堆積学研究
Online ISSN : 1882-9457
Print ISSN : 1342-310X
64 巻
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カバー・ストーリー
緒言
研究報告 (英文)
  • 佐藤 智之, 増田 富士雄
    2007 年 64 巻 p. 5-8
    発行日: 2007/04/20
    公開日: 2008/12/12
    ジャーナル フリー
    愛知県岡崎市周辺の完新統矢作デルタ (岡崎平野) の堆積速度を4本のボーリングコア試料を用いて推定した. 堆積相解析によりプロデルタの泥とデルタフロントの砂の境界を求め, その層準の14C年代値を各ボーリングコアで求めることで, デルタの前進速度を求めた. また, 地下岩層分布図と合わせてデルタフロントの砂の体積を見積もり, その堆積速度も求めた. その結果, 砂の堆積速度が, 5~2kyBPの時期に5.8×104 [m3/y] から11.1×104 [m3/y] へと急増していることがわかった. 矢作デルタの砂の堆積速度は矢作川の堆積物供給量を反映しているであろうから, 矢作川の堆積物供給量も5~2kyBPの時期以降に急増していることを示唆する.
  • 江藤 稚佳子, 石原 与四郎, 田辺 晋, 木村 克己, 中山 俊雄
    2007 年 64 巻 p. 9-13
    発行日: 2007/04/20
    公開日: 2008/12/12
    ジャーナル フリー
    東京低地北部の地下に分布する沖積層を対象として, 2175本の土質ボーリング柱状図を用いた, N値と岩相の3次元モデルの構築方法を検討した. 3次元モデルの構築は, ボーリング柱状図からの数値情報の抽出, 深度方向へ等間隔なN値と岩相情報のデータセットの作成, 不規則に分布するこれらの数値情報の水平方向への補間, 補間されたデータセットの深度方向への積み重ね, の手順で行った. その結果, 沖積層のN値と岩相の3次元的な分布様式が明らかになり, 蛇行河川チャネル充填堆積物, 自然堤防~後背湿地堆積物, デルタ成堆積物, 砂し堆積物が可視化された.
  • 山口 直文, 関口 智寛, 増田 富士雄
    2007 年 64 巻 p. 15-19
    発行日: 2007/04/20
    公開日: 2008/12/12
    ジャーナル フリー
    自然界では一般に存在するが, これまで考慮されていなかった重複波の条件を造波水槽でつくり, 形成されたリップル形態を観察した. 実験は同じ水理条件で粒度を変化 (0.15mm≤D≤1.23mm) させて行った. その結果, リップル波長・対称性・峰の形態について, 波の ‘節’ と ‘腹’ の下でそれぞれ異なる特徴を示した. リップル波長は節の下で大きく腹の下で小さい傾向を示し, これらは重複波下での水粒子の楕円軌道径の違いに対応していた. また, 腹の下で形成されたリップルの峰が, 丸い断面形態や枝分かれした平面形態を示す場合があることが観察された. これらの特徴は, 地層から古波長を復元する際の指標となる可能性がある.
  • 吉田 真見子, 保柳 康一, 近藤 はるか, 井上 博文, 大石 雅之, 吉田 裕生, 柳沢 幸夫
    2007 年 64 巻 p. 21-26
    発行日: 2007/04/20
    公開日: 2008/12/12
    ジャーナル フリー
    岩手県北上市に分布する中新統~鮮新統石羽根・竜の口・本畑層において, シーケンス層序解析と有機物分析を行った。これらの地層は, 一回の海進・海退に伴って形成された河川とエスチュアリーの堆積物から構成される。低海水準期堆積体を構成する河川堆積物では, 陸上高等植物を起源とするvitriniteとcutiniteが高い割合を示す。一方, 海進期堆積体のエスチュアリー堆積物では, marine alginiteや無定形有機物の割合が最大氾濫面に向かって増加する傾向を示す。また, 高海水準期堆積体になると, 再びvitriniteとcutiniteの割合が上方に増加する。以上の結果は, 有機物組成が海進・海退に伴って変化する河川の影響や底層の酸化還元性に強く影響を受けることを示す。
  • トマス A. タム ザサード, 鈴木 茂之, グラシアーノ P. ユームル ジュニア
    2007 年 64 巻 p. 27-31
    発行日: 2007/04/20
    公開日: 2008/12/12
    ジャーナル フリー
    フィリピン島弧の枠組みが形成されたのは中新世の頃で, 海洋性地殻が発展したものと考えられている. 本研究の目的はフィリピン島弧形成期の地質やテクトニックセッティングを推定することである. 試料はフィリピン, ルソン島中央部のバギオ地域に分布する中新統Zigzag層とKlondyke層の砂岩と泥岩で, 主要および微量元素について全岩分析を行った. 塩基性な組成で, 低いTh/ScとZr/Scの値が得られた. この結果は中新世のフィリピン島弧が玄武岩質な地質からなり, 海洋性島弧や活動的な大陸縁であったことを支持する.
  • 西田 尚央, 佐伯 貴央, 久保 雄大, 伊藤 慎
    2007 年 64 巻 p. 33-36
    発行日: 2007/04/20
    公開日: 2008/12/12
    ジャーナル フリー
    房総半島中部に分布する更新統中部万田野層下部の下部外浜堆積物には, ストーム時の複合流により形成されたと考えられる異方性のハンモック状斜交層理や平行層理などの堆積構造が広く観察される. ここでは, ベッドフォームの移動方向と粒子ファブリックの特徴に基づいて, これら複合流堆積物の形成に作用したと考えられる振動流と一方向流の関係について検討した. フォーセットの特徴から求められるベッドフォームの移動方向と, 粒子ファブリックの解析の結果, ストーム時の複合流堆積物の形成過程について, 次のようにまとめられる. すなわち, 平行層理は振動流を伴った, 主として沖向きの下降低層流の影響を受けて形成されたと解釈される. 一方, 異方性のハンモック状斜交層理は, 平行層理よりも移動方向にばらつきが大きいが, 主として, 当時の海岸線方向と平行に流れる一方向流の影響を受けて形成されたと解釈される.
  • 田原 敬治, 公文 富士夫, 長橋 良隆, 角田 尚子, 野末 泰宏
    2007 年 64 巻 p. 37-41
    発行日: 2007/04/20
    公開日: 2008/12/12
    ジャーナル フリー
    長野市南部に分布する更新世後期の湖成層である高野層において, 全層ボーリングを行い53.88mの連続したコア試料を得た. コア試料は, 黒灰色でほぼ均質な粘土質シルト~シルトの層相を示し, 多数のテフラ層を挟んでいる. これらのうち5つの広域指標テフラ (DKP, Aso-4, K-Tz, Ata, Aso-2) の放射年代値と補正深度を用いて年代モデルを作成した. 高野層のTOC含有率の経年変動は, 本コア試料中の花粉組成変化と同調しており, およそ169ka~37kaにおける数万年周期の長期の気候変動を示している. この変動はMIS6~3前半における海洋酸素同位体比変動と同調しており, 各ステージに対比される長期の温暖期・寒冷期が認識できた. また, 数百~数千年周期の短期の寒暖変動も存在しており, これらは亜氷期-亜間氷期サイクルに相当すると考えられる. また, それらの温暖期の多くはIS9~25に対比される可能性がある.
  • 高川 智博
    2007 年 64 巻 p. 43-47
    発行日: 2007/04/20
    公開日: 2008/12/12
    ジャーナル フリー
    これまで難しかったハンモック状斜交層理 (HCS) の堆積実験に初めて成功した. 実験に用いたのは新開発のパドル駆動型円形振動流水路で, 長周期振動流の影響下で, 流れ条件を一定に保ちながら砂を供給し, 堆積物をためることができる. 実験では平均粒径0.3mmの硅砂を用い, ストーム時の長周期波浪を模した振動流 (振動周期15秒, 底面近傍の振動流速80cm/秒) の下での, ベッドフォームや堆積構造の形成過程を調べた. その結果, ハンモック状のベッドフォームの起伏が, 堆積速度にして1-3mm/分程度の堆積物供給で抑制されることがわかった. この堆積速度は, 現世の陸棚の観測と同程度であり, HCSに一般的に認められる内部葉理の上方平坦化が, 堆積物の供給に対応して形成される可能性が指摘される.
研究報告 (英文要旨つき日本文)
日本語要旨
ISC2006報告
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