日本セキュリティ・マネジメント学会誌
Online ISSN : 2434-5504
Print ISSN : 1343-6619
34 巻 , 1 号
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巻頭言
研究ノート
  • 渡邉 聖子
    原稿種別: 研究ノート
    2020 年 34 巻 1 号 p. 4-14
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
     近年,仮想空間におけるサイバー攻撃が増加し,国家が対応仕切れていない状況である.そこで,本論文で はサイバー空間の攻撃に対する抑止の仕組みについて分析することを目的とする.その際に,サイバー外交 の要となる能力構築(キャパシティ・ビルディング,以下 CB)に焦点を当て,安全保障研究の今後の進むべき方向性を明らかにする.CB とは,国連が提唱した“Agenda21”を基礎として発展してきた.Agenda21 において,国連は能力構築(キャパシティ・ビルディング)を「発展途上国の対処能力向上を支援する」と定 義付けしている.サイバーに関する能力構築は,①軍事能力構築,②経済能力構築,③統治能力構築(新規範能力構築 この三つの定義が存在する.本稿では,まず初めに先行研究を通して,現時点での国家によるサイバー戦略の対策の現状を概観する.そして,国際関係学の分野で確立した現実主義に基づいた抑止理論に注 目し,抑止理論の重要性を確認する.サイバー空間においても,冷戦期の「懲罰的抑止」理論を用いて原状回 復することが出来るとする研究も存在する.しかし,サイバー攻撃は発信源を即座に特定できない「帰属問 題」が存在し,「懲罰的抑止」の実施は困難である.また「現実主義(リアリズム)」的観点では「拒否的抑 止論」を各国で協力して実施することは不可能であると考えられる.そこで,サイバー抑止論を指標と し,CB を行えばサイバー攻撃が減る負の相関関係を統計的に導き出すことを予備研究と位置づけし,本研究の主たる目的とする.  本稿では、理論の重要性が提唱されている「拒否的抑止論」を踏まえ,サイバー攻撃と能力構築支援の負 の相関関係を示す仮説を提唱する.今後,予算・既存の軍事施設・軍事演習の頻度や軍用機等を指標とし仮 説の検証を行う.各国家が公表している軍事費・の資料や数値を用いて,CB の支援国・ドナー国の協力によるサイバー攻撃逓減の相関関係と因果関係の発見が見込まれる.後の課題として,国家の交渉,発展途上国 の動向,また技術力・経済力・軍事力もあわせて比較分析する必要がある.サイバー抑止論にいて,先進国と 途上国にとっての脅威が実際の CB においてサイバー攻撃を減らすインセンティブになっているのか因果関係を明らかにすることが重要であると指摘し,本研究ノートを結論付ける.
解説
  • 田辺 剛
    原稿種別: 解説
    2020 年 34 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    第3 次AI ブームが始まって既に10 年近くが経過しており、AI(Artificial Intelligence)は、研究目的だ けでなく現実社会での活用検証やシステム化も多く行われるようになっている。実際に様々な人々がかかわ り検証、利用される中で、AI という技術は、当初抱いていた期待と実現可能な現実に異なる部分があること についても、正しく認識されるようになってきている。2016 年にアメリカ国防高等研究計画局(DARPA) で提唱されたXAI(Explainable AI:説明可能なAI)は、AI 活用のためのキーワードとして、現在、AI を 活用したい人々、作り出したい人々に、非常に注目されているが、その概念とロードマップが、現在のビジ ネスシーンでのAI 活用において注目されている理由、及び、XAI により実現されるであろうAI 活用の在り 方について、日本国内のビジネスシーンを事例として解説する。
  • 恵木 正史
    原稿種別: 解説
    2020 年 34 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
     深層学習モデルを代表とした機械学習技術の進展に伴い,その活用範囲が急速に広がり,人命や財産に関わる重要な意思決定に使うニーズが増大している.しかし,深層学習モデルなどの機械学習モデルは高度に複雑な構造物であり,人がその動作の全容を把握するのは困難であるため,実質的なブラックボックスとなっている.そのため,機械学習モデルの予測結果を安心して業務に使えないという問題が生じている.そこで,近年機械学習モデルの予測根拠を説明するXAI(eXplainable AI)技術の研究が急速に進み,多種多様な技術へと発展している.XAI技術は大きく,既存の機械学習モデルを説明する技術であるブラックボックス型と,学習過程や構造が人にとって解釈可能な新型の機械学習モデルであるトランスペアレント型とに大別される.本稿では,研究の進展が著しく,汎用性の高いブラックボックス型にフォーカスする.  ブラックボックス型も説明の種別や,対象とする機械学習モデルの種別に応じて多種多様な技術が提案されている.本稿ではそれらを体系的に整理して俯瞰すると共に,近年のXAI技術を理解する上で欠かせない2つの代表的な技術,すなわち,Shapley値とInfluence Functionについて解説する.さらに,これらのXAI技術を悪用すれば,新たな攻撃のリスクとなりうる点について述べる.
解説(特別企画)
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