日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
30 巻, 9 号
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表紙・目次
発表
  • 小林 俊行, 小山内 泉帆
    2015 年 30 巻 9 号 p. 1-4
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    博物館における教育普及活動は,中学校理科の授業で扱う学習内容と関連付けて構成されてはおらず,また理科教師は,博物館にどのような展示物があるのかを知らないため,せっかくの有用な展示物が授業で活用され難い状況にある。そこで地元清水三保にある東海大学海洋科学博物館の展示物を写真やビデオに収録し,中学校理科の学習内容と関連付けて一覧にまとめ,さらに展示物を利用した指導例を提案することで,博物館の展示物を理科の教材として有効活用する方策を提案する。
  • 小林 俊行, 森口 洋佑
    2015 年 30 巻 9 号 p. 5-8
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    大学生の物理分野における素朴概念の実態を解き明かすために,各種調査問題が作られ,その実態が報告されてきた。今回は,長洲・武田らが用いた小・中学校で学習する力の概念に関する調査問題を利用して,中学・高校の理科の教師を目指す大学生 1 年生と 3 年生の認知状況を調査,分析するとともに,当時の中学生の認知状況と比較してみた。その結果,調査内容のほとんどで大学生となっても素朴概念が修正されずにいることがわかった。
  • 遠藤 育男, 益川 弘如
    2015 年 30 巻 9 号 p. 9-14
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では,地域が抱えている課題を生徒たちなりに解決する活動を通して,専門知識を習得すると同時に,ICT 活用能力や市民性といった資質・能力の発揮につながったかどうかを検証する.この活動では,地域アピールというおとなが抱えている課題を扱い,成果物配布という仮のゴールを設定し活動を行った.現地視察,専門家講演会等,本物に触れる活動を取り入れるとともに,ICT の積極的な導入,情報発信を行った.情報発信に必然性をもたせるため,ジグソー法を取り入れた現地視察や,成果物審査会を設定した.実践は 3回のアンケートと成果物から評価した.その結果,専門知識の習得がなされたことがわかった.ICT を活用しながら全員が工夫した成果物を作成するとともに,任意である配布活動では 4 割以上の生徒が自主的に参加,その後,新たなゴールとして配布活動を自分たちで提案し始めるなど,ICT 活用能力,市民性といった資質・能力が発揮された可能性が示された.
  • 飯島 康之
    2015 年 30 巻 9 号 p. 15-18
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    作図ツールはもともと生徒が図形に対する動的な支援を可能にするためのソフトであり,所与の問題に対して「作図をして探究をする」実践もあった。しかし, デジタル教科書に収録するデジタルコンテンツを開発するためのソフトとして使うことも可能である。コンテンツ開発のために使う場合, 作図から行う場合と複数の違いがあるため, コンテンツそのものの工夫, 記号やコメントの表示による数学的探究の限定, 複数の図を一つのコンテンツとしてまとめることによる数学的活動の流れの明示などの工夫が対処として考えられる。
  • 小池 嘉志
    2015 年 30 巻 9 号 p. 19-24
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究は問題解決の過程を取り入れた算数・数学の授業において,問題点として指摘されている,練り上げの段階における話し合い活動の際の,「自力で解決に至らなかった子どもが,他者の発表を聞くだけでは,学習内容を十分に理解することは難しい」という点に着目したものである。そしてその原因を,子どもたちの稚拙な言語表現による情報不足と情報を処理し,既有知識と結びつけ理解するために必要な時間の不足にあると考え,その解決策として,オーズベルの提唱する有意味学習の視点から問題解決の過程を取り入れた学習過程を見直し,子どもたちの発言からの情報を精緻的に処理し,有意味に学習するための方法として,発見的追跡法を提案するものである。
  • ――タイ国状況とアユタヤ地域総合大学 ARU における現地協力活動から――
    大隅 紀和
    2015 年 30 巻 9 号 p. 25-30
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    STEM 教育のタイ国状況を現地で教育協力活動をしている視点から報告する。あわせて半世紀前に,米国から起こって日本と世界の科学教育に影響を及ぼした大規模な科学教育革新プロジェクトのその後のこと,そして最近の米国 NSTA 大会での聴取情報を引用検討しつつ,望ましい教育協力のあり方を考える。
  • 吉川 直志, 岡 愛由美
    2015 年 30 巻 9 号 p. 31-34
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    小学校5年生で学ぶふりこを私たちは身近に感じることができていない。そのために学んだことが定着していないとも考えられる。この研究では、子どものころから親しんでいるやじろべえをふりことして使うことで、ふりこの長さと周期の関係を大きさとやゆれ方の関係と捉えて、イメージを持って理解できるような教材を考案する。大きさ、長さが異なるやじろべえを一斉にゆらせることで、ゆれる周期の違いからやじろべえがダンスを踊る。これをふりこを理解するための一つの教材としたい。
  • 荻原 彰, 中西 良文, 大隈 節子
    2015 年 30 巻 9 号 p. 35-40
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本年度(2016 年度)から教員免許状更新講習に選択必修領域が導入される.本研究では三重県の 2016年度更新講習の対象者の教員に対する悉皆調査を通して初等中等教育教員の選択必修領域へのニーズを調査した.その結果の大要は次の通りである.1 「思考力・判断力・表現力等を育むための言語活動」と「教育相談」へのニーズは突出して高い.2 特別支援学校教員の「進路指導・キャリア教育」へのニーズが非常に高い.3 「英語教育」については,中学校,高等学校の希望者の大部分は英語教員である.
