日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
4 巻, 2 号
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表紙・目次
〔一般研究発表〕
  • 秋山 優
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 1-4
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    昨今の理科教育では、しばしば科学的な『見方・考え方』といった『探求の過程』を重要視するかたわら、これを『観察・一般化・仮説とその検証・法則化』などと一連の図式化された画一的なパターンとして、しかもこのような流れをおざなりにも短い授業時間内に閉込めてしまうあまり、学習者にとっては必ずしも自然に対する、より深い関心や科学的な探求心が高められているとは考えられない。ここでは特に従来からその扱いが不十分と考えられる『観察』について、探求の過程の中でのその教育的意義についての検討を試みると同時に、認識の成立 (概念形成) と観察のレベルとの間の相互関連性について指摘した。また特に視覚的観察の中で、肉眼的観察と顕微鏡的観察との間で、ルーペによる観察の果たす役割とその教育的意義についての重要性を強調した。
  • 景山 明
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 5-8
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    理科における理科工作、動くおもちゃ作りには次のような意義があった。それは、① 材料収集、加工、遊びを通しての物 (自然) の認識の深まり ② 思考する作業による自分の力で周りの世界を変えていく能力の育成 ③ 困難を乗り越え完成させたことによる自分への自信 ④ 手、指で道具を扱うことによる技能と器用さの獲得。また生活科の「物の製作」ではさらに次のような意義がある。④ 児童の生活に根ざした自然とのかかわりを通しての自然への気づき ⑤ 友達、家族、近隣の人々との製作、遊びを通しての人々への気づき ⑥ 基本的な生活習慣の育成⑦ 協同製作、遊びを通しての自分への気づき。
  • 関野 治男
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 9-12
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    子どもはどのようなことに興味を示し、どのようなことに心を動かされているのだろうか。子どもが興味・関心を持っていることを授業に取り上げることにより、子どもは主体的に取り組むであろう。それらを、子どもの学校でのくらしや子どもの日記などからとらえ、その中から生活科の学習内容として取り上げられそうなものを見つけていこうと考えた。学習内容に子どものくらしを取り上げることにより、子どもは意欲的に学習するとともに、自分の力で学習への準備をすることもでき、その過程で家族や身の回りの人々との関わりも生まれてくる。また、学習で得たことを自分たちのくらしに生かしていくこともできやすく、子どもか主体的に取り組む態度も育てることができるのではないかと考えた。ここでは、生活科の授業をするときの基本的な構えと2年間の生活科の実践を紹介してみたい。
  • 高尾 彬
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 13-18
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    島根県東部の地域には、約1300〜1400万年前に堆積した海成層が広く分布している。これらの地層を教材化しやすいように、分布地域にある中学校の周辺を調査し、よい露頭の位置、地層の特徴、産出化石等をまとめた。また、それらを理科学習の中に、どのように位置づけたらよいのかについて、単元指導計画を作成した。
  • 福田 浩三
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 19-24
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    物理法則は、一般に難解なものが多く、数学的な講義や、一つの単元に一種類の実験では、多様化した生徒にその内容を理解させることが難しくなってきた。思い浮かべるイマージが一つでは、本当に応用できる知織とは言い難い。一つの法則について、少しでも多くの事例を見せて、応用のきく知識を身につけさせたい。現場の先生方から、「ドップラー効果を理解させるためのよい実験装置ないだろうか」という問合せがよくある。そこで、それも含めて、何か一つの基本装置を利用して、デモンストレーション的な実験装置はできないか。また、物理に少しでも興味・関心を持ってもらうために、できるだけ生徒が楽しく実験できるようにと多目的に利用できる「可動ベルト装置」を製作した。この基本実験装置を用いれば、① 速度の合成・分解、② 運動の第一法則、③ 共振振り子の描く波形等、④ ドップラー効果などのモデル的な実験を行うことができる。
  • 原 幹雄
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 25-30
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    この研究ではパソコンの機能を生かして、目に見えない溶解現象について児童が想像するモデルをグラフィック表示し、それを媒体として話し合い活動を行うことによって児童に思考の手がかりを与え、児童の探求活動を活発にし、溶解現象についてのイメージ形成を支援することを試みた。パソコンを使用する学級とOHPを使用する学級を設定して検証授業を実施して二群を比較分析し、次のようなパソコン利用による学習効果が確かめられた。①「粒子性」、「均一性」、「質量保存」のいずれについてもパソコン使用学級の児童の方が確かなイメージを形成している。② パソコン利用の効果は、理科の成績が優れている児童よりも、理科の成績が中位・下位の児童に対しての効果が大きい。③ パソコン使用によって、実験や観察の視点が明確になり、豊かで柔軟なイメージを形成している。
  • 浜田 裕三
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 31-34
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    最近、各学校でコンピュータの導入が取沙汰されているが、教育現場におけるパソコンの導入にはいくつかの間題点があり、企業のようにスムーズにいかないようである。これは単に金銭的な面だけでなく、ソフト開発が特定個人に依存し過ぎ現場の教師に大きな負担がかかってくるからであろう。しかし、負担がかかったとしても苦労に見合う効果が得られるのか実際に利用してみて今後の方向を探ってみた。今回は一斉授業における学習の個別化ということで、一人一台の使用を試みた。地震の単元で、6時間の内の1時間 (4時間目) をパソコンを用いて学習した。機種はMZ2861で、ソフト開発は付属のオーサリングシステムを利用した。初めてのソフト開発ということで、とても充分とは言いがたいが、生徒の反応は全般的によく個別学習へのパソコンの効果は期待できると思う。しかし、開発にかかる労力はかなりおおい。まだまだ開拓の予知は多いし、田の利用方法での北井もできるので、今後多面的なアプローチを試みたい。
  • 篠原 文陽児
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 35-36
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    高等学校物理教育におけるコンピュータの利用は, 我が国では1960年代の後半から開始された。当時はCAI的な利用が主であり, 次いで実験データの処理や計測・制御への応用がこれに加わってきた。CAI的利用のうちとくに原島の方法は, 今日でもこれを超える研究はない。また, 社会の進展とコンピュータ等の進歩にしたがい, 科学的思考力がいっそう重要視されてきている。こうした中で, 先行研究に基づく実践と, 科学的思考力をいっそう推進する環境の構築を提案している。
  • 神志那 良雄
    原稿種別: 本文
    1989 年 4 巻 2 号 p. 37-38
    発行日: 1989/09/23
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    大学における物理教育へのコンピュータ利用の一つの例としてCGを主体としたシステムを2〜3紹介した。具体的には、「アナグリフ」による結晶構造および分子構造の立体視、結晶によるX線回折のラウエ写真像のシミューション、簡単なフラクタル図形のシミュレーション等である。
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