図形領域の中で,証明の単元を学習すると途端に,図形に対しての関心が薄れ,それが,数学嫌いとなるきっかけにもなっているように思われる。そこで,「筋道立てて説明する」ことの必要性をもっと生徒に自覚させる指導を行なうことで,意欲を持って自ら取り組むことができるようになるのではないかという仮定のもと研究を進めた。レディネス調査のあと,必要性を感じさせるためには,まず図形に関する土台づくりが大切であると考え,全領域にわたっての「筋道を立てて説明する」ことの指導を行なう一方,作図や用語,記号などの土台づくりにカを入れた指導を行ない,「表現」を意識した指導へとつなげていった。まだ,研究段階ではあるが,これまでの研究から,生徒のつまずきが意外なところにあることがわかり,そのためにも土台づくりが重要であることが認識できた。
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