  • 長尾 洋樹, 中村 琢
    2015 年 30 巻 9 号 p. 41-44
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究は,中等教育において学習者が個人または集団で行う科学の探究活動の経験が,科学的な探究能力(以下,科学探究能力とする)の育成に与える影響を調査し,教育効果の高い探究活動の指導法を明らかにする。理数教育に積極的に取り組み,探究活動(課題研究を含む)の指導および実践に力を入れているスーパーサイエンスハイスクール(以下,SSH とする)を中心に課題研究の取り組み状況を調査した。科学探究能力を 7 のカテゴリーに分類し,各カテゴリーを評価する記述式の調査問題とルーブリックによる評価基準を作成した。SSH を中心に,全国の高校生に調査問題への回答を求めた。本発表では開発した調査問題の紹介と,被験者へのインタビュー調査および調査問題の妥当性評価,調査結果の傾向について報告する。
  • 佐藤 一
    2015 年 30 巻 9 号 p. 45-50
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    大学生による実験工作を伴った数学の模擬授業を進学先が決まった高校3年生に対し行った。模擬授業には,大学生の高校時代に自分達が理解しなかったことを高校生に理解させたいという工夫が見られた。また,研究とはどのようなものか,現象を理解するための姿勢と方法について述べる工夫が見られた。大学生による模擬授業は,高校における数理科学教育のひとつの方法になると考えられる。
  • 齊藤 智樹, 熊野 善介
    2015 年 30 巻 9 号 p. 51-56
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    著者らは,科学教育研究における科学的な研究方法論についての研究の手始めとして,NRC(National Research Council, 2002)が示した科学的原則や研究デザイン(計画)の原則を示し,それがいわゆる自然科学と何ら変わらないことを示した.同様に,混合研究法(Creswell・Plano Clark, 2007)にまつわる哲学から,量的な検討や質的な検討のどちらを採用しているかといった方法論が,研究を科学的なものにしている訳ではないことを指摘し,プラグマティズムの基礎となる可謬主義から,現代的教育課題とその実践的・実証的研究との関連性を述べた.また,アクション・リサーチ(Action Research)とデザイン研究(Design-based Research)の比較から,これらを理論的枠組みと捉え,議論可能な文法を持った方法を構築し,その方法論を議論していくという,これからの科学的な教育研究の方向性について考察した.
  • ‐第 78 回 ITEEA 国際会と NSTA、STEM 教育連合、TechShop の訪問分析‐
    熊野 善介
    2015 年 30 巻 9 号 p. 57-62
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/07
    研究報告書・技術報告書 フリー
    今回米調査の現地報告第 1 報として、ITEEA(International Technology andEngineering Association)の 2016 年の年次大会が米国のワシントン DC において、2016 年 3 月 2日から 4 日開催されたのに参加して、五感で感じたことも含めて最新の情報を報告します。開催場所は最近完成した国際コンベンションセンターでした。 参加者はおよそ 1500 人程度、ブースは 93 社が展開した。発表者は,3 月1日のプレセッションが 5 件、2 日が 69 件、3 日が 74 件、4日が 22 件、ポスターセッションや参加者による展示が 93 件であった。1 名で他分野の専門のものが参加し、できる範囲でのまとめをのべる。そして、さらに訪問しインタビューを行った、NSTA、STEM 教育連合、TechShop の 3 か所からのインタビューから解釈できる STEM 教育の分析結果をまとめた。
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