日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
33 巻 , 3 号
選択された号の論文の47件中1~47を表示しています
表紙・目次
発表
  • ―メタ分析を通した国内の研究成果の統合―
    雲財 寛, 山根 悠平, 西内 舞, 中村 大輝
    2018 年 33 巻 3 号 p. 1-4
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の目的は,国内の理科教育における批判的思考の育成を目的とした実践的研究について,その成果を量的に統合し,授業実践の全般的な効果を明らかにすることである.メタ分析の結果,平均効果量は0.27であり,小さい効果量であることが明らかになった.この結果については慎重な解釈を行う必要があり,実践的研究をメタ分析によって統合する際の課題も明らかになった.

  • 山本 輝太郎, 石川 幹人
    2018 年 33 巻 3 号 p. 5-8
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿では,「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」の知見に基づき開発した,「科学の考え方」を学ぶ授業書の概要とその予備的実践,および今後予定している本格実験の計画について報告している.授業書とは,科学に関する基礎的な概念を学習するために提案された授業方法の一形式である.予備実践では,参加者の科学に対する意識変容がみられ,相応の手ごたえが得られた.本格実験としてYahoo!クラウドソーシングを活用したオンライン上でのRCTを計画しており,その具体的な方法について検討している.

  • ―否定される概念の外延と内包に焦点を当てて―
    石川 雅章
    2018 年 33 巻 3 号 p. 9-14
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    PISA調査等の国際調査が普及している現代においては,数学を用いて現実をよりよく生きぬくリテラシーの重要性が主張され,各国のカリキュラムにも影響を与えている.他方,社会を取り巻く数学は,量・質ともに高度に発展してきている.こうした現代に生きる子ども達は,既有の数学的概念では向き合えないような場面に数多く遭遇することが予想され,取り巻く状況を切り拓き,現実の問題を解決していく力を培っていく必要があると考える.そこで本稿では,現実の問題に対して既有の数学的概念だけでは解決できない場合にこそ,新たな数学的概念が形成されるとする島田(1977)の主張に依拠し,新たな概念が形成されるプロセスを概念の外延と内包の視点から捉えなおすことで,そのプロセスを明確化することを目指した.その結果,既有概念の否定を契機として新たな数学的概念が形成されるプロセスが明らかにされ,作用する否定の連続的な変化を提示することができた.

  • ―加法・減法の場面に焦点をあてて―
    北堀 榛花, 辻 宏子
    2018 年 33 巻 3 号 p. 15-20
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は,文章題解決の際に小学校第1~3学年の児童が実際にかいた図と教科書で扱われている図とを照らし合わせ,児童が文章題解決時に活用する図が発達段階と学習内容に応じてどのように変容するかを検討・考察することである.そのためにまず,整数の加法・減法に関する文章題において利用する図を,情景図,場面図,構造図,手続き図に分類できることを提案する.またこれらの図について抽象性の観点から検討する.次にこの分類を基に,各学年の教科書で扱われる図の特徴を分析する.この分析結果と児童が実際にかいた図との検討・考察から,学年が上がるごとに問題解決に有効な図をかくことができる児童が増えていること,教科書では,第1学年から抽象的レベルの図を用いて問題を考えることを求めているが,具象的レベルの図をかいている児童が多くいること,が示された.

  • 都倉 さゆり, 山口 悦司, 坂本 美紀, 山本 智一, 稲垣 成哲, 若林 和也, 俣野 源晃
    2018 年 33 巻 3 号 p. 21-24
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    科学技術の社会問題(Socio-Scientific Issues: SSI)とは,科学と技術的・手続き的・概念的に関連し,論争を呼び起こす社会問題のことである.先行研究においては,中学生・高校生・大学生・現職教員を対象とした教育プログラムが数多く開発されている.しかしながら,小学生を対象とした教育プログラムは,あまり開発されていない.筆者らは,小学生を対象として,科学技術の社会問題を取り上げた教育プログラムの開発を試みた.本稿では,そのプログラムの概要として,学習活動と教材について報告する.

