土と微生物
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75 巻, 2 号
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  • 犬伏 和之, Agnes Tirol Padre, 伊藤 治, 齋藤 雅典, 土屋 健一, 安達 克樹
    2021 年 75 巻 2 号 p. 49-51
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/31
    ジャーナル フリー
  • 沢田 こずえ, 渡邉 哲弘, 舟川 晋也
    2021 年 75 巻 2 号 p. 52-59
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/31
    ジャーナル フリー
    近年,「農業生産の持続性の危機」および「農業起源の環境問題」が急速に顕在化してきた。著者らは,熱帯土壌を対 象に,地域特性に適応的である自然生態系および伝統的農業生態系における物質循環プロセスを規範とし,生産基盤の劣化や環境負荷物質の放出を最小化するような営農管理技術の考案(ミニマム・ロスの農業)を目指している。本稿では,熱帯土壌における粘土鉱物分布を概観したうえで,有機物蓄積メカニズムを紹介した。また,(1)熱帯域の食糧生産をけん引するAndisols 地帯における食糧増産と環境負荷低減を両立させる農地管理法の提案,(2)農業開発の急進が危惧されるサブサハラ・アフリカのOxisols 地帯における硝酸・陽イオン溶脱を抑制しうる対応策の提示,(3)熱帯土壌の特性に応じた効率的な有機物施用法の提案など,「ミニマム・ロスの農業」につながる研究の一端を紹介した。
  • 低炭素社会の実現を目指して
    妹尾 啓史, 増田 曜子, 伊藤 英臣, 白鳥 豊, 大峽 広智, Zhenxing Xu, 山中 遥加, 石田 敬典, 髙野 諒, 佐藤 ...
    2021 年 75 巻 2 号 p. 60-65
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/31
    ジャーナル フリー
    水田土壌においては,土壌細菌による窒素固定反応が窒素肥沃度維持の基盤となっている。近年我々はオミクス解析に より,水田土壌における窒素固定のキープレーヤーがこれまで見落とされてきた鉄還元菌である可能性を示した。そして, これまで水田土壌からの単離例が皆無で生理性状が不明であった鉄還元菌を単離し,多くの新種/ 新属を提唱するとと もに,単離した菌株の窒素固定活性を実証した。また,鉄還元菌は酸化鉄を電子受容体として生育し,窒素固定を行うこ とも明らかにした。さらに,水田土壌に鉄酸化物を添加することにより,対照区よりも有意に高い窒素固定活性が検出さ れ,同時に鉄還元菌由来の窒素固定遺伝子の転写産物の増加を確認した。圃場試験において,鉄施用区では土壌の窒素固定活性が対照区よりも高まり,窒素施肥量を減らしても水稲収量が維持された。本技術は窒素施肥量を低減し,環境への窒素負荷を軽減する水稲生産技術(低窒素農業)への応用が見込まれる。さらに,窒素肥料製造に伴う二酸化炭素排出量削減ならびに水田土壌からのメタン排出削減にもつながり,「低炭素社会」実現への貢献も期待される。
  • 浅川 晋
    2021 年 75 巻 2 号 p. 66-69
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/31
    ジャーナル フリー
    お米は私たち日本人の主食であり,日本ではそのほとんどが水田で生産されている。水田土壌中に生息する微生物の 様々なはたらきがイネの健全な生育を支えている。窒素などの養分元素では,微生物は有機態から無機態への変換者として重要なはたらきを行っている。また,自らの体(微生物バイオマス)の中に窒素,リン,カリウムなどの養分を蓄え,それらを供給する役割を果たしている。水田が湛水されると作土の大部分は無酸素状態となり,発酵や嫌気呼吸といった微生物の代謝作用により土壌が還元的になる。湛水および土壌が還元化されることにより,有機物の蓄積,リンの可給化,土壌pH の中性化,さらに,田面水に生息するラン藻による窒素固定など,イネの生育に多くの利点がもたらされる。水田土壌中の微生物はイネの生育をまさに根元で支えているといえる。
  • 龍田 典子, 居石 優子, 古賀 夕貴, 坂本 唯乃, 三谷 果穂, 阿部 紘乃, 上野 大介, 染谷 孝
    2021 年 75 巻 2 号 p. 70-78
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/31
    ジャーナル フリー
    熊本県阿蘇地域で古くから活用されている野草堆肥や野草牛糞堆肥,およびそれらを施用した土壌など121 点について, 多犯性植物病原菌Fusarium oxysporum に対する拮抗菌の密度を直接選抜培養法を用いて測定した。野草堆肥はチガヤなどを野外で腐熟させたもので,その試料30 点は105 ~ 108(平均4.9 × 106)CFU/g 乾物という比較的高密度の拮抗菌を含有していたが,野草ロール13 点と野草牛糞堆肥17 点ではND~ 107(平均4.5 × 105)CFU/g 乾物と低かった。また,野草堆肥施用土壌43 点では,無施用土壌7 点と比べて拮抗菌密度が数倍~十数倍高かった。得られた拮抗菌408 株のうち400 株(98%)はディスク法でフザリウムに対する抗菌活性が確認され,直接選抜培養法の妥当性が検証された。また大多数(47 株の83%)の株がピシウムやラルストニアにも抗菌活性を示した。16S rRNA 解析により,阿蘇のどの試料からの拮抗菌もほぼ全てBacillus amyloliquefaciens ないしその近縁種と判明した。以上から,野草堆肥が土壌伝染性病害の軽減に貢献している可能性が示された。
  • 2021 年 75 巻 2 号 p. 79-93
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/31
    ジャーナル フリー
  • 2021 年 75 巻 2 号 p. 94
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/31
    ジャーナル フリー
  • 2021 年 75 巻 2 号 p. 95
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/31
    ジャーナル フリー
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