土と微生物
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47 巻
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 横山 和成
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 1-7
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    土壌微生物群集の評価における課題について議論し,評価を目的として開発された手法について概観すると共に,試作された「土壌から無作為に分離される細菌集団の炭素源利用パターンの多様さに着目した評価手法」について紹介した。試作した多様性評価手法を用いて特殊な機能を有する土壌(土壌病害抑止型土壌等),物理化学的処理を行った土壌(異なった施肥管理,放射線,有機溶媒被爆等),特殊な環境に置かれた土壌(酸性環境等)等種々の自然土壌の評価,また地球温暖化条件や酸性雨降下条件等,微弱な環境変化が土壌微生物群集に及ぼす影響評価を行った結果,従来のプレートカウントによる生菌数では差が現れない条件下でも,多様性指数では大きな差が見られることなど,興味深い結果が得られた。
  • 渡辺 克二, 早野 恒一
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 9-22
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    プロテアーゼ生産能の高いBacillus属細菌が湛水期間中の水田土壌から多数分離され,この時期に可溶性土壌プロテアーゼ活性は急激に増加する。これらのBacillus属細菌が生産するプロテアーゼと水田の可溶性土壌プロテアーゼの酵素特性が一致したことから,Bacillus属細菌が水田土壌中の可溶性土壌プロテアーゼの主要な供給源になっていることが示唆された。この可溶性土壌プロテアーゼは湛水後増加し,これがアンモニア態窒素の増加に間与しているものと推定された。一方土壌プロテアーゼ活性が著しく高い家畜スラリー投与土壌からはs. marcescens等のグラム陰性細菌がプロテアーゼ生産菌として単離され,これらのグラム陰性菌が生産するプロテアーゼの酵素特性が全土壌プロテアーゼの酵素特性と一致した。従って,これらのグラム陰性細菌が本土壌では全土壌プロテアーゼの主要な供給源になっているものと推定された。また,水田土壌及び火山灰畑土壌の全土壌プロテアーゼの酵素特性とも一致することから,広範囲の土壌でs. mercescens等のグラム陰性菌が全土壌プロテアーゼの主要な供給源になっている可能性が示された。
  • 広木 幹也
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 23-30
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    土壌,水圏の汚染物質の一つであるヒ素は,環境中で様々な化学形態を取り,その挙動には生物が深く関与している。ヒ素汚染の土壌微生物相への影響は特に水田で著しく,高濃度の亜ヒ酸に耐性を持つ特異的な真菌類が優占していた。土壌中の亜ヒ酸耐性真菌類の多くはアルシン類を揮散することができ,特に、Aspergillus属に亜ヒ酸からアルシンを生成する菌が多く分離された。ヒ素汚染土壌から分離された亜ヒ酸耐性細菌の中には,亜ヒ酸酸化能を持つ細菌が含まれ,特にAlcaligenes spp.が多く分離された。これらの亜ヒ酸酸化Alcaligenes spp.は,亜ヒ酸をヒ酸に酸化することにより増殖に必要なエネルギーを獲得し,亜ヒ酸添加培地中の方が非添加培地中よりも増殖量は大きく,土壌中でも亜ヒ酸を積極的に酸化した。今後,これら亜ヒ酸代謝微生物の環境浄化への利用が期待される。
  • 浅川 晋, 古賀 洋介, 早野 恒一
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 31-36
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
  • 小野寺 和英, 堀 兼明, 三浦 重典, 荒尾 知人, 金森 哲夫
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 37-44
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    群馬県嬬恋村ではキャベツ根こぶ病の発病程度に著しい圃場間差があることが認められている。そこで,根こぶ病が激発する多腐植質黒ボク土壌圃場と,それに隣接し発病のほとんどない淡色黒ボク土壌圃場の土壌微生物的特性を調査した。両圃場の非根圏土壌の土壌微生物相を希釈平板法で調査したところ,一般微生物としての細菌・放線菌・糸状菌には,いずれも菌密度に差が認められなかったが,蛍光性一P3m40moms属細菌は,土層10cmごとに100cmまで調査したいずれの深さにおいても淡色黒ボク土壌圃場の菌密度の方が高かった。また,根こぶ病防除薬剤PCNB施用前と施用約1ヶ月後の各土壌微生物の密度には蛍光性Am40moms属細菌以外では大きな変動はなく,PCNB剤施用による影響は認められなかった。さらに,両圃場のキャベツ根圏土壌から分離した蛍光性Am40mom∫属細菌27菌株を用い,根こぶ病菌休眠胞子接種(10694乾土)条件下で,発病に対する効果を調べたが,発病抑制効果は認められなかった。
  • 西脇 由恵, 秋野 聖之, 生越 明
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 45-50
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    北海道斜里町のジャガイモそうか病発病圃場からそうか病菌を指示菌としてファージ67株を分離した。ファージはそうか病菌KY9113を使用した際にのみ検出され,それ以外のそうか病菌株(SD742, Sap2)を用いた場合には検出できなかった。分離ファージをそうか病菌4株(KY9113, Sap2, SD742, Ch1)および非病原性菌3株(S. griseus, S. flaveolus)に接種したところ,64株のファージはKY9113にのみ溶菌斑を形成した。3株のファージはS. flaveolusにも溶菌斑を形成したが,KY9113以外のそうか病菌株に溶菌斑を形成するものは認められなかった。そうか病菌株を宿主とした場合,宿主菌へのファージ吸着時の温度(約24℃および37℃)は溶菌斑形成に影響しなかった。ファージφSH-61の粒子は頭部と尾部を持っており,頭部の直径は95±7nm,尾部の長さは130±13nmであった。
  • 高木 滋樹, 北村 章, 丸本 卓哉, 石田 大作, 田中 秀平
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 51-58
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    1)種々の土壌環境下で,拮抗放線菌を含む微生物資材Aの施用が,土壌微生物相に及ぼす影響を調査した。pH5.3, 7.0, 7.8のいずれの土壌条件下においても,資材A施用により放線菌密度は高く維持されること,土壌水分量が極端に低く(20% MWHC)ない限り施用資材A中の拮抗放線菌は土壌に定着し活動すること,40℃の温度条件下で資材Aを施用した土壌において,F. oxysporumの密度は著しく低下するが,放線菌密度は影響を受けないことが確認された。また,資材Aの施用量が多いほど土壌中の放線菌密度が高くなることも明らかになった。2)資材Aの施用法とダイコン萎黄病に対する抑制効果の関係について検討した。資材Aの施用量が多いほど病害抑制効果は高くなった。また,土壌がF. oxysporumの汚染を受ける少なくとも1週間前までに資材Aを施用すると本病に対する高い抑制効果が得られること,あらかじめ土壌消毒を行った場合は土壌に速やかに資材Aを施用するとF. oxysporumの感染を遅延させ本病の防除に効果的であることが明らかとなった。3)資材Aとカニガラはともに連用によりダイコン萎黄病に対する抑制効果が高くなった。カニガラの効果は連用により徐々に高まったが,資材Aは1作目から直ちに高い効果を示し,少なくとも2作目まではカニガラよりも優れていた。4)以上の結果から,資材Aはダイコン萎黄病に対して多様な土壌環境下で抑制効果が期待できること,および施用法の工夫によってより高い効果が得られる可能性のあることが示された。
  • 百町 満朗
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 59-
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
  • 広木 幹也
    原稿種別: 本文
    1996 年 47 巻 p. 60-
    発行日: 1996/03/01
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
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