  • 複数視点取得に着目して
    若林 和也, 都倉 さゆり, 山口 悦司, 坂本 美紀, 山本 智一, 稲垣 成哲
    2018 年 33 巻 3 号 p. 25-28
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    筆者らは,SSIを取り上げ,複数視点取得を行う能力の獲得を目指した大学生向け教育プログラムの開発を試みている.複数視点取得を行う能力とは,他者の視点を取得し,SSIについて対立しているステイクホルダー間の協調を目指した提案を行う能力のことである.本教育プログラムで取り上げたSSIは,遺伝子組換え作物であるスギ花粉症緩和米の開発の是非である.本稿では,教育プログラムを経験した学習者の複数視点取得を行う能力が,他の問題でも発揮されるかどうかを検討する.

    転移課題の内容は,原子力発電所の誘致に関して学習者自身の考えを自由に記述させるものであった.評価は,記述内で言及しているステイクホルダーの意見の内容及び,記述内における提案の程度により,レベル1~5の5段階で行った.事前―事後課題間の結果の比較から,学習者の記述内容のレベルは事後課題の方が有意に高いことが示された.その一方で,事後課題においてレベル4以上に到達した学習者は全体の3割程度,特にレベル5に到達できた学習者は2割にしか過ぎなかった.以上より,学習者は複数視点取得を行う能力を転移させることができたが,そのレベルは十分でないと考えられた.

  • 光永 文彦
    2018 年 33 巻 3 号 p. 29-34
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は,次期学習指導要領において高等学校の各教科教育で行われる予定の学習内容を整理し,各教科における統計教育の育成内容を抽出し,その内容に必要なスキルを分類し,どの教科でどのスキルを育成するかを明示した.その上で各教科の特性を活かし,教科横断的,かつ段階を追って各高等学校の通常授業の枠組みの中で明確に実施できる形での持続可能な統計教育を検討,構築し,高等学校全体で統計的思考力を育成するカリキュラムを作成する.

  • 大林 正法
    2018 年 33 巻 3 号 p. 35-40
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    図形教育においては,小学校で行われる視覚的,操作的な活動と中学校で行われる演繹的な証明学習の間には接続の乖離がみられる.これを図形の構造的認識を基に推論がどのように発展していくかをアーギュメンテーションを枠組みとして分析した.その結果,帰納から演繹へは構造認識に関わる思考水準の発達とともに移行し,その途中には過渡的段階が存在するものと考えられる.

  • 加納 圭
    2018 年 33 巻 3 号 p. 41-44
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    科学ワークショップへ参加する市民は科学・技術への関心層に偏っていることが示されてきた.科学・技術への潜在的関心層や低関心層にもアプローチする方法として,落語,アート,茶会といった科学・技術とは一見関係がなさそうにみえる分野と融合させることが示唆されてきた.本稿では,保御者・子ども向け科学ワークショップへの参加者層について報告をする.

  • 定理の説明に焦点をあてて
    石井 雅也, 真野 祐輔
    2018 年 33 巻 3 号 p. 45-48
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の研究課題は,ピックの定理の「発見」の方法だけでなく「証明」の方法も含んだ論証教材としての教材化について考察することである.本稿は,その一環として,ピックの定理の発見と証明に関する教材研究を報告することを目的する.ピックの定理は,式の簡潔さから定理自体は受け入れやすいが,その証明は生徒にとって難度の高いものが多い.そのため,発見の方法は先行研究で多く教材化されているが,証明の方法の教材化はあまり進んでいない.本稿では,発見と証明の方法の教材化の課題をそれぞれ考察し,ピックの定理の証明が説明機能を必ずしも備えていないことに着目し,定理がなぜ成り立つのかを理解するための説明の方法について考察する.

  • 小学校教員志望者を対象とした教授実験の報告
    吉村 駿太, 真野 祐輔
    2018 年 33 巻 3 号 p. 49-54
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿では,小学校教員志望者を対象として行った教授実験を報告することを通して,教科横断的な探究学習の可能性と課題について議論することを目的とする.本研究における「教科横断的な探究型学習」とは,教授人間学理論(ATD)に基づく“Study and Research Paths (SRP)”に依拠しており,ある初源的な問いから様々な回答や新たな問いを生み出すことで展開されるオープンな探究活動を意味している.そこでは,問いに対する自分なりの回答を得るために,インターネットを用いて検討することも許容される.本稿では,こうした枠組みに基づいて設計・実施された教授実験の中で,小学校教員志望者(大学生)が生成した一連の問いと回答を分析し,教科横断的な探究型学習の可能性と課題を述べる.

