土と微生物

地水園の鉄・硫黄細菌(いま話題の土壌微生物)

加村崇雄

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 1-8
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_1

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酸性硫酸塩土壌,酸性河川水,地すべり地の鉄・硫黄細菌を調査した。本邦では,下層部のパイライトが土木工事で大気に露出する地点に,酸性硫酸塩土壌が広範に分布しているのが認められる。新潟県入広瀬村で,径1-5cmの熱水性パイライトの結晶が露頭下の岩床部で見出され,多数の鉄細菌が酸性土壌で計測された。土壌に添加されたパイライトの細粉の酸化は10日間で完了し,硫酸の増加に伴ってpHは3.8から2.5に低下した。鉄細菌は10^4から10^8に増加し,硫黄細菌の増加数は鉄細菌よりやや少なかった。玉川の上流部はAl^<3+>, Fe^<3+>, SO^<2->_4, Cl^-,等のカチオンとアニオンにより強酸性を示す。酸性の水中の鉄・硫黄細菌は中性の下流では減少・消失し,一定数の有機栄養性細菌の存在が見られた。2価鉄とチオ硫酸を酸化する細菌活性が酸性と中性を示す地すべり地帯で確認された。鉄細菌を調べる新しい希釈頻度法は採用できる方法である。チオ硫酸培地も硫黄細菌計数に有用であろう。

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菌根菌の進化について(いま話題の土壌微生物)

小川眞

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 9-17
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_9

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植物ウイルスを媒介する土壌中の菌類について(いま話題の土壌微生物)

土崎常男

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 19-25
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_19

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日本に発生する菌媒介の土壌伝染性ウイルスとして14種が報告されている。すなわち,Olpidium brassicaeが媒介するtobacco necrosis virus (TNV), tobacco necrosis satellite virus (TNSV), tobacco stunt virus (TSV), lettuce big vein virus (LBVV), O. cucurbitacearumが媒介するmelon necrotic spot virus (MNSV), Olpidium sp.の媒介するpea stem necrosis virus (PSNV), Polymyxa graminisの媒介するbarley yellow mosiaic virus (BYMV), wheat yellow mosaic virus (WYMV), rice necrosis mosaic virus (RNMV), soil-borne wheat mosaic virus (SBWMV), P. betaeが媒介するbeet necrotic yellow vein virus (BNYVV), Spongospora subterraneaの媒介するPotato mop-top virus,菌媒介と考えられるが媒介菌の種類が不明のbroad bean necrosis virus (BBNV), Satsuma dwarf virus (SDV)である。媒介菌はいずれも絶対寄生菌で,菌糸はなく遊走子,遊走子のう,休眠胞子の世代をくりかえすが,生活史は菌の種類により若干異なる。また菌により寄生性の異なる分化型がある。菌によるウイルスの伝搬機構には2つの様式がある。1つは休眠胞子中にウイルスは生存せず,ウイルスは遊走子の表面に吸着されて伝搬される場合で,TNV, TNSV, MNSVがOlpidium属菌により伝搬される時みられる。他の1つはウイルスが休眠胞子とともに永続し,これがウイルスを伝搬する場合で,病土は数年間以上病原力を維持し上記以外の菌-ウイルスの組合で起こる。

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土壌微生物研究における統計的方法の重要性

服部勉

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 27-31
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_27

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A large fluctuation in the microbial measurement is one of most serious problems in soil microbiology and most people seem to have no means to overcome it. In this article the author gave attention to Fischer's idea to analyze such a fluctuation in plate counting data of soil bacteria. New trials of statistical analysis were made on plate counting data and a concept on the initiation of proliferation of individual cells was proposed. The usefulness of the Poisson distribution was discussed.

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Microbial Interactions in the Rhizosphere

J. M. LYNCH

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 33-41
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_33

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A brief account of microbial colonization and carbon substrate flow and utilization in the rhizosphere is given. These principles have relevance to the use of legume inoculants, biological control of root diseases and improvement of soil aggregate stability.

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光合成細菌による抗ウイルス活性物質の生産

小林達治, 広谷博史

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 43-48
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_43

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1)光合成細菌の一種Rhodopseudomonas capsulataは,シンドビスウイルスや大腸菌を宿主とするT5ファージを不活性化する物質を生産することが明らかとなった。2)その抗ウイルス活性物質は分子量10,000以下で蛋白質でもなく,核酸関連物質でもないと推察された。3)その抗ウイルス活性物質は暗黒条件では比較的熱安定性(60℃, 5分間ではほとんど不活性化しない)であった。しかし,光照射条件下では不活性化は進行した。ウイルスを不活性化する作用は光照射条件の方が暗黒条件より高かった。

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光合成生物の生産する抗ウイルス活性物質の抽出,精製とその活性化

広谷博史, 小林達治, 高橋英一, 山田尚, 小阪拓男

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 49-53
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_49

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1)光合成細菌菌体中に存在する抗ウイルス活性物質の精製を行い,非活性が250倍にまで精製することに成功した。2)光合成細菌は,小児マヒウイルスを不活性化する抗ウイルス活性物質を産し,精製により活性は,著しく上昇した。3)銅イオンおよびアスコルビン酸を添加することにより,この物質のT5ファージに対する抗ウイルス活性は上昇した。鉄イオンは,この物質のT5ファージに対する抗ウイルス活性を阻害した。4)ニンジン,ピーマンは,抗ウイルス活性物質を含有し,光合成細菌のものと同様の操作で抽出,精製した。ただし,含有量は光合成細菌のものと比べると非常に低かった。

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ショ糖遠心法による土壌中のVA菌根菌胞子の計数法の改良

西尾道徳

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 55-58
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_55

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第5回国際植物病理学会の開催について(こんなことが,いま)

鈴井孝仁

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 59-
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_59_1

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農林水産省微生物ジーンバンク : 微生物株の配布を開始(こんなことが,いま)

松本和夫

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 59-60
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_59_2

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財団法人微生物応用技術研究所の紹介(こんなことが,いま)

樋浦康一郎

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 60-61
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_60

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北海道で土壌微生物診断研究会が発足(こんなことが,いま)

成田保三郎

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 61-
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_61_1

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ジャガイモそう病に関与する病原菌とその生態(こんなことが,いま)

田代暢哉

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 61-62
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_61_2

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北海道原子力環境センターにおけるスイカの連作障害への取組み(こんなことが,いま)

成田保三郎

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 62-63
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_62

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土壌病害-発生・生態と防除, 渡辺文吉郎著, B5版, 247頁, 7,000円, 全国農村教育協会(東京), 昭和62年1月

沢田泰男

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 63-
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_63

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第1回アジア菌根研究会の開催について(こんなことが,いま)

原稿種別: 付録等
1987 年 30 巻 p. 64-
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_64_1

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第1回組換え微生物の野外放出に関する国際会議について(こんなことが,いま)

原稿種別: 付録等
1987 年 30 巻 p. 64-
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_64_2

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内記隆博士の急逝を悼む

荒木隆男

原稿種別: 本文
1987 年 30 巻 p. 65-
発行日: 1987/11/20
公開日: 2017/05/31

DOIhttps://doi.org/10.18946/jssm.30.0_65

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