近年,主体的・対話的で深い学びの実現が重視されているが,数学科においては,思考力・判断力の育成には,「算数・数学の学習過程のイメージ」に基づいた指導の実現など改善事例も見られるが,知識理解においては,例題解説・演習定着型の授業が多く見られ,授業改善が十分とは言えない.そこで,数学的記述表現の理解を重視した指導を実験授業として実施し,その効果を検討した.その結果,深い概念理解を目指した議論を経て,計算の実行においては自律的に取り組むことができることが示唆された.
大学においてコンピュータを活用できる知識と操作を確実に身に着いたものにし,力に関連した意識を向上するために,PowerPoint を用いてスライドを制作し,Excel を用いて意識や他者評価を入力し,Word を用いて報告書を書いて提出するストーリーテリングと商品紹介スライド作成の二種の授業を実施した.テーマの違いによって,効果の現れ方にどのような相違が見られるのかを調べて,違いがあればそれが何に由来するものかを考察するのが,本論文の目的である.ここでは,力に関連した意識を高めるために役立つ活動を比較する.
本研究は2020年度より小学校でのプログラミング教育が必修化されることをうけてプログラミング教育が子どもたちにどのように受け人れられるかを小学生を対象にしたモノづくり教室でプログラミング教育を実施することで検証する.ここで実施したプログラミング教育は,パソコンを使用せずボタンを押す回数でプログラミングすることができるボタン制御口ポットを用いて「プログラムロボットの製作」というテーマで実施した. この教室での子どもたちの様子を報告する.
新しい学習指導要領では,「プログラミング的思考」の育成をねらいとして小学校教育にお いてプログラミング教育が実施される。一方,イングランドでは,2013 年に教科「Computing(コンピ ューティング)」が新設され,「Computational Thinking(コンピュテーショナル・シンキング)」が中 核をなしている。本研究においては,「プログラミング的思考」をより明確にするために,コンピュー テーショナル・シンキングについて紹介した。また,「子どもゆめ基金」の助成を受け,「子ども自然・ 科学体験大学」を開催し,その中で小学校算数の「正多角形」を題材としてプログラミング教育の試 行授業を開発し実践したところ,「プログラミング的思考」の育成に有効なことが示唆された。
伝承玩具の樟脳船は,船尾に樟脳の欠片を挟んで水面に浮かべると,滑るように水面を動き回る。その推進力は,船尾で昇華する樟脳によって,船首と船尾の表面張力に差が生じるため,表面張力が相対的に大きくなった船首の方に引っ張られて船が前進するという解釈である。 これは自明の理として,様々な図書や文献でも紹介されている。しかし,改めて調べてみると,樟脳によって表面張力の差は生まれていないことが分かった。そして,推進力は, 昇華し後方に噴出する樟脳分子の動きの反作用であることが明らかとなった。
中学校第3 学年理科では、「生命の連続性」単元において体細胞分裂の観察が扱われている。 生徒がより確実に体細胞分裂が観察できるようになるために、ニンニクの根端細胞を用いた永久プレパラートの作製を試みた。先行研究では1 日以上費やしていた細胞を脱水・乾燥させる工程と計10 分間要していた細胞を透明化する工程に検討を加えた。検討の結果、これらの工程で、時間短縮と操作の簡易化が可能となった。その結果、問題なく各分裂期を十分に観察でき、かつ最低でも約3 ヶ月半は保存可能な永久プレパラートが作製できた。
文系学生は感性に富み、自らの体験をもとに児童の興味・関心やつまずく要因への共感的理解に優れる傾向が見られる。本学の学部学生の卒業研究の過程に於いても その動機や研究プロセスで特徴的な方略が散見した。これらは小学校理科を教える 教師として有効な資質・能力となりうるのではないかと考え、報告する。
小学校理科教科書に検討を加え、全学年・全領域・全単元の学習内容と学習方法のつながりを見つけ出し、視覚的にとらえることができる1 つの図にまとめた。作成した図から学習内容のつながりについては、次の3 点が明らかになった。1.1 つの単元で終わることなく、次のどこかの単元へつながっている単元が多い。2.小学校理科の全学年・全領域・全単元での学習内容のつながりをキーワードで示した際、同じキーワードでのつながりが多い。3.領域をまたぎつながっている単元が多い。同様に、学習方法のつながりについては3 点が、学習事項のまとめ方のつながりについては5 点が明らかになった。
本研究では,小学校教員が理科の授業で教科書をどのように活用しているのかについて,広島市内の小学校教員に実態調査を行い,その結果をまとめ,小学校理科授業における教科書活用の実態と実践上の課題を明らかにすることを目的とした。調査の結果から,理科の教科書は,教員が「毎回活用している」割合が46.2%で,国語,算数に比べて低いこと,児童の授業中の使用についても「毎回使っている」割合が22.7%で低いことが分かった。その理由として,「理科の教科書には答えが載っているから,児童に読ませたくない」という理由が過半数以上であることが明らかになった。また,小学校の理科教科書は,児童のためでなく,教員自身が授業を展開していくために活用されていることが明らかになった。