  • ―「電気のはたらき」授業における問いに注目して―
    藤川 聡士, 中山 迅
    2018 年 33 巻 3 号 p. 55-60
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,小学校理科授業における望ましい発話のあり方を探るため,熟達教員による第4学年「電気のはたらき」の理科授業での発話を分析した.熟達教員の発話の特徴を一層明確にするため,同様の方法で教育実習生の授業も分析し,比較を行った.これらの分析から,対象とした熟達教員の発話として「はい・いいえ」の問いを補助的に多く用いていることや,思考を行う場面で,児童が思考を良い行うことができるように具体的な事物を尋ねる「何」を多く用いている特徴が見いだされた.

  • 衣笠 魁, 中山 迅
    2018 年 33 巻 3 号 p. 61-66
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,中学校理科の熟達教員の行う授業の指導技術の特徴を明らかにすることを目的とした。4つの授業を分析したところ,対象とした熟達教員の行う授業では,生徒の説明活動が非常に活発であり,生徒に活発な活動を行わせるための工夫点として「学習課題の設定の仕方」と「説明活動の工夫」において,細かな手立ての特徴を見出すことができた.

  • 森田 大輔
    2018 年 33 巻 3 号 p. 67-72
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    数学教育研究において,学習者の考えを基に授業を構成するような生徒を中心とした指導の重要性が主張されてきた.それを実現するために,教師の力量として状況論的側面に着目する必要があるだろう.本稿では,数学教師が経験を重ねる中で,Noticingに用いられる原理がどのように形成されたかを事例的に明らかにすることを目的とする.そして,NIを用いることでT教諭の原理の形成過程について考察した.分析を通して,数学教育の理論のみならず,生徒指導や学級経営に関する原理を複合的に用いていること,実験の導入」という原理が単元や学年を超えて,脱文脈的に扱われていることを明らかにした.

  • 中村 剛
    2018 年 33 巻 3 号 p. 73-78
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は,日本科学教育学会第42回年会時に発表した「高等学校数学科におけるICEモデルを用いた体系的理解の一考察」に引き続き,ICEモデル(Sue, 2013)を援用したICEルーブリックに基づいて設定した振り返りシートを活用した授業実践と,単元最後に作成した体系化シートをルーブリックにより評価し,単元の客観評価テストの結果との相関を調べ,4つの領域にグルーピングし,学習者へのインタビュー調査を行いながら,それぞれのグループにおける支援の在り方について考察したものである.結果として,体系化シートのスコアと客観評価テストのスコアに相関が見られ,体系的理解を促すための授業改善への示唆が得られた.

  • 高橋 聡, 西仲 則博, 折田 明子, 吉川 厚
    2018 年 33 巻 3 号 p. 79-82
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本論文では,開発した教師教育教材を利用し,教員志望の学生が統計的思考に関して適切な指導を行うことができるのかを確認することを目的する.そのために,教員志望の学部2年生33人を実験協力者として,数学科教育法の授業内において,評価実験を行う.その結果,教員志望の学生は,“生徒の協働学習を促すための課題”に関しては注目することができ,様々な指摘を行えることを示す.一方で,”統計的問題解決に関する課題”に関しては表面上の指摘に留まることを示す.

  • 松岡 浩平, 葛岡 英明, 久保田 善彦, 金井 司, 鈴木 栄幸, 加藤 浩
    2018 年 33 巻 3 号 p. 83-88
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    学生の科学教育の中でも,天文学習の理解は困難である.本研究では,タブレット上で動作する天文教育ソフトウェアを開発し,天球及び透明半球の理解と太陽の日周運動の理解に対する効果を検証することを目的とした.当日の一日の太陽の動きを表示し,体を動かした試行錯誤の過程で学習する身体化認知を通して太陽の日周運動を理解させた.また,天球が縮小して透明半球になる様子をCG表示し,天球と透明半球の概念について理解させた.中学生を対象に授業を行い,テスト,アンケート結果を分析した結果,透明半球に関する理解は向上したが,太陽の日周運動についての理解は十分な向上が見られなかった.この原因として,利用者が日の出や日の入り,南中時の太陽位置という重要な情報を意識しなかった可能性に着目した.続いて,ゲーミフィケーションを通してこれらの情報を意識させる新ソフトウェアを開発した.各季節の太陽の動きを,身体を動かしながら追いかけるシューティングゲームで,日の出と日の入り,南中の太陽位置を強く意識して学習できる設計とした.

