【目的】術後創感染の頻度が高い大腸がん手術では創傷治癒促進,ならびに創感染リスク低減効果の期待できるペプチド製剤が有用であると考える.本研究では本製剤の周術期投与における安全性・有効性について,ペプチド含有製剤PN-2 を用いて検討した.
【対象および方法】大腸がん患者を術前に,摂取群(10 名),非摂取群(11 名,介入前に1 名参加拒否)に割り付け,介入前,手術直前,介入終了時に身体計測,血液検査,アンケートを実施した.摂取群は製剤12.5 g/ 包を術前喫食開始時から7 日間,術後7 日間,3 包/ 日摂取し,両群を比較,検討した.
【結果】摂取群において,未服用なく完遂でき,両群ともに重篤な有害事象は発生しなかった.また,摂取群において非摂取群と比較して,血中ヒドロキシプロリン値が有意に高い結果が得られた.アルブミン,総たんぱくなどの栄養評価項目においては,非摂取群で有意な低下が観察された.
【結論】PN-2 は大腸がんの周術期において,安全に投与でき,術後合併症の発症率を下げ,栄養状態を改善する可能性が示唆された.
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