日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
5 巻, 3 号
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表紙・目次
〔一般研究発表〕
  • 鈴木 善次, 原田 智代
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 1-6
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    人類のながい歴史の舞台は自然であり、環境問題は人間と自然とのかかわりの問題である。しかし、これまでの環境教育の題材でとかく欠ける傾向にあるのが歴史的視点である。今、クローズアップされている地球的規模の環境問題も科学文明のもとに起こったものである。環境学習では人類がこれまでに生み出してきた文明について認識を深めることが必要だ。そのための教材として、ここでは「動力技術の変遷と人間環境の変化」を試案として提示する。
  • 藤岡 達也
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 7-12
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    環境危機が注目され始めた今日、「環境教育」に大きな期待が寄せられている。しかし、環境教育は決して大上段に振りかざして取り組まれるべき目新しいものではない。むしろ、地道な活動の中から生まれてくる「自然の中の人間」に対する正しい認識力の育成とも言えるだろう。本報告はこのような視点から学校近辺の身近な自然環境教材の開発、大阪における地域教材の開発に取り組んだ実践の紹介である。具体的な内容として前者に「学校の地盤沈下の教材化」「学校内のヒートアイランド・クールアイランド」「学校近辺の自然石とその利用」、後者に大阪地域の地震、地すべり、土石流などの斜面災害を扱った「大阪の自然災害」などがある。一般に都会では自然環境に対する教育が行いにくいという感もあるが、報告者は逆に都会において自然と人間との関係を示す面も多いと考え、それを明確にする教材に取り組んできた。なお、本報告は高校地学での実践によるものであるが、小学校や中学校でも内容によっては可能であると考える。
  • 中道 貞子, 林 良樹, 藤川 宣雄, 藤田 周子, 屋鋪 増弘, 矢野 幸洋
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 13-18
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    環境教育を具体化するための第一歩として、中・高一貫教育の中での理科の環境教育について検討した。環境教育の視点を明確にし、それに基づいて、断片的ではあるが、高校での環境教育に取り組んだ。理料教諭6人がそれぞれ1つの課題の中心となり、指導計画を立てて授業をおこなった後まとめをした。取り上げた課題は、水質汚濁・大気汚染・森林破壊・放射能汚染・有機塩素化合物・水俣病である。中学校では、授業時間の中で環境教育に取り組む時間はなかったが、環境ノート及び環境カルテづくりを試みた。さらに、本校全体の取り組みとして、平成3年度には、「総合学習」としての環境教育を実施することになっており、そのカリキュラムについて、現在検討中である。
  • 人見 功
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 19-24
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    中学校3年生を対象に行った、「白然環境」についてのイメージ記述と、生徒によるKJ法グルーピングのまとめは、"中学生の表現記述および意見のまとめ"として、よい資料となっていると思われるので、その内容を示した。そして、その記述内容を坂本 (1958, 1984) の「教育基本語彙」を使って語彙分析を行い、中学生の語彙と梅本 (1969) の「連想基準表」の大学生の連想語と比較した結果、中学生の品詞別の使用状況および坂本の「教育基本語彙」について考察した。中学3年生は語彙の面から見ると、大学生同様に使用語は豊かであった。最後に、環境教育における教育語彙の視点からの用語の検討の必要性と希望を述べた。
  • 下野 義人
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 25-30
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    1988年と1989年に大阪府の高等学校の生物の教師と生徒が協力して自然破壊度を指標性の高い動植物を選んで調査した. そのなかで高校生の自然観について, 1988年4項目, 1989年14項目の調査をおこなった. 大阪府の高校生は自宅周辺に自然がなくても便利であれば満足し, いくら自然が豊かであっても不便であれば不満を訴える生徒が多かった. また, 満足群と不満足群に分けて生徒の自然に対する意識をみると, 満足群では現状維持の意見が多かったが, 不満足群では今以上に自然を希望するものが多かった. これは自然破壊を生じる商品についても同じ結果を示した. さらに, フロンガスの使用やオゾン層の破壊に関して予想以上の関心を示した.
  • 高橋 庸哉, 清水 純一
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 31-36
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    児童・生徒の住んでいる地域の生活環境を理解させるために、気候表を使った教材を作成したが、気候要素の月別平年値のグラフ作成に時間が掛かり、気候要素の特徴把握や他地域との比較を十分に行うことはできなかった。そこで、気候表を活用したCAI教材の開発を行った。開発されたCAI教材は月毎の気候要素の平年値を表示するもので、ある気候要素についての複数地点間またはある地点での複数気候要素間の比較が可能である。また、気候表をデータベース化し、全国気候データの検索を容易にした。この教材によって、気候の地域性・多様性を視覚的に理解させることができ、博物館や学校教育における社会科・理科で各地気候の特色を理解させる教材として活用し得る。また、情報活用能力の育成にも適している。
〔特別報告〕
〔パネルディスカッション〕:『これからの環境教育の課題』
  • 原稿種別: 付録等
    1990 年 5 巻 3 号 p. App3-
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 山田 卓三
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 41-42
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 庫本 正
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 43-44
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    現在、環境問題は人類の存元をかけた重大問題である。しかし奇妙なことに、市民の側から見ると、概して遠い所の話で、我が身にかかる深刻な問題として受け止められていない。私はこれからの環境問題は地域の問題として受け止め、それを深め、地球規模の問題へと拡大してゆくようにする必要があると思う。これからの環境教育の問題点を自然保護や社会教育の立場から見てゆくと、次の三つの問題を解決してゆかなければならないと思う。1) 自然の見方の深化、2) 地域における環境教育を推進する指導者の育成、3) 多角的な環境教育の実践である。ここでは、秋吉台と秋吉台科学博物館の実際の活動を例に紹介し、上記三つの問題を具体的に考えた。
  • 播本 裕典
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 45-46
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本府においては、昭和63年度、「大阪府環境教育基本方針検討委員会」を設置し、大阪府における環境教育の推進方策について取りまとめを行い、平成元年度以降、それを踏まえ、環境教育に関する様々な施策を展開しているところである。元年度には、学校教育における環境教育の推進を図るため、小学校高学年担当教諭向け環境教育の手引書を作成し、府下全小学校へ配布した。また、環境教育に関する事業の安定的、継続的な推進を図るため、平成2年3月、環境保全基金を設置した。この運用益を利用して、今年度新たに市町村における環境教育事業の推進を図るための補助制度の創設を行った。今後の課題としては、学校教育における環境教育の一層の推進、市町村事業や民間環境保全活動の活性化、企業との連携、指導等の強化を図っていくことなどが挙げられる。
  • 高田 研
    原稿種別: 本文
    1990 年 5 巻 3 号 p. 47-50
    発行日: 1990/11/24
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ふつうの学校のなかで、我々の緊急な課題としての環境教育を具体的に推進していくためには、特別な何かよりも、今あるものをまず見直し掘り起こすこと。環境教育は"学校だけではできない"んだから野外教育の施設や自治体の行う社会教育と、もう一度分業しながら連携が行える体制づくりをすすめなければならない。
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