  • 文脈を視点として
    福田 博人, 紙本 裕一
    2018 年 33 巻 3 号 p. 89-92
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    人類文明史において非決定論の概念は重要なファクターであり,その意味において非決定論を扱う統計教育の役割は極めて重要であるといえる.統計が社会と不可分であることから,統計教育における文脈の扱いは考究されるべき研究課題である.本稿では,仮説「統計教育が数学教育の中で実施されている日本において,統計教育以外と同様,統計教育も小学校から中学校へ,中学校から高等学校に進むにつれて脱文脈化現象が生じている」を検証することを目的とした.その結果として,小学校から中学校へ,もしくは中学校から高等学校への変容については十分に把握することができなかったが,小学校から高等学校までの学校数学全体の変容を捉えれば,我が国の統計教育は脱文脈化現象((有,○,○)と(有,有,有)の割合が減少する現象)ならびに文脈収束化現象(扱われる文脈があるテーマへと集約する現象)が生じていることが分かった.

  • 紙本 裕一, 福田 博人
    2018 年 33 巻 3 号 p. 93-96
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    教職課程を履修している学生によって作成されたカリキュラムとその目標の特徴を導出することによって,数学教師を目指す学生に対する数学教育的課題を明らかにすることが本稿の目的である.

    分析の結果,コアカリキュラムの到達目標を達成しつつも,今までの学習経験を様々な視野から自己反省する『反省的実践家』(杉野本・岩崎, 2016)を目指すことが数学教育的な課題であるという示唆を得た.

  • 院田 晴香, 舟生 日出男
    2018 年 33 巻 3 号 p. 97-102
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    教職課程の選択科目である「学校インターンシップ」での活動を通して,教職志望の学生の意識、学び取ったことが学期の中間と期末においてどのように変化したのかを把握するために,記述された振り返りワークシートについて,参加校種,遅延日数,総文字数の3観点で分け,中間と期末での差や観点ごとにおける記述内容の差をテキスト分析に基づいて検討した.その結果,参加校種ごとでは子どもたちと接する際の距離感の違いが,他の観点では,積極的に参加する学生ほど経験を指導に活かすために考察し,消極的な学生ほど表面的な感想に留まるという違いが明らかとなった.これらのことから,参加校種や積極性によって,インターンシップに対する意識や変容に差があることが示唆されたと言える.

  • ―宮崎県西臼杵郡日之影町の場合―
    中山 迅, 真田 純子
    2018 年 33 巻 3 号 p. 103-108
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    日本の農業生産の4割程度を担うとされる中山間地域は,近年では高齢化と人口減少が課題となっている.そこには「里山」があり,生産される農産物や食べ物と景観が一体となって地域の生活や文化を形成することに土木工学の観点で注目し,「風景を食べるごはん」という概念が提唱された.中山間地域の持続的な発展のためには,この概念が地域のあらゆる年齢層で共有されることが大切であると考えて,小学校,中学校,そして知識住民向けの教育実践モデルをつくることを構想した.

  • 清水 邦彦
    2018 年 33 巻 3 号 p. 109-114
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は,問題解決を行う子どもが多様な数学的表現を主体的に活用するために,何をきっかけに表現が移行するのかを提案することである.考察の結果,数学的思考の質の深化には反省的思考が重要な役割を果たしており,表現は数学的思考の深化に伴って変容する.そして,よりよい表現は,思考と表現による試行錯誤の過程・結果である.数学的思考の深化のために反省的思考を促進するには,子どもに情動的で好ましい反省や後悔,自らへの問いを含む真実感が重要であり,数学が子どもに肉薄する必要がある.一方,新しい表現を使うには,かくことのコストという困難性がある.かくことのコストを乗り越え,反省的思考を促すためには,反省や後悔,自らの問いを含む真実感が必要である.よって,問題解決における表現の移行のきっかけは,探究的な問題解決における情動的で好ましい反省や後悔を含む,真実感であると提案する.

  • 杉山 雅俊
    2018 年 33 巻 3 号 p. 115-118
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    教師を志望する学生は,理科の授業実践に関わる自己の能力を変容可能なものと捉えているのだろうか.

