日本セキュリティ・マネジメント学会誌
Online ISSN : 2434-5504
Print ISSN : 1343-6619
34 巻 , 2 号
日本セキュリティ・マネジメント学会誌
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
巻頭言
研究ノート
  • 小泉 雄介
    原稿種別: 研究ノート
    2020 年 34 巻 2 号 p. 3-14
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
     AI社会において尊重すべき「価値」のうち、個人データの利活用が「個人に対して」もたらす価値には「自由」「平等」「安全」「利便」の4つがあるが、AI社会ではこれらの価値の間にトレードオフが発生する場合がある。本稿では国内外で導入が進む顔認識技術をケーススタディとして、「自由」と「安全」、または「自由」と「利便」という価値間で発生するトレードオフについて、これらの間のバランスを取るための方策を検討した。顔特徴データの利用を伴う顔認識システムの用途は、①本人同意に基づく利用、②特定の対象者に対する利用、③不特定の対象者に対する利用(公共空間等での自動顔認識)の3つに分類できる。これらの用途のうち、「自由」とその他の価値(安全や利便)とのトレードオフが顕在化するのは、③の用途である。③に対しては様々な懸念・批判の声が上げられているが、本質的な懸念は「顔画像の取得の容易さ」「個人に対する透明性の欠如」「行動の自由の萎縮効果」の3点である。③の用途において、これら「自由」に関わる懸念に対処しつつ、「安全」や「利便」を追求することは容易ではないが、英国ICOの意見書が1つの指針となる。同意見書では、警察による③の用途が許容されるのは「法執行目的で厳密に必要とされる場合」とし、そのためには自動顔認識の「比例性」と代替手段の有無を検討すべきとする。すなわち、警察による利用については、目的(犯罪捜査など)と手段(自動顔認識)との比例性に基づきケースバイケースで検討するべきであり、万が一導入する場合であっても「厳密に必要とされる」場合、例えばテロ警戒レベル上昇時、大規模イベント開催時など期間と場所とを限定した利用にとどめるべきと言える。このような条件を課すことで、「自由」と「安全」の間のトレードオフ関係に一定のバランスを見出すことが可能となる。民間企業による利用についても同様に考えることができる。
解説
  • 中條 武
    原稿種別: 解説
    2020 年 34 巻 2 号 p. 15-21
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    小中学生がスマートフォンやタブレットを持つようになったことやSNSの普及により,小中学生でも簡単にインターネット上で情報を発信できるようになった.それに伴い,小中学生がインターネットの危険から自らの身を守り,インターネットを正しく安全に使う力を身につける必要性が増している.一方で,近年になって必要性が急激に増したこの分野については,学校教育の現職員の知識が不足しており,学校教育のみで子どもに指導することは難しいと考えられる.子ども向け動画制作教室を運営するフルマ社では,教室に通う子どもたちに向けて,独自のネットリテラシー講座を実施している.この講座は,旧来のネットリテラシー教育の内容に加え,SNSが普及した2010年代に入って必要になった知識についても取り扱う.旧来のネットリテラシー教育は主に中高生を対象としてきたが,今日では小学生もインターネットを頻繁に使用するようになった.そのことを踏まえ,フルマ社のネットリテラシー講座では,小学1年生でも理解ができるようにアニメーションやクイズを用いて実施される.教材の開発当初は,アニメーションやクイズを使用していなかったが,難しい内容を小学1年生でもわかるように改善を重ねた結果,それらを導入することとなった.この知識は,SNSが普及した現代を生きる全ての子どもたちに,必要なものである.今後は,教室に通う子どもたち以外の小中学生にもネットリテラシー講座を届けるべく,小学校や中学校での授業の実施に力を入れていく.
解説(特別企画)
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