トマト青枯病に対して抗菌活性能を有するPseudomonas putida FP-16株の根圏での動態を抗生物質耐性突然変異株を作出して調査した。FP-16R株(ampicillin, nalidixic acid, streptomycinの三重耐性菌)は土壌に比べ,トマトの根に親和性があり,また,トマトの根の伸長に伴い下方部の新根に移行した。根面定着性に及ぼす各種有機質資材の影響は,10a当り乾燥豚ぷん3.0t,オガクズ入り牛ふん堆肥3.0t施用圃場ではトマトの根面からFP-16R株を検出することができなかったが,稲わら1.5t,乾燥牛ふん3.0t,馬ふん堆肥3.0t施用圃場では検出することができ,用いた資材間に明確な差異が認められた。FP-16R株を木炭粉未に吸着後接種した場合,接種後の初期段階では,接種菌は木炭粉末および土壌中に止まったが,時間の経過とともに根面に移行した。
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