    本研究では,こうした問題にアプローチするために,マインドセット概念を足がかりとして教師志望学生たちの理科の授業実践に関わる信念を「教師能力観」と捉え,その実態を解明することを試みた.一般的な知能観との関係から検討した結果,教師能力観は知能観とは異なる捉え方がされていること,知能観よりも変容可能なものとして捉えていること,2年次生が1年次生よりも教師能力観が低い傾向にあったことが示された.

  • 内藤 真人, 日野 圭子
    2018 年 33 巻 3 号 p. 119-122
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    学習指導要領解説算数編では,小学校算数科の目標の説明において「算数で学んだことは活用できるように学習されなければならないし,活用を重視した創造的な学習展開を用意する必要がある」(文部科学省,2017:34)と示されている.この点を踏まえ,本研究では,子どもたちに日常生活と算数のつながりを意識して問題を解決する力を育てるために,社会的価値観を持ちながら考えることを取り入れた算数の授業を提案する.本稿では,社会的価値観を持ちながら問題を解決することの重要性を指摘する島田(2017)らによる研究を紹介し,特に,社会的オープンエンドな問題の可能性を述べる。そして,具体例に即して,日常生活と算数のつながりを意識するために更に検討が必要な点を指摘する.

  • 川越 至桜, 山邉 昭則, 大島 まり
    2018 年 33 巻 3 号 p. 123-128
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年,急速に変化する社会背景を受け,従来の理科教育に加えてSTEAM (Science, Technology, Engineering, Arts and Mathematics) 教育の実践と体系化が国際的に進められている.本研究では,STEAM教育を実施するため,新たな教育プログラムを開発し,東京大学生産技術研究所次世代育成オフィスが開催した産学連携ワークショップおよび出張授業にて実践した.これらの取り組みは,研究者や技術者と直接接する機会となり,学習効果は非常に高い.一方で,開催回数と参加者数,遠隔地により参加できない等の制限がある.そこで,ワークショップの内容を追体験でき,新たな学びを実現できることを目的として,産学連携ワークショップ・出張授業を題材とした映像教材を開発した.教材を中学・高校の生徒および教諭に視聴してもらった結果,科学技術のみならず,産業界や科学技術の社会的な意義や役割を理解する上で有効であることが分かった.この結果は,映像教材を活用することで,広くSTEAM教育を実践することができるということを示唆ている.本研究を通し,STEAM教育のプロトタイプを提示することができたと考えられる.

  • 竹内 歩
    2018 年 33 巻 3 号 p. 129-134
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は,統合的なSTEM教育において数学的思考は科学,技術,工学とどのように相互作用しているのかを明らかにすることである.そのために,相互作用を捉える理論的枠組みを構築し,具体的な事例を枠組みに当てはめることで数学的思考と科学的探究,技術的リテラシー,工学デザインとの相互作用を記述した.その結果“科学的探究による仮説,工学デザインによる定義に基づいた定式化”,“仮説の検証や工学的有用性を意図した数学的結論の導出”,“仮説がどれほど検証できたか,どれだけ工学的に有用であるかを検討することを通した数学的思考の限界の認識”の3つが明らかになった.

  • 山崎 美穂
    2018 年 33 巻 3 号 p. 135-138
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は,学習者による数学に対する価値づけの社会文化的背景に着目する必要性を示すことである.そのために,作田(1972)による価値の捉えおよび価値の類型を援用し,学習者による数学に対する価値づけの社会文化的背景を捉える枠組みとして位置付けた.そして,価値の類型のそれぞれの場合について,授業において考え方を説明する行為と結びつけることによって,数学教育における目標の達成のためには,学習者による価値づけの社会文化的背景にまで焦点を広げる必要があることを示した.

  • 原 健太郎, 渡辺 雄貴, 清水 克彦
    2018 年 33 巻 3 号 p. 139-144
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    夜間定時制高校には多様な生徒が在籍しており,授業デザイン上の課題も多岐にわたる.夜間定時制高校では様々な課題を抱えた生徒に対しても,数学Ⅰは必履修科目でありその習得が求められる.本研究は夜間定時制高校の生徒へ効果的な学習が行われることを目的とし,学習用動画を授業中に視聴する形態を取り入れた授業デザインモデルの開発を行った.授業デザインモデルを開発するうえで,インストラクショナルデザインのプロセスとしてADDIEモデルを使用し,分析,設計,開発のそれぞれの段階に対して詳細な考察を行った.ADDIEモデルでの各段階における下位活動となる原則や手順に対して忠実な考察を行い,夜間定時制高校で学習用動画を用いた授業デザインモデルの開発における課題を明らかにし,その課題に対する問題解決を図った.これにより,より一層の学習効果が見込まれる可能性の高い授業デザインモデルを提案する.

