
  • 松田 稔樹
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 37-42
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ここ数年の議論の成果として、次の指導要領改訂で、情報教育実現のための何等かの対応が示される気配になってきた。特に、高校普通科では、情報教育のために独立した教科 (科目) の設置が検討されているという。本論では、情報教育の目標を達成するために、独立教科 (科目) の設置を必要とする理由を示し、既存教科との関わりから、特に、情報の取り扱いについての技能を身に付けさせること、および、惰報に対する価値観と倫理観を確立し、情報と社会との関わりについて自ら考える態度を養うことを教科 (科目) の目標とすることを提案した。また、そのような目標を達成するための指導法としては、「情報」に関わる問題について、生徒の興味・関心を喚起するテーマを設け、各自に主体的に調査を行わせたり、全体で討論を行ったりという、体験的・総合的指導を行うことを提案した。この方法によれぱ、情報に対する知識理解および態度の育成と同時に、惰報活用能力の育成にも貢献するであろう。
  • 木村 寛治
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 43-48
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    現在こどもが持っている情報能力の実態を把握するために、情報能力を情報教養、情報知識、情報利用、情報処理の4つの視点から考え、その実態、および、コンピュータを利用したとき、学習者に与えるプラス面とマイナス面について小中学生にアンケート調査を行った。その結果、情報能力は小学校の段階ですでに、男女差、学校さ、個人差が芽ばえ、拡大していると考えることができた。コンピュータ教育は、児童・生徒の実態を踏まえて一層弾力的に進めることが重要な課題となる。
  • 吉井 博明
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 49-52
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    最近家庭に普及した情報機器の中で特に注目されるのはテレビゲーム機である。ファミコンに代表されるテレビゲーム機は本質的にコンピュータであり, 子どもの遊びと結びつくことによって初めて家庭に普及したのである。子どもの遊ぴを対象により分類すれば, 対自然遊び, 対人間遊び, 対機械 (メディア) 遊ぴの3つになる。テレビゲーム遊びは, メディア (コンピュータ) との対話を楽しむ遊びであり, コンピュータの本質を直観的に理解することなしには楽しめない。子ども達はこの遊びを通して, 第2種のコンピュータ・リテラシーを自然に身につけると考えられる。本報告では, 長野, 千葉, 東京等の小学生とその両親を対象にしたアンケート調査をもとに, テレビゲーム遊びの実態とその社会的意味を探る。
  • 八木 一隆
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 53-56
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    市川市ではいろいろな事情から、社教審の方で出された「教職員向けコンピュータ研修会の標準カリキュラム」を参考にし、独自のカリキュラム編成している。教職員向けコンピュータ研修会を担当していて、自分自身納得のいかないところがあり、試行を繰り返している。その実践結果報告からいくつかの問題点を中心にこれからのコンピュータ研修会の在り方について思考してみた。
  • 北垣 郁雄
    原稿種別: 本文
    1987 年 2 巻 2 号 p. 57-62
    発行日: 1987/09/26
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    意識調査では、序列尺度によるアンケート項目を多数用意しまた多数の被験者に回答を依頼する。その回答データからファジィ積分によって所望の総合評価を行う場合、アンケート項目の重要性を示すいわば重要度関数を定めておく必要があるが、ここでは、項目間の連関を考慮した重要度関数の一つとして、ρ-ファジィ測度を提案し、それをとり入れた意識調査のデータ解析法を示す。また、CAIという一教育形態に関する意識調査を大学生に実施し、その回答に対して本解析法を適用した結果を報告する。
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