土と微生物
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20 巻
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 渡辺 巌
    原稿種別: 本文
    1978 年 20 巻 p. 1-10
    発行日: 1978/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    アカウキクサ(Azolla)は温帯,熱帯の池,水田に広く分布する水生羊歯植物でその上面葉下部の空腔中に窒素固定性藍藻Anabaena azollaeが共生し,無窒素培地で生育することができる。国際稲研究所内の圃場で1年間連続して22回のAzolla pinnataを栽培したところ,330日の生育期間で総計ha当り450kgの窒素をAzolla中に貯えることができた。この窒素固定力は熱帯マメ科牧草の窒素固定量年間最高値に近いものであり,共生藍藻細胞窒素当りの固定力もマメ科植物根粒中のバクテロイド細胞の値をはるかにこえるものである。Azollaは概して温帯性の種と分布が多いが,熱帯に分布するA. pinnataでも日平均気温22-27℃が最適で日最高気温の月平均が32℃をこすと,生育がおとろえる。高温に対する抵抗性が弱いことが熱帯での利用で問置になる。りん酸肥料の施用はAzollaの水田での生産にかかせない,過燐酸石灰の分施をすればP_2O_5 1kgで2kg以上の窒素をAzollaは生産できる。Azollaは中国,ベトナムでは広く水田緑肥として田植前後に水田で栽培されまた,堆肥源,動物飼料としても利用されている。国際稲研究所での近年の試験でも緑肥としての有効性が確認されたし,アジア諸国でもその利用が注目されはじめている。
  • 石田 博, 白石 道夫
    原稿種別: 本文
    1978 年 20 巻 p. 11-18
    発行日: 1978/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
  • 早野 恒一
    原稿種別: 本文
    1978 年 20 巻 p. 19-25
    発行日: 1978/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
  • 金沢 晋二郎
    原稿種別: 本文
    1978 年 20 巻 p. 27-41
    発行日: 1978/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    国際生物事業計画(IBP)の特別研究地域である長野県志賀山の亜高山帯針葉樹林下の湿性ポドゾル(Pwh型土壌)および高山型適潤性褐色森林土(B_D型土壌)を供試し,β-グルコシダーゼおよびプロテアーゼ等の酵素活性を測定した。さらに両土壌型の物質代謝の大部分をになっている有機物層における主要な構成物である植物遺体の分解過程を解析した。得られた結果を要約すれば次の如くである。1) β-グルコシダーゼおよびプロテアーゼ活性は,Pwh型土壌のL層を除き,両土壌型ともに層位が深くなるに伴って低下していたが,β-グルコシダーゼ活性はプロテアーゼ活性に比べて,植物遺体が著しく減少するH層およびそれ以下の層位における低下の程度が大きかった。またプロテアーゼ活性とその基質である蛋白質含量との間には,きわめて高い相関関係が認められた。2) 微生物数は,酵素活性と同様にPwh型土壌のL層を除き,両土壌型ともに層位が深くなるに伴って低下していた。有機物層には鉱質土層に比べて,微生物数が著しく多く,特に菌糸長は乾物1g当りPwh型土壌で660〜6367m,B_D型土壌で2970〜8386mにも達した。3) B_D型土壌はPwh型土壌の同一層位に比べ,いずれの層位ともに酵素活性が高く,さらに微生物も多いことが認められた。4) 酵素活性とヘテロトローフにより呼吸量との間には,きわめて高い相関関係が認められた。この事実は,土壌酵素活性の測定はその酵素の基質の分解速度を表わすとともに,土壌有機物の分解速度を推定するにきわめて有効な手段となることを示している。5) 有機物層におけるF層の主な構成物は植物遺体と暗褐色物体であり,またH層は主として無機質粒子と0.075mmよりも細かい腐植様物質からなっており,少量の植物遺体および暗褐色物体を含んでいた。有機物層には,0.5mmよりも粗い画分には植物遺体が,それよりも細かい画分には暗褐色物体が主体をなしていて,両者とも粒径が細かくなるに伴って腐朽化が進行していた。6) 有機物層における暗褐色物体は,F層では軟らかくかつ弾力性に富み,土壌動物の糞に類似し,植物遺体に相当するかそれ以上の易分解性有機物を含んでいるが,一方H層では硬くかつ起伏に富み,土壌粒団に類似し,易分解性有機物に乏しかった。両層位の暗褐色物体を同一粒径で比較すると,F層の方がH層よりも微生物数(特に糸状菌)および炭酸ガス発生量ともにきわめて高かった。またF層の暗褐色物体には植物遺体に比べ微生物数が多く,植物遺体にほぼ相当する炭酸ガス発生量が示された。7) 有機物層の植物遺体および暗褐色物体は,ともに粒径が細かくなるに伴って微生物数および炭酸ガス発生量が減少していた。このことは粒径の微細化に伴う腐朽化の進行し,有機物量,クロロフィル様物質量および各近似組成量などの微生物の基質となる有機成分が減少することに対応している。
  • 松口 龍彦, 下村 忠夫, 李 相奎
    原稿種別: 本文
    1978 年 20 巻 p. 43-51
    発行日: 1978/12/15
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
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