  • 荒谷 航平, 丹沢 哲郎
    2018 年 33 巻 3 号 p. 145-148
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿では,1860年~1930年の米国におけるハイスクール「物理学」の成立過程の概要を記述し,そこから研究上の3つの問いとそれらの問いに対する仮説を立てた.米国ハイスクール「物理学」は,1860年に必修科目として誕生したが,1899年に選択科目に変更され,1923年~1930年には第11学年から第12学年へと設置学年が変わり,ますますその履修率を低下させていった.この成立過程から,本稿では,①「物理学」がどのように19世紀後期に誕生し,なぜ必修科目化されたのか,②なぜ1899年に「物理学」が選択科目化されたのか,そして③なぜ1923年~1930年に「物理学」が第11学年から第12学年へと設置学年の変更がなされたのかという3つの研究上の問いとこれらの問いに対する仮説を立てた.

  • ―方程式の文章題を中学2年生が解決する過程の分析を通じて―
    石橋 一昴, 上ヶ谷 友佑
    2018 年 33 巻 3 号 p. 149-154
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は,連立方程式の文章題を解く過程で,中学2年生がどのような状況でどのように解の吟味をするのかについて明らかにすることである.特に本稿では,解の吟味が数学的モデル化における妥当化の一種であるという視点と,文章題の虚構性という視点を理論枠組とし,仮説の導出と検証を行った.ここで文章題の虚構性とは,文章題の内容を読み取って,実在しない虚構の現実世界を頭の中に構築し,その虚構の中でモデル化を営むという学習者に対する暗黙的な要請のことである.考察の結果,授業設計の視点として「文章題の虚構性を認識している学習者達であっても,必要条件から同時には成り立たない現実的結果が複数得られたならば,彼らは解の吟味の必要性を感じやすい」ということを導出した.また,授業実践を通じてこの仮説を検証した結果,学習者に解の吟味の必要性の実感を支援する教材の条件として,1つの文章題から複数の現実モデルが生成され得ることが示唆された.

  • 大学生の反応の推論主義的分析
    大谷 洋貴, 上ヶ谷 友佑
    2018 年 33 巻 3 号 p. 155-160
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    実際的に使える統計的概念にとって,文脈は不可欠な要素である.本稿では,推論主義の視座から,文脈が大学生の統計的問題解決に対してどのような影響を及ぼすのかを調査した.結果は次の2点である:(1)学生の多くは文脈的情報を補完して統計的解答を導くことができず,一般的なデータの文脈の規範に強く従っていること,(2)この結果は,統計教育が,特殊と一般というデータの文脈の二側面についてジレンマに陥っていることに起因し得ること.

  • ―中学2年生の代数的操作に関する「擬困難性」の推論主義的分析―
    上ヶ谷 友佑, 大谷 洋貴
    2018 年 33 巻 3 号 p. 161-166
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿では,代数的操作について擬困難な状態に陥っている中学2年生を分析し,科学教育研究における「困難性」観の見直しの提起を目的とする.本稿では,中学2年生の数学の授業の一場面を,推論主義と呼ばれる現代哲学に基づいて分析した.結果,「中学2年生にとって,文字式の値の大小関係は難しい」と言い得る状況は,実質推論の非単調性という人間のごく自然なコミュニケーションの状態を示した状況として特徴付けることができ,概念的理解の深化には,推論の条件の明示化という社会的機会が本質的に必要であると示唆された.

