外科と代謝・栄養
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50 巻 , 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
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特  集
  • 畑尾 史彦
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「肥満手術が代謝に及ぼす影響」
    2016 年 50 巻 4 号 p. 193-198
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/17
    ジャーナル フリー
     肥満に起因して疾患を合併する状態は肥満症といわれるが,BMIが35 kg/m2を超える高度肥満症は内科的治療だけでは長期的な減量の維持が困難であるため,海外では腹腔鏡を用いた肥満外科手術Bariatric surgeryが急速に普及しつつある.特に2型糖尿病に対する治療効果は顕著であり,体重減少とは独立した機序により効果が得られると考えられるようになり,代謝改善手術Metabolic surgeryという概念が提唱されている.そのためBMIが35 kg/m2未満の肥満症に対しても手術治療が期待されている.手術が体重減少以外にどのような機序によって代謝改善効果をもたらすのか,さまざまな仮説が提唱されているが現時点では明らかでなく今後の重要な研究課題である.日本では2014年から腹腔鏡下スリーブ状胃切除に限定して保険収載された.現時点では厳しい適応基準や施設基準があって十分に普及したとはいえない.実践できる施設の増加ならびに外科医の育成,そのための体制の構築が求められる.
  • 山本 寛, Vo Nguyen Trung, 貝田 佐知子, 山口 剛, 村田 聡, 谷 眞至
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「肥満手術が代謝に及ぼす影響」
    2016 年 50 巻 4 号 p. 199-204
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/17
    ジャーナル フリー
     高度肥満症に対する減量手術は,2型糖尿病(T2DM)をはじめとするメタボリックシンドロームを改善する効果があり,肥満T2DMのみならず,非肥満糖尿病患者に対してもT2DMを手術で治す,いわゆるメタボリックサージェリーが注目されている.しかし,手術によりT2DMが改善するメカニズムは明らかにされていない.基礎的・臨床的検討から,手術により過剰分泌するインクレチンをはじめとする消化管ホルモンがT2DM改善のキープレーヤーであることが考えられている.特に,消化管の部位により分泌される消化管ホルモンが異なることが重要であると考えられる.
    【方法】今回われわれは,ラットの胃・十二指腸・空腸・回腸の異なる4カ所の消化管に栄養チューブを留置したモデルを作成した(各n=10).チューブ留置1週間後に,意識下ラットに栄養チューブより50%ブドウ糖をゆっくりと注入し,ブドウ糖負荷後0,10,30,60,120,180分に大腿静脈カテーテルから採血し,血糖・インスリン・GLP-1を測定した.インスリン感受性はMatsuda indexを用いて評価した.
    【成績】回腸からのブドウ糖注入では,他の部位に比較し,ブドウ糖負荷後の血糖は低値を示した.ブドウ糖負荷後の血中インスリン・GLP-1は,胃・回腸からの注入に比べ十二指腸・空腸からの注入で高値を示した.インスリン感受性は,十二指腸・空腸からの注入に比べ回腸からの注入で高値を示した.
    【結論】ブドウ糖負荷後の血糖・インスリン・GLP-1値は,ブドウ糖を注入する消化管の部位により異なった反応を示した.十二指腸・空腸をバイパスし,回腸に直接ブドウ糖を負荷することにより,インスリン感受性が高まり血糖上昇は抑えられた.
  • 春田 英律, 関 洋介, 笠間 和典
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「肥満手術が代謝に及ぼす影響」
    2016 年 50 巻 4 号 p. 205-212
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/17
    ジャーナル フリー
     日本でも食生活やライフスタイルの欧米化に伴い,肥満人口は増加傾向にある.
     BMI 35 kg/m2以上の高度肥満で,糖尿病,脂質異常症,高血圧症などの肥満関連疾患を有する肥満症患者を対象に,2014年4月に腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(以下,LSG)が保険適応となった.LSGは高度肥満症患者の治療として,有効かつ長期的な効果の維持を期待できる治療法ではあるが,BMI 50 kg/m2以上の超重症肥満症患者や,インスリン分泌障害のある2型糖尿病患者に対する効果は限定的である.LSGに小腸バイパスを付加した腹腔鏡下スリーブバイパス術(以下,LSG/DJB)は,超重症肥満症患者や糖尿病の寛解を目的としたメタボリックサージェリーとして有効な治療法である.本稿では,LSGとLSG/DJBの違いを整理し,バイパスを付加することの意義について考察する.
  • 佐々木 章, 大塚 幸喜, 新田 浩幸, 肥田 圭介, 水野 大
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「肥満手術が代謝に及ぼす影響」
    2016 年 50 巻 4 号 p. 213-216
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/17
    ジャーナル フリー
  • 内藤 剛, 田中 直樹, 宮地 智洋, 井本 博文, 土屋 堯裕, 河野 えみ子, 長尾 宗紀, 武者 宏昭, 中川 圭, 森川 孝則, 元 ...
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「肥満手術が代謝に及ぼす影響」
    2016 年 50 巻 4 号 p. 217-222
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/17
    ジャーナル フリー
     糖尿病患者は世界的に増加しておりわが国でも2000万人以上の国民が糖尿病もしくはその可能性があるとされている.糖尿病治療の主体は食事・運動療法や薬物療法であったが肥満症に対する減量手術が糖尿病改善効果を示すことが分かってきた.減量手術は「摂食制限手術」と「摂食制限+吸収抑制手術」に大別される.糖尿病に対する効果は吸収抑制手術において高いとされているが現在わが国ではスリーブ状胃切除術(LSG)のみが保険適応である.われわれは糖尿病合併肥満症例に対しLSGにバイパス術を付加するスリーブバイパス術(LSG/DJB)を導入している.いずれの術式においても糖尿病の改善を認め,ほとんどの症例で薬物療法から離脱している.しかしLSGのみでは効果が不十分な症例もあり,その効果はLSG/DJBでより高いことが示唆された.今後さらなる症例集積と検討を行いスリーブバイパス術の効果を検証していく予定である.
  • 太田 正之, 遠藤 裕一, 川崎 貴秀, 渡邉 公紀, 高山 洋臣, 嵯峨 邦裕, 猪股 雅史
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「肥満手術が代謝に及ぼす影響」
    2016 年 50 巻 4 号 p. 223-228
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/17
    ジャーナル フリー
総  説
  • 諸冨 伸夫, 小澤 哲也
    原稿種別: 総  説
    2016 年 50 巻 4 号 p. 229-236
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/17
    ジャーナル フリー
     心臓血管外科領域における術前の栄養障害は術後合併症の発生率を増加させる.また栄養障害かつ低体力の患者は,術後リハビリテーション(リハ)の進行が遅れやすい.そのため,医療者は栄養状態の管理も含めた積極的な関わりを術前から持つことが重要である.これまでに治療的栄養介入としてはいくつかの報告があるが,臨床効果は限局的で今後の研究に期待されている.
     心臓血管外科領域における術前リハの効果として,回復期リハの参加者数の増加などが報告されている.しかし報告は冠動脈バイパス術に関するものが多く,今後のさらなる研究に期待されている.また近年では術後リハはより早期に取り組まれる傾向にあるが,安易な離床は合併症の増加につながるおそれがある.早期離床を行う際には目的を明白にして介入方法を十分検討することが重要である.さらに合併症の発生リスクが高い場合には,理学療法士は医師と協働して安全を担保した状態でリハを実施することが望ましい.
用  語
記  録
巻  末
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