BSCS シリーズの BIOLOGY: An Human Approach First Edition における生態学分野のカリキュラムについて,教科書,および,教師用ガイドを調査分析した。生態学分野の学習内容は,大きく2つに分けられており,前半は「生物間の相互作用」,後半は「人間の活動に伴う地球環境の変化」に焦点が絞られ,それぞれが特徴的な指導モデルである5Es の段階に即したプロセスを踏む学習内容となっており,人間と環境との間の相互関係,および,人間の活動により引き起こされた環境問題を解決するための個人の意思決定のプロセスを学ぶ構成となっていることが明らかになった。また,生態学分野の授業展開の特質として,環境に関する価値観,すなわち,環境倫理の視点を含んだエッセイを参照し,自身の考えをまとめる活動が導入されていることが明らかになった。
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