  • 森田 直之, 本田 智也, 井上 なつ希, 鈴木 憲征, 岡田 幸浩
    2018 年 33 巻 3 号 p. 167-170
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    東京都立科学技術高等学校(以下,本校)は平成29年度まで文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールに11年間に渡り指定され,科学技術に関する教育活動を「課題研究」を中心に展開してきた.また,近年のグローバル化に対応するべく台湾の木柵高級職業学校と姉妹校提携するなど国際交流に関しても活発に活動してきている.しかし,本校生徒の英語に対する苦手意識は根強く,受験英語から道具としての英語への脱却は行えていない.本研究は,4年前まで本校が参加してきたアジア・パシフィックの高校生が研究発表する機会であるグローバル・リンク・シンガポール(株式会社JTB主催)に参加し,生徒の英語に関する意識の変化,科学教育の一貫教育として生徒,教員が科学と文化について交流する基盤を整備する国際性育成プログラムについて報告する.

  • 木村 優里, 小川 正賢
    2018 年 33 巻 3 号 p. 171-176
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の目的は,「科学実践に関わる市民」を捉える新しい理論枠組みの検討である.先行研究を参考に検討し,「科学者」と「市民」の間に「科学アマチュア群」を定位し,その中を,知識・技能のレベル,活動に対する積極性,関与している期間の3軸を指標として区分することで,多様な「科学実践に関わる市民」を捉える枠組みを提案した.

  • ―小学校理科と図画工作科との関連に着目して―
    五十嵐 敏文
    2018 年 33 巻 3 号 p. 177-182
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は,理科を軸とした教科横断的カリキュラムの開発に向け,教科横断的な学習の有用性と課題について検討することを目的とする.本稿ではまず,教科横断型の学習を実現するために必要な教科間の関連に関する情報がどれだけ存在しているのかを調査するために,学習指導要領,教科書,教師用指導書の分析を行うこととした.次に,調査によって見出せた関連だけではなく潜在化している関連があるにちがいないとの批判的見方に基づき,調査では明らかとならなかった視点で教科横断型授業をデザインし実践研究を行った.実践研究の分析結果により,教科横断型授業を実現するためにはいくつかの課題が考えられることについて述べた.

  • ―大学生を対象とした実験授業の解答類型に焦点を当てて―
    今井 壱彦
    2018 年 33 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    筆者は,中学校段階での比例式と比例の接続に向け,デジタル教科書作成ツール「dbookPRO」で,比例関係を用いる変化の割合に関するデジタル教材を開発した.本稿では,実験授業での,デジタル教材の定規ツールの拡大・縮小機能利用時における変化の割合の捉えの変化を明らかとした.事後課題に関しては, 26名の解答に変化の割合の捉えに変化がみられた.被験者の解答の「yの増加量は,xの増加量に比例する」という記述から,本デジタル教材は,ある教科書に記載されている「yの増加量は,xの増加量に比例する」ということの指導に活かせるのではないか.また,比例式を用いた記述から本デジタル教材を用いることで,比例式の利用を促進しているという示唆を得た.

  • ―確率・統計における教材研究の観点から―
    廣井 陸
    2018 年 33 巻 3 号 p. 189-192
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は, 数学の専門家による「仕組まれた問題解決」の構造を,教材開発の視点及び展開上の仕組みづくりに焦点を当てて明らかにすることを目的とする.そのために,確率・統計学を専門とする大学教員に対し,順列に対する問題群を事例にインタビュー調査を実施し,分析を行った.その結果,気付きを教材化する中で複数の仕組みや工夫を仕掛けている様相が浮かび上がった.

  • ―生徒への影響を把握するには―
    野崎 真史, 片山 豪
    2018 年 33 巻 3 号 p. 193-198
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    基礎的な観察実験の1つとして生物体の解剖実験は,古くからおこなわれてきており,現在の分子生物学分野でも活用されている.一方,教育現場においては,解剖の授業実践は初等教育では顕著に減少している.このため,中等教育で初めて体験する生徒たちに,解剖実験がどのような学習効果,影響(4観点から見た)があるのか,評価する方法について検討した研究は少ない.そこで,アジ,カイコを用いた解剖実験の実践とアンケートから,生徒にどのような学習効果や影響があったのかを検討した.その結果,テキストマイニングによる分析や,複数の要因系指標に基づいたアンケートの導入などにより,評価法を確立しうる可能性を見いだしたので報告する.

  • ―線対称を題材とする数学的見方・考え方の素地形成について―
    茅野 友郎, 秋田 美代
    2018 年 33 巻 3 号 p. 199-202
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の目的は,数学的に考える資質・能力を育成するための指導の在り方を考察することである.そこでは,数学の学問的特性に沿って数学的見方・考え方の素地形成について分析することで,自律的に新たな問題を解決できるようにするための数学の指導の在り方を考案する.

