日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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表紙・目次
発表
  • 自然災害リスクについての大学生向け評価例
    澤口 隆, 川村 教一, 田口 瑞穂
    2021 年 35 巻 5 号 p. 1-4
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    筆者らは教員養成課程大学生のうち小学校理科の指導法科目受講者を対象に,地層観察の露頭での災害リスクを認知する能力の評価方法を新たに開発した.開発したのは露頭の高解像度画像を自由に拡大・縮小して閲覧できるウェブサイトで,学生の閲覧行動を記録できるものである.野外活動の災害リスクに関する授業前後で,このウェブサイトにより記録した学生の露頭画像の閲覧状況を比較したところ差異を見出すことができ,授業の評価に使用可能であることが明らかになった.

  • 笠井 香代子, 大宮 崚, 反畑 爽, 森 友康
    2021 年 35 巻 5 号 p. 5-8
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    現在の科学技術において物質の構造を知るには,X線結晶構造解析が最も優れている.この手法により物質における原子の種類とその位置,すなわち構造そのものを知ることができる.当研究室ではこれまでX線結晶構造解析の実測データや結晶構造データベースに掲載されているデータをもとに,正確な物質の構造を手軽に知ることができる結晶や分子構造ICT教材を開発し,教材ライブラリを構築してきた.本研究では,ケンブリッジ構造データベース(Cambridge Structural Database, CSD)が提供するTeaching Subsetの結晶構造データを活用して,中学校や高等学校で学習する有機化合物の分子構造ICT教材を作成し,web上に分子構造ライブラリとして公開した.さらに,これらの教材の授業実践例を検討した.

  • 髙橋 あおい, 山口 悦司
    2021 年 35 巻 5 号 p. 9-14
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    小学校理科の指導法に関する科目において模擬授業は主たる学習活動とされているが,新型コロナウィルス感染症拡大に伴い対面での模擬授業を実施することができない状況である.このような状況において模擬授業を実現するための方策として,遠隔会議システムの利用を挙げることができる.これまでに大学の教職課程の授業において授業観察活動に遠隔会議システムを導入した事例や,理科の模擬授業の演習にソーシャル・ネットワーキング・サービスを取り入れた実践を対象とする研究は行われているが,遠隔会議システムを利用した理科の模擬授業を対象とする研究は行われていない.本研究では小学校理科の指導法に関する科目において遠隔会議システムを利用した模擬授業を計画・実施し,受講生による評価を通して効果と課題を実践的に検討した.その結果,遠隔での模擬授業であっても一定の効果があることが明らかになった.一方,理科の教科固有の課題もあることが示唆された.

  • 渡辺 信, 青木 孝子
    2021 年 35 巻 5 号 p. 15-18
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    大学入学共通テストに出題された数学Ⅰ・数学Aの設問第2問(必答問題)[1]は数学モデルとしてよく考えられている。この設問は誘導問題,つまり書かれている指示に従って答えることになる。その解答部分にICTを活用すると,非常に簡単に解答が得られる。このような問題ではICT活用はできない。問題を解くときに人がミニ・コンピュータになってしまう。この設問によって高校と大学の数学の授業改善はできるであろうか。数学的思考力を試す問題であるならば誘導問題は良いとは言えない。これからの数学教育のあるべき姿は,生徒・学生の主体的な数学的活動を行うことにある。ICTは問題を考える道具であって,ボタンを押すと答えが出る機械ではない。授業改善によってこのような問題を考えることができるようにすることが求められる課題である。

  • ―ITワークショップを通じた産学連携教育モデルの構築―
    岡本 牧子, 新垣 学, 小野寺 清光, 飯塚 悟, 宮里 大八
    2021 年 35 巻 5 号 p. 19-22
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    琉球大学地域協働プロジェクト推進事業「ITワークショップを通じた産学連携教育モデルの構築」の活動の一つとして,コロナ禍における県内でのプログラミング教育の実施に向け,オンライン環境でのプログラミング教育ができる教員養成,大学生メンター養成を目的とし,教員志望学生によるzoomとmicro:bitを用いたプログラミングワークショップを実施した.オンライン学習では,過渡期においてはzoomなどオンラインツールの操作方法の習得も重要であるが,授業の流れと参加者の現在地を俯瞰させることができる紙テキストの活用能力,参加者の回路や作業が確認できる教材開発能力,参加者のレベルを把握し,レベルに応じたブレイクアウトルームの活用能力が指導者の能力として重要であり,これらの能力は,教員志望学生のチームによる数回のワークショップ運営を通して身につけさせることができる.

  • 竹中 真希子
    2021 年 35 巻 5 号 p. 23-26
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,小学校教員を志望する大学生が,生活科と他教科との横のつながり,中学年以降の学習との縦のつながりについてどのように認識しているかについて明らかにすることを目的とし,生活科の内容(6)「自然や物を使った遊び」の第2学年で主に扱われる「うごくおもちゃづくり」と関連の深い図画工作,総合的な学習の時間,理科とのつながりに焦点をあてて検討した。その結果,第1・第2学年の図画工作への横のつながりについて認識はされているが,図画工作,総合的な学習の時間,理科における中学年以降の学習とのつながりについては,あまり認識されているとはいえないということがわかった。

  • 小島 一生, 谷塚 光典, 村松 浩幸
    2021 年 35 巻 5 号 p. 27-32
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    教科横断的な学習が注目される中で,特に問題解決への興味関心の向上や,イノベーションに参加できる理系人材育成のために効果的ではないかと,STEMの注目度が高まっている。一方で,その実践を教科の学習で行うためには,評価やカリキュラムマネジメントの課題もある。そこで,STEMの統合度のうち,低・中程度の統合度のSTEMに着目し,公立の中学校での教科の時間における授業化を試み,効果を検証した。一連の試みの結果,低・中程度の統合度のSTEMは,効率の中学校の様々な学習場面で授業実践が可能で,興味関心や問題解決に対する自己効力感の向上に効果があるという示唆が得られた。今後は,より詳細に教育効果を検証し,学習の場面と統合度の位置づけや対応を明らかにする予定である。

  • 野村 祐子
    2021 年 35 巻 5 号 p. 33-38
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    消防研修で活用されている燃焼の3要素に基づく消火の理論は,燃焼の停止の現象過程を理解するには説明が不足している.同理論を教材として活用している理科教育の分野でも,「熱のつり合い」の観点から消火を理解できるように,指導方法を模索する必要がある.本研究では,燃焼の概念地図を消火の説明に用いることによって,消防研修と理科教育の両面で,消火教材を改善する方法を検討した.ゆっくり熱が伝わって急に燃え出す固体可燃物の発火の仕組みを説明するために活用した「ししおどし」を,ろうそくの火炎と比較することによって,火炎の限界挙動のイメージを捉える教材の作成を試みた.作成した教材を用いて小学校理科「燃焼の仕組み」の内容を発展させる学習過程の提案を試みた.

  • ―小学校第6学年「水溶液の性質」を事例として―
    木原 義季, 栗原 淳一, 山田 貴之
    2021 年 35 巻 5 号 p. 39-42
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    小学校第6学年理科「水溶液の性質」において,科学的な実験に重要な事項の頭文字をとって作成された合言葉と,子どもと教師が同じ観点で自己評価できるルーブリックを用いて,実験計画を立案する授業を行った.その結果,実験観尺度を用いた質問紙の単元後調査において,実験群は統制群よりも「意味理解方略志向」と「可視化方略志向」が有意に高かった.これは,1つ1つの実験方法の意味を理解したり,実験結果を図や表を用いて可視化したりする,実験計画を立案する時や実験結果をまとめる時の意識の向上に有効であったことを示唆するものであった.また,記載された実験と実験結果を用いて,課題解決のための実験計画を立案する力を測る調査問題の事後調査において,実験群は統制群よりも平均得点が有意に高かった.これは,実験計画立案力の維持に有効であったことを示唆するものであった.

  • 小学校理科授業実践結果
    山下 清次, 川村 教一, 鈴木 創
    2021 年 35 巻 5 号 p. 43-48
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    筆者らが先に開発したメラミン粒子を利用した流水の働き実験装置は,河川上流部における侵食作用,河川下流部における堆積作用を再現するものであった.本研究では平野部を流れる蛇行河川の攻撃面と堆積面における作用を観察させるために,実験装置の機能を改善した.実験槽は旧装置を大型化したもので,これを用いて小学校5年生の理科で流水の働きの授業を行った.児童の観察記録に基づくと,再現された河川の蛇行部での侵食作用を見出すことができた児童が見られた.一方で,蛇行部における堆積作用についての明確な観察記録はなかった.

  • 地理院地図を活用した例
    川村 教一, 瀧本 家康
    2021 年 35 巻 5 号 p. 49-54
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    筆者らは中学生・高校生12名を対象とした地球科学教育の一例として,ウェブ地図である国土地理院の地理院地図を用いて,外水氾濫の自然素因を見出させる授業を実践した.授業では,2019年の茨城県久慈川の水害および2004年の兵庫県円山川の水害における自然素因を見出させることを学習課題とし,地理院地図から地理情報を収集させた.収集した情報をもとにして想定される自然素因は何か生徒に発表させた.その結果,地理院地図の基本的な機能を活用する技能,地理情報をもとに推論する思考力・表現力・判断力等においてほとんどの生徒が達成目標に至ったと考えられた.また,自然災害の誘因,素因についてほとんどの生徒が理解を深めることができた.このように地理院地図は水害の学習に有効な場合があると考えられるが,水害の理解の深化のためには,誘因と自然素因の関係を学ばせることが今後の課題である.

  • ―第1学年生徒を対象とした質問紙の分析を通して―
    吉田 翔吾, 栗原 淳一, 山田 貴之
    2021 年 35 巻 5 号 p. 55-60
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,メタ認知と批判的思考の関連性に関する仮説モデルを検証することを目的とした.統計的分析の結果,メタ認知について「観察・実験前の予想や仮説」,「他者との関わりから導出される自分の考え」,「観察・実験における結果・考察の導出の過程」という3因子が,批判的思考について「知的好奇心」,「結論導出への思慮」,「反省的な思考」,「健全な懐疑心」という4因子が得られた.さらに,本因果モデルより,下記の4点の示唆が得られた.①本研究で得られた因果モデルは,「資質・能力を育むため重視すべき学習過程のイメージ」(文部科学省,2018)と多くの部分が一致している.②他者との関わりが必要な場面は,予想・仮説および結果・考察の場面であることが示された.③「知的好奇心」は,予想や仮説および結論導出の場面に影響を及ぼすことが示された.④「反省的な思考」は,結果や考察,結論の導出に影響を及ぼすことが示された.

  • 吉本 直弘, 松原 諄弥, 川村 教一
    2021 年 35 巻 5 号 p. 61-64
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    小学校学習指導要領(平成29年告示)に基づく生活科教科書における自然災害に関する内容を明らかにするため,全8社の教科書の紙面から自然災害に関する記載をすべて抽出し,分析した.各社の教科書の上下巻をまとめて分析した結果,自然災害に関する記載の出現頻度は4〜45回であり,教科書により大きく異なっていた.また,記載されていた自然災害の種類や数も教科書によって異なっていた.すべての教科書で記載されていた風水害と6社の教科書で記載されていた地震災害と津波災害に関するすべての記載において,安全への意識や安全な行動に関する内容が含まれていた.災害により引き起こされる危険に関して,津波災害ではすべての教科書で記載がなく,地震災害と風水害では記載が一部の教科書に限られた.これらの結果から,生活科教科書において,児童が発災時におけるその場の状況を捉え,危険を予測することに関する内容の充実が望まれる.

  • 田口 功, 大塚 慎太郎
    2021 年 35 巻 5 号 p. 65-68
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    ガラスビーズ簡易顕微鏡は,小学生を対象とした理科に対する興味・関心を引き出すことができる教材として数多く取り入れられている.しかし,作成してみると欠点も多く,多くの改善すべき要素も多い.本稿では,従来のガラスビーズ簡易顕微鏡に対する改良点を指摘するとともに,ガラスビーズ簡易顕微鏡を作成する活動のSTEM教育における意義を考察した.その結果は,以下の3点である.第一に,一般的にはアルミボトルの蓋の内側から穴をあけるが,外側から穴をあけた場合でも観察可能なこと,さらに両側から穴をあけても観察可能なことを実験的に確かめた.第二に,蓋に穴をあける際,怪我の防止を目的としてアルミボトルの蓋を粘土で固定することで,容易にしかも安全に穴をあけることが可能となる.第三に,ガラスビーズ簡易顕微鏡の作成は,STEM教育の活動を通して既習事項の定着を高めるという意義があることを明らかにした.

  • ―中学高校理科教員免許取得希望学生の事例―
    内田 隆
    2021 年 35 巻 5 号 p. 69-74
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,教職課程学生のICT活用指導力の現状を把握するため,文部科学省「教員のICT活用指導力チェックリスト」を用いて,2020年度教職課程4年生を対象に調査を行った.2017年実施の中学高校教員対象の調査結果と比較したところ,ICT活用指導力に肯定的な回答をした割合は学生の方が高かった.それは,大学での教育活動においてMoodle,WebClass等のLMSに日常的に触れているためや,各科目・実習・卒業研究等でのインターネット等を利用した調査,ワープロ・表計算ソフトを用いたレポートの作成,プレゼンテーションソフトによる発表等を多く経験しているためであると考えられる.さらに,4年次(2020年度)に新型コロナウィルス感染症対策によるオンデマンド・オンライン形式の授業を経験したことも,肯定的な回答をした学生が多かった一因と考えられる.一方で,学生が経験に乏しい校務分掌業務や保護者・地域との連携における情報機器の活用(A-2),ICTの活用以前に授業運営力や指導力が問われる生徒の意見・考え方・作品等の共有におけるICT活用指導力(B-2)については,中学高校教員に比べ学生の方が,否定的な回答の割合が高かった.

  • ―なぜ,数学教育はTechnologyを使わないのか―
    渡辺 信
    2021 年 35 巻 5 号 p. 75-78
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    数学教育では数学を学ぶ目標がある.計算技能は算数教育の楽しみであり,この技能の習得は必要不可欠なことと考えられる.そして技能訓練の結果,算数の評価も可能であると考える.この時にはTechnologyを取り入れることは数学教育ではマイナスになる.数学教育の楽しみは問題が解ける経験の中にある.考えることを奪い去るTechnologyは数学教育には適しているとは考えられない.数学教育にとって重要な問題解決は数学を考える場である.Technologyを用いる必要性はあるのかという疑問から『思考・判断・表現力とICTの可能性』について,Technology活用は今後の数学教育にとって重要であるという立場から問題提起をする.

  • ―数学教育の立場からのSTEM教師教育への一提案―
    川上 貴, 佐伯 昭彦
    2021 年 35 巻 5 号 p. 79-84
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,日本の教師にとって教材研究の重要な参照源である算数・数学教科書を生かしたSTEM教師教育の枠組みの開発を目指している.本稿の目的は,その一環として,算数・数学教科書の教材からSTEM教材への再教材化の可能性について明らかにすることである.中学校第1学年の数学教科書の「紙ヘリコプター教材」を取り上げ,そこに含まれているSTEM諸領域における見方・考え方を分析することを通して, STEM教材に作り替えられる可能性の一端を示した.こうした算数・数学教科書教材からのSTEM教材への再教材化は,数学を核とした統合的なSTEM教育の実現化・実装化に向けた幾つかの示唆をもたらすことを指摘した.

  • ―類推を視点として―
    小泉 泰彦
    2021 年 35 巻 5 号 p. 85-90
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は,和田義信(1962/1997)における,構造が同じという見方での問題解決の過程を分析する枠組みを設定し,この問題解決の過程を学習者に実現できるような指導への示唆を得ることである.この目的を達するために,まず,Wertheimer(1945)の文献解釈を基に本研究における構造を規定し,構造が同じという見方での問題解決を規定した.そして,類推の過程に関する先行研究の文献解釈を基に,この問題解決の過程を分析する枠組みを設定した.さらに,設定した枠組みを基にして,教科書における具体的な問題を取り挙げ,この問題解決の過程を学習者に実現するような指導への示唆を考察した.結果として,求答問題の事例では,構造に当たる事柄を学習した後に過去の学習内容を振り返り,ベースとなる関係と構造を見出すことが重要であることを指摘した.また,ベースとターゲットにおける構造や関係が対応づくことを見出すために,ベースとターゲットの表現を調整したものを共有することが重要であることを指摘した.

  • 池田 浩輔
    2021 年 35 巻 5 号 p. 91-94
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    算数・数学における新学習指導要領の特徴として,数学的モデリングが重要視されている.本稿では,その数学的モデリングに必要な知識とは何か柳本ら(2009)と西村(2001)の2つのモデルから考察を行った.この2つのモデルは,計算やグラフから日常生活や社会の事象を数学的に考察し,問題を解決することができる.しかしながら,数学の見方や考え方だけでなく,日常生活や社会の観点からも,事前に問題について予測や考察することができるのではないのかと考えることができ,モデル化を行う際,日常生活や社会の事象も考える必要があることが示唆された.

  • ~証明を活用した問題分析に焦点を当てて~
    辻山 洋介, 榎本 哲士
    2021 年 35 巻 5 号 p. 95-100
    発行日: 2021/03/07
    公開日: 2021/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は,ブラウンとワルターにみる数学的問題設定の意味と特徴を,証明を活用した問題分析に焦点を当てて特定することを目的とする.そのために,The art of problem posing (Brown & Walter, 2005) におけるピタゴラスの定理を出発点とする数学的問題設定の過程の事例を,証明の活用に着目して解釈する.その結果,問題分析の側面として,「設定した問題を出発点の定理と比較すること」,「定理の証明を確認すること」,「証明を活用して,設定した問題を解決すること」,「証明と設定した問題の解決をもとに,出発点の定理をみること」を指摘するとともに,問題分析は,これらの側面を備えた過程を通じて,出発点の定理とその証明の意味を捉え直すことを意味することを特定した.この意味と特徴をもとに授業の設計,実践,分析を行うことが今後の課題である.

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