堆積学研究
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59 巻, 59 号
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  • 新妻 祥子
    2004 年 59 巻 59 号 p. 1-16
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/05/27
    ジャーナル フリー
    北部フォッサ・マグナ高府向斜には, 自然残留磁化強度の強い鮮新統層柵しからみ高府泥岩部層 (以下, 高府泥岩) が分布する. 高府泥岩の段階交番磁場消磁と段階熱消磁の結果, 二次的な残留磁化である第1成分, アンブロッキング温度100~400℃の第2成分, 300~600℃の第3成分が検出された. XRD分析では, 第2成分をもっ試料からグレイガイト, 第2・3成分をもっ試料から磁鉄鉱とグレイガイトが認定された. 顕微鏡観察を併せると第2成分はグレイガイトが担う化学残留磁化, 第3成分は磁鉄鉱やチタノマグネタイトが担う堆積残留磁化と解釈できる. これらの磁化方位は褶曲テストに合格することから, 堆積残留磁化と化学残留磁化は, 高府泥岩がプランジ褶曲する以前に記録されたことが明らかになった. プロファンデルタにおける堆積速度の速い高府泥岩は, 堆積残留磁化とほぼ同時期に安定な化学残留磁化を記録していると考えられる.
  • 前期更新世, 八千穂層群下部・中部累層の例
    片岡 香子, 中条 武司
    2004 年 59 巻 59 号 p. 17-26
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/05/27
    ジャーナル フリー
    前期更新世, 八千穂層群下部・中部累層の火山性湖成ファンデルタ堆積物は上部ファンデルタプレーン相に土石流堆積物・ハイパーコンセントレイティッド流堆積物を含む. ハイパーコンセントレイティッド流堆積物はその特徴とそれに関係した他の堆積物との累重関係によって認定できた. ハイパーコンセントレイティッド流堆積物は, 不明瞭な成層構造をもち, 数cm程度の細粒層と細礫~中礫層の互層状を示す. この堆積物は, アウトサイズクラストとして大礫を含むが, 内部には侵食面などをもたない. このことは, 高濃集した流れから粒子が急速に沈積したことを示す. ここでのハイパーコンセントレイティッド流堆積物は多くの場合, 非粘着性土石流堆積物に付随して見られる. このことは, ハイパーコンセントレイティッド流の発生と堆積過程が非粘着性土石流と密接に関係していることを示す. ここでは下位から, 非粘着性土石流堆積物・ハイパーコンセントレイティッド流堆積物・河川流堆積物と累重するのが認められる. この累重様式は複合した流れの流下方向への分化を表しており, 先行して流れた非粘着性土石流の背後に, そこから分化したハイパーコンセントレイティッド流があり, のさらに後を河川流が流下したと考えられる.
  • 大賀 博道, 井龍 康文
    2004 年 59 巻 59 号 p. 27-37
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/05/27
    ジャーナル フリー
    ウーイドの鉱物組成は顕生代の気候変動と生物地球化学循環を考えるうえで, 非常に重要である. 本論では, 下部白亜系美良布層中の石灰岩に含まれるウーイドの産状や微細構造を詳細に検討した. これらのウーイドの皮層は, 放射状に配列した繊維状の透晶質方解石の結晶からなるラミナが数~数十層累重したものである. 繊維状の結晶は, 長さが6~15μm, 直径が1.0~1.5μmである. ウーイドの形成に微生物が関与したことを示す直接的な証拠は全く得られなかった. ウーイドおよびセメントの詳細な観察より, ウーイドのラミナを構成する針状結晶は, 初生的に高マグネシウム方解石もしくはアラレ石であったが, 陸水性続成作用による転化作用により, 初生的内部構造や結晶形態を保持したまま, より安定な低マグネシウム方解石に変化し, それとほぼ同時もしくはその後に, 淡水飽和帯において粒子間間隙に等粒状モザイクセメントが形成されたという続成史が想定される.
  • 中新世アロデスムス浦幌標本を例に
    田中 美穂, 保柳 康一, 澤村 寛
    2004 年 59 巻 59 号 p. 39-54
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/05/27
    ジャーナル フリー
    北海道東部の厚内地域に分布し, 海成哺乳動物アロデスムス浦幌標本の骨化石を産出した中新統オコッペ沢層を中心に堆積相解析を行った. その結果, 時和層最上部は外側陸棚, オコッペ沢層下部層は内側陸棚からプロデルタ・デルタフロント, 上部層はプロデルタから内側陸棚, 直別層は陸棚あるいはプロデルタ末端の環境を示すことが明らかになった. これらは陸棚環境内での上方浅海化を示す上方粗粒化累重と, プロデルタのタービダイトがくり返す累積性累重にまとめられ, 前者は高海水準期堆積体, 後者は低海水準期堆積体である. この2つの累重は調査地域内で交互に累重しながらも全体的には次第に深海化する傾向を示す. 累積性累重の下底面は, 相対的海水準低下による陸棚への堆積物の増加を示し, シーケンス境界である. アロデスムスはデルタ沖合いの内側陸棚堆積物から産出しており, その層準はシーケンス境界 (SB-1) 直下にあたることが明らかになった. つまり, 陸棚においてこの化石が良い状態で保存されていたのはデルタの前進による急速な埋積作用と関係している可能性が高い.
  • 級化層理から混濁流学説への発展
    岡田 博有
    2004 年 59 巻 59 号 p. 55-61
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/05/27
    ジャーナル フリー
  • 吉田 真見子
    2004 年 59 巻 59 号 p. 65-68
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/05/27
    ジャーナル フリー
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