  • 島 智彦, 渡辺 雄貴
    2018 年 33 巻 3 号 p. 203-208
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は高校数学においてアクティブラーニングを創出する2つの異なる指導法,練り上げとジグソー法についての比較を行った.練り上げは日本の数学教育において伝統的に受け継がれてきた指導法であり,ジグソー法は最近広がりを見せている指導法である.これら2つの指導法は,数学教育において多く用いられている点から,それぞれの指導法の特徴について調査することは,今後の指導法略の選択などにおいて有用だと考えられる.実践では,同一問題において,2つの指導を行い,生徒の学習意欲や主体性などの態度面について調査を行った.分析の結果,ジグソー法が責任感や説明する場があったという点において有意に高く,練り上げが学習意欲の満足度の観点において有意に高い結果となった.

  • 榎戸 三智子, 朝倉 彬, 貞光 千春, 大崎 章弘, 里 浩彰, 竹下 陽子, 森本 雄一, 千葉 和義
    2018 年 33 巻 3 号 p. 209-212
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    電気は日常生活に欠かせない重要なものである. 小学校理科では3年以降の各学年で, 続いて中学, 高校と長期にわたって学習するテーマである. そこで本研究では一人ひとりの生徒が材料から作製し実験できる「回路カード実験セット」の授業での活用を目指し, 高等学校ではコンデンサの充電や放電, コンデンサの接続, キルヒホッフの法則などの教科書の内容について, 実感を伴った理解ができるように教材開発を行った. そして本教材を用いてお茶の水女子大学附属高等学校の物理の電気単元において授業実践した結果, 本教材は教科書の内容の理解に有効であることが明らかとなった. さらに個人の活動だけでなく, グループでの探究的な活動にも適した教材であることが示唆された.

  • 科学技術コミュニケーション的視点からの考察
    室井 宏仁, 仲居 玲美, 朴 炫貞, 奥本 素子
    2018 年 33 巻 3 号 p. 213-218
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年,遺伝子工学や分子生物学等の生命科学に関するテクノロジを援用したバイオ・アートという芸術分野が注目されている.昨今アート表現を通した科学技術コミュニケーションの可能性が指摘される中で,バイオ・アートもまた鑑賞者に対して既存の科学技術コミュニケーションの手法とは異なる効果を及ぼすことが考えられる.しかし,バイオ・アート自体が芸術活動の中でも新しい試みである為に,その鑑賞者に対する影響についてはこれ迄研究報告がほとんど行なわれていない.本研究では,バイオ・アートが鑑賞者に対し及ぼす影響を, 鑑賞者の属性や各作品を鑑賞した際の印象などの観点から評価する為のアンケートを作成し調査を行なった.本稿では,特に調査の為のアンケート項目の設定と,パイロット調査を踏まえたそれらの再検討について報告する.

  • 熟練教師の実践を手がかりに
    舟橋 友香
    2018 年 33 巻 3 号 p. 219-222
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,中学校数学科の熟練教師による授業実践ならびに教師による語りから,数学科授業を構築する視点を捉えることを目的とする。そのために,授業を観察する中で繰り返し表出する教授行為に着目し,授業者からその意図に関する情報を収集することを通して教授行為の意味を探った.その結果,数学用語へのこだわりを通して,生徒に数学の構造を捉えさせている側面が浮かび上がった.

  • アメリカの博物館を事例として
    江草 遼平
    2018 年 33 巻 3 号 p. 223-226
    発行日: 2018/12/08
    公開日: 2018/12/05
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では, 日本の科学系博物館における実践的なユニバーサルデザイン手法の開発のために, 科学系博物館における情報アクセシビリティの保障を目的としたガイドラインについて調査 ・ 研究を行うことを目的とする。 本稿では, アメリカ人法 (Americans with Disabilities Act. 以下, ADA とする ) の内容から科学系博物館に適用されうる記述を抜き出し, 報告する。 また, 特にアメリカの博物館における情報アクセシビリティの考えとそのガイドラインについて, ADA に準拠して設計されたスミソニアン博物館の Smithsonian Guidelines for Accessible Exhibition Design (以下, SGAED) を取り上げ, 該当法との整合について検討する